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円相場75円71銭高値更新 政府・日銀、同時緩和&介入検討…単独では限界 (産経新聞) 
http://www.asyura2.com/11/hasan73/msg/787.html
投稿者 赤かぶ 日時 2011 年 10 月 27 日 02:00:38: igsppGRN/E9PQ
 

円相場75円71銭高値更新 政府・日銀、同時緩和&介入検討…単独では限界
http://sankei.jp.msn.com/economy/news/111027/fnc11102701340001-n1.htm
2011.10.27 01:32  産経新聞


 26日のロンドン外国為替市場で円相場が一時1ドル=75円71銭を付け、前日にニューヨーク市場で記録した戦後最高値(75円73銭)を更新した。ニューヨーク市場も75円台後半で推移。欧米に先立つ東京外国為替市場も同市場として初めて1ドル=75円台に突入した。日銀は急激な円高による日本経済への打撃を懸念し、27日に開く金融政策決定会合で追加金融緩和を検討する。政府も円売り介入の準備に入っており、同時実施に踏み切る可能性がある。ただ、円高は欧州危機の拡大と米国経済の減速が原因で、日本だけの対応には限界がある。

 この日の外為市場では、欧州危機の包括策を取りまとめる同日の欧州連合(EU)首脳会議の調整難航が伝えられ、失望感からリスク回避に伴う「消去法的な円買い」が進んだ。経済指標悪化を受け、米連邦準備制度理事会(FRB)が景気下支えのため、11月に追加緩和に踏み切るとの観測が広がったことも、円買いに拍車をかけた。

 ニューヨーク市場は午前9時20分現在、1ドル=75円85〜95銭で取引された。

 欧州首脳会議が実効性のある包括策を打ち出せないと、「安全資産とみなされた円買いが加速しかねない」(矢嶋康次ニッセイ基礎研究所主任研究員)との見方が広がっている。

 日銀は、円高による景気の下振れを防ぐため、国債や社債などの資産を買い入れる基金の規模を現在の50兆円から5兆円程度拡大する追加緩和策の検討に入った。ただ、日銀内には、基金の残高が9月末現在で約11兆円あることなどから慎重な声もあり、27日の動向も見極めながら判断する。

 一方、安住淳財務相は26日、「非常に投機的な動きが目立っている。あらゆる措置を排除せず対応する」と述べ、改めて介入を示唆した。

 政府・日銀は急激な円高が進んだ8月4日にも同時に追加緩和と介入を実施。この日の介入額は過去最大の約4兆5千億円に上り、日銀は資産買い入れ基金を10兆円増額した。ただ、その後、いったんは80円台まで円安に戻ったが、効果は5日間ほどしか続かず、8月19日にニューヨーク市場で75円95銭を付け、戦後最高値を更新した。

 円高の根本的な要因は欧米経済にあり、市場では「G7(先進7カ国)の協調介入が実現しない限り、限定的で一時的な効果しかない」(エコノミスト)との声が多い。

 東日本大震災直後の3月18日には協調介入が実現したが、景気減速に直面する現在の欧米は輸出に有利な自国通貨安を望んでいる。安住財務相も「利害が一致しない」と協調介入の困難さを認めており、円高是正の“決め手”は見当たらないのが実情だ。

 

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01. 2011年10月27日 20:56:54: cqRnZH2CUM

http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPJAPAN-23861520111027
日銀に追加緩和迫った金融危機深刻化、焦点は欧米の個別金融機関に
2011年 10月 27日 19:49 JST 

 10月27日、日銀が追加緩和に踏み切った背景には、欧州発の金融危機が一段と深刻化し、円高などを通じて日本経済の下振れリスクが高まり続けているとの危機感があったとみられる。写真は日銀本店(2011年 ロイター/Yuriko Nakao)
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 [東京 27日 ロイター] 市場関係者の間で日銀は27日の金融政策決定会合で政策を据え置くとの見方も多かった。にもかかわらず資産買入基金の増額による追加緩和に踏み切った背景には、欧州発の金融危機が一段と深刻化し、円高などを通じて日本経済の下振れリスクが高まり続けているとの危機感があったとみられる。

 今後も欧州債務問題の動向は予断を許さず、難しい政策運営が続くとみられる中で、当局は欧米の個別金融機関の動向を凝視し始めている。  

 一部の市場関係者の間では、日銀は「経済・物価情勢の展望(展望リポート)」で景気の回復シナリオを大きく変えず、26日の欧州首脳会議を受けた急速な円高や株安など市場の急変がなければ政策を据え置くとの見方が出ていた。8月に実施した追加緩和で、資産買入基金の買い入れ上限まで余裕があることも政策据え置き観測の根拠となっていた。 

 しかし日銀は追加緩和を決定、白川方明総裁は会合後の会見で「8月の追加緩和では相当程度前広にリスクを織り込んだが、リスクの一部が顕在化した」と欧州債務問題の深刻化を指摘。国内景気の下振れリスクが高まった点を強調した。また資金調達難に苦しむ欧州金融機関による資金の引き揚げの影響で、新興国も「ファンダメンタルズ(経済の基礎的条件)はなお良好だが、相応の影響を受ける可能性に注意が必要」と警戒した。 

 実際、日銀内では国内景気の先行きに慎重な見方が増えつつある。現在は、東日本大震災による生産中断からの回復を急ぐ自動車メーカーの増産や復興需要が下支えしているが、2012年度に入れば自動車の増産が一服。復興需要も12年度の上期が山場とみられる。欧州問題が長引いて世界経済の成長ペース回復が遅れれば、12年度下期に日本経済が極めて深刻な状況に陥るとの悲観シナリオも一部ではささやかれている。 

 また欧州金融市場の緊張が一段と高まれば、さらなる円高や株安・長期金利急騰などが、株式や債券を保有する国内金融機関を直撃、国内の金融システムに波及する可能性も懸念される。関係者によると、日銀や金融庁は国内金融システムへの影響を見極めるため、すでに欧州個別金融機関の動向を注視しているもよう。 

 日銀は今回の追加緩和で、長期国債のみ買い入れの増額を決めた。しかし、リーマンショック後の経験などを踏まえ、今後国内で企業の資金調達に支障を来す可能性が想定されれば、コマーシャルペーパー(CP)や社債などリスク性資産の買い増しのほか、1銘柄あたりの買い入れ上限を引き上げる可能性もある。さらなる追加緩和に向け、いろいろな想定がなされているもようだ。 

  (ロイターニュース 竹本能文;編集 宮崎大)


http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPJAPAN-23854920111027?sp=true
日銀追加緩和は単独円高対策の限界示す、年度内の追加余地残す
2011年 10月 27日 17:35 JST 
 10月27日、日銀は長期国債の買い入れを5兆円増額するとの追加緩和措置を決めたが、これは円高対策として他に資金量を大きく拡大できる市場がないための窮余の策だったとの見方が出ている。4月撮影(2011年 ロイター/Yuriko Nakao)
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 [東京 27日 ロイター] 日銀は27日の金融政策決定会合で、長期国債の買い入れを5兆円増額するとの追加緩和措置を決めたが、これは円高対策として他に資金量を大きく拡大できる市場がないための窮余の策だったとの見方が出ている。

 しかし、今後、米国のQE3実施の可能性とともに円高が再び進行する見通しもあり、年度内に為替介入とセットで再び緩和が実施される可能性も取りざたされる。 

  <従来方針と反するも、量を稼げる手段他になく> 

 長期国債の買い入れ増については、白川方明総裁をはじめ、宮尾龍蔵審議委員も慎重だったとの見方が市場には多い。長期国債の大量購入は、財政支援(マネタイゼーション)との印象を与えかねず、通貨や中央銀行への信頼にかかわるためだ。 

 しかし、今回は政府からの期待感に加え、市場も追加緩和を織り込んできたため、為替介入もない中での勝算なき単独緩和を実施せざるを得なかったとみられている。為替への波及効果を狙うには、大規模な資金供給量を確保できる手段が必要となり、長期国債購入拡大以外にないと判断したようだ。  

 野村総研・主席研究員の井上哲也氏は、従来の日銀の方針とは反する面もあるとしながらも、「為替への効果を考えた場合、長期国債以外に手段はほとんどない。短期国債は札割れである上、REITや社債市場では市場規模が小さすぎる」と分析している。 

 日銀自身は、中央銀行が為替への影響を目的に金融緩和を実施したとの説明はしにくい。SMBC日興証券のチーフマーケットエコノミストの岩下真理氏は「(日銀が)あくまでも景気の下振れに備えての政策との説明に終始するはず」とみている。為替相場への影響が目的であると言及した途端に、さらなる追加を要求されかねないからだ。「欧米などの海外問題が原因である以上、円高傾向は収まらない。少なくとも追加緩和は介入とセットでなければ効果はない」(岩下氏)との見方が大勢だ。  

  <年度内にあと1、2回の緩和余地残す> 

 市場では、今回の追加緩和は、これで打ち止めではないと見られている。 

 一つには「米国でのQE3の可能性が高まっており、実施の際の対ドルでの円高は避けられそうにない。従来の追加緩和が為替介入とセットで実施されたこともあり、政府による介入時に再び足並みを揃えての緩和が実施される可能性が高い」(井上氏)という。  

 さらに今回、10兆円増額の提案を宮尾審議委員が提出したことより「目先の緩和はこれで打ち止めではないとのメッセージが感じ取れる」(岩下氏)との受け止め方も浮上。同氏は「社債購入なども含めて、あと1、2回は実施する可能性が高い」とみている。 

  <効果なき緩和拡大に疑問の声も>  

 一方、こうした金融緩和拡大に疑問の声も浮上している。円高で最も苦しい思いをしているのは日本企業だが、そ政府による為替介入や日銀による追加緩和を望む声は少ない。経済団体幹部は対症療法的な為替対策よりも「規制緩和や通商政策など抜本的な競争力強化が不可欠」としている。(ロイター企業調査を参照:here)  

 市場関係者からも否定的な見方が出始めている。みずほ証券チーフマーケットエコノミストの上野泰也氏は「欧米サイドに主因がある円高に対してパフォーマンス的な色彩が濃い追加緩和を日銀は繰り返している」と指摘。「日銀が追加緩和で無理をすればするほど、日本経済にまつわる将来のリスクが、別の面で、すなわちキャピタルフライト(資本逃避)による国債消化状況の急変リスク増大といった形で膨らむという皮肉な構図があることを、忘れてはならない」と警告している。 

(ロイターニュース 中川泉;編集 北松克朗)


02. 2011年10月27日 21:25:29: cqRnZH2CUM
日本政府:欧州の救済基金拡大に協力する方針−関係者 

10月27日(ブルームバーグ):日本政府はユーロ圏の首脳らが合意した域内救済基金の拡大に協力する方針で、欧州当局者からプログラムの詳細を伝えられるのを待っていると、事情に詳しい関係者が述べた。

  また別の関係者によると、日本当局は支援の具体的な方法が11月に明確になると考えている。関係者らは匿名を条件に語った。

  欧州当局者は欧州金融安定ファシリティー(EFSF)を新発債の保証や公的および民間の金融機関や投資家から資金を集めるための特別投資事業体の設立に活用する計画を11月に策定するとしている。

  EFSFは従来の枠組みの中で今年1−6月(上期)に5年債と10年債を発行。1月の第1回債では日本政府が20%以上を購入した。

記事に関する記者への問い合わせ先:

記事に関するエディターへの問い合わせ先:Chris Anstey at canstey@bloomberg.net
更新日時: 2011/10/27 20:45 JST


白川日銀総裁:8月からさらに厳しさ増してきた−欧州債務問題(2) 

  10月27日(ブルームバーグ):日本銀行の白川方明総裁は27日午後、定例記者会見で同日開いた金融政策決定会合で追加緩和に踏み切ったことについて、欧州の債務問題が8月から厳しさを増してきたとの見方を示した上で、「下振れリスクをより意識した方がいい」との情勢判断が背景にあったと述べた。

  円ドル相場が最高値を更新するなど円高が続いていることについては「現時点での円高については、企業のマインドや収益、輸出等へのマイナスの影響が大きい」と述べた。

  日銀は同日開いた金融政策決定会合で、資産買い入れ等基金を「50兆円」から「55兆円」に拡大することを8対1の賛成多数で決定した。5兆円の増額対象は全て長期国債を当てる。世界経済の先行き不透明感や円高により日本経済の下振れリスクが高まっていることに対応し金融緩和を強化した。反対したのは宮尾龍蔵審議委員で、同委員は60兆円への増額を提案したが、反対多数で否決された。

  白川総裁は追加緩和を決定した背景について「もちろん為替の円高は経済・物価の見通しに影響を与える1つの要因だが、これだけではない。欧州の経済情勢、ソブリン問題が日本経済に与える影響もカウントした」と指摘。「8月の緩和では先々のリスクを相当程度前広に織り込んで決定したが、そうしたリスクの一部が既に顕在化してきているし、先々の経済を考えた場合に下振れリスクをより意識した方がいいということで今回の緩和を決定した」と述べた。

         なぜ長期国債のみ5兆円増額なのか

  日銀は8月4日の会合では資産買い入れ等基金を40兆円から10兆円増額。買い入れ対象資産は長期国債のほか、コマーシャル・ペーパー(CP)や社債、指数連動型上場投資信託(ETF)、不動産投資信託(J-REIT)などリスク資産も含んでいた。

  今回の追加緩和で増額を長期国債のみの5兆円としたことについて、白川総裁は「現在の金融環境を見ると、CP、社債市場は非常に円滑に回っている。したがってリスク性の資産を強く意識して緩和を行わなければいけないという情勢ではない。したがってリスクフリーの金利である長期国債金利に働き掛けてそれを通じてまんべんなく緩和の効果を及ぼしていくことが適切と判断した」と述べた。

  日銀は長期国債の買い入れを5兆円増額したが、買い入れ対象となるのは残存期間1年から2年に限られている。白川総裁はその効果について「このゾーンの長期金利をその分引き下げる、働き掛けるという効果がある」と指摘。さらに、「そのゾーンに隣接したゾーンの金利にも影響を与え、さらに民間企業の資金調達コストはリスクフリー金利に信用スプレッドが加わるわけだが、そのベースとなる金利が下がることによって企業にも影響していく」と述べた。

        どれくらい影響あるか分析ない

  白川総裁はまた、「もう1つ、現在のように不確実性の高い局面で日銀が経済の下振れリスクに配慮して金融緩和策を採ったということそれ自体が安心感につながっていく」と語った。

  その上で「金利の低下が実体経済にどれくらい影響を与えるかについては、今のところ私の知る限りしっかりとした分析がないように思う」と指摘。「そういう意味で、私どもとしては定量的にはなかなか示しにくいところがあるが、先ほど申し上げたルートを通じて経済を下支えする効果はあると考えている」と述べた。

  欧州連合(EU)首脳会議が債務問題に対する包括策に基本合意したことについては「これらの一連の決定は財政、金融と実体経済の負の相乗作用の強まり防止の上で意義が大きい」としながらも、「今回の合意だけで欧州債務問題が解決するわけではない」と述べた。

          円高を是正するためには

  円高の背景については「欧州のソブリン問題を含め、世界経済全体に対する不確実性が非常に高まっているもとで、グローバル投資家が一段と安全志向を強めている」と指摘。「その中で相対的に安全と見られる通貨に買いが集まりやすい状況が、特に欧州情勢が厳しさを増してから強まっている」と述べた。

  白川総裁はその上で、円高を是正するためには「欧州を中心とする世界経済の不確実性が減っていくための取り組みが、円相場に一番大きな影響がある」と語った。

記事に関する記者への問い合わせ先:東京 日高正裕 Masahiro Hidaka mhidaka@bloomberg.net

記事に関するエディターへの問い合わせ先:東京 大久保義人 Yoshito Okubo yokubo1@bloomberg.net香港 Paul Panckhurst ppanckhurst@bloomberg.net
更新日時: 2011/10/27 17:43 JST


03. 2011年10月31日 19:55:17: cqRnZH2CUM
>>03 介入効果は一時的か、根強いQE3観測とドルの希薄化
2011年 10月 31日 18:00 JST 

 10月31日、ドルは政府・日銀によるドル買い/円売り介入を受けて4円超急上昇したが、市場では米追加緩和観測が根強く、介入効果は一時的との見方が少なくない。都内で昨年9月撮影(2011年 ロイター/Yuriko Nakao) 

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3カ月ぶり単独介入、断続的円売りで一時79円半ば

 [東京 31日 ロイター] ドルは31日、政府・日銀によるドル買い/円売り介入を受けて4円超急上昇した。しかし市場では、量的緩和第3弾(QE3)など米追加緩和観測が根強く、介入効果は一時的との見方が少なくない。

 追加緩和がドル価値の一段の希薄化を招けば「ドル安」は回避できないという。日本が介入によって市場からドルを吸い上げても、米国によるドル増刷の勢いには到底追いつかず、近い将来にドル/円が底打ちする可能性は低いとみられている。 

  <介入規模は過去最高の可能性> 

 政府・日銀は31日、早朝の取引で75.31円と過去最安値までドル安が進んだことを受け、約3カ月ぶりにドル買い/円売りの単独介入を実施した。安住財務相は「納得がいくまで介入する」と強い決意を示し、ドルは一時79.55円付近まで急反発。その後も介入は継続的に実施され、78円後半から79円前半の水準を維持している。市場では、今回の介入規模が前回8月4日の4兆5129億円を大幅に上回り、一日としては過去最高規模に達した可能性があるとみられている。

 一方、市場では、介入が実施されたことで、ドル/円の「底打ち時期」が先送りされたとの声も出ている。マーケット・ストラテジィ・インスティチュート(MSI)代表で金融・貴金属アナリストの亀井幸一郎氏は、介入はドルが一時的に上がってもまた下がるという循環的なドル安を招くと指摘する。「介入期待感で売るべき人が様子見を決め込む一方で、短期筋はドルを買って、介入後の利食いのチャンスを待ち構える構造が定着する」という。結果として「ドルはダラダラと下げ止まらず、70円割れもあるだろう」と同氏は予測する。 

  <QE3とドルの希薄化>

 7─9月米国内総生産(GDP)など堅調な米マクロ指標は続いているが、マーケットの米追加緩和観測が消えないこともドル安進行予想の背景だ。

 この日も市場では、「最近の日銀のパターンでは、米国で何らかのアクションがある前に行動をとっている」(信託銀)との声が聞かれ、11月1―2日の米連邦公開市場委員会(FOMC)で量的緩和第3弾(QE3)を含めた追加策を示唆するとの見方が広がっていた。

 米国債を6000億ドル購入したQE2の拡大版のようなQE3となるかは不明だが、「量的緩和」と呼べるような政策であれば「QE3はドルの増刷であり、ドル価値の希薄化につながる。ドル安は回避できないだろう」と東海東京証券のチーフエコノミスト、斎藤満氏は予想する。 

 また米国が今後とも量的緩和を通じた金融緩和を推し進めざるを得ない原因として、欧州ソブリン危機が招いたCDS(クレジット・デフォルト・スワップ)問題が米銀のバランスシートに破壊的な影響力を与えるとの不安がある。

 CDSは企業や国などの信用リスクを対象とした取引で、CDSの買い手は売り手に対してプレミアム(保険料)を支払い、対象となる企業や国が債務不履行を起こした場合に、買い手は売り手から保証金を受け取る。

 「今回は欧州の合意で時間稼ぎできたが、一部の米銀はギリシャ国債のCDSの売り手になっていると見られ、いずれギリシャが破綻した場合には、米銀に莫大な資金負担が発生し、3年前の危機を再現しかねない」と東海東京証券の斎藤氏は警告する。

 さらに「現状では(3年前のように)米銀救済のための財政出動は不可能で、米国民世論の支持も得られない。QE3が実施されるのは時間の問題だ」との見通しを同氏は示した。 

 EUは、27日の首脳会合で銀行が保有するギリシャ国債について50%の減免を受け入れる合意が成立した、と発表した。国際スワップデリバティブ協会(ISDA)は、銀行との合意は「自発的」とみなされるため、CDSの決済(売り手から買い手への支払いを)求められる「クレジット・イベント(信用事由)」には該当しないとの判断を示した。

 しかし、「50%のヘアカットがクレジット・イベントではないとの解釈は、投資家のリスクヘッジの道具としてのCDSが十分に機能しないということで、CDS市場の信任を損ない、結果的に現物(国債)そのものが売られる事態を招く」と斎藤氏は指摘する。 

  <MBS購入に対する方針転換> 

 「ドルの下落は続くだろう。その理由は米国が金融緩和を続けざるを得ないことと、欧州で金融収縮が起きていることだ」とMSIの亀井氏は言う。「米国では金融機関の不良債権問題の深刻化が進んでいるとみている」。欧州では、ソブリン問題で金融機関が自己資本の拡充を求められる中、欧州金融機関の間では投資資金の回収や貸しはがしが起きているいう。

 9月に開催されたFOMCでは、保有している政府機関発行の住宅ローン担保証券(エージェンシーMBS)と政府機関債の償還金をエージェンシーMBSに再投資するという異例の方針が打ち出された。「そもそもFRBとしてはリスクのある同証券(MBS)を手放す方針だったが、これを転換したことは、先行きを読むうえで重要だ。こうした流れの中でQE3も決まるのではないか」と亀井氏は話している。 

 (ロイターニュース 森佳子 編集:伊賀大記)



04. 2011年10月31日 19:55:50: cqRnZH2CUM
>>04 介入は相場形成に相応の影響=白川日銀総裁
2011年 10月 31日 19:29 JST
 

 10月31日、日銀の白川総裁は、円高進行が日本経済に与える影響について「東日本大震災からの復旧・復興局面での急激な円高は、収益や輸出、企業マインドに与える影響大きく下振れリスクと意識している」と語った。都内で27日撮影(2011年 ロイター/Yuriko Nakao)
 
 [大阪 31日 ロイター] 日銀の白川方明総裁は31日午後、大阪市内で会見し、円高進行が日本経済に与える影響について「東日本大震災からの復旧・復興局面での急激な円高は、収益や輸出、企業マインドに与える影響が大きく、下振れリスクと意識している」と語った。

 政府・日銀が同日に実施した為替介入は、相場形成に相応の影響を及ぼすとしたが、27日に実施した追加緩和を含め、金融政策運営は為替を直接コントロールすることが目的ではないとの見解を示した。

 白川総裁は「為替相場の動きは景気・物価に影響を与える重要な要因の1つだ」としたが、金融政策は「為替相場に1対1で対応しているわけではない」と強調。27日にドル安/円高が進行する中で追加緩和を実施したが「日銀の金融政策はあくまで景気・物価の見通しに即して行うものだ。景気・物価が下振れていくリスクに配慮して(追加緩和を)行った」と説明した。日銀が外債を購入して、為替相場に働きかけるべきとの指摘に対しては「為替レートを直接コントロールするのは為替介入政策。為替介入として行う外貨資産の買い入れは、政府の為替政策の範ちゅうに属する」と慎重な考えを示した。

 為替介入自体については「G20の声明は、過度で無秩序な変動は望ましくないとの認識を示している。そうした認識の下で介入を行っている」と指摘。その効果について「為替相場の形成に相応の影響を及ぼすと思っている」と語った。もっとも、先週から現在にかけての為替市場は、危機回避に向けたユーロ圏首脳による包括的対応策の合意を受けて「ユーロ安が修正され、ユーロ高の方向に向かっている」とし、「対ドル、対ユーロ、対新興国通貨で名目実効為替レートをみると、必ずしも円高ではない。大きな目でみると、リスクオフからリスクオンの流れ」との見解も示した。

 27日の追加緩和では、資産買入基金による長期国債の買い入れ規模を5兆円増額した。白川総裁は「金融だけで経済が動くわけではないが、中央銀行の立場から必要な金融緩和をしっかり行っている」と述べる一方、国債買い入れ増などで金融政策が財政ファイナンスになっていると市場が認識すれば「先々の金融政策運営に対する信認が低下し、結果として長期金利が上がる。これはむしろ逆効果だ」と警戒感を示した。

 (ロイターニュース 伊藤純夫)


05. 2011年10月31日 19:57:27: cqRnZH2CUM
>>05 インタビュー:3次補正成立しても問題山積=平野復興相
2011年 10月 31日 17:19 JST 

 10月31日、平野・震災復興対策担当相は、2011年度3次補正予算が成立しても、実際の事業開始が来春までずれこまないよう対応を急ぐ必要があるとの認識を示した。写真は9月撮影(2011年 ロイター/Toru Hanai)

焦点:介入効果は一時的か、根強いQE3観測とドルの希薄化
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3カ月ぶり単独介入、断続的円売りで一時79円半ば

 [東京 31日 ロイター] 平野達男・東日本大震災復興対策担当相は31日、ロイターとのインタビューで、復興計画策定が遅れている自治体が多いことや、マンパワー不足などの問題が山積しており、2011年度3次補正予算が成立しても、実際の事業開始が来春までずれこまないよう対応を急ぐ必要があるとの認識を示した。

 復興費用の増額に関しては当初の19─23兆円が大づかみな数字であるため、追加には柔軟に対応する姿勢を示した。一方で財政再建も意識する必要があるため、自治体には説明のつくしっかりした復興計画を求めるとした。同時に、財源としての復興増税と、社会保障のための消費増税は、景気を冷やすとしても現在の発散的な財政の異常状態のもとでは避けられないとの考えを示した。

 被災下での日本で環太平洋連携協定(TPP)参加の議論はできれば避けたかったものの、日本にとって自由貿易推進は待ったなしの状況であるとして、議論参加に積極的な姿勢を示した。

 インタビューの詳細は以下の通り。

── 地域の復興計画を積み上げていった場合、19─23兆円の予算は上積みされる可能性は。

 復興期間10年間で23兆円、集中期間5年間で19兆円というのは、大づかみな計算で出したもの。当初、災害査定がほとんど終わっていない状況、そして、市町村の具体的な復興計画が全く決まっていない段階で数字を出す必要があった。災害査定が終わり、復興計画が見えてくるとさらに精度が高くなってくる。その段階で19兆円で足りなければ追加するし、十分であれば19兆円でいくし、これから形になるもの。

 今はまだ見直しの材料が出てきていない段階。

── 復興費用だから金額積み上げには寛容な姿勢で取り組むのか、あるいは財政再建の下でできるだけ抑制する姿勢で取り組むのか。

 災害の場合、地域の復興計画を尊重するという基本方針は今回も変わらない。ただし、財政再建途上だから復興財源を別途確保しようとの方針を出しており、財政再建と復興計画とは切り離されている。

 むしろ問題は、復興債を発行するので自治体の負担はなくなる。だからこそ、何でもかんでもとはいかない。ただし地域が壊滅するほどの被災なので相当程度のことはやらないければならないが、場合によっては増税までお願いしなければならないので、自治体でもきちっと説明のつくような計画を出さないとどこかで批判が出てくる。そこのところはきちんと意識してやらないければいけない。

── 第3次補正成立後、いつから実際に事業が始まり、資金が回り始めるのか。

 補正予算が国会を通れば、あとは自治体が計画を作って執行するということ。問題は、自治体の仕事量が増えているところに、12兆円にのぼる仕事が増える。その支援体制をどうするか。予算を通せばニーズは出てきても、仕事の発注や調査など、マンパワーの支援体制が問題。来春まで事業が始まらないということがないようにしたい。できるだけ早く開始できるよう努力する必要がある。しかし市町村はまだ復興計画ができているところはそれほどなく、策定も急いでもらわないといけない。

 そうはいっても、復興計画作りは、住民を高台に移転してもらうことに加えて、街づくりまで及ぶ。本来なら5─10年かけて権利調整しなければならない話だが、それを1、2年で相当急いでやらなければいけない。復興計画自体は来春までに策定してもらいたいが、そう簡単な話ではない。(新潟県中越地震の後で)山古志村でも数十戸の家屋移転に権利調整に1年以上かけた。今回は、数百戸から数千戸、40─50市町村が一気に動く。

── 復興費用は、ほとんどが11、12年度で出尽くすことになるのか。

 来年度概算要求でもしかるべく予算を出すが、まずは1、2次補正で6兆円、3次補正で12兆円を組んだ。補正予算は年度内消化が基本。今回、これだけの額はきちっと用意していつでもできますよと自治体に示すことに意味がある。自治体側もメニューがだきたということが明らかになれば、次のプロセスに進みやすい。

── 復興債の償還期間は、事業が長引くのであれば長期間に設定するという選択肢もあるのでは。

 復興費用は次の世代に先送りしないということが基本。与野党で検討中の話なので、その議論でで決まってくる。

 一つ気になるのは、かつてこの国は財政の話をする際、赤字国債を出すと大騒ぎだった。赤字国債というのは1年で償還していた。そのうち60年償還となったが、赤字国債に批判が出てこない。その感覚がまひしていると思う。

 財政というのは理想は税収の中で歳出を決めるもの。そうはいっても経済対策などやるののにどこの国でも起債してやっているが、名目成長率がプラスならいいが、この経済状況下で、税収でどれくらい確保できるか。今の財政状況は、金利が上がったら償還のために借金をしなければならない、財政発散構造にあるということが大変異常だ。

── 復興増税と消費増税が重なる影響についてどう考えるか。

 社会保障改革は待ったなし。税収40兆円以下の時に国際40兆円以上発行している状況。誰が負担するのか。増税の批判もあるが、基本的にこの国の財政は国民が支えるしかない。

 経済への影響としては、消費者マインドを冷やすということはある。だからといって、財政の状況を発散状況においておいていいかということにはならない。

── 復興特区でどういう形で産業誘致をしていくのか。

 今、民間レベルで自治体にいろいろなオファーが来ている。ただ自治体に(受け入れ)態勢がない。これからきちんとした検討がなされると思う。

 復興特区には3つのパーツから成り立っている。1つは税制で企業が入りやすくする。5年間法人税負担免除など。2つ目が規制緩和。3つ目が手続きの簡素化。これを一つのツールにして企業が入りやすい条件を設定。これにより、既存企業が復旧すると、流通など新しい企業が入ってきてもらうこと、外資も含めて支援していきたい。

── 東北地方の復興は農林水産業の復旧などが中心となろうが、TPPの影響をどう考えるか。

 私自身は3月11日の時点ではTPP推進の先頭に立っていた。被災で傷んでいるので、そういう状況で関税が引き下げられるかもしれないという議論が起こるのはできれば避けたかった。しかし9カ国の協議は待ったなしで進んでいるので、日本も避けて通れない。日本は自由貿易主義で、今後もっともっと国を開いてやっていかなければいけないので非常に辛い状況の中での議論となっている。だからこそ、きちっとした情報開示と日本がなぜやらなければならないか、なぜ日本がこれに入らなければならないか、真摯な説明しなければならない。

 交渉参加以上に、最終的にこれはTPPに入るか入らないかという段階では、今よりもっと激しい議論になってくる。TPPはどちらの判断をしても大変つらいものになる。まずは判断できるかどうか。そして政治が耐えられるか耐えられないかの問題。しかし、野田首相は必ず節目節目できちんと判断する。その時に政治が耐えられるよう皆できちっとサポートするしかない。

 関税が即時撤廃となれば、これは大変なことになる。そうならないよう、相当程度、必死になって政治がきちんと対応するようにしなければならない。

 もっとも被災地は、今現況の復旧復興で精いっぱいで、TPPどころではない。今後、農業団体などと議論するしかない。

  (ロイターニュース 石黒里絵 中川泉;編集 田中志保)


06. 2011年10月31日 20:27:35: cqRnZH2CUM

>>06 為替介入額は27日までゼロ、相次ぐ最高値更新でも−31日は介入実施 

  10月31日(ブルームバーグ):政府・日本銀行による10月の為替市場介入額は、27日まではゼロ円だった。欧州債務危機の深刻化や米国の金融緩和観測を背景に、円・ドル相場は戦後最高値を更新。政府は円高進行をけん制しつつも、介入実施は見送っていた。

  財務省が31日夜に発表した9月29日から10月27日までの「外国為替平衡操作の実施状況」で分かった。10月は、26日の欧州連合(EU)首脳会議まで、ギリシャに端を発した債務問題が一段と混迷。米連邦準備制度理事会(FRB)が量的金融緩和策の第3弾を実施するとの観測も浮上した。

  円・ドル相場は21日、8月19日以来、約2カ月ぶりに戦後最高値を更新。25日からは3日続けて最高値を塗り替えた。円は対ユーロでも4日、1ユーロ=100円76銭と約10年4カ月ぶりの高値を付けた。政府・日銀は31日早朝に1ドル=75円35銭まで最高値更新が進んだ後、8月以来となる円売り・ドル買いの為替介入を実施。ただ、今回発表した「10月」の対象期間には入っていない。

  政府・日銀は8月4日、東日本大震災直後の3月18日以来となる為替介入を日本単独で実施。8月(7月28日から8月29日まで)の介入額は4兆5129億円と、2004年3月以来の大きさだった。8月末に就任した野田佳彦首相や安住淳財務相も、為替の過度な変動や無秩序な動きには「断固たる措置」を取る姿勢を堅持してきた。

記事に関する記者への問い合わせ先:東京 野沢茂樹 Shigeki Nozawa snozawa1@bloomberg.net

記事に関するエディターへの問い合わせ先:東京 大久保義人 Yoshito Okubo yokubo1@bloomberg.net

Rocky Swift rswift5@bloomberg.net
更新日時: 2011/10/31 19:04 JST


07. 2011年10月31日 20:27:54: cqRnZH2CUM

>>06 為替介入、相場安定に寄与すること期待=日銀総裁
2011年 10月 31日 20:10 JST 

 10月31日、日銀の白川総裁は、政府・日銀が同日午前に単独のドル買い/円売り介入に踏み切ったことについて「為替相場の安定的な形成に寄与することを強く期待する」と語った。9月撮影(2011年 ロイター/Toru Hanai)  

 [大阪 31日 ロイター] 日銀の白川方明総裁は31日、大阪市で開かれた地元経済4団体主催の懇談会で講演し、政府・日銀が同日午前に単独のドル買い/円売り介入に踏み切ったことについて「為替相場の安定的な形成に寄与することを強く期待する」と語った。

 そのうえで、円高の根源ともなっている欧州債務問題について、当面の世界経済にとって大きな下振れリスクと述べ、危機回避に向けた欧州の包括的対策の具体化と迅速な実行に期待感を表明した。

 白川総裁は、今年の夏場以降に円高や株安が進んだ背景について、金融市場のグローバルな連関の強まりによって「欧州の問題は、すでに日本の金融市場にも波及している」とし、「今後の国際金融資本市場の動向には注意が必要だ」と警戒感を示した。

 さらに、企業が海外進出を決めるタイミングは「為替相場の動向が影響を及ぼす」と指摘。現在の為替相場は「リーマン・ショック前と比べてかなり円高」とし、企業戦略が国内回帰から海外シフトに戻りつつあり、短期的には過去の平均的なペースに比べて海外生産シフトが速く進む可能性があると懸念を示した。 

 また、国内の中枢的な企業や工場が海外シフトした場合、将来円高が是正されたとしても、再び国内で企業集積のメリットを取り戻すことは困難だと述べた。 

 欧州債務問題について総裁は「当面の世界経済にとって、大きな下振れリスク」とし、「財政と金融システム、実体経済の間で、負の相乗作用がさらに強まるリスクをはらんだ問題である」との認識を示した。

 危機回避に向けた取り組みとして、1)リーマン・ショックのような世界金融危機に発展する事態を回避し、金融市場の安定に万全を期すこと、2)金融システムへの信頼回復に向け、ユーロ圏の諸国が具体的な取り組みを強化すること、3)財政をめぐる市場の懸念が強い国を中心に、財政赤字の縮小に向けて着実に取り組むこと、4)経済の構造改革を進めて成長力を強化すること──の4点を挙げた。 

 総裁は、先進国の中で最悪の公的債務残高を抱える日本にとって、欧州ソブリン問題は「他山の石として意識すべき点が多くある」とし、その一つとして国債の安全性にひとたび疑問が生じると金融システム、さらには実体経済に影響が広く及ぶと指摘した。

 総裁は、国債の問題を需給バランスだけで語るのは適当でなく、中長期的な財政健全化への取り組みを市場参加者が根拠をもって確信していないとすれば、欧州のように何らかのきっかけで市場参加者が国債保有のリスクを意識し始め、非連続的な金利上昇につながる可能性は否定できないと警告した。

 また、総裁はデフレ脱却に向けた金融政策運営について「中長期的な物価安定の理解」で示している中心値の1%が展望できるまで実質ゼロ金利政策を継続しているとし、「まずは、その状況の実現が大切」とし、物価安定には時間がかかるとの認識を示した。さらに、日銀が積極的な金融緩和政策を展開しているにもかかわらず、「なかなか需要が出てこないことの意味を深く考える必要がある」と指摘する一方、「金融政策でやることはない、と言っているのではない。日銀として、さらに工夫の余地がないか、常に考えている」と語った。

 日本経済については、震災に伴う供給面の制約がほぼ解消されたとし、「現在は、需要面の動向がカギを握る」と指摘。当面は海外経済の減速や円高の影響を受け、「成長ペースは緩やかなものにとどまる」としたが、その後は「緩やかな回復経路に復していく」との見通しを示した。 

 (ロイターニュース 伊藤純夫、石田仁志;編集 吉瀬邦彦)

*内容を追加して再送します。


08. 2011年11月01日 11:30:49: cqRnZH2CUM
>>08 円高、マインド悪化で広範な影響もたらす可能性=日銀議事要旨
2011年 11月 1日 10:39 JST 

 11月1日、日銀が発表した金融政策決定会合の議事要旨によると、委員らは「金融資本市場で投資家のリスク回避姿勢が一段と強まっており緊張の高まった状況続いている」との認識を示した。写真は6月撮影(2011年 ロイター/Yuriko Nakao)
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 [東京 1日 ロイター] 日銀が1日に発表した10月6、7日開催の金融政策決定会合の議事要旨によると、委員らは「金融資本市場で投資家のリスク回避姿勢が一段と強まっており緊張の高まった状況続いている」との認識を示した。

 何人かの委員は、円高が「輸出や企業収益の悪化をもたらすだけでなく、企業や家計のマインド悪化を通じて、より広範な影響をもたらす可能性に注意が必要」と指摘した。 

 何人かの委員は、国内短期金融市場での米ドル調達環境に関して、「欧州系金融機関に対するカウンターパーティー・リスクが強く意識されている」と指摘した。多くの委員は、「欧州諸国の国債を多く保有する欧州系金融機関の財務の健全性に対する懸念が高まっている」と懸念。複数の委員は、「欧州系金融機関への懸念は、クレジット市場ではクレジット・デフォルト・スワップ(CDS)プレミアムの上昇や社債市場のタイト化というかたちで表れている」と指摘した。

  <中国、構造的転換点到来─ある委員>

 新興国経済について、何人かの委員は、投資家のリスク回避で資金引き揚げが拡がれば、金融面から経済が下押しされる可能性がある、と懸念。ある委員は、中国で低賃金労働者の供給余地が乏しくなり「構造的転換点が到来しつつあり、潜在成長力が低下する可能性にも留意が必要」との見方を示した。 

 多くの委員は欧州ソブリン・リスク問題が世界経済全体を下押しする中、「輸出が下振れるリスクが高まっている」との認識を示した。ある委員は、「円高の定着が一因となって、基幹工場や研究開発拠点の海外シフトが加速するようなことがあれば、産業空洞化をもたらすとともに、日本の成長期待が低下するおそれがある」と指摘。ある委員は、「国内企業の価格支配力は、震災後に一時的に高まったものの最近では再び低下している」とし、円高に伴う企業マインド悪化などとあいまって、「物価安定の実現が後ずれするリスクに留意が必要」とした。 

  <ドル供給などで米欧中銀との協調重要─複数の委員>

 政策運営をめぐり、何人かの委員は「欧州ソブリン・リスク問題の拡がりに起因する国際金融市場の不安定化等を背景に、前回(9月)会合よりも経済・物価の下振れリスクは幾分高まっているのではないか」と述べた。このうちの一人の委員は「事態の展開によっては、先行き更なる金融緩和が必要となる可能性もあるとの認識は、前回会合から変わっていない」と述べた。

 複数の委員は、米欧中銀とのドル供給オペは、国際金融市場安定確保に重要で、今後も中銀間の協調が重要だ、と述べた。 

 日銀は同会合で、0─0.1%の政策金利や資産買入基金の規模・内容など、金融政策の据え置きを決定した。景気判断は「持ち直しの動きが続いている」を維持したが、生産や輸出について、やや回復のペースが緩やかになっているとした。海外経済については「当面は減速」として、判断を明確に下方修正した。 

  (ロイターニュース 竹本能文;編集 宮崎大)


09. 2011年11月01日 11:31:22: cqRnZH2CUM
>>09 追加介入は適宜適切に判断、注意深く市場を監視=安住財務相
2011年 11月 1日 11:00 JST
 

 11月1日、安住淳財務相は閣議後会見で、今後の為替介入について、市場を注意深く監視して適宜適切に判断するとの考えを示した。都内のトレーディングルームで10月撮影(2011年 ロイター/Yuriko Nakao)
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 [東京 1日 ロイター] 安住淳財務相は1日朝の閣議後会見で、今後の為替介入について、市場を注意深く監視して適宜適切に判断するとの考えを示した。

 財務相は昨日のドル買い/円売り介入について「実体経済を反映していない状況の中で、非常に投機的な動きがあった。それも世界同時的にそうした動きがあったので、介入に踏み切った」と経緯を説明。今後も「きょうを含めて、注意深く市場を監視していきたい」と述べ、追加介入については「(投機筋と)神経戦をやっている。こちらも注意深く動向を見ながら、適宜適切に判断したい」との考えを示した。

 <日本の為替介入、G20声明の範囲内>

 海外当局との連携に関しては「事実をありのままに言う。(円相場は)実体経済とあまりにかけ離れているし、投機的な対象として円が扱われたのでは、真面目に働いている日本人はどうなるのか。私自身の危機感と、国益に従って行った行動である」との意向を表明。長期化する円高が輸出産業などに打撃となり「額に汗して働く人達の実態をまったく反映しない為替相場は、果たして健全なのか」とあらためて疑問を呈した。

 同時に、10月にパリで行われた20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議がまとめた声明で「為替レートの過度の変動や無秩序な動きは、経済及び金融の安定に対して悪影響を与える」ことを再確認したことにも言及。「過度な投機的な動きに対してのけん制は、しっかり声明に盛り込んでいる。そういう点では(介入が)その範囲の中だということは(G20で)言いたい。過度な変動や無秩序な動きが行われていると判断した」とした。

 財務相は今月3―4日にフランスのカンヌで行われるG20首脳会議(サミット)へ出席する。

 <株安「ちょっと踊り場」>

 日経平均が続落して9000円台を再び割り込んだことには、企業業績が「円高や様々な要因で少し厳しい状況が続いていることが反映していると思う」として「ちょっと踊り場的な感はある」との見方を示した。ただ今後、2011年度第3次補正予算などが成立すれば「経済全体に押し上げ効果も出てくる。関連株などを含めて上昇傾向にいくのではないか」と期待感も表明した。

(ロイターニュース 基太村真司)


10. 2011年11月01日 11:36:38: cqRnZH2CUM
>>10 円が対ドル78円台、介入警戒で上値重い−リスク回避再燃で円高圧力も 

  11月1日(ブルームバーグ):朝方の東京外国為替市場では、円が対ドルで一時、1ドル=78円台後半に下落するなど、上値の重い展開が続いている。前日の政府・日本銀行による円売り介入を受け、介入警戒感が円の上値を抑えている。市場では、週後半に20カ国・地域(G20)首脳会議を控えて、日本が介入を継続するかどうかに注目している。

  午前10時15分現在のドル・円相場は78円33銭前後。一時は79円ちょうど付近まで円安に振れる場面も見られている。

  一方、前日の海外市場では欧州債務問題への不安や米金融大手の破産を受け、欧米株式相場が大幅下落。この日の東京株式相場も下落して始まっており、リスク回避に伴う円高圧力もくすぶる格好となっている。

  上田ハーローのシニアアナリスト、山内俊哉氏は、昨日の海外市場でドルが下げ止まった77円75銭付近が目先の「警戒ライン」になるとした上で、週内に重要イベントを控えて、「市場としては様子見姿勢が強くなるので、動きにくくなる」と指摘。78円ちょうど付近ではドルが底堅くなると予想した上で、週末にG20を控えているため、例えば75円台など一定レベルではある程度日本の介入が容認される可能性もあるが、76円や77円台での介入が果たして正当化されるのかには疑問が残るとみている。

            介入姿勢に注目

  安住淳財務相は1日午前の閣議後会見で、外国為替相場について、実体経済とあまりにかけ離れているとして、注意深く市場を監視すると述べた。その上で、今後の対応について、注意深く動向を見ながら適時、適切に判断すると語った。

  財務相は31日午前、財務省内で緊急会見して介入を実施したことを発表。「わが国の実体経済を何ら反映せず、一方的に投機的動きが続いていた」とし、「納得のいくまで介入する」との方針を強調した。

  円は週明け早朝に対ドルで75円35銭の戦後最高値を付けた後、今年3回目となる日本の円売り介入を受け、8月4日以来の安値となる79円53銭まで急落。欧州市場には77円76銭まで値を戻したが、その後は78円ちょうど前後に張り付いた状態が続き、米国時間終盤にかけては78円前半へやや水準を切り下げる展開となった。

  バークレイズ・キャピタルのFXストラテジスト、逆井雄紀氏(ニューヨーク在勤)は、前日の介入について、今週はリスクイベントが多く、介入はその結果を見てからとみる向きが多かっただけに「そういう意味ではタイミングは良かった」と指摘。その上で、過去3回の介入はいずれも単発介入で終わっているため、1日以降も継続して介入を行うかどうかが注目だとし、今回も単発で終われば「やがてじわじわとまた円高方向に進む可能性は残っている」と話す。

            欧州債務不安

  ギリシャのパパンドレウ首相は31日、欧州首脳が合意した同国に対する新たな融資計画について、国民投票に問う必要があるとの見方を示した。同首相が4カ月で2回目の財政緊縮策の議会承認を確保したのを受け、欧州連合(EU)首脳は10月27日未明、1300億ユーロ(約14兆円)の公的支援とギリシャ債務の50%減免を柱とする第2次ギリシャ支援パッケージを取りまとめた。

  31日の欧州債市場では、イタリアを中心に高債務国の国債が下落。ユーロ圏が先週の首脳会議で合意した危機対応策では域内債務危機の拡大を阻止できないとの懸念が広がった。ベルルスコーニ伊首相が財政赤字削減を達成できないとの観測を背景に、イタリア5年債利回りはユーロが導入された1999年以後の最高に達した。

  欧州債務問題に対する懸念が再び強まる中、ユーロは海外時間に対ドルで1ユーロ=1.4000ドル、1.3900ドルを割り込み、一時、3営業日ぶり安値となる1.3829ドルまで下落。この日の東京市場では一時1.3813ドルとさらに水準を切り下げる場面も見られている。

  また、ユーロ・円相場は前日の東京市場で1ユーロ=107円台から約2カ月ぶりの水準となる111円60銭まで円安に振れた後、海外時間に108円前半までユーロが反落。この日の東京市場では一時109円前半までユーロ高・円安に振れる場面も見られたが、足元は108円前半で推移している。

  上田ハーローの山内俊哉氏は、ギリシャ支援について、当事国の国民投票で否決された場合は、「今まで周りが考えていた筋書きと変わってきてしまう」可能性があり、デフォルト(債務不履行)をめぐる議論が意識されやすいとし、米金融大手の破産なども相まって、リスク回避を背景に「やや円買いの動きにはなりやすくなっている」とみている。

           リスク回避再燃

  ニュージャージー州知事やゴールドマン・サックス・グループ共同会長を務めたジョン・コーザイン氏率いる米ブローカー・ディーラーの持ち株会社、MFグローバル・ホールディングスは31日、米連邦破産法11条の適用を申請した。欧州ソブリン債への投資が裏目に出た。

  31日の欧州株は銀行株を中心に続落。米国ではS&P500種株価指数がほぼ1カ月ぶりの大幅安となり、投資家の不安心理を映すシカゴ・オプション取引所(CBOE)のボラティリティ・インデックス(VIX)は前週末の8月以来の低水準(24.53)から29.96へ上昇した。1日の東京株式相場も下落して始まっている。

  リスク回避の流れが強まる中、この日発表された中国の10月の製造業購買担当者指数(PMI)は50.4だった。9月は51.2。ブルームバーグ・ニースがまとめたエコノミスト16人の予想中央値51.8を下回った。また、日本時間午後零時半にはオーストラリア準備銀行(中央銀行)の金融政策決定会合の結果発表が予定されており、市場は利下げに踏み切るかどうかに注目している。

  一方、海外時間には米国の10月のISM(米供給管理協会)製造業景況指数などが発表される。また、きょうから2日間の日程で米連邦公開市場委員会(FOMC)が始まる。

  バークレイズ・キャピタルの逆井氏は、今週は米国の経済指標も注目で、予想対比で上振れすれば、ドル・円の支援材料となる半面、「若干弱含むようだとまだ円高方向に振れかねない」と予想。実際、「米経済がここから急加速して、FRB(米連邦準備制度理事会)の追加緩和観測が完全に消えるといったようなシナリオにならない限り、ドル・円の下落基調はなかなか変わらない」とみている。

記事に関する記者への問い合わせ先:東京 小宮 弘子 Hiroko Komiya hkomiya1@bloomberg.net

記事に関するエディターへの問い合わせ先:東京 大久保 義人 Yoshito Okubo yokubo1@bloomberg.net東京 Rocky Swift rswift5@bloomberg.net.
更新日時: 2011/11/01 10:20 JST


11. 2011年11月01日 14:12:00: cqRnZH2CUM
>>11 超円高を覚悟した日本株式会社

2011年 11月 1日 10:58 JST
 【東京】わずか4年前、福田康夫氏が総理の座に就こうとしていたとき、ホンダは1ドルが116円で回る世界を想定していた。
イメージ AFP/Getty Images

ホンダの狭山工場(4月)

 以来、この国には多くの変化が起きた。経済問題だけは変わらず山積みのままだが、総理大臣は福田氏が2008年に退陣して以来、既に4人を数えた。

 そして31日、国内第3位の自動車メーカーであるホンダは31日、円がドルに対して35%上昇したこの「超円高」が続くものとして今後の事業計画を立てると宣言した。くしくもこの日、日本の通貨当局は1日の規模としては史上最大の円売りドル買い介入を実施した。

 つまり、ホンダは、日本経済が東日本大震災、成長の止まった経済などに苦しむ中、これまで恐れられていた1ドル=80円ではなく、さらに円高の1ドル=75円を今年度が終わる来年3月までの想定レートに据えたのだ。

 だが、利益を削ぎ落とし、国際競争力を弱める超円高を覚悟したのはホンダだけではない。日本のさまざまな分野の製造業の企業が同様に為替レートの見直しに入った。

 これは、生産コストの安い国のライバル企業と対抗する国際競争力を維持するためには、ホンダは、トヨタ自動車やソニーとともに、単に経費を節約するだけではすまないということだ。

 また、国内外の生産に関する日本の製造業の問いが180度変わってしまったことを意味する。つまりこれまでは「どうやったら海外にうまく新工場を建設できるか」だった問いが、「どうしたら国内の生産ベースを維持できるか」という問いに変わってしまったのだ。

 日本第2位の自動車メーカーである日産自動車は、これまで国内で年間最低100万台を生産するとしていた。しかし、円がここまで高騰すると、この計画を正当化するのが非常に難しくなってきた。10月半ばに行ったウォール・ストリート・ジャーナルとのインタビューで志賀俊之最高執行責任者(COO)は「(国内での)生産台数は100万台を維持したいが、円高が進めばその水準を維持するのは難しくなる可能性がある」と述べた。

 ホンダや日産にとっては円高の数字は単純だが恐ろしい重みを持つ。ホンダの場合は1円の円高で年間150億円の営業利益が飛ぶ計算だ。カメラ、オフィス機器大手で海外売り上げが80%のキヤノンは1円の円高で10−12月期の利益は24億円違ってくる。

 第2四半期の純利益が前年同期比56%減少したことを発表した31日の決算発表の席上、ホンダの池史彦専務は、ドルが75円近辺で推移すれば苦くなる、だが、これまでは80円でも苦しくなると言ってきたと語った。

 日本の主要企業の上半期の決算発表はこれから本格化する。日立製作所、ソニー、日産は今週後半に発表する。また市場はトヨタの11月8日の決算発表に注目している。

 既に多種多様な会社がドルの想定レートを下げ始めている。富士通、三菱自動車、第一三共、全日空は下半期の想定レートをおおむね1ドル=76-78円に下方修正した。31日にはパナソニックが78円、TDKが76円に設定し直してこの輪に加わった。

 パナソニックは徹底的なリストラで赤字部門の黒字化を狙うとする一方、TDKは世界全体で1万1000人の雇用を削減し、経費の削減と生産規模の適正化を図る方針を明らかにした。

記者: Kenneth Maxwell


12. 2011年11月01日 14:12:12: cqRnZH2CUM
>>12
日本、EFSF債購入継続を表明−レグリングCEOに

2011年 11月 1日 9:15 JST

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 【東京】欧州連合(EU)の緊急融資制度である欧州金融安定化基金(EFSF)のレグリング最高経営責任者(CEO)は31日来日し、中尾武彦財務官らと会談した。席上、レグリングCEOがEFSFの拡充に向けて投資協力を求めたのに対し、日本側はEFSF債の購入継続の方針を伝えた。ただ、購入シェアの引き上げについてまでは言及しなかった。
イメージ Bloomberg

EFSFのレグリングCEO

 同CEOはこれに先立ち中国を訪問したが、中国側からはEFSFへの投資については何の言質も得られなかった。

 財務省高官はレグリングCEOとの会談後、「EFSF債の購入継続を伝えた」と明らかにした。ただ、現在約20%のEFSF債購入シェアを引き上げるのは難しいかもしれないとし、ユーロ建ての外貨準備高のほかEFSF債の利回り次第であると指摘した。また、EFSFがユーロ圏国債の購入や欧州の銀行の資本増強に応じるため設立する特別目的会社(SPV)に対する資金協力については、何の約束もしていないと強調した。

 レグリングCEOは記者団に対し、日本はこれまでと同様の方式でEFSF債を購入する方針を示したと述べた。日本以外のアジア諸国も約20%を購入している。ただ、その購入元はほとんどが中国とみられている。

 同CEOは、中国側との会談結果については明らかにしていないが、朱光耀財務次官は先週、「EFSFの拡充策の中身が明確になるまで待たねばならない。投資に関する決定は、技術的な問題をしっかり討議した後に下さなければならない」と述べていた。

記者: Takashi Nakamichi and George Nishiyama


13. 2011年11月01日 14:12:33: cqRnZH2CUM
>>13 日銀のETF購入で224億円超の評価損か−日本株の低迷響く

  11月1日(ブルームバーグ):日本銀行が実施している指数連動型上場投資信託(ETF)の買い入れで、これまでに評価損が224億円超に上っていることがブルームバーグの試算でわかった。TOPIXが27年ぶり安値水準に近づくなど、株価の低迷が背景にある。

政府の資料を基にブルームバーグが算出したところによると、日銀の保有株式の価値は、昨年12月15日に買い入れが始まって以来4%低下した。欧州債務危機で世界経済がリセッション(景気後退)に陥るとの懸念で株価が急落したことから、9月の評価損は676億円を超えた。

日銀は、景気の下支えと投資家心理の改善に向け、国債や社債、ETF、不動産投資信託(J−REIT)などの金融資産の買い入れを実施している。日銀は先週、世界経済の先行き不透明感や円高により日本経済の下振れリスクが高まっていることに対応し、資産買い入れ額を15兆円から20兆円に拡大した。

JPモルガン証券の菅野雅明チーフエコノミストは、「まず言えるのは、これは財政政策なので中央銀行が本来やることではない」と指摘。国会で「まずは議論をして、こういう損が出てきても国民の了解の元でさらにやるのかというフレームワークで考えなくてはいけない問題だ」と述べた。

記事に関する記者への問い合わせ先:Lynn Thomasson in Hong Kong at lthomasson@bloomberg.net;Yoshiaki Nohara in Tokyo at ynohara1@bloomberg.net.

記事に関するエディターへの問い合わせ先:Nick Gentle at ngentle2@bloomberg.net
更新日時: 2011/11/01 09:31 JST


14. 2011年11月01日 18:27:11: cqRnZH2CUM
>>14 日本の円売り介入の効果、トレーダーらは疑問視

2011年 11月 1日 16:03 JST 

 日本政府は、外国為替市場で実施した今年3回目の介入が円高阻止に効果を発揮することを期待している。

 しかし、為替トレーダーらは政府・日銀による10月31日の外国為替市場での介入で円高に歯止めがかかるかどうかを巡って既に疑問を呈している。

 政府・日銀は今年、円高の阻止にてこずっている。円高では国内の輸出セクターの海外市場での競争力が弱まることから、日本経済が打撃を受ける。
イメージ

安住財務相の記者団への会見のテレビ報道を前に取引を行う為替ディーラー(10月31日)

 10月31日の日本の当局の為替介入直後、円相場は下落したが、一部の投資家は介入の効果を疑問視してすぐに円を買い戻した。投資家らは、昨年9月の介入と同様に、今年これまでの他の2回の介入後も円相場が反発したことを指摘している。

 400億ドル(約3兆1300億円)相当を為替市場で運用するパレトのマネジングディレクター、コンスタンティン・ポンティコス氏は、同社のファンド、アブソルート・リターンが日本当局の介入後に円買いを入れたことを明らかにした。パレトはバンク・オブ・ニューヨーク・メロンの一部門。同氏は、前日の日本当局によるドル買い・円売り介入について、月末を控えた日本の輸出企業のドルを売って円を調達する動きを支援する比較的緩やかな措置だとみなしている。
イメージ Bloomberg News

円紙幣を数える店員

 同氏はさらに、「輸出業者は全面的に安い円を求めてきた」と言及し、「投機筋をはじめとする投資家も(同様だと)予想している」と述べた。

 安住淳財務相は10月31日の介入規模についてコメントしていないが、トレーダーらは前日の介入では日本の当局は約7兆円の円売りを出した公算が大きいとみている。8月4日の前回介入は、4兆5000億円程度の円売りだったもよう。

 10月31日の為替介入直後にはドルは一時、対円で5%上昇し1ドル=79.60円と、8月の介入以降で最高値を付けた。しかし、日本の輸出企業および他の投資家が魅力的な水準での円買いの好機ととらえ、円はその後、直ぐに下落分の一部を埋めた。10月31日のニューヨーク市場終盤には、ドルは1ドル=78.17円で推移した。

 一方、ドルは他の主要通貨に対して上昇した。ユーロは1ユーロ=1.3859ドルと、前週末終盤の同1.4150ドルから下げた。ユーロの対円相場は1ユーロ=108.34円。前週末終盤は同107.29円で推移していた。英ポンドは1ポンド=1.6087ドルと、前週末終盤の同1.6126ドルから小安い。ドルはスイスフランに対しては、1ドル=0.8769フランとなった。前週末終盤は同0.8636フランで推移していた。

 トレーダーらによると、JPモルガン・チェースやクレディ・スイスといった金融機関からの推奨を受けて、ヘッジファンドと個人投資家も10月31日は円に集まった。

 シティグループの通貨アナリスト、アンドリュー・コックス氏(ニューヨーク在勤)は、「現時点では、今回がこれまでの単独介入と違うと考える理由はない」と指摘した。

 トレーダーらは特に円は安全な投資先とみなされることから、欧州の債務危機が再燃したり、また、米連邦準備理事会(FRB)が金融緩和を実施しドル建て投資の魅力が低下する場合には、円が再び大幅上昇する可能性がある、との見方を示した。

 世界の金融市場が混乱する際には投資家らは円の買いを入れることが多い。日本の巨額の経常黒字とデフレの継続により、日本の財政問題にもかかわらず、円は資金をとどめる安全な場所となっている。

 世界の金融市場の多くはここ数週間落ち着いているものの、ウエストパック・バンキング(ニューヨーク)のシニア通貨ストラテジスト、リチャード・フラヌロビック氏は、「政治的不透明や経済的不安など、世界は不安定だ」と言及する。同氏はさらに、「全世界的に安全な投資先が求められている」と続けた。

 さらに、日本企業は海外での利益や投資収入を本国に還流させることから、根底には日本企業の円買いが持続している。フラヌロビック氏は、日本政府は「潜在的な負け戦を戦っている」と指摘した。

 10月31日の円の下げは、日本の輸出企業が決算のために円買いが必要となる月末に生じたことから特に歓迎された。介入を受けて、輸出企業はずっと多くの円を調達でき、ドルは一時1ドル=79.55円まで上昇する場面もあった。それ以前には過去最安値となる1ドル=75.31円を付けていた。

 一部には、日本の当局による介入効果がそれほどすぐに帳消しになるはずはないとの見方もある。

 為替ヘッジファンド向けのミラノの調査・助言会社、JWパートナーズのアナリスト、アレッサンドロ・バルソッチ氏は、日銀を無視して「多くの人々が」円買いを入れているが、同氏は今回は懸念していると話した。

 こうした取引が「過去2回は非常にうまくいったが、今回はそうは思わない」と語った。

記者: Neil Shah and Andrew Monahan


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