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http://ameblo.jp/sozen22/day-20111106.html
2011-11-06 07:37:43
Theme: その他の話題
東京電力は金曜に中間決算を発表し、燃料費の負担増によって今年度通期で4,100億円の経常損失が出ると見込んでいます。
ただ、その電力需要と燃料消費量の見通しには疑問がありますね。
東電は、今年度通期の販売電力見通しについて前年比9.0%減の2,671億kWhとしています。
上半期の販売実績が同13.6%減ですから、下期の減少幅は4.4%に留まるとの想定です。
そのため、東電による2011年度通年での燃料消費で石油の消費量は下期に前年比200%以上の増加となる見通しです。
(図:http://ameblo.jp/sozen22/image-11070144330-11593924792.html)
上半期の燃料消費実績は重油が前年比わずかに0.3%増、原油は41.1%のマイナスでした。
それに比べると、下半期の石油消費予想の増加振りはちょっと異常な感じですね。
東電の説明によると、下半期のLNGの消費量は上半期とほぼ同水準ということです。
夏場ほど最大電力は大きくならないので危機感は高くないでしょうし、全国の原発が次々と停止したままなので他の電力会社のLNG需要が高まり、これ以上の調達にはスポット・タンカーの傭船不足などの物理的な問題も生じているのでしょうか。
また、原子力発電の設備利用率は上半期の25.1%に対し下半期は18%程度になるといいます。
震災直後には運転していた柏崎刈羽原発の4基のうち2基が8月に定期検査で停止し、残りの2基も今年度末から来年度初めにかけて定期検査入りする予定です。
燃料消費量から推定した同社の上半期の火力発電量は夏場の節電のため前年比8.4%増に留まっていますが、これらのことから下半期の火力発電量は同40%増となる見通しで、LNGの消費量が上半期から横ばいである以上石油燃料の消費が激増するというわけですね。
しかし、通年での販売電力量は9%減というような想定数値になるものでしょうか?
震災以来の節電とそれによる更なる生産活動の低下のため上半期の需要実績は13.6%落ちているわけですし、10月の電力供給量は前年比9.4%減、11月も月初から5日間で同10%減となっています。
すでに、東電の見通しである下半期で前年比4.4%減を大きく超える減少幅となっていますね。
下半期の電力需要は、平均すると前年比10%程度のマイナスになると考える方が現実的と思われます。
図にして比較してみるとこんな感じですね。黒い線が10%マイナスの場合の推移です。
(図:http://ameblo.jp/sozen22/image-11070144330-11593924793.html)
東電の見通しによる石油消費の対前年比増加量は日量14万バレルに相当します。
一方、電力需要が前年比10%減となった場合は、同4.5万バレル程度の増加に留まりますね。
とはいえ、来年度初めには東電の全原発が停止する見通しで、運転再開が無いままでLNGの調達量も現行水準に留まるなら、来年夏には原発停止分の電力供給を補うため日量16万バレル程度の追加石油消費が必要となります。
供給能力の一段の低下によって、節電が更に進むということも考えられますが……
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