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株式日記と経済展望
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http://blog.goo.ne.jp/2005tora/
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ギリシャ、イタリア、スペイン、と次々と国債の危機が発生している。
EU帝国化が始まってきた。正に「ドイツの欧州統一三度目の正直」である。
2011年11月19日 土曜日
◆ゲルマンのヨーロッパ無血統一 1月17日 増田俊男
http://www.chokugen.com/opinion/backnumber/h23/jiji111117_686.html
国家に責任を持つ国会議員の皆様も投資に励む方々も今回の本誌に注目していただきたい。
今、世界最大の問題が欧州財政危機であることは衆目の認めること。そこで先ずEU(ヨーロッパ連合)が生まれた背景を知っておく必要がある。
第一次大戦、第二次大戦を経験しヨーロッパ諸国は疲弊し、かつての世界の政治、経済への影響力が地に落ちた。戦後、世界を主導したのはアメリカであり世界市場はドルを基軸とした体制になった。ドルの支配力を全世界に徹底させるためアメリカは世界にグローバル化を推進しドルが国境を越えて世界の隅々まで浸透する戦略を採った。日本と同様国民の社会的精神と才能に恵まれたドイツは第一次大戦と第二次大戦でヨーロッパの統一を試みたが甚大な犠牲を被っただけで実現出来なかった。
ドイツはヨーロッパ市場がアメリカのドルの支配下になり、さらにグローバル化の大波が押し寄せてくる中で危機感を募らせた。そこで「犠牲無きヨーロッパ統合」、ヨーロッパ連合(EU)の構想が生まれたのである。今日のEUはヨーロッパ統一というドイツの強いManifest Destiny(国家、民族の悲願)の意志が隠されていることを知らねばならない。
「統合=連盟=連合」と「統一」の違いは、連合・統合は加盟国の自由を尊重した「集まり」であり統一は加盟国に対して強制力を持った「帝国」である。
1999年EU発足に伴う2000年からのユーロ域内共通通貨でドイツ以外の諸国は通貨インフレとなり対ドイツ貿易赤字と対外債務が膨張した。
ヨーロッパの通貨インフレ・バブルは当然のこととして崩壊し今やドイツ以外の域内諸国は財政危機に瀕するに至った。
昨日(16日)EUは域内諸国の財政政策に強制力を持つことを決議し、何処の国もEUを頼るためには反対は出来なかった。EU連合のEU帝国化が始まってきた。正に「ドイツの欧州統一三度目の正直」である。
これでEUとは何かが理解できたと思う。
次に欧州財政危機とは何かの認識を持っていただきたい。
EU加盟27カ国の内17カ国が共通通貨であるユーロを自国通貨としている。
EU加盟のための経済条件が財政赤字のGDP比3%以下とされていたことはご存知の通り。ギリシャはもとよりかつてソ連の衛星国がこぞってEU加盟を希望し、オリンパスではないが「不実記載」までして帳簿上の赤字を減らし瞬く間に加盟国が増えた。域内の通貨の信用度が低い後進国や途上国に限り進んでユーロ採用を決めたのである。そしてその結果が今日の財政危機である。
このように欧州財政危機は構造問題であって金融問題ではない。
では何故ドイツは欧州財政危機を救うべく経済成長を目的とした構造改革を進めず、「戦後最大の危機」などと危機を煽るのであろうか。
ローマ帝国崩壊以来一度も、誰も統一出来なかったヨーロッパを統一するにはヨーロッパ諸国を否が応でもEU連合ではなくEU帝国に統合する必要があるからだ。
ドイツがEU統合に邪魔になる国を排除しながらどのようにヨーロッパを統一するか、書けば支障をきたすので「勉強会」でお話しします。
(私のコメント)
ヨーロッパの債務危機は、ギリシャからイタリアやスペインに飛び火していますが、100兆円のECBの基金はあっという間に無くなるだろう。ECBと言う最後の買い手がなくなれば金利が急騰して国債は暴落するだろう。国債の発行残高が膨大だから利払いも7%を超えると危機的な状況になる。
日本やアメリカはゼロ金利だから国債の金利負担も大きくはありませんが、たとえ金利が上がっても日本は円建ての国債だから1万円札を刷りまくれば利払いや償還は出来ます。終戦直後は国債は暴落して金利が急騰しましたが、日本は円を刷りまくってとにかく償還した。その為に狂乱インフレになりましたが、円が急落して1ドル360円になって、戦後の輸出で高度成長が出来た。
だから自国通貨である限りは国債も返せなくなることは理論上ありえない。だから日本はインフレを恐れることなく国債を発行して日銀に買い取らせても、デフレが解消して円が暴落して輸出産業が復活して高度成長が実現するかもしれない。しかしユーロ参加国はそのような事が出来ない。ECBも勝手にユーロを刷りまくることが出来ない。
ECBは基金でイタリア国債を買っていますが、基金が尽きればそれまでだ。フランスあたりはECBが資金提供できる仕組みを提案していますが、そうなるとドイツのような健全な諸国まで狂乱インフレに巻き込まれてしまう。ドイツはワイマール共和国の時に狂乱インフレを経験してドイツ国民は無一文になってしまった経験があるから反対だろう。
終戦直後の日本の円も国債も紙切れ同然になってしまったわけですが、通貨価値を回復するには勤勉に働いて円の信用を回復させなければなりません。日本は世界銀行から金を借りて新幹線などを作りましたが全部返して高度成長で経済大国になった。イタリアやスペインにそれだけの国民の勤勉性や産業を興す能力があるのだろうか?
結局は通貨の価値を裏付けるのは国民の労働力の質と勤勉性だ。円が高くなる一方なのは日本の技術力と国民の勤勉性が評価されているからであり、財務省は1000兆円の借金で大変だと騒いでいますが、政府日銀は世界の資金供給源となっているのだから国債を発行して資金を世界にばら撒かないとマネーが回らなくなってしまう。
ユーロ圏諸国でそれが出来るのはドイツだけであり、ドイツ人の勤勉性と質の高さでユーロを支えなければなりません。しかしドイツはユーロを離脱してマルクに戻るかもしれません。どちらを選ぶかはドイツ人しだいですが、ドイツ人に覚悟があるのならドイツが中心となったEUに再編成されて平和裏に大陸ヨーロッパは政治的にも経済的にも統一されるかもしれません。
イタリア、スペインの次はフランスだろうと言う噂がありますが、この三つの国が破産すれば天下はドイツに転がり込んでくる。ドイツはその時が来るまで動かないだろう。イタリアやスペインやフランスは借金の返済が済むまでドイツの言いなりになり働いて返さなければならないかもしれない。その為にはドイツ人も決意と寛容さを備えていなければなりませんが、出来るだろうか? ドイツ人に寛容さがあればヨーロッパはとっくに統一できていただろう。
◆The Anglo-Americansは事実上世界を支配するための秘密のマスタープランを持ち、それを300年にわたって忠実に実行してきた。2010年4月17日 株式日記
http://blog.goo.ne.jp/2005tora/e/e766f4130aae15f0ed5c515923523249
当時の日本は戦国から徳川の時代ですが、オランダ人たちはアフリカ大陸やユーラシア大陸を回って日本に来るまでのタフな精神力を持っていた。それに対して日本は徳川幕府に統一されると急速に内向きになり鎖国して閉じこもってしまった。現代においても明治から昭和の戦争時代を過ぎて戦乱から回復すると内向きになりつつあるような気がします。
この状況を熊谷氏は「自己陶酔にふける閉鎖社会と成り果てた日本社会の姿は、sea-powerとして活動する小国オランダとは対照的な“国家のかたち”である。」と述べていますが、日本が世界の覇権国となれると書いても、コメント欄には内向きな否定的なコメントで溢れかえるような状況だ。日米安保で軍事までもがアメリカ任せでは優秀な人材も育つはずも無い。
オランダが英国にシーパワーを取られたのはフランスからの軍事的脅威がありイギリスに助けを求めたからだ。自国の防衛を外国に頼るようではやがてはその外国に美味い汁をすすられる様になってしまう。英国もドイツからの脅威にアメリカの助けを借りましたがアメリカに世界の覇権を奪われる結果になった。自国の防衛を外国に頼る事はいかに危険なことであるかは歴史が教えてくれる。
英国やアメリカが長期にわたって覇権を維持できたのは本土の安全が維持できた事が大きな原因だ。大陸国家は絶えず隣国からの脅威に晒されるから安定している時は強大な国家が出来ても内乱などが起きれば急速に弱体化してしまう。日本は島国だから治安も保ちやすく国土の安全も維持しやすい。だから英国やアメリカのような強大な海軍力を持つことが出来る。
ロシアや中国やインドやヨーロッパ大陸国は強大な国が出来ても長期にわたる治安と安全を保つ事は難しい。政治が乱れれば内乱の原因にもなりロシアや中国やインドは絶えずテロ事件が起きている。ソ連のように一度崩壊してしまうと海軍力が元に戻る事は長期の時間がかかり覇権を維持する事は難しい。
中国にしても絶えず内乱の脅威に晒されて経済発展は砂上の楼閣だ。このようにして見れば英国、アメリカが衰退して行けば残るのは日本しかない。欧米の戦略家には英米の一極支配と多極支配体制の二つの見方がありますが、英国は巧みに大陸国家同士を対立させて覇権を維持してきた。このような外交的な戦略のノウハウは英国が持っていたものだ。
バランス・オブ・パワーと言う考え方は英国の発明ではないが、英国の戦略家は歴史に学んでそれを運用してきた。熊谷氏は「英国とオランダの違いは、sea powerとthe balance of powerをキチっと結びつけ、実に巧妙に組み合せその支配力を強化し、統治力を固めていったところにある」と書いていますが、日本はそのような事を考えるエリートがいない。(後略)
(私のコメント)
私は増田俊男氏とは異なり、ドイツ人にヨーロッパ統一の能力はないと見ています。オランダ人並みの開放性があれば別ですがドイツ人はあまりにも差別的であり偏狭な国民性だ。300年にわたりアングロサクソンの天下もアメリカの衰退で終わろうとしている。もはやアメリカは多民族化してアングロサクソンの国でもない。日本人はかつては大東亜建設の意思を持っていたが、アメリカ占領軍によって日本は邪悪な帝国主義国家と洗脳されてしまった。しかし戦前の日本統治が現代のアジアの繁栄の元をを築いたと言えるのではないだろうか。
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