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人口問題を解決する3つの道 GDPは何処へ消えた
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投稿者 sci 日時 2011 年 10 月 26 日 01:34:27: 6WQSToHgoAVCQ
 

実際は、これまで投入したGDP額に対して、蓄積された有効な社会資本の実質的な現在価値は、かなり低いと見た方が良いだろうが
まだインフラ技術の価値は高いので、上手く利用すれば、日本と世界にとって有益なのは間違いない

http://business.nikkeibp.co.jp/article/manage/20111020/223342/?ST=print 

人口問題を解決する3つの道 

• 2011年10月26日 水曜日 横田 尚哉
 2015年、労働力人口に占めるフリーター人口率が30%に迫る。2025年、高齢者人口が30%を超える。2040年、日本の人口は1億人を切る。 2100年には4000万人を切る。一方で、世界人口は2010年には90億人を超え、2100年には140億人を超える。
 予測は予言ではないため、そうならなかったとしても驚かない。しかし、少なくとも未来を視て今を考えるためには、とても刺激的な数値だ。悲観的に捉え て、今を投げ出すことは簡単だ。果たして日本の再生は可能なのだろうか。30年後の子供たちのために、輝く未来を遺すことが出来るのだろうか。

日本は資源のない島国
 日本は、総面積38万平方キロメートルの小さな島国である。ほとんどが山林で、耕作地は全体の12%(4万6000平方キロメートル)に過ぎない。そこに人口1億2800万人が生活しているのである。
 食料の約61%(カロリーベース)を輸入によって賄っている。天然資源もほとんど期待できない。エネルギー資源にいたっては、96%を海外に頼っているのが現状だ。
 そんな国が凄まじい成長を遂げたのである。1964年には東京オリンピックを開催し、1968年にはGDPで世界第2位になったのだ。終戦から僅か23年のことである。当時の経済成長率は、前年度比で18%だ。今では想像すらできない成長ぶりだ。
 しかし、その時代が再びやってくるかというと、否である。なぜなら、国内開発は進み、為替が変わり、加工貿易の競合が増えてきた。成長前と同じ環境を再 現できないからである。たとえ、日本がものづくり大国、技術立国で在り続けたとしても、同じ方法を再現しても通用しないのだ。
 だから、島国「日本」として、再生の方法を考え直さなければならない。いつまでも過去の思い出を引きずっていては、大きな進化ができないのだ。2、3年 先のことに夢中になって、仲間内でいがみ合っている場合ではないのだ。枝葉末節に囚われて、向かうべき未来を見失ってはならない。

http://business.nikkeibp.co.jp/article/manage/20111020/223342/image001.jpg

GDPは何処へ消えた
 では、これまでに生産したGDPは、一体何処へ消えたのだろうか。消費されて価値がなくなってしまったのだろうか。それとも、金融資産として蓄えられているのだろうか。あるいは、新たな投資に流れていったのだろうか。
 着目したいのは社会資本だ。筆者は、これまでの多くの研究論文で公共投資を論じてきた。これまでの経済と人口の増加に対応させるためには、社会資本を整 備しなければならなかった経緯がある。エネルギー開発にしても、道路・港湾・空港などの流通にしても、河川や土砂の災害対策にしても、土地造成と上下水道 設備にしても、必要だった。
 この公共投資に莫大な費用を掛けることで、産業が動き、雇用が生まれ、地域経済が潤っていく。そして、出来上がった社会資本を使って、経済活動や安心な 生活が出来るようになる。それがまた、新たなGDPを生み出すことになるのだ。つまり、日本のGDPの一部は社会資本という形で、ストックされているとい うことになる。確かにそうだ。
 戦後の日本は、経済成長と共に国づくりに力を注いできたのだ。ビジネスしやすく、暮らしやすい理想的な国を目指してきた。GDP700兆円でも成り立つような社会を想定し、人口の増加や交通量の増加にも対応できるように着々と整備してきたのである。
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日本は資源のある島国
 日本は資源のない島国ではない。天然資源こそ乏しいが、社会資本という人工資源が蓄積されている国なのだ。ものづくりの技術が、国を作ってきたのだ。言 わば、“国づくり大国”なのかもしれない。日本の良さが、そこにあるのではないだろうか。日本の売りが、そこにあるのではないだろうか。
 もちろん、社会資本を蓄えている国は他にもある。欧米の先進諸国は、それぞれに高い水準で社会資本を整備してきた。国が成長するときには、その基盤をしっかりと整えることは当然のことだ。
 しかし、海外旅行に行くと感じることがある。「日本が一番暮らしやすい」と思うのだ。自分が日本人だからそう思うのかもしれないが、街も道も、社会資本 という面から見れば、日本のほうが優れている。そのまま飲める水がいつでも手に入り、医療が充実し、全ての子供が平等に教育を受けることができ、治安もよ く衛生的だ。
 だからこそ、日本は資源のある島国なのだ。ハイスペックな公共事業も、もしかしたらまだまだ利用価値があるかもしれない。人工資源を強みと捉えれば、新たな未来が見えてくるかもしれないのだ。30年後の子供たちのために、できることはないだろうか。
30年後の世界
 そこで、日本再生を考えるためには、世界がこれからどのように変わっていくのか。そして、その時にどのような要求、欲求が現れてくるのか。ということを 考える必要がある。あくまで、使用者優先なのである。では、30年後は、どんな世の中になっているのだろうか。いろいろの予測値が発表されているが、有力 な数値を挙げてみたい。
 まずは、2040年の経済状況だ。GDP第1位はやはり中国だ。45兆ドルである。続いて第2位は米国の30兆ドルだ。第3位は日本ではなくインドの 17兆ドルとなる。第4位はブラジルの10兆ドル。第5位に6兆ドルで日本が出てくる。もしかしたらロシアに抜かれて第6位になっているかもしれない。
 世界人口はどうなっているだろう。2040年には約90億人にふくれあがっているそうだ。30年の間に20億人も増えているのだから凄い。特に途上国における増加が著しい。日本はといえば、1.3億人の人口は1億人を切るようだ。
 つまり、20年という期間で経済も人口も急激に増える国が在るということだ。日本がかつて経験した急成長が、他国で起こるということだ。ということは、急激な成長下における経験と知識は、大いに参考になる。ここにも、売りが在るのかもしれない。

http://business.nikkeibp.co.jp/article/manage/20111020/223342/image003.jpg

日本が世界を救うシナリオ
 日本の社会資本が、世界を救うことが出来るかもしれない。人口が激増する地域から、多くの人が、日本にやってくるというのだ。2040年は人口が溢れか えっている。地域によっては、人口増加により治安が悪くなり、不衛生で水も空気も汚れてしまう。そんな地域で住むよりも、日本に住みたいと思う人も多いの ではなかろうか。
 そうなると、新たな不安も出てくる。「日本のこれまでの文化、風土が変わってしまうのではないか」「私たちの歴史ある民族性を守れなくならないか」といったものだ。滞在か、居住か、移民か、きちっとした議論も必要だ。
 しかし、全く受け入れないという選択肢は選ぶべきではない。何しろ、1億3千万人が生活できる国であることは事実だからだ。言い換えると、3千万人の生 活を賄うことが出来る国だからだ。自国の人口減少問題と、他国の人口増加問題を別々に考えることよりも、世界の人口問題対策として考えるべきである。
 日本の社会資本が新たなGDPを生み出す。能力のある人たちが日本にやってくる。アジア地域の中で最高水準の社会資本を提供できる国として、存分に彼らに活動してもらうのだ。それが地域活性化になり、新たな雇用と文化が創出されていくのだ。

世界人口問題解決の3つの解
 今から30年間で20億人の人口が増える。ほとんどが途上国だ。途上国とはいえ、地球上の人類全体の問題なのだ。食糧問題や水問題は、彼岸の火事の様に 思われるかもしれないが、食料、エネルギー、資源などが世界全体で生産、流通していることを考えれば、私たちの問題なのだ。
 まして、空気汚染、海洋汚染は、国境を超える。衛生問題が悪化する地域から、一度病原菌が発生すれば、世界中に広まることも想像に容易い。地球温暖化が早く進行すれば、海面上昇、異常気象に対応できない地域が増える。集中豪雨、堤防決壊などの対策が間に合わない。
 そうならないために、私たちが取り得る解は次の3つしかないのだ。

1:人口増加地域での社会資本の整備
 日本は、社会資本を多量に整備してきた経験がある。品質を落とさずに、多くの道路を作り、河川を改修し、街を作ってきた。その経験と知識が、役立つの だ。日本の公共事業発注者が、人口増加地域に対して、その計画、制度、規則、評価、管理のノウハウを提供できるのだ。それができないのは、そのための手段 がないだけで、需要もあれば、供給も可能なのだ。

2:人口減少地域からの居住の受け入れ
 日本が、3000人の海外からの居住を受け入れることだ。折角つくった優れた社会資本を、使わないで遊ばせておくなんてもったいない、ということだ。ア ジアの中にあり、住みよい地域がここにはあるのだ。日本が始めれば他の国も始めるだろう。日本以外の国も含めれば、5億人分の社会資本が余ってくるのだ。 むしろ、増加地域から減少地域へ、人口が流れると考える方が自然だ。

3:新たな生活地域の創出
 どの国にも属さないところに新たな生活地域をつくることも考えなければならない。それはどこか。それは、空中、海上、宇宙、月面などを利用した新たな居 住空間だ。国という概念は陸上での線引きだ。領土という古い概念の名残でしかない。もはや国の概念を超えた世界を考えなければならない。例えば、インドの 海洋上に高さ1,000mの人工島をつくるような発想、技術は、既に日本にあるのだ(GREEN FLOAT、清水建設)。日本の知恵を今こそ世界に提供するべきなのである。

ファンクショナル・アプローチで考える
 ファンクショナル・アプローチは、1947年に米国で生まれた考え方である。本来のあるべき姿、そもそも達成すべき役割、究極の理想解を原点に、進むべき道、改善すべき方法を創造する原理であり、方法論なのである。
 そして筆者は、日本の企業が持っている経験と知識は、未来の扉を拓いてくれるものと確信している。だから、求める企業に、ノウハウすべてを提供している のだ。ファンクショナル・アプローチで180度の意識改革をしてもらい、企業経営の改善、革新に役立てもらうためだ。そして、それを日本の再生のために 使ってもらいたいと強く願っている。
今回も日本再生をファンクショナル・アプローチの視点から考えた。より革新的で、より創造的な解を見つけるためだ。普段の視点を少し変え、普段の観念から少し変えることが大切だ。企業再生も同じように考えてもらいたい。
180度の意識改革3か条
 過去を観て今を変えるのではなく、未来を視て今を変えること。
 過去を思い出してふけるのではなく、未来を想い描いて憧れること。
 過去の再現化に力を費やすのではなく、未来の具現化に魂をそそぐこと。

横田尚哉のFAで考える日本再生
 2011年3月11日の東日本大震災は、日本と日本人にとって大きなダメージを受けた。とりわけ、被災された地域の住民や企業は、深刻である。地 域や経済はこれからどうなるのか、生活やビジネスはどれだけ影響をうけるのか、予測もつかないだろう。今、とてつもない不安に苛まれているのではないだろ うか。
 私たちは、これまで幾度となく自然災害を経験し、なんとか乗り越えてきている。その度に技術力、結束力を発揮し、経験と知識を活かしてきた。今回の大震災も、きっと乗り越えることが出来るに違いない。私たちは、今なおそのための努力を日夜しているのだ。
 しかし、そんな程度でいいのだろうか。乗り越えることで、私たちの不安は解消されるのだろうか。乗り越えた後の地域は、日本は、それでいいのだろうか。何かが足りなくはないか、どこかを変えなければならないのではないか。 筆者は20年以上にわたり、社会づくりのためのコンサルタントをしてきた。公共事業や民間事業、政府や企業や個人に対して、ファンクショナル・アプローチをつかって障害を乗り越えるお手伝いをしてきた。先入観や固定観念にとらわれない未来を創造してきた。
 いまこそ、そのスキルを日本のために使いたい。国・地方自治体、企業、個人にいたるまで、日本再生に向けて、戮力協心のときが来た。この連載を通して、様々な角度から、論じてみたい。
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横田 尚哉(よこた・ひさや)
株式会社ファンクショナル・アプローチ研究所代表取締役社長。顧客サービスを最大化させる経営改善コンサルタント。
世界最大企業・GE(ゼネラル・エレクトリック)の価値工学に基づく改善手法を取り入れ10年間で総額1兆円の公共事業改善に乗り出し、コスト縮減総額2000億円を実現させる。
「30年後の子供たちのために、輝く未来を遺したい」という信念のもと、そのノウハウを潔く公開するスタイルは各種メディアの注目の的。人間ドキュメンタリー番組「情熱大陸」(毎日放送)にも出演し大きな反響を巻き起こす。
全国から取材や講演依頼が殺到し、コンサルティングサービスは約6ヶ月待ち。「形にとらわれるな、本質をとらえろ」という一貫したメッセージから生み出さ れるダイナミックな問題解決の手法は、企業の経営改善にも功を奏することから「事業改善」「チームデザイン」「組織改善」の手法としても注目が高まってい る。
著書に『問題解決のためのファンクショナル・アプローチ入門』『ワンランク上の問題解決の技術《実践編》』(ディスカヴァー刊)がある。

 

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コメント
 
01. 2011年10月26日 23:14:51: Q1FiJRiiuI
GDPについて

たとえば美容師さんの作り出すGDPについて
美容師さんという職業が成り立たないのが後進国・・美容師さんの作るGDPはゼロ。
多くの人が美容師さんを利用しているのが先進国

経済は有機的につながっている。
美容師さんの所得は、おしゃれな衣服やおいしい食事代に使われる。

成熟社会にとってのGDPとは、こういった職業の総計である。
対価の支払われるものが生産である。
GDPである。


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