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日経新聞の記事によれば、「利ざや」を付加価値に算入することで、GDPが7兆から8兆円増加するという。
それは、統計方法の変更により、率にして約1.6%もの経済成長が自動的に生じることを意味する。
これは、日本政府の“詐欺”ではなく、金融仲介サービスを付加価値としてGDPに計上するよう求めている国連の1993年勧告(93SNA)に従った措置である。米国・カナダ・オーストラリア・EUではすでにこの考え方が導入されている。
日本ではこれまで、「利ざや」は、利払い側が生産した付加価値の一部を受け取るものというまっとうな考え方から、配当も含めて帰属利子として処理し付加価値としては扱ってこなかった。
帰属利子は、金融部門の生産額に計上すると同時に、同額を中間投入に加算することで付加価値をゼロにする考え方を採用している。
(日経記事は、意図的かどうかわからないが、「これまではお金を借りた企業の経費などと捉え、GDPに含めなかった」と奇妙な説明をしている)
今回の変更で、「利ざや」に関わる付加価値は、支払い側と受け取り側の“二重計上”になる。そのため、「銀行に預金した人の個人消費など支出も同じだけ増えたとみなす」という奇妙なつじつま合わせが行われることになるそうだ。
「利ざや」を付加価値が生まれる経済活動とみなすことで、金融家(金融資本)が、“優遇”され、大手を振ってうごめく条件がさらに強化されることになるだろう。
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GDP10兆円押し上げ? 推計方法見直し 銀行利ざや加算など 7〜9月改定値から
内閣府は9日発表の2011年7〜9月期の国内総生産(GDP)改定値から、GDPの推計方法を見直す。金融機関の利ざやを付加価値に加えるのが柱。見直しで名目GDPが5兆〜10兆円かさ上げされるとの見方が多い。民間予測平均では7〜9月期の実質GDP改定値は前期比年率で5.3%増。速報値の6.0%増からの下方修正を見込むが、推計見直しの影響で結果は予測とずれる可能性がある。
GDP推計の見直しは、国勢調査や産業連関表など基礎データを2000年分から05年分に切り替える基準改定に伴って実施する。
新たな推計方法では、銀行などの利ざやを「金融仲介サービス」として付加価値に数え、GDPに加算する。これまではお金を借りた企業の経費などと捉え、GDPに含めなかった。
付加価値が増えた分は、銀行に預金した人の個人消費など支出も同じだけ増えたとみなす。内閣府によると、09年度時点の利ざやは名目GDPベースで約7.7兆円。
またソフトウエア投資で、企業が自社用に開発したソフトも設備投資に含める。従来の推計は、外注したソフトだけを計上していた。これもGDPを1兆〜2兆円押し上げるとみられる。
在庫推計の見直しもあり、全体では「5兆円を上回るかさ上げになる」(ニッセイ基礎研究所の斎藤太郎主任研究員)との見方が多い。11年4〜6月期までのGDPも同じ方法で推計し直すが、10年のGDPが中国を上回る可能性はない。
[日経新聞12月8日朝刊P.5]
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