http://www.asyura2.com/11/hasan73/msg/719.html
Tweet |
http://markethack.net/archives/51778124.html
僕は投資銀行に勤めていた時代に幾つものコミットメント・ミーティングに出席しました。
コミットメント・ミーティングとは或る案件を引受けるかどうかの決断を下す会議です。
ディールが売れ残ると投資銀行のバランスシートを危険に晒します。また会社の名声に傷がつきます。だからコミットメント・ミーティングはいつも緊張が走ります。
その中でもとりわけ難しいのが相場環境が暗転し、IPOのウインドウが閉じてしまった後で、なんとかディールを再開する第一号の案件です。
閉じている扉を蹴破って値決めに持ち込むわけですから、勢いのある案件でなくてはいけません。
このためIPOウインドウの再開を狙う最初のディールには手持ちの駒のうち最高の案件をぶつけるというのがウォール街の常識になっています。
主幹事のモルガンスタンレーだけではなく、ウォール街中が悲壮な決意でこのディールに臨んでいる事は業界の中に居た人間として痛いほどよくわかります。
若し、このディールがズッコケて、値決め出来ないということになるともうウォール街にはクリスマスは来ないと思います。
ボーナスはもちろん出ないと思うし、それより先に解雇を言い渡される可能性もあります。
若しグルーポンで突破口を作れなければZyngaやBrightcoveやLivingSocialなどのパイプラインに入っているディールも死にます。そしてなによりも来年に迫ったFacebookのIPOが覚束なくなってしまうのです。
主幹事モルガンスタンレーはグルーポンのIPOロードショウをキックオフするにあたり大胆な措置を取りました。それはいきなり同社のバリュエーションを半分近くにカットしてディールがズッコケないように万全を期したという事です。
さらに今回調達金額もバッサリ減額し、僅か5億ドル強としました。
つまりアフターマーケットで株価を煽れるようにサプライをコントロールしているわけです。
来週以降もギリシャ問題などで相場は荒れるかも知れません。
でももう上陸作戦を決行すると決めてしまった以上、後には引けません。
いわばオマハ・ビーチに殺到するような悲壮感でもってウォール街中のキモチがひとつになっているのです。
*******************************
■米グルーポン、IPO規模を最大5.4億ドルに縮小
http://jp.reuters.com/article/businessNews/idJPJAPAN-23754920111021
[21日 ロイター]クーポン共同購入サイト運営の米グルーポンが予定している新規株式公開(IPO)の規模は、当初計画から縮小することが明らかとなった。
同社が21日、証券当局に提出した書類によると、売却株式数は3000万株で全体の5%未満。公募価格の仮条件レンジは16─18ドル。
同条件の下、資金調達額は最大5億4000万ドルの予定。当初は最大7億5000万ドルを目指していた。
仮条件レンジの中間とした場合の時価総額も108億ドルと、当初予想の200億ドルの半分近くとなる見通し。ただ、前年浮上したグーグルによる買収案の60億ドルは上回っている。
ティッカーシンボルは「GRPN」。上場先について、関係筋2人は20日、ナスダック市場の見通しと語った。
最近は株価下落によりIPOの市場環境が悪化するなか、アナリストの間では、競争激化などを背景に、同社のビジネスモデルが長期的に存続していくのは困難との見方も根強く、今回のIPO規模縮小にかかわらず、上場への道のりは依然厳しいのではないかとの声も聞かれる。
また当局からの圧力で会計方法を2度変更しているほか、今年に入って最高執行責任者(COO)が立て続けに2人辞任していることも、投資家の信頼感を損ねているという。
IPO調査会社IPOXシャスターのジョゼフ・シャスター氏は「同社のIPOは、かなり魅力に乏しく、過大評価されているとおもう」と語った。
この記事を読んだ人はこんな記事も読んでいます(表示まで20秒程度時間がかかります。)
スパムメールの中から見つけ出すためにメールのタイトルには必ず「阿修羅さんへ」と記述してください。
すべてのページの引用、転載、リンクを許可します。確認メールは不要です。引用元リンクを表示してください。