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http://markethack.net/archives/51779895.html
先週はEU首脳会談の結果、包括戦略が土壇場で決まり、市場はこれを好感しました。
当初悲観論も多かったのに、なぜ話し合いは上手くまとまったのでしょうか?
それは一言でいえばドイツがそれを強く欲したからです。
今回の交渉ではドイツのアンゲラ・メルケル首相が中心的な役割を果たしました。
先ず断っておくとメルケル首相は率先してリーダーを買って出るタイプの人ではありません。「請われたら、受けて立つ」タイプの人です。
だから今回も最初から出しゃばった真似はせず、じっくり機が熟すのを待ちました。
そして自分以外に誰も仕事の引受け手が無いことがハッキリしてから動き出しました。
メルケル首相は頑固に信念を貫く人です。とりわけ決定的瞬間では全く躊躇しません。
欧州金融安定ファシリティ(EFSF)の拡大に関する連邦議会での票決に際してメルケル首相は連立与党の同士たちに「ここで団結しないともう次の選挙ではあなたたちは勝てないし、私は面倒を見ない」と脅しました。
ドイツの憲法裁判所は「EFSFの拡大はドイツ憲法に照らして違憲では無い」という判断を下しました。
それもあって圧倒的多数でEFSFの拡大が可決したのです。
メルケル首相はギリシャに対しても厳しい要求を突きつけました。アテネで騒動が起きていても、もっとギリシャ政府から予算面での譲歩を引き出す事が必要だと悟るとまばたきひとつせず一層の予算カットを主張し、これを獲得しました。
さらにメルケル首相は10月27日早朝まで民間銀行団との交渉がもつれ込んだ時も自主的に50%のヘアカットを受け入れるよう要求し、若し銀行団がそれを呑まないなら「100%の損害、つまりデフォルトになっても私は知らない。そして貴方達が駄々をこねたからそうなったとマスコミにハッキリ言う」と最後通牒を言い渡しました。
このようにメルケル首相はかつての鋼鉄宰相ビスマルクも真っ青の、梃子でも動かぬ信念でギリシャ問題に取り組んでいるのです。
そのメルケル首相の持つ世界観は師と仰ぐヘルムート・コールの歴史観に強く影響を受けています。
コールの歴史観とはドイツはヨーロッパの統一にもっと尽力しなければいけないということです。
ドイツ人は通貨ユーロが嫌いです。でもワイマール時代に経験したような経済の混乱はもっと嫌いです。安定を求めるドイツ人の心にメルケル首相は訴えたわけです。
ドイツ人はギリシャ人などの怠け者は嫌いです。でもファシズムの忌まわしい過去はもっと嫌いです。だからナショナリズムに走ってしまったおぞましい過去の記憶をちょっと覚醒するだけでドイツ国民はすぐに自己中心的な態度を引っ込めるのです。
このような習性をメルケル首相は巧みに利用し、連邦議会や憲法裁判所からの圧倒的支持を背景に今回の包括戦略をまとめたというわけ。
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■ECBクノット氏:国債購入にリスク−必要以上に継続すべきではない
http://www.bloomberg.co.jp/apps/news?pid=90920014&sid=axyY_zkN9G8g
10月28日(ブルームバーグ):欧州中央銀行(ECB)の政策委員会メンバー、オランダ中央銀行のクノット総裁は、ユーロ圏諸国の国債を購入することはECBにとってリスクを伴うため、必要以上に継続するべきではないとの見解を示した。
同総裁は「緊張下にある市場で債券を買うことは、ユーロシステムのバランスシートへの金融リスクを意味する」と指摘。「民主的な正当性なしでの財政移転にいずれつながり得る」と述べた。オランダ中銀が28日、総裁の講演内容をウェブサイトに掲載した。
28日の債券市場ではイタリア国債の利回りが上昇し、債務危機の封じ込めに向けた欧州連合(EU)首脳の取り組みは十分ではないとの懸念が広がっている。
クノット総裁は、「金融政策にできることは、その責務を限界まで広げるという代償を支払い、時間を稼ぐことだけだ。これは当然ながら、厳密に必要な期間よりも長く続けるべきではない」と述べた。
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■ドイツ、ECBが債務危機対策で果たす役割について再考すべき=英首相
http://jp.reuters.com/article/businessNews/idJPJAPAN-23892220111028
[パース(オーストラリア)28日ロイター] 英国のキャメロン首相は28日、欧州中央銀行(ECB)が債務危機対策で主要な役割を果たすことにドイツが反対していることについて、単一通貨ユーロを守るためにできる限りのことを行う必要があるとの考えを示し、再考を促した。
同首相はITVニュースのインタビューで、必要に応じてECBが最後の貸し手としての役割を果たすことをドイツは許容すると考えるかとの質問に対し「ドイツには中央銀行をそのように利用してはならないとの強い概念が存在している。この点は理解しているし、尊重もしている」と述べた。
「ただ最終的にユーロを防衛したいと考える場合、できる限りの措置を導入する必要がある」と述べた。
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