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http://www.shinoby.net/2011/11/post-2533.html
ユーロの問題は、経済や投資関係者だけの問題ではなく、今や日本人なら誰でも知っている話題になりました。ギリシャに続いてイタリアが問題となり、次はどこか?と疑心暗鬼になる神経質な状態が続いています。
欧州の国々の中でも、例えばイギリスやスイスといった国は、ユーロを導入せず自国通貨のポンドやスイスフランのままです。永世中立国のスイスはともかく、イギリスがユーロに参加しなかったのにはさまざまな理由があったとされています。
The Economistのこの記事を読むと、スペインとイギリスの比較から、ユーロを導入することの経済的な意味を考えるきっかけを得ることができます。
イギリスとスペインを比較すると、財政状態も政府債務もインフレーションもイギリスの方が悪い状態です。にも関わらず、スペインの国債は5.5%近くまで上昇しているのに、イギリスの国債は2.3%に低下しているのです。同じ欧州圏の国で信用力が高い国の方が金利が高い(信用が無い)というのはユーロと言う仕組みに原因があると見ることができます。
違いは自国の中央銀行を持っているかどうかです。
スペインのようにユーロを導入している国は、自国の中央銀行ではなく欧州中央銀行(ECB)がその役割を果たします。一方、ユーロを導入していないイギリスは、イングランド銀行が中央銀行として存在します。
中央銀行を持つ国は、国によって異なるいくつかの制限はあるものの、国債を中央銀行が買い取ることができる。これは、マネーサプライを増加させ、インフレの温床になるリスクがあります。特に中央銀行の立場が弱い場合はそうです。
しかし、一方で中央銀行があるということは、国債の支払い能力に対する投資家の安心感をもたらし、金利を低下させる効果もあるというのです。
もし、イギリスがユーロを導入していたら、スペインと同じ、いやそれ以上の金利になっていたかもしれません。
ではイギリスはユーロを導入しなくて良かったのでしょうか?結果としてはそうかもしれません。しかし、これが世界的なインフレの環境下だったら結果は逆になっていた可能性もあります。
お金の動きとは何ともデリケートです。単純に結果だけを見て、判断の是非を決める訳にはいかないのです。
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■英国債:続伸、利回りは過去最低を更新−欧州不安で逃避買いが活発化
http://www.bloomberg.co.jp/apps/news?pid=90920014&sid=aUHwtpfXHA_k
11月15日(ブルームバーグ):15日の英国債相場は続伸。10年債と30年債の利回りは過去最低を更新した。フランスとイタリア、スペインの国債利回りが大幅に上昇したことを背景に、安全とされるポンド建て資産への逃避の動きが広がった。
ポンドは対ユーロで上昇。スイス・フランやオーストラリア・ドルに対しても堅調だった。
イタリア国債利回りが7%を突破したほか、ドイツ国債に対するフランス国債の上乗せ利回り(スプレッド)はユーロ導入以後の最大に拡大した。
ラボバンク・インターナショナル(ロンドン)のシニア為替ストラテジスト、ジェーン・フォリー氏は「英経済のファンダメンタルズ(基礎的諸条件)は素晴らしいとはいえないかもしれないが、消去法的にポンドをユーロの代替投資先とみなす投資家もいる」と述べ、「ユーロ圏で緊張が高まった際に、ポンドへの資金逃避が鮮明になる」と続けた。 (中略)
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■米ブラックロックCEO:欧州は流動性メルトダウンに直面−CNBC
http://www.bloomberg.co.jp/apps/news?pid=90920012&sid=aftTde8NvHAA
11月15日(ブルームバーグ):世界最大の資産運用会社、米ブラックロックのローレンス・フィンク最高経営責任者(CEO)は15日、欧州は域内の債務危機でドイツを除くすべての国の利回りが上昇しており、流動性のメルトダウンに直面しているとの見方を示した。
フィンクCEOは米経済専門局CNBCの番組で、市場では複数の欧州諸国が最上級格付けを失う可能性が示されており、投資家はイタリア以外の国にも留意すべきだと述べた。(以下略)
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