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英国並みの国民負担率で、国民の医・食・住を保障できる 消費税、金融資産税、相続税を試算する  日経BP
http://www.asyura2.com/11/hasan74/msg/225.html
投稿者 ダイナモ 日時 2011 年 11 月 19 日 13:38:00: mY9T/8MdR98ug
 

 前回のコラムで15兆円の追加財源があれば、医療・介護をすべて無料化し、生活保護手当て支給のカバー率を100%にできることを説明した。15兆円あれば「国民の誰もが医・食・住を保障される国」が実現できるということである。

 では、その15兆円という追加財源を捻出することは可能なのか。
 私は十分に可能であると考えている。


イギリス並みの国民負担率で、30兆円の増収

 まずマクロの観点から見てみよう。現在の日本の国民負担率(国民所得に占める税と社会保険の合計額の割合)は約40%である。高福祉高負担の代名詞とも言うべき北欧諸国の国民負担率(65%〜70%)とは比べるまでもないが、仏(約60%)、独(約52%)、英(約50%)と比べても日本はかなり低い水準である。

 高齢化率が日本より低い仏、独、英が50%〜60%であることを考えれば、日本が国民負担率をそれと同等の水準にまで上げるのは非現実的な選択ではない。もしイギリス並みに国民負担率を約50%に上げたならば、約30兆円の増収になる。15兆円を優に賄って15兆円もおつりが来る計算になる。

 では、具体的にはどういう税や社会保険で財源を確保すべきであろうか。
 以下、国民負担率を10%程度アップさせるケースを念頭に、可能性のある追加財源のアイデアを示していこう。


消費税は安定財源だが逆進性が問題

(1)消費税
 まず目につくのが消費税のアップである。先進国における消費税率は15%〜20%が主流である。例えば仏が19.6%、独が19%、英が17.5%となっている。国民負担率が日本より低い唯一の先進国であるアメリカですら8.875%(ニューヨーク州)である。成熟社会を迎えて社会保障政策の財源を確保するためには、景気の波の影響を受けやすい所得税よりも安定した税収を見込める消費税は適当な財源である。もし消費税率を10%アップして15%にすれば、約22兆円の税収増になる。先の15兆円はこれだけで十分賄える。

 ただし消費税のアップは副作用を伴う。それは所得に対する逆進性の問題である。所得税は所得金額が大きくなるにつれて税率を上げる累進課税方式によって、豊かな人からより多く集め、貧しい人の負担を軽くするという工夫を施しやすい。一方消費税は、高額所得者にも低所得者にも同率で課すことになるため、低所得者の負担が相対的に大きくなってしまう性質がある。


資産課税は再配分機能に優れている

(2)資産課税
 では消費税の逆進性を緩和するためにはどのような税が適切かというと、「資産課税」が挙げられよう。多く稼ぐ人は一般に多くの資産を保有している。そこで多くの資産を保有している人に税金を多く負担してもらう資産課税は、所得の再配分機能に優れた、福祉社会と相性の良い税だと言える。

 そしてこれからは資産課税の対象として金融資産も含めることが望ましい。そもそも資産を預金や証券で持っている場合には課税されないのに、そのお金を土地に換えた途端に固定資産税を課せられるというのもおかしな話である。

 実際に金融資産課税を導入する場合、税率については色々考えられる。仮に土地に対する固定資産税と同率の1.4%に設定すると、個人金融資産1400兆円から徴収できる税額は毎年約20兆円にも上る。もし税率を1.0%としても14兆円の税収になり、国民に医・食・住を保障するための追加費用15兆円のほとんどを賄える。


金融資産課税のもう一つのメリット

 金融資産課税を導入するともう一つ大きなメリットを期待することができる。それはため込んでいたお金を使おうとするインセンティブが働くことである。多額のお金をただ資産として保有しているだけで毎年1%ずつ課税されてしまうとなると、消費に回そうという意識が働くはずである。1400兆円もの金融資産のうち仮に3%でも消費に回るとすれば、その金額は42兆円にもなる。極めて大きな経済の刺激効果を期待することができる。

 日本のGDPの6割以上は消費による。もし仮に42兆円も消費が増えたならば、8%以上もGDPを押し上げる効果を持つ。消費低迷による不況日本にとって干天の慈雨とも言える経済効果が期待できるのである。

 ちなみに、今の日本では金融資産の3分の2以上を55才以上の高年齢層が寡占しており、お金持ちイコール高年齢層というイメージが定着している(高齢者イコールお金持ちではない、念のため。生活保護手当て受給者のうち40%以上は高齢者である。高齢者の中には介護費用や生活費の不安を抱えている方が多数存在している事実は忘れてはならない)。成熟化社会を迎えて、社会的弱者の生活の不安を解消するために、お金持ちの負担が増えてしまうのは致し方がないことなのである。


階層の固定化を解消するためにも相続税の強化は有効

(3)相続税
 消費税の逆進性を緩和するために有効な課税対象がもう一つある。相続税率のアップである。

 資産課税といい、相続税といい、お金持ちのお年寄りばかりを狙い撃ちするようでやや気がひけるアイデアではあるが、仕方ない。

 近年日本の社会問題として深刻化している階層格差問題の核心は、所得格差ではなく資産格差が原因である。不平等さを表すジニ係数で見ても、所得のジニ係数が0.314であるのに対して資産のジニ係数は0.547とかなり高い水準である。

 現在も相続税の制度は存在するが、様々な免税措置があるために実際に相続税を支払うのは遺産相続件数のうちたった4%にすぎない。年間の相続金額の総額が約30兆円であるのに対して徴収額はわずか1.5兆円である。現行の相続税の実質的な軽さが社会階層の固定化と機会の不平等化の要因となっていると考えると、相続税の実効税率を上げることは税収増という財政上のメリットだけでなく、社会の公正化の面でも意義は大きいのである。

 仮に毎年の遺産総額30兆円のうち半分を相続税として徴収できる制度にすれば15兆円の税収となる。それだけでも国民全員に医・食・住を保障するためのコストを賄えることになる。遺産総額の25%を集めるだけでも7.5兆円で、必要コストの半分を捻出できる。

 お金持ちの家に生まれたらお金持ちの人生が約束され、貧乏な家に生まれたらなかなかはい上がれないという階層の固定化は、所得格差よりも資産格差が生み出しているのである。従って、消費税の逆進性を解消することに加えて、社会の活力を削いでいる社会階層の固定化を解決するためにも、富裕層に対する資産課税や相続税の強化は非常に重要だと考えられる。


フランス並みの負担率で51兆円の税収増、イギリス並みでも25.5兆円増

 以上、消費税、金融資産課税、相続税の具体策について簡単に説明してきた。ここで、もう一度整理しておこう。

 消費税は、10%アップで22兆円の税収増、5%アップで11兆円の税収増になる。

 金融資産課税は、税率1%で14兆円の税収増、税率0.5%で7兆円の税収増になる。

 相続税は、総相続額に対して実効税率50%で15兆円の税収増、25%で7.5兆円の税収増となる。

 これらの施策のうち増税額の大きなケースでは、消費税22兆円、金融資産課税14兆円、相続税15兆円で合計51兆円の税収増になる。この場合でも国民負担率は54%となってフランスよりもまだ低い。

 増税幅の小さいケースでは総増収額は25.5兆円となる。その場合の国民負担率は47%であり、イギリスの国民負担率と比べてもまだ低い。

成熟社会を迎えるためには財政構造の正常化も必要

 このように、増税幅が大きなケースにしても小さなケースにしても、国際的に見て少しも非常識な水準ではない。むしろ、毎年毎年、税収不足を補うために30兆円も40兆円も国債を発行し続けている財政構造の方が異常である。

 いずれのケースでも、成熟社会を迎えるに当たって整備すべき社会インフラ「国民の誰もが医・食・住を保障される」ために必要なコスト15兆円を賄っておつりが来る金額を確保できる。その余剰分は年々膨張している国債発行額の抑制に当てるべきだ。超高齢化社会が本格的に到来するまでに持続可能な財政構造を整えておくことが何としても必要である。


http://business.nikkeibp.co.jp/article/manage/20111026/223424/

-----------
国民の税負担が大きくなれば支出を減らし、デフレがさらに深刻化すると考える人がいるかもしれないが、ここでの肝心な論点は、その税負担で「国民の誰もが医・食・住を保障される国」が実現するという点だ。今の国民の意識を覆っている「将来不安」が無くなるために、将来に備えて貯蓄に励む必要は無くなり、消費に回るという点だ。
 

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コメント
 
01. 佐助 2011年11月19日 15:32:36: YZ1JBFFO77mpI : FHT6T6dWVU
これは平時の妄想話である,世界恐慌でデフォルトやモラトリアムは避けられない時に,国民に耐乏を押し付けてなにが増税だ,役人はしめしめと食べつくすものだ。日本人と結婚したイギリスのご婦人が役所の窓口で日本の社会保障費は複雑すぎてよく分からないし一目でわかるものがないと愚痴をこぼしておられましたよ。

世界信用収縮恐慌の収束をどうするのでしょうか,イギリスは消費税増税でパニックを迎えます。ドイツも巻き込まれ大連立政権は分裂します。そしてイギリスは危機に直面します。増税の話ばかりで,仮に消費刺激のために、国民にカネをばらまいても、自己防衛のため消費に回っていきません。その理由は、失業率が10%までは、消費市場の落ち込みは、国民所得の落ち込みよりも、買い控え心理のほうが、影響は大きいからです。増税より紙幣を刷って国債を増発すると効果が出る可能性が出るが,しかし日本には「国に盗人・家に鼠」が大勢いる,そして小泉構造改革でピンハネタコ部屋を構築してしまったからである。

我が国はピンハネ国家,得意技が流用ネコババ.日本は官僚ドロボー国家である。霞が関がしでかしたドロボー詐欺。食いつぶしてしまった年金,税金を食べつくした天下りや官僚,既得権益で恩恵を受けた電通やマスコミは毒まんじゅうを食べ過ぎてしまった。公共投資で道路から何でもかんでも食べつくしました霞が関と永田町。家の中に住む鼠のようにすべて食い荒らしてしまった。紙幣を刷っても国債を増発しても,彼ら役人はしめしめと天下り既得権益を謳歌してしまう。

「盗人に鍵を預ける」「盗人に倉の番」をさせる民主党政権。ピンハネ,流用ネコババ.ドロボー,食べつくす官僚に鍵を預けて災いを招き,返って悪事の手助けして被害を大きくする愚かな政権だ。おまけに「盗人の上米取る」奸悪な政権,上には上がある,官僚の大泥棒に手助けをして国民に耐乏を押し付け,自分たちはバラ色の人生ほ歩むのである。消費に回るというが経済指数三分の一以下という長期不況に突入するし納屋や倉庫に積まれた生活必需品。どなたが何に消費するのでしょうか。

まず世界恐慌を沈静化させなければなりません,地球を破壊させることが確実な第三次世界大戦を避けるためには、世界信用収縮恐慌を収拾するため、国益エゴを捨て、とりあえずドル・円・ユーロの三極基軸通貨体制を採用し、キンとリンクさせて固定為替システムに戻し、通貨を安定させるべきだ。次に、キンに頼らずに世界の信用を維持するシステムを構築し、バブルの行動と正常な行動を峻別すべきである。

(日本はルールが破壊されて古今未曾有のパニックを迎えます)
忠告しておきますが,政治家や経済界の指導者とマスコミと社会学者は、取付け騒ぎやパニックは、デマ風聞から発生すると確信している。しかし銀行や証券の窓口の長い行列をデマのせいにしていると、全国の銀行に波及して、紙幣の印刷が間に合わなくなる。そのために、全国の銀行を一斉に閉めるモラトリアムに追い込まれる。一千万円以下の預金の返済を保証しても、一日でも死に金になることを避けるため取付け騒ぎは拡がる。今回は、銀行や信用金庫や郵便局の窓口で投資信託を売っているため、投資信託の解約取付け騒ぎが、銀行の預金引き出しの取付け騒ぎに先行して発生することが避けられない。さらにカードが普及しているため、ATMを完全停止しないと、公平に一文無しにはならない。公平感が崩壊すると、相互扶助の精神は発生しない。不公平感が発生すれば、暴動の発生は絶対に不可避となる。


02. 2011年11月19日 16:20:18: 2IovLsiI8c
食料品や医療費(自費分や診断書手数料など保険診療以外全部)にまで一律で
消費税を課している国って、日本以外にあるのかな? 保険診療は消費税免税
でも病院・診療所の水道光熱費や諸経費は消費税免税ではないし。

消費税施行以前には、物品税とか自動車取得税とか、高額な工業製品
のみに結構な税率の間接税がかかっていて、しかも「贅沢」と見なされる
20インチを越えるテレビとか2000ccを越える自動車では税率が2倍以上と
なるなど累進性もしっかり担保されていたんですよね。

結局、電機・自動車などの製品の税率を下げ、生活必需品からは何でも
かんでも税金を取るようにしたのが今の日本の消費税です。
このまま10%になったら世界でもまれに見る悪税になるでしょう。

その辺を無視した乱暴な議論、さすが日本刑罪新聞ですな。


03. 2011年11月19日 17:14:19: MIPRFuAsQ6
投稿場所を間違えています。

「財務省板」の新設を管理人さんにお願いしなさい。


「日経BP」御用の常連投稿・・ダイナモ
新自由主義・グローバリスト・ネオコン親派なんですね

(ところで「オリンパス事件」の菊川元社長は、日経BPが出自のようだが・・)


04. 2011年11月19日 18:50:42: j8DlsR41DQ
日経と野村と証券取引所がぐるで日本人をだましてると他で書き込みがあったが。株の公開などは米国が乗っ取るためのものだとかなんとかかいてたが、、。

思うに現在米国に、日本人が稼いだものが大量に強奪されてるでしょう。米国派他人の稼ぎを横取りしてるでしょ。それが統計にはいってないのは変ではないでしょうか。米国の誤魔化す

http://blog.goo.ne.jp/2005tora/e/e766f4130aae15f0ed5c515923523249


ための口からでまかせの経済学というのと同じで、実際とは違うのではないでしょうか。

 


05. 2011年11月19日 19:50:26: p2YptnnUdM
40兆円超の公務員給与を民間なみ(平均1000万→平均400万)にするだけで

24兆円の財源確保できる。

上記記事15兆円との差額9兆円分減税もできる。


06. 2011年11月20日 02:30:47: ABPDYn3JQg
これはよい提案だ。
波頭 亮さんの主張にほぼ賛成する。

国民&一部マスコミは、税金の高さばかり問題にしていて、税金を何に使うのか、ということを考えられていないから、
政府は年金等の社会保障にお金を使いづらくなってしまったのではなかろうか。
単に増税反対と思考停止するのではなく、増税するなら、その税金を何に使うのか、もっと議論するべきだろう。
そういう議論をする人があまりいない。
だから、貧しい人はいつまでも貧しいまま、というありえない社会になってしまっているのではなかろうか。


07. 2011年11月20日 13:20:07: 6kuobrWeYc
>>05
そうすると、次に民間憂慮企業の(公務員と人材獲得を争う)給与が下がる。するとその次のランクの企業がまた下げて、・・・・・。というわけで、回りまわって結局は民間給与はさらに下がる。賃金の「相対的相場」を無視して役人の給与だけ下げても、うまくはいかないと思うよ。

日本の国民負担率がGNP比で少ない、という現実をまず直視すべきだな。

>>06
同意


08. 2011年11月20日 23:13:12: lGQ9x4NIUs
英国並みの国民負担率にするためには、納税者番号が必要です。
納税者番号無しで、脱税を放置していれば英国並みの国民負担率は不可能です。
納税者番号を導入することによる税収はいくらになるのか、この試算も示して下さい。

09. 2011年11月25日 19:07:22: EbAYjYeY7s
人件費と給与と所得は同一と思っている。
これが阿修羅クオリティ。

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