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ガルブレイスはパワーバランスを大事にする経済学者だった。
政府、企業、マスコミ、消費者、労働者
すべての者が拮抗する力を持つことにより、バランスの取れた良い社会が出来ると考えたのではないか。
少数の大企業により歪められ高く設定された価格は独占利潤を生み出し、現在ならそのマネーは投機市場へと向かう。
消費者は広告により欲望を植え付けられ、ひたすら企業が開発し宣伝する商品を買うように仕向けられる。
労働者は企業により支配され、より賃金が低下していく。
マスコミは広告費により支配され、広告主に有利になるニュースを流す。
政府は法人税の安売り競争を強いられ、資本と企業ばかりが儲かるようになった。
すべてはパワーバランスの狂いから起きていることではないか。
市場経済とはパワーバランスが等しくなることにより公正が成立する。
具体的な例で考えてみよう。
正規労働者と不正規労働者は何で同一労働なのに、同一賃金にならないのか。
正規労働者は法律でほとんど雇用が保護されており、労働組合によっても保護されている。企業が労務費を削ろうと思えば、当然、そういう保護の少ない非正規労働者の賃金に向かうことになる。
大企業、例えば鉄鋼などの産業は、生産を調整することにより利潤を確保する。しかし純粋な競争が行われている市場では生産調整などで価格を維持できるものではない。これは寡占により利潤を得ていると言える。
豆腐屋さんが生産調整で価格を維持できるか、他の豆腐屋さんにお客を奪われるだけです。
一方、労働力はバラバラにされ、しかも世界と競争しなければ成らず、ほとんど過当競争を強いられているのに、それに先進国の政府は何の手も打とうとしない。産業などが過当競争に陥れば、すぐに温度を取って生産調整や不況カルテルを結ばせるのにである。
ジョン・ケネス・ガルブレイス
http://hayashiland.com/galbraith.pdf#search=%27%E5%A4%A7%E6%81%90%E6%85%8C%20%E3%82%AC%E3%83%AB%E3%83%96%E3%83%AC%E3%82%A4%E3%82%B9%27
ガルブレイス 1.大恐慌の闇に光
(Adobe PDF)
現在のデフレ不況に陥った日本経済、パワーバランスが崩れた日本経済、彼に学ぶことは多いと思います。
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