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(略)・・・ところで、ガイトナーも熱心に欧州に来て、いろいろ活動していますね。
以前は、欧州版TALFを提案していました。
しかし、なぜに、こんなに熱心なのか?
彼は、米国の財務長官であって、米国のために働いています。
つまり、欧州に来て、欧州の銀行のために、策を考えているのではなく、米国の銀行のを救済するために、欧州で勝手に、とんでもないこと(米国の銀行に不利になること)が決まらないように監視しているのでしょう。
「欧州がヤバイ」となると、どの銀行のCDSが上昇するか、皆さんは知っていると思います。モルガン・スタンレーであり、ゴールドマンであり、シティなのです。
(バンカメは、もともと、住宅問題を抱えて高いのです。つまり、別な理由。)
もちろん、イタリアの銀行は高いですけど、それと競うように、米銀のCDSも高くなります。
これは、欧州のエクスポージャーを持っていることを市場が知っているからです。
えっ、これらの会社は、欧州のソブリン債は、数千億しか保有していないって?
いえいえ、問題は、ソブリン債じゃないのです。
ソブリン債だけでしたら、1兆円持っていても、そんなに問題ではありません。
20%損しても、2000億円=UBSに隠し損とほぼ同じです。
なんとでもなります。
問題は、リーマンのときと同じなのだと思います。
答えは簡単、皆さんがすでにご存知の通り、CDSなのです。
BNPパリバという資産残高世界一(200兆円以上)のフランスの銀行があります。
ここだけで、3兆円近いイタリア国債を保有し、さらに、イタリアの銀行を子会社にしていました。
資産に占めるイタリアの比率が高いので、イタリアをヘッジしようとすれば、イタリアのCDSを買えばいいのです。
では、そのCDSを誰が売ったのでしょうか。
それが米銀なのです。
もう少し具体的に言えば、例えば、欧州銀は、資産をヘッジする契約(保険)を米銀と結んだわけです。
資産200兆円のうち、リスクの高い資産50兆円分をヘッジしたのです(もちろん、年間3%前後の保険料を支払います。これは低金利時代には、魅力的に見えますよね)。
いざとなれば欧州銀は、50兆円分に関しては、ヘッジ済みですから、何かが起きても、ほとんど、資産は保証されるはずです(マイナスは保険料くらいです)。
一方、米銀は、いざとなれば、50兆円分の資産を保証しているので、毀損分を支払わなければいけません。
しかし、そんな兆単位の資金なんて、どこにもありません(つまり、破産へと)。
米銀が保険を払えないとなると、保険金が入ってこない欧州銀もそりゃ、困りますよね。で、どっちがより困るのか。
そうなのです、米銀の方が困るのです
だから、欧州で問題が起きれば、大西洋を越えて、MSやGSのCDSが現場の欧州銀より高くなるのです。
まさに、リーマンの時と同じです。
厳しく言えば、何の反省もないのです。
ちょっと、賢くなったのは、リーマンの時は、CDSの対象が民間の企業であったのですが、今回は、国というか政府であるケースが多いのです。
イタリアが破産?なんてことを考えてはいなかったのでしょうね。
しかし、あまかったのです。
こういうわけで、話が複雑になってしまいますし、ガイトナーが、欧州まで、何回も足を運ぶのです。
日本の銀行が不良債権まみれになった時、処理した不良債権は100兆円と言われています。とんでもない金額ですが、100兆円で終わりで、これ以上でもなく、これ以下でもありません。
欧米の金融危機で厄介なのは、不良債権は200兆か300兆円か知りませんが、加えて、CDSなどのデリバティブ(CDOというもっと危険な商品があることもご存知ですよね)がありますから、その金額は、数倍になると推測できます。
というか、だれも、実態は把握されていないような気がしますね。
私の推測ですが、バフェットさんが、なぜ、バンカメを買ったのか(MS、GS、シティじゃなく)。理由は、ここにあるのだろうと思います(JPMは割安じゃないから買わない、WFCはすでに保有)。
欧州危機は、結局のところ金融危機なのです。だから、流動性供給が効果的だったのです
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