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TPPは、アメリカの悲鳴・・・米国だけでなく世界の消費者を仲間にするような知恵を出そう
http://www.k2o.co.jp/blog2/2011/10/tpp-2.php
まずここで考えたいこと・・・円高、ドル安になったからといって、 日本に大量の米国製品が入るのでしょうか?
米国産農産物でいえば、従前から遺伝子組み換え、緩い安全基準、大量の添加物、などなどが心配されています。今、日本の消費者は、自分が口にする農作物や食品について、放射線量から始まって、農薬・添加物にきわめて敏感になっています。日本の消費者が、常に、意識しているのは、一体、誰が、どのようにして、どのような気持ちで、こうした食品をつくり、自分達に供給してくれているのか? そして、誰からなら、安心して買うことができるのか、その相手を見つけたい、ということです。
そして、その動きは、既に始まっています。 その対象は、日本国内の生産者は当然で、また、海外からのものでも、中間に、変なものがあると、不安がって避けてしまいます。 日本の消費者は、どんどん、賢くなっています。
一方、米国は、自国の経済を立て直すために、TPPを持ち出してきています。
このTPPはもともとはアジアの9か国が議論していたものですが、米国がこれに目を付けて、うまく利用しようとしているわけです。 オバマ政権は、雇用創出の為に、5年間で輸出を倍増すると公約しています。これを達成するためには、為替も大幅にドル安にしなければなりませんし、TPPのような包括的な政策が必要になっているわけです。 また、既にご存知のように、TPPは農業分野だけでなく、24の分野にわたって広く規制緩和に向けて議論が行われることになります。
米国は、今までも、日本に対して、2国間交渉において、農産物、自動車、半導体などにおいて、市場開放を求めてきました。 しかし、結果として、市場が開放されたからといって、自動的にそれらの製品が日本に入ってくるわけではありませんでした。事実、それらの製品はあまり入ってきていません。それは日本の消費者に認められるものを米国が作ってこなかったからです。(唯一の例外は金融分野かもしれません。この分野における日本企業の弱さは際立っています。詳細は別項にてご説明したいと思います。) 為替で、いくらドル安円高が進んでも、アメリカの企業自身が、日本をはじめ世界の市場で、きちんと消費者に歓迎されるものを作れなければ、これは限度があります。 米国でも、日本製品(ハード)の良さは認められています。先日、韓国の李明博大統領が訪米したその晩餐会で、日本料理が出されたということで、ネットでは大騒ぎになっています。日本料理は、既に国の枠を超えて認められているのでしょう。
その日本製品(ハード)の提供はもちろん重要ですが、もっと重要なことは、その背景にあるソフト(技術や誠実さ・緻密さなどを含めた考え方・様式など)です。そして、そのソフトは、常に消費者のことを思う、真面目な生産者によってのみ、経験と知恵が蓄積されていくのです。そのソフトを広めていくことが必要なのではないでしょうか?
消費者に歓迎されるものを作らない限り、価格が安くても、日本では売れません。そして、その日本でのマーケットで何が売れているか、を、今、一番見つめているのは、中国やアセアン諸国です。
「日本人が買っているのなら、安心だ。」「日本で売れたのなら、世界で勝てる。」と、日本のまねをしようとしています。 しかし、そのソフトであるノウハウは一朝一夕でまねできるものではありません。ましてや、アメリカの金融資本が、こうしたソフトを蓄積しているわけではありません。 日本の強みは、質の高い製品(ハード)の提供であったことはもちろんですが、実は、そのハード製作の背景にあるソフトの基本・基盤にあると考えます。 日本でも日本以外でも同様な事象として、そのような誠実な生産者がいる一方で、短期利益のために、いかがわしい商行為を行う人たちも多く存在します。 たとえば、これまで、米の問屋は、いかにして、本来の銘柄ではない別の米を混ぜて売り抜けるか、これが利益の種になっていました。 新潟県が調査したところでは、100%新潟コシヒカリと表示したコメの30%以上が他の米がブレンドされたものであったそうですが、今では、消費者自身が、直接、生産農家と契約するなどの動きが強まっており、消費者自身が良いものを自ら探すという動きが始まっています。
米国国内は、マネーだけをまさぐり、他者が作ったものを消費することだけに、慣れた人間が圧倒的に多いのが現実です。これを、輸出大国に切り替えるには、何が必要なのか? 米国は人口3億人。TPP対象人口は、日本も含めて、今のところ、7億人未満。しかし、GDPで見ると米国と日本で90%を占めますので、ここでTPPを押し出してくる米国の意図が対日本であることは明白です。
このTPPには、間違いなく、これまでの日本の「体制」を壊す、毒の要素があります。しかし、現場で、本当にきちんと、消費者に歓迎される「価値」を生み出している人間にとっては、これまでの、日本国内の狭い市場のみならず、自らが、師匠の立場になって、世界展開できるチャンスにもなりえるのではないでしょうか?これは何も農業分野に限りません。 正しい人間は、それを、堂々と公開しますし、 1対1での、 ダイレクトな信頼関係を求めます。 そして、生産と消費、さらに、その中間の流通でも、お互いが存続できるように、お互いを理解し、支えあいます。
私は、TPPによって日本の「体制」が壊されると憂えている間にも、日本という国が本来、持っている力が、 自分自身では何ら「価値」を生み出さないシロアリたち(管理部門の経費、規制よる利権)に食い荒らされていることを危惧します。 実は、TPPは米国のような外から飛んでくる害虫による外的な問題という側面だけでなく、日本国内に従前から巣食っているシロアリたちの問題という「国内問題」でもあるわけです。 ひょっとすると、日本はもう既にシロアリに食い散らかされて、外から来る害虫はそれほどおいしいものを食べられないかもしれません。 農業問題はその国内問題の典型ですが、このままではTPPに参加する・しないにかかわらず、衰退してしまいます。この農業分野の立て直しに関する議論はこの20年〜30年という期間にわたって議論されていますが、状況は悪くなるばかりです。 TPPで問題となっている農業以外の分野はどうでしょうか?社会保障の分野はどうでしょうか?医療制度は高齢化と人口減少で崩壊寸前です。あと100年間は大丈夫だと言われた年金制度はどうでしょうか? もう言うまでもありません、これらはTPPに関係なく、日本国民が真剣に議論してこなければならなかった国内問題です。
TPPに参加する・しないにかかわらず日本の制度は既に疲弊して崩壊寸前で、何らかの抜本的なあるいは部分的な改革が必要です。逆に米国のオバマ政権は日本と同じ皆保険制度を導入しようとしています。そのように、世界に先駆けて高齢化は進む日本で、しっかりとした制度を再構築することが出来れば、その経験・知恵は、本来であれば、米国のみならず世界の見本ともなることが出来るかもしれません。
私たち(K2Oとその仲間)は、実は、日本は、これまでの磨き上げたハードおよびソフトによって、世界中を主導できる国に変われるのではないか、と考えているのです。そこにある理解の前提になっているのは、世界が劇的に変わりつつある、という理解です。人間を、無気力・無思考の奴隷に飼いならしたり、強引に人口を減らすことなどはできなくなった、という事実です。異論も多いことと思いますが、今、間違いなく、人類は、新しい局面に突入しようとしています。20世紀の段階の事実をもとに、これからを、判断するのでなく、今、何が進行しているのか、この事実を踏まえたいと思います。
「ウォール街を占拠せよ」に、世界中のほとんどの人間が、共感している背景にあるもの、を考えてみましょう。そして、米国にも、中国やその他の国にも、誠実でありたいとする、多くの仲間がいることを信じ、連携を探るべきと考えます。今まで日本は自らの考えを米国や世界の人たちに積極的に語るということをしてきませんでした。それがある意味日本的な“美徳”と考えられていたという側面もあるでしょう。その代わりに工業製品(ハード)を売り込むことには積極的で、時にはそれが米国やあるいはそれ以外の国から脅威ととらえられることもありました。それらハードの後ろにいる人が見えないのですから、ある意味しょうがない面もあったでしょう。しかし、日本が培ってきたハードの背景にあるソフトが少しずつ評価されてきています。また、それが世界で求められているものでもあるはずです。「ウォール街を占拠せよ」の動きなどを見ると、その「99%の人たち」は、日本のソフトを求めているのではないかと思います。
米国の政府と一体になっている野田政権には、TPPにNOと言う選択肢は残っていないでしょう。野田政権は臆面もなく何事につけ「米国との関係」という言葉を繰り返して、政策を推し進めようとします。そこには日本国民という意識はありません。米国もある意味同じです。米国政府には米国民という意識は希薄です。そこで、日本国内に閉じこもるのではなく、米国の99%の人たちをはじめ世界70億の人に積極的に呼び掛け、そして連携していくことが今必要なのではないかと思います。
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