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欧州危機下NY株価急落背後にある巨大リスク (植草一秀の『知られざる真実』)
http://www.asyura2.com/11/hasan74/msg/273.html
投稿者 祈り 日時 2011 年 11 月 24 日 08:11:33: HSKePa2Cm.aPs
 

http://uekusak.cocolog-nifty.com/blog/2011/11/post-abf9.html
2011年11月24日 (木)
欧州危機下NY株価急落背後にある巨大リスク


 スリーネーションズリサーチ社で発行している『金利・為替・株価特報』では、現在の金融市場推移が2008年8月から2009年3月にかけての状況と類似しているとの見方を提示し続けている。
  
 NYダウの推移でみると、NYダウは2008年9月15日のリーマンブラザーズ破綻を契機に急落を演じた。世界最大の保険会社であるAIGの実質破たん、米政府住宅公社の政府管理下への移行などがその背景である。
 
 その後も金融市場の混乱は続き、2009年に入ってNYダウは3月9日に6547ドルにまで急落した。


 しかし、その直後、2009年3月26日発行に発行した『金利・為替・株価特報』087号には、
 
第3節「米国株式市場に変化の兆候」
 
と題して、米国株価底入れの可能性を指摘した。現実に、2009年3月を境に米国株価は反発に転じた。
 
『金利・為替・株価特報』087号第3節の内容を以下に転載する。
 
「米国株式市場に変化が観察されている。NYダウは3月9日に6547ドルまで下落した。1997年4月以来、約12年ぶりの安値を記録した。2007年10月9日の14,164ドルから7617ドル、53.8%下落を記録している。
 
(中略)
 
 ところが、こうした情勢のなかで、微妙な変化が見られ始めている。米国住宅建設市場に底入れの兆しが示され始めた。また、下落し続けてきた住宅価格に下げ渋りの兆候が見られ始めた。
 
(中略)
 
 政策対応としては三つの重要施策を指摘できる。
 
 @第一は、オバマ政権が総額7800億ドルの財政政策を決定したことである。議会では共和党の一部が反対に回ったため、オバマ政権は反対派の意向を取り入れて規模を縮小して早期の景気対策決定を実現した。柔軟で迅速な対応が示された意味は大きい。
 
 A第二は、FRBが3月18日のFOMC(連邦公開市場委員会)で、長期国債を向こう半年で最大3000億ドル購入することを決定したことだ。FRBによる金融市場への長期資金供給姿勢が金融市場の安心感を生みだした。
 
 B第三は、米国財務省が3月23日に、政府と民間投資家が共同で金融機関の不良債権を買い取る枠組みを発表したことだ。民間投資家の出資に応じて、政府は最大1000億ドルの公的資金を拠出する。新たな枠組みで最大1兆ドルの不良債権を買い取ることが可能になる。
 
 財政政策、金融政策、不良債権対策を三位一体の政策として提示した。
 
 サブプライム危機に伴う損失金額が最終的にどの規模にまで拡大するのかは不明である。しかし、米国政府が迅速に追加政策対応を示したことで、金融危機が際限なく悪化するとの懸念が後退し始めたことは重要である。」

 2009年に入り、オバマ政権が発足した。オバマ政権は政権発足と同時に7800億ドルの景気対策を決定、発動した。これと、FRBによる金融緩和政策、金融機関への資本増強政策の「三位一体の政策対応」が示され、米国は危機を回避していった。
 
 日本の事例をみても、金融危機、景気崩落、株価暴落への対応策は、これ以外にない。危機に直面して財政緊縮政策と採用するなどは、自殺行為に等しい。
 
『金利・為替・株価特報』2011年11月11日号=144号には、
 
第2節欧州債務危機収束まで金融波乱要警戒が続く
 
と題して、以下のように記述した。
 
「(前略)
 
 しかし、世界の金融市場は欧州の危機を中心に動いており、欧州の危機が収束するまでは、日本の浮上を期待することは難しい。
 
 NYダウは前頁チャートに示されているように、株価反発の入り口に差し掛かっているようにも見えるが、2008年10月から12月にかけての局面と類似した環境にあることを忘れてはならないと思われる。
 
 チャート左側に丸で囲んだ箇所があるが、これが、2008年10−12月にかけてのもみ合い局面である。リーマンショックのあと、さまざまな資本増強策などが表面化したが、事態は2009年3月にかけて、もう一段の悪化を見たのである。危機の二次波及効果が表面化して悪材料が出尽くしとなった。
 
 この意味で、今回も2012年1−3月期までは、十分に警戒感を保持しておくことが求められるように思われる。」
 
 2008年から2009年にかけてのNYダウの推移を見ると、2008年9月のリーマンブラザーズ破綻後にNYダウが急落したのち、NYダウは9000ドル近辺でのもみ合いを2008年年末まで持続した。
 
 ところが、2009年年初から株価は再び下落傾向を強め、3月9日には6547ドルにまで急落した。
 
 金融危機の特徴は、何らかの要因で破綻をきたす債務者、あるいは金融機関が発生し、これが最初の波乱をもたらすが、そののちに、破たんした債務者に対する債権の保有者に毒が回り、二次災害が引き起こされる。
 
 欧州債務危機はまず、ギリシャやイタリアなどの債務者自身の問題が表面化して危機が生まれるが、やがて、この毒は必ず債権者の側に回ってゆく。これに伴い、二次災害が広がるのである。
 
 ここに今後の動向を読み取る鍵が存在する。NYダウは11月23日も前日比236ドル下落して11,257ドルに達した。10月28日の12,231ドルから1ヵ月足らずの間に、約1000ドルの下落を示している。


・・・・・

 

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コメント
 
01. 2011年11月24日 13:31:20: rWmc8odQao
「2012年1−3月期までは、十分に警戒感を保持して」

では、しばらくは警戒しておきましょう。

植草氏、がんばってください。応援しております。


2. 2015年11月08日 21:19:56 : fCf2aw2LSg
この頃の投稿見直すと如何に阿修羅掲示板が役に立たない者を引き合いに出してるかわかるな。

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