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「税・社会保障:識者に聞く 竹中平蔵・慶大教授」(毎日新聞)
のなかで
「そもそも老後に必要なお金は自分でためるのが大原則で、年金は予定よりも長生きしたり、途中で病気になる場合に備える保険であるべきだ。元気で働いていれば、もらえないのが当たり前だ。」
と竹中氏は言っているが、本当だろうか。
加賀百万石の国を考える。人口が百万人。石高はコメ百万石。
この国で、老人が一万人、10年の余命があるとして、老後に備えて必要なコメ10万石が貯め込まれたとしたら消費に回せるのが90万石。
10万人が餓死することになる。
何かおかしくないか。
では20年かけて積み立てる、ことにすると、1年に5000石。5000人分のコメが足りない。この5000人はどうすればいいのか。
これではおかしい。
そもそも問題の立て方が違っているのだ。
100人の農民が働いて100人分のコメしか作れない世界では「老後」は存在しない。
90人が働けば100人を養うことができるようになってはじめて、10人が「働かないでも暮らせる」世界がくるのだ。
それだけの生産力の増加がなければ、人口の70パーセントの農民が30パーセントの「働かない」王様・貴族・地主を養うなどといったことが起こらなかったはずだ。現在の世界はその時代からさらに10倍以上豊かになっているはずだ。その豊かさが一部特権階級のものになっていたらおかしい。世界を豊かにしたのは彼らではない。広く一般国民がその豊かさにあずかれるようであるべきだ。
老後に備えて貯金できる人だけが老後をおくれる、というのだったらお金持ちだけに豊かな老後がある、といっているのと同じだ。奴隷制度の時代だって、働けなくなった奴隷は使い捨てられたわけではない。死ぬまでの面倒は見てもらえる、その分の費用は奴隷を買うときの最初の勘定に入っているのだ。働けなくなるまで働け、という竹中節は国民を奴隷視しているのではないか。
年金制度が作られた当初は10人の現役世代が一人の老人を支えていた。今では3人でひとりを支えなければならなくなっている、という計算があるそうだけれど、日本の国民一人当たりのGDPはその間4倍くらいになっているのではないか。
ところで、「日本は貧しくなってしまったのだからこれ以上社会保障制度は維持できない」というのは本当だろうか。
2009年の年金受給者が3700万人。加入者は6800万人という数字があるが、簡単にするために共働きの夫婦(現役世代)、子供二人(非現役世代)、じいちゃん(受給者)という5人家族を考える。
なぜ日本は貧しくなったか。
話を簡単にするために、かつ数字もきりのよいのがいいので、あるコイズミ君がアメリカ国債を100兆円買ったということにしよう。一度には買えないから10兆円ずつ10年にわたって買い続けたとする。日本のGDPはあまり増えていないらしいからその間ずっと500兆円だったことにする。
生産物の総額が500兆円。国内の総収入も500兆円。国内の総支出も500兆円ならすべての生産物が売り切れ、経済活動が一回り循環し次年度に同じ規模の生産が始められる。
1 このときコイズミ君が登場しアメリカに10兆円を払ってアメリカ国債を買った。すると国内に支出されるのは490兆円になり、10兆円の商品が売れ残る。総収入も490兆円になり一般国民が10兆円貧しくなる。
10兆円は1億2千万の国民一人当たり8万3333円。
先ほどの5人家族で42万円弱。日本は1年間でこれだけ貧しくなり、じいちゃんの生活を支えていたうちの42万円が失われる。
もしくは価格を下げてすべての商品を売り切ろうとすると500兆円の商品を490兆円で売らなければならない。これは2パーセントのデフレ?。
で、それが10年続くのだ。
2 別の数字もある。
日本の海外投資額は266兆円あるという。
ネットに出ているグラフを見ると目算で20年で200兆円増加している。1年当たり10兆円。それだけの購買力が国内から失われた。1と同じ数字でそれが20年続いたのだ。
3 さらに別の数字。
家計の貯蓄が1400兆円というが、この20年ほどで400兆円増えている。これがすべて何かに投下されていればいいのだが
「銀行預金、融資に回らず、10年末の差額、最大の150兆円」日本経済新聞 2011.1.11
何年かけて150兆円たまったのかわからないけれど失われた20年などといわれるからとりあえず20年で計算すると、7.5兆円が20年。
国民1億2000万人で割るとひとりあたり6万2500円。さっきの5人家族では36万2500円。日本は1年間でこれだけ貧しくなり、じいちゃんの生活を支えていたうちの36万2500円が失われる。
もしくは価格を下げてすべての商品を売り切ろうとすると500兆円の商品を492.5兆円で売らなければならない。これは1.5パーセントのデフレ?。
で、それが20年続いたのだ。
貯蓄が何にも使われずただしまいこまれてしまったら経済から失われたのと同じだ。
4 「企業に眠る200兆円」日経ヴェリタス
これも20年で計算すると1と同じ数字でそれが20年続いた。
で、これらがすべて生じたのだ。重複している数字もあるだろうから単純に足し算することは出来ないが。
日本の貧困は一般国民、労働者の働きが悪かったからではない。政府の無策、失策のせいだ。
国債が900兆円、というがその900兆円は国債を買う前は何をしていたのか。たいした使い道がなかったから国債を買ったのだろう。税収が足りないのならはじめからその死蔵されていた・だからこそ貧困を発生させていた・900兆円を税として徴収するシステムをつくればよい。
500兆円の総産出があるときは総支出も何とかして500兆円にしなければ経済が縮んでしまう。
1兆円がお金持ちに貯め込まれると一般国民が1兆円貧しくなる。その1兆円がたとえば生活保護費にまわり、受給者がそのままパチンコに行って使い果たせばその日のうちに一般国民の収入が1兆円増える。
クニは国民の支出はコストだと思っているのだろうか。で、コストを切り下げれば利益が出る…。おバカではないか。
shn http://homepage2.nifty.com/okutamahomeless/jokyoshn.htm
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