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2011年10月31日(月)「しんぶん赤旗」
世界経済後退
若い世代に「傷」長く
低賃金将来も/政治への不信…
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国際労働機関(ILO)はこのほど、世界の15歳から24歳までの青年の雇用情勢に関する報告書を発表しました。報告書は、2008年のリーマン・ショック後の世界経済後退の後遺症が今後も長期にわたって続き、若い世代に「傷痕」を残す危険があると警告しています。(夏目雅至)
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ILOが警告
10月19日に発表された同報告書は、青年労働者がいま、先進工業国では高失業率や不安定雇用の増加に、発展途上国では多くのワーキングプア(働く貧困層)の存在という多難な状況に直面していると指摘しています。
世界経済が後退している時代に労働市場に入る世代の“不運”は、失業や不完全雇用、社会的ストレスなどとして現在表れるだけでなく、低賃金状態が将来も続いたり、政治、経済体制に対する不信を募らせるなど、今後も長期にわたって影響を及ぼす可能性があると述べています。
青年の間では、パートタイム労働や臨時雇いしか見つけられない状態が深刻化。報告書は、この現状に対する集団的な不満が、今年世界中に広がった抗議行動の一因になったと指摘しています。今年初めから反政府行動が広がった中東・北アフリカでは、過去20年にわたって青年の4人に1人が失業中という状態が続いていたとしています。
青年の失業者数は、2009年の最高時(7580万人)から10年末には7510万人、11年には7460万人(予測)へとわずかに減少しています。しかし、報告書は、これは青年が求職活動をしなくなったことが原因だと分析しています。
その例として、青年失業率が27・5%(10年)と高いアイルランドを挙げています。同国では、やむを得ず進学したり、自宅で雇用状況の好転を待っている「隠れた失業者」の青年を加えると、失業率は19・3ポイント以上、上昇すると指摘しています。
一方、低所得国では青年がワーキングプアの悪循環に陥っているとしています。先進国と比べて、南アジア、サハラ以南アフリカで青年の就業率が高いのは、低賃金であってもそれを受け入れて働く以外に選択肢がないという貧困地域の青年の実情を反映していると述べています。
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