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“オオカミ少年”安住財務相 口先連発で介入効果低下、FXの餌食に
http://sankei.jp.msn.com/economy/news/111030/fnc11103021090003-n1.htm
2011.10.30 20:58 産経新聞
超円高を阻止しようと安住淳財務相が「口先介入」を連発するなか、外国為替証拠金取引(FX)の個人投資家や一部のヘッジファンドが、せっせとドルを買い込んでいる。実際に為替介入が行われて円安ドル高に戻った際に買っておいたドルを売って円を買えば、大もうけできるためだ。政府・日銀が円売りドル買い介入に踏み切れば、「待ってました」と大量の円買いが出され、円高是正の効果が帳消しとなってしまう恐れが高まっている。
「必要があれば、断固たる措置をとる」。25日から3日連続で円相場が戦後最高値を更新し、1ドル=75円67銭まで上昇。安住財務相も連日のように介入示唆を続けた。
証拠金の何倍もの取引ができるFXの投資家は、「円高局面では、『今がドルの底値』と考え、円安ドル高に戻った際の利益を狙い、逆張りでドルを買う傾向が強い」(マネックスFX)。それに安住財務相の口先介入が拍車をかけた。
東京金融取引所のFX「くりっく365」では27日時点のドル買い越し残高が約40万2千枚(1枚は1万ドル)と、金額換算で約40億ドル(約3千億円)分に上る。円高に歩調を合わせて今月に入り急増し3日時点の1・5倍に膨らんだ。
外為市場でFXに参加する主婦が「ミセス・ワタナベ」と呼ばれるなど相場への影響力が高まっている。元本である証拠金は6月末時点で9446億円に達し、現在は1兆円を突破しているとみられる。証拠金の25倍まで取引が可能で、平均10倍と仮定すると、10兆円もの取引量となる。
一方、欧米のヘッジファンドの一部も、「介入を待ち構え、先週ごろからドルを買い込んでいる」(市場筋)という。安住財務相が介入をあおればあおるほど、「ドル買いのマグマ」(同)がたまる構図だ。
政府・日銀が円売りドル買い介入に踏み切っても、FXとヘッジファンドが束になってドル売り円買いを浴びせれば、ひとたまりもない。「円安への戻りは限定的で一時的にとどまり、もうけるチャンスを与えるだけ」(外為ディーラー)に終わる可能性が高い。
だが口先介入ばかりでは、イソップ童話の「オオカミ少年」のように誰にも相手にされなくなり、市場は安心して円買いを仕掛け、円高が加速しかねない。日銀が27日に実施した追加金融緩和も効果はなかった。政府・日銀は戦略を欠いた対応によって円高阻止の手段を失いつつある。
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