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http://japanese.ruvr.ru/2011/12/01/61308104.html
米紙「ニューヨーク・タイムズ」で発表された意外な提案が大きな議論を呼んでいる。これは米国が台湾への支持を取りやめることによって、中国が米国に対して有している1兆ドルに上る債権を放棄するというものだ。これによってオバマ大統領の再選が確実になるだろうとされている。
このような意外なアイディアを考え付いたのは、イラク戦争に参戦したポール・ケイン氏だ。ケイン氏はかつてハーバード大学で学術研究員として勤務した経験があり、国際安全保障問題に取り組んでいた。ケイン氏は、冷戦型の思考を止め、経済的繁栄のほうが軍事的業績よりもはるかに重要であるという単純な事実に目を向けるよう呼びかけている。
ケイン氏はこのような考えから、米国が台湾を軍事的に支援するのをやめることは、米国の国益に反するものではない、と論じている。台湾問題の解決は大きな象徴的な意味を持つものであり、しかも台湾経済は中国経済に確実に統合される途上にあり、大陸との結合は不可避のものだ。そしてもし台湾が最終的に中国に統合されるのであれば、台湾は米国にとって戦略的意味を持つものではなくなる。
また中国にとっても、台湾問題が解決されることによって、多額の軍事予算の負担から解放されることになる。台湾関連で中国は毎年300億ドルから500億ドルの軍事予算を割り当てている。
モスクワ国立大学アジアアフリカ諸国大学のアンドレイ・カルネエフ副総長は、VOR「ロシアの声」とのインタビューのなかで、このようなアイディアがそれほど現実離れしたものではないことを指摘し、次のように述べている。
―これはオバマ政権が台湾に対して感じている増大する不満を反映しているものといえます。米国が中国から譲歩を引き出すために、台湾を犠牲にするといったようなシナリオの現実性が議論されているのも偶然ではありません。このような傾向があるというのは多くの人が感じていることです。これは米国が中国経済に大きく依存していることが背景にあります。
また他の専門家らは、米国がアジア太平洋地域において軍事プレゼンスを拡大するなかでも、台湾へのコミットメントが少なくなっていくことがあり得ると指摘している。しかも米国はすでに台湾に対するF-16戦闘機の売却を拒否している。
おそらく我々はまったく新しい世界を迎えようとしているようだ。米軍の軍事力も中国にとっての抑止力とはならず、逆に米国経済の中国への依存が、米国をして新たな行動に駆り立てている。
ケイン氏は、「ニューヨーク・タイムズ」紙の論説のなかで、元統合参謀本部議長を務めたマイケル・マレン氏の言葉を引用し、「米国にとっての最も大きな安全保障上の脅威は、米国の債務である。」ことを指摘している。
その意味で、台湾を犠牲にするというアイディアはそれほど奇抜なものではないのかもしれない。
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