http://www.asyura2.com/11/hasan73/msg/838.html
Tweet |
http://moritasouken.com/sC0356.HTML
・2011.10.28(その1)森田実の言わねばならぬ【884】
平和・自立・調和の日本をつくるために[884]
《今日の論点》[新自由主義・競争至上主義批判〈その2〉]ナオミ・クライン著『ショック・ドクトリン』翻訳出版の大きな意味/残念なことに少し遅かったが、それでもフリードマンの罪を暴いた名著の翻訳書出版の意義は大きい
「戦争はすべて盗むことのみを目的とする」(ヴォルテール)
本書上巻の扉裏に本書についての説明がある。引用する。《本書は、アメリカの自由市場主義がどのように世界を支配したか、その神話を暴いている。ショック・ドクトリンは、「惨事便乗型資本主義=大惨事につけ込んで実施される過激な市場原理主義改革」のことである。アメリカ政府とグローバル企業は戦争、津波やハリケーンなどの自然災害、政変などの危機につけ込んで、あるいはそれを意識的に招いて、人びとがショックと茫然自失から覚める前に、およそ不可能と思われた過激な経済改革を強行するノ。
ショック・ドクトリンの源は、ケインズ主義に反対して徹底的な市場至上主義、規制撤廃、民営化を主張したアメリカの経済学者ミルトン・フリードマンであり、過激な荒療治の発想には、個人の精神を破壊して言いなりにさせる「ショック療法」=アメリカCIAによる拷問手法が重なる》
ナオミ・クラインは、2001年の9.11事件を利用したブッシュ政権について次のように述べる。
《ブッシュ政権は、国民を襲った恐怖をただちに利用した。「テロとの戦い」に乗じただけではなく、これをチャンスにほぼ全面的に営利を目的とする一大産業を立ち上げ、低迷するアメリカ経済を活性化させたのである》
この結果はアフガン紛争とイラク戦争が惹き起こされた。起こしたのはブッシュ政権である。ブッシュ時代が終わったあとも、アメリカは戦争を続けている。アメリカはもうこれ以上戦争を行ってはならない。イラク、アフガニスタンからアメリカ軍は引き揚げるべきである。(つづく)
http://moritasouken.com/sC0358.HTML
・2011.10.29 森田実の言わねばならぬ【886】
平和・自立・調和の日本をつくるために[886]
《今日の論点》[新自由主義・競争至上主義批判〈その3〉]フリードマン経済理論の罪
「(フリードマン新自由主義経済政策が目的としたのは)公共領域の縮小、企業活動の完全自由化、社会支出の大幅削減という三位一体の政策である」(ナオミ・クライン)
ナオミ・クラインは、『ショック・ドクトリン』のなかで述べている。少し長い引用になるがお許しいただきたい。
《戦争や惨事の急進的な民営化によって頂点を迎えたこの思想的改革運動を歴史的に位置づけようとすると、くり返し生じる問題がある。このイデオロギーは自己変身術に長け、自らの呼び名や居場所を次々と変えてきたからだ。フリードマンは自らを「リベラル」だと称したが、リベラルという言葉からはせいぜい高い税金とヒッピーぐらいしか連想できないアメリカのフリードマン一門は「保守派」「古典派経済学者」「自由市場派」などと自称し、のちには「レーガノミクス」あるいは「自由放任主義(レッセフェール)」信奉者だと名乗ってきた。世界の大部分の地域では「新自由主義(ネオリベラル)」として認知され、しばしば「自由貿易」あるいは単に「グローバリゼーション」とも呼ばれる。彼らが「新保守主義(ネオコンサーバティブ)」と自称するようになったのは九〇年代半ばになってからのことで、それを率いたのがフリードマンと長く関係があったヘリテージ財団やケイトー研究所、アメリカン・エンタープライズ研究所などの右派シンクタンクである。アメリカの軍事機構を企業の論理に追従させたのが、このネオコンの世界観にほ覆蕕覆ぁ
1970年代の石油ショックによって先進国経済は危機的状況に陥った。このときイギリスで革命的変化が起きた。サッチャー政権が登場し、サッチャー革命が動き出した。ついで1980年代初頭にアメリカではレーガン政権が登場し、レーガン革命に着手した。この直後、日本で政変が起き、レーガン、サッチャーと同じ方向性をもった中曽根内閣が登場し、「戦後政治の総決算」を掲げて日本的システムの大改造に着手した。
ここから英・米・日三国の国民の不幸の歴史が深刻化した。新自由主義の罪は重大である。今日の世界経済の大混乱の直接的原因は新自由主義革命にある。フリードマンの罪は重かつ大である。(つづく)
この記事を読んだ人はこんな記事も読んでいます(表示まで20秒程度時間がかかります。)
スパムメールの中から見つけ出すためにメールのタイトルには必ず「阿修羅さんへ」と記述してください。
すべてのページの引用、転載、リンクを許可します。確認メールは不要です。引用元リンクを表示してください。