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株式日記と経済展望
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不祥事を「天災」と捉え、運の悪さを「仕方ない」と諦め、個人が組織に
「盲従」する。そこに日本資本主義の「根っ子」の問題が潜んでいるように思う。
2011年12月9日 金曜日
◆オリンパス事件で世界が見たのは日本人の尊厳のない生き方だ 12月7日 安藤茂彌
http://diamond.jp/articles/-/15229
「日本は欧米とは違う」と開き直ることは出来るのだろうか?投資資金が自由に国境をまたいで移動するグローバル時代にこれは難しい。オリンパスは内視鏡の世界シェア7割を維持し、国際競争力をもつ数少ない日本企業である。それが機能不全の取締役会で運営されていたことが白日の下に曝された途端、株価はあっという間に1/7になってしまった。
アメリカでは今、損失を蒙った投資家が集まり集団訴訟を起こしている。損失補填をしなければならなくなるとオリンパスは存立できなくなるかもしれない。
日本社会では社内に留まらずに、社外においても隠蔽体質があるように思う。オリンパスの会計監査を担当している監査法人はオリンパスのような優良企業を顧客として失いたくなかったから加担したのではないだろうか。何事も日本企業だけで内輪に済ます行動はグローバル時代には許されない。日本全体が隠蔽国家と見なされかねないからだ。
こうした不祥事をコーポレート・ガバナンスの不在と捉える向きが多い。だが、それだけだろうか?サラリーマン個人としての独立心と尊厳がまったく見えてこない。不祥事を「天災」と捉え、運の悪さを「仕方ない」と諦め、個人が組織に「盲従」する。そこに日本資本主義の「根っ子」の問題が潜んでいるように思う。
資本主義は精神的に独立した個人が主体となって行動することによって成立する。オリンパスの役員に問いたい。そんなにまでして出世したかったのですか。あなたの責任感と尊厳をかなぐり捨ててでも偉くなりたかったのですか。あなたの矜持は何処に逝ったのですか。そんなに仲間内から外れることが怖かったのですか。
10年ほど前に、日産自動車のカルロス・ゴーン社長がスタンフォード大学のビジネス・スクールで講演したことがあった。倒産寸前にあった日産自動車を再建した秘訣は何かと問われて、「社長に就任当初多くの日本人社員が、「日本ではこういうやり方は通用しません」と言って反対した。私は彼らの反対に反対することをすべてやった。そうしたら会社が自然に浮上した」。会場から大きな笑いと歓声が飛んだ。
シリコンバレーに来て日が浅かった筆者は、これを冷ややかに受け止めた。80年代にはアメリカは日本に負けて、日本的経営方式を必死に学んだではないか。日本的経営方式はまだ有効だと信じていたからだ。それから10年経った今、ゴーン社長の発言を理解できる。
かつての成功モデルだった日本的経営が、いまガラガラと音を立てて崩れている。日本人だけを前提とした「終身雇用」、海外の優秀な人材を登用できない「年功序列」、透明性に欠ける「社内権限構造」。そのいずれもがグローバル時代に通用しなくなっている。
だが、もっとも通用しなくなっているのは「日本人個人」だ。どんなに能力が高くても、社内文化を批判なく受け入れていけば「社畜」にされる。社内文化を批判しても、飛び出す勇気がなければ、「市場価値」はなくなる。年齢が上がるにつれ人生の隘路に入り込み「社内価値」以外に全く目を向けなくなる。こうした人材が毎年大量に輩出されている。
日本人が個人として独立して生きる気概がなければ、第二のオリンパス事件はまた起きる。いま問われているのはガバナンスだけではない。日本人の「生き方そのもの」が問われている。
(私のコメント)
一昨日の7日の株式日記でも、家電メーカーの幹部役員の無能さを書きましたが、オリンパス事件を見ても、不正を内輪で済ませる「なあなあ体質」は日本中の企業が持っているのではないだろうか? 私自身も銀行員時代に銀行に飼いならされてしまった銀行員をたくさん見ている。私はそれが嫌になって銀行を30代半ばで辞めましたが、「会社で何度もこんなばかげたことやっていていいのか」という批判をしても、上司たちは「仕方がない」の一言で済ませてしまう。
バブル崩壊で銀行はバタバタと潰れたり整理統合されましたが、今から考えても私の批判は真っ当なものだった。建設不動産業界に貸していれば銀行は有利な条件で貸し出して儲けることができた。私は「地元の取引先を大切にすべきだ」と言っても、利益優先の上司たちは私に言っている意味を理解しなかった。
日本企業内部では、いくら「これは間違っている」と言っても上司たちは聞く耳を持たずに逆に脅迫してくる。私の性格は「株式日記」を毎日読んでいただいている人には分かるように「正論をズバズバ言う」性格なので、上司には煙たがられる。しまいにはあいつは生意気だから鬼店長のいる支店に回されてしまいましたが、私はへまをやるタイプではないのでカミナリは落ちなかったが、周りの職員たちはビクビクしながら仕事をしてやりきれなかった。
結局は私も支店の雰囲気の悪さに体調を壊して退職を決意しましたが、銀行と言う職場は、精神がおかしくなったり自殺したりする職員が出るほどの環境で、高給でも割に合わないと思った。本店営業部にも勤務したことがありますが、銀行の役員たちは全く別世界の雲上人であり、トップはまさに企業の天皇陛下であり、企業役員が不正を告発することなど考えられないような環境だった。やるとすれば退職を覚悟しなければ出来ない。
一流企業は高給で恵まれていますが、それだけ職場環境も厳しくストレスも多くて大変です。父も叔父も一流企業のサラリーマンでしたが、定年退職後2,3年で死んでしまった。それだけストレスで体を痛めていたからですが、私が脱サラして独立起業したのも一流企業のサラリーマンは決して気楽な稼業ではないからだ。
そのような一流企業で経営幹部にまで出世するには、相当な努力が必要であり会社への忠誠心もなければなりません。オリンパスのイギリス人社長も会社への忠誠心を持っていると認められたからなったのでしょうが、会計処理の不正は犯罪行為であり、ホリエモンはそれで刑務所に入れられている。それが20年もばれなかったのは、日本企業の「なあなあ体質」のせいだろう。
日本社会は村社会であり、会社内でも村八分にされることは一番恐れなければならないことであり、たとえ会社が間違ったことをしようとしても誰もそれを止める人がいない。日本全体も村社会であり、日本が間違った方向であっても誰もそれを指摘しようとはしない。言おうとすれば警察や検察が動いて社会的地位を奪ってしまう。
オリンパスの事件は一社だけの事件ではなく、多くの日本企業が「飛ばし」をしているのだろう。20年経っても企業は不良債権の処理が済んでいないと思われます。欧米でも政府自ら「飛ばし行為」を認めて、FRBが金融機関の不良債権化した不動産担保証券を買ってる。だから欧米でもこれから何年かすればオリンパス事件が起きるだろう。
根本的には企業が財テクに走って巨額な損失を出したことにありますが、バブル崩壊前は財テクをしなければ無能企業と見られるような風潮だった。だから銀行から金を借りて株や不動産投資に走った。財テクは良くないと言えば村八分にされかねない状況だったから企業は財テクに走った。銀行も株や不動産投資に金を貸し出してバブルを膨らませた。リーマンショック前は世界中がそのような状況だったのであり、日本だけの話ではないだろう。
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