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http://www.bloomberg.co.jp/apps/news?pid=90900001&sid=aUf0AkAQPK6Q
11月2日(ブルームバーグ):
JPモルガン・チェース銀行の佐々木融債券為替調査部長は、日本政府が長年の円売り介入と円高で背負った含み損は足元で40兆円近くに達すると試算した。来年9月には1ドル=72円程度まで円高・ドル安が進むと予想。政府のバランスシート上の為替差損がさらに拡大する可能性があるとの見方を示した。
円売り介入は、政府が円建て債券を発行して調達した資金を使って、外為市場でドルなど外貨に換える仕組みだ。財務省の資料によると、外国為替資金特別会計の外貨資産(外貨準備)から円建て負債を差し引いた評価損は07年3月末の4兆6000億円(1ドル=117円換算)から10年末には35兆3000億円(同82円)に拡大。今年に入り一段と円高が進んでいることから、含み損はさらに膨らんでいるとみられる。
一方、外貨準備を利用した米国債などの運用益から調達コストを除いた利益の積立金は一般会計への繰り入れにより、同期間に5兆円増にとどまった。この結果、積立金と評価損の差額はプラス11兆円から14兆7000億円の負債超過に転じた。日本銀行に2003年まで在籍し、為替介入に従事した経験を持つ佐々木氏は1日午後、都内で講演。インフレ率が日本より高い米国では金利も日本を上回るが、「円高・ドル安で相殺される」と強調。金利収入は為替差損に備えて積み立てるべきなのに、一般会計で「使ってしまっている」と語った。
円・ドル相場は10月31日に一時1ドル=75円35銭の戦後最高値を記録。政府・日本銀行は同日、昨秋以降で4度目とみられる円売り・ドル買い介入を実施した。安住淳財務相は記者会見で、国内経済のファンダメンタルズ(経済の基礎的諸条件)を反映しない過度な円高に対し「納得のいくまで介入する」などと発言。市場関係者は同日の介入額が過去最大の8兆円規模に達したと推計している。
「前代未聞」のドル安環境
佐々木氏は、ドル安局面で介入しても「為替相場の流れを変えるのは難しい。いったんは抑えられても、結局は円高にならざるを得ない」と述べた。米国は世界最大の経常赤字と対外純債務を抱えているため、本来なら海外から資金を引き寄せるため、政策金利を高めに設定すべきなのに、実質ゼロ金利政策という「前代未聞」の状況だと指摘。投資家のリスク回避が一服してドル安の流れに戻れば、ドルは「実効ベースでさらに10%程度下げても不思議ではない」と分析した。
今週に入り、10月初めからの米欧株高・ドル安は一服している。米政府証券公認ディーラー22社の1つMFグローバル・ホールディングスが破たんし、欧州債務危機の不安が再燃。イタリア、フランスの10年物国債とドイツ債の利回り格差やギリシャ2年債利回りは1日、過去最高に達した。インターコンチネンタル取引所(ICE)のドル指数は27日の安値から約4%上昇する場面があった。
JPモルガン・チェースは円・ドル相場が年末に75円、来年3月末に74円、9月末は72円に上昇すると予想。ブルームバーグの調査(予想中央値)によると、市場関係者はそれぞれ77円、77円、80円と緩やかな円安・ドル高を予測している。
佐々木氏は金融専門誌J−MONEY(旧ユーロマネー誌日本語版)今秋号の東京外国為替市場調査で、ファンダメンタルズ分析ディーラー部門の首位に選ばれた。
記事に関する記者への問い合わせ先:東京 野澤茂樹 Shigeki Nozawa snozawa1@bloomberg.net
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更新日時: 2011/11/02 09:25 JST
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