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日本企業の衰退、問題は円高にあらず
日本経済研究センター主任研究員 前田昌孝 2011/11/1 21:15
パナソニックが2012年3月期に4200億円もの最終赤字を計上する見通しになり、TDKは向こう2年間で1万1000人の従業員を削減する方針を明らかにした。日本のものづくり企業の衰退の象徴ともいえるが、東京・新宿の家電量販店を歩くと、衰退の理由は円高だけではないように見える。独創性のない商品群、機能の割に高い価格と「本気で戦う気があるのか」と思わせる事例の連続だ。過去の成功体験が企業活力を奪っているように見える。
「いつの間にかわれわれは英ダイソンのサイクロン掃除機を使い、携帯電話は『iPhone(アイフォーン)』に変え、ノートパソコンの代わりに『iPad(アイパッド)』を使う生活になっている」。クレディ・スイス証券の市川真一チーフストラテジストは外国製品の日常への浸透をこう話す。ひと昔前だったら、大半が日本企業の製品だったはず。独創的な商品が日本から出てこないことが、消費者の日本メーカー離れにつながっている。
量販店のパソコン売り場に行くと、iPadと同じフロアに日本メーカーのタブレット端末も売られているが、片方は大混雑なのに片方は閑散としている。機能を1つ1つ比べれば、日本製のほうが優れているかもしれないが、「ソフトがなければただの箱」とはよく言ったものだ。ソフトも含めてシステムとして劣勢な分、低価格で勝負を挑んだらいいのではないかと思うが、そんな工夫もない。
iPad2の一番安いモデルは4万4800円だが、アマゾンは9月29日に米国で電子書籍だけでなく、ネットや動画も楽しめるキンドル・ファイアを199ドルで売り出した。中国のレノボは日本でアンドロイド搭載の7型タブレットを、当初の予定よりも遅れて11月9日に発売するが、小容量タイプの実勢価格は2万円を切る見込みだ。
もちろん仕様が違うから、3製品の比較はおかしいと声もあろうが、それぞれ商品としての「自己主張」がある。日本メーカーも販売の第一線では自社製品の問題点は分かっているのだろう。ところが、開発部門や製造部門との意思疎通ができないのか、低価格製品を売ることへの抵抗が強いのか、「何のために参入しているのかわからないような中途半端な商品」(市川氏)が次々と市場に出てくる。
ノートパソコンも似ている。インテルの最新型中央処理装置(CPU)が付いた製品をインターネットで探せば3万円台でも買える時代に、いろいろなソフトをてんこ盛りにして高く売ろうとする戦略から抜けきれない。安価な製品は海外メーカーの独擅場。しかもインターネットの製品評価サイトに行くと、実際の購入者が海外商品に高い評点を付けている。日本メーカー製にこだわる必要など感じない消費者が増加中なのではないか。
他のフロアも歩いてみたが、2008年の北京オリンピックの前には安くても20万円台前半だった46型液晶テレビが有力メーカー製で10万円を切っており、より手軽な32型ともなると、3万円台の製品もある。メーカーの整理統合が遅れていて、大手どうしの価格競争に陥っている。独創的な製品がないかを探してみたら、コメからパンを作れるホームベーカリーの「ゴパン」が目に入ったが、日本国内はともかく、世界では買う人も限られそう。
こんな具合だから業種別株価指数の東日本大震災直前からの騰落率を見ると、電気機器指数は月を追って下落率が拡大している。もう独創性の復活など望めないというのならば、逆転の発想で大手電機メーカーは優秀な技術者をどんどんリストラしてほしいところ。米国のシリコンバレーは1990年代に米IBMが実施した大規模なリストラで、人材が市場に放出され、その後の急速な発展の基礎ができた。
独創的な製品ならば、世界の市場で高くても売れるはず。今のような商品を並べるだけならば、日本メーカーの従業員の給与が韓国、台湾、中国と同等になるまで円安が進まなければ、利益が出ないし、株価も浮揚しないかもしれない。
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