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日経幹部はよその国のことならまともな“処方箋”が書けるようだ:[社説]中国経済の減速が映す消費の伸び悩み
http://www.asyura2.com/11/hasan73/msg/684.html
投稿者 あっしら 日時 2011 年 10 月 19 日 23:23:49: Mo7ApAlflbQ6s
 


 今朝の日経新聞の社説を読んでつい微笑んでしまった。中国経済の減速に関する社説だが、その対応策が、自国に対する“処方箋”とは大きく違ってけっこうまっとうなものだったからである。

 日経新聞の社説には、「過去十数年来、中国では労働者への分配率が低下し、それが格差の拡大と国内消費の低迷をもたらしたと指摘されてきた。この傾向に歯止めをかける意欲を温家宝首相は表明してきたが、掛け声倒れに終わっているのではないか。労働者への分配を増やす労働政策や税制改革など、実際に消費の底上げに役立つ取り組みを中国政府は進める必要があろう」と書かれている。

 これを、「過去十数年来、日本では労働者の給与所得が減少し、それが格差の拡大と国内消費の低迷をもたらしデフレ不況から脱却できない原因だと指摘する声も多い。この傾向に歯止めをかける意欲を民主党政権は表明してきたが、掛け声倒れに終わっているのではないか。労働者への分配を増やす労働政策や税制改革など、実際に消費の底上げに役立つ取り組みを日本政府は進める必要があろう」と書き変えてもなんらおかしくないだろう。

 また、「消費のてこ入れが物価高を助長するのを防ぐ対策としては、人民元の切り上げが考えられる」とも書いている。日経新聞は、輸出企業の短期的デメリットを重視して円高を忌避する論調を見せているのだから、輸出志向の中国が日本の輸出企業と同じように人民元安を求める“気持ち”は理解できないはずがないだろう(嫌味です)。
 私も、中国が安定的に成長を続けたいのなら、じんわりと人民元を切り上げていくことが理にかなっていると考えている。

 中国経済は減速といっても9.1%の“高成長”である。日本は、ゼロ成長あたりを15年間もふらふらしている。
 日本は、中国以上に、「労働者への分配を増やす労働政策や税制改革など、実際に消費の底上げに役立つ取り組み」をする必要がある国民経済なのだ。

 社説を書いた人は、日本製品の輸出先でもある中国には景気が良くなってもらうことで、日本の輸出企業が、労働者の給与を引き上げず(逆に切り下げて)国内消費の低迷が続いても利益を拡大できればいいというのが本音なんだろう。
 経済成長著しいところに輸出できるなら、製造に関わるコストである給与は、国内消費が低迷しようとも労働者の生活が困窮しようとも抑え込めばいいという考え方だ。
ナショナルミニマムのレベルは違っているが、まるで19世紀の英国の惨状を21世紀の日本で再現しているようなものだ。

 日経新聞が、経済論理がそれなりにわかっていながら、輸出優良企業の目先の利益を優先し、自国の国民生活さらには将来の国民経済を犠牲することを厭わない論調を張っていることがよくわかる社説である。
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[社説]中国経済の減速が映す消費の伸び悩み

2011/10/19付

 中国経済の減速傾向がはっきりしてきた。インフレと不動産バブルを抑えるため政府は金融を引き締めざるを得ないうえ、欧州の債務危機の影響などで輸出も鈍っているからだ。

 欧州をはじめ世界経済の足どりは危なっかしい。そのなかでも一部の新興国は比較的力強い成長を続けてきたが、先頭を走る中国の景気が停滞感を強めれば世界経済への影響は大きい。安定成長に向け、力不足の目立つ消費を盛り上げる手立てが問われている。

 中国国家統計局によると、7〜9月期の国内総生産(GDP)は前年同期に比べ実質9.1%増えた。4〜6月期に比べると0.4ポイントの低下で、3四半期連続で経済成長率が鈍化したことになる。

 景気減速の一因は消費の伸び悩みだ。1〜9月の消費総額は物価要因を取り除いた実質で前年同期比11.3%増にとどまった。15%前後を記録した2009年から10年半ばの勢いはない。

 背景には、物価高による節約志向に加え金融の引き締めがある。直撃を受けているのが09年の景気急回復を引っ張った住宅販売だ。その影響で家電製品の売れ行きもぱっとしない。自動車販売も停滞色が濃い。

 消費伸び悩みには構造的な要因もある。1〜9月の都市部の家庭収入は名目で13.7%増えたが、給与収入の伸びは11.2%にとどまった。対して企業・商店の経営者の収入は30.4%、資産家の収入は23.4%それぞれ増えた。

 過去十数年来、中国では労働者への分配率が低下し、それが格差の拡大と国内消費の低迷をもたらしたと指摘されてきた。この傾向に歯止めをかける意欲を温家宝首相は表明してきたが、掛け声倒れに終わっているのではないか。

 労働者への分配を増やす労働政策や税制改革など、実際に消費の底上げに役立つ取り組みを中国政府は進める必要があろう。

 景気を支えているのは依然活発な投資だが、これはこれで心配な面がある。不動産開発投資が過熱しており、バブルが一段と懸念される情勢だ。

 インフレはピークだった夏場に比べれば和らいだが、なお政府目標を大きく上回る。消費のてこ入れが物価高を助長するのを防ぐ対策としては、人民元の切り上げが考えられる。中国政府は様々な政策を組み合わせ安定成長への軟着陸につとめるべきだ。


http://www.nikkei.com/news/editorial/article/g=96958A96889DE1E7E5E2EAE0E2E2E3EBE3E2E0E2E3E38297EAE2E2E2;n=96948D819A938D96E38D8D8D8D8D

 

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コメント
 
01. 五月晴 2011年10月19日 23:57:12: 7iLEts9f9MhUY : YbRjNke6LY
草稿をアメリカの誰かが書いてんじゃないの。中国のことなんで慮りなく翻訳するから、明晰。
自国向けに翻訳しようとすると、幾らなんでも、ちぢに入り乱れる。そんなとこじゃないんですか。

02. 五月晴郎 2011年10月19日 23:58:18: ulZUCBWYQe7Lk : YbRjNke6LY
X 自国向けに
○ 自国のことを

03. 2011年10月20日 02:34:01: mHY843J0vA
>日経幹部はよその国のことならまともな“処方箋”が書ける

中国は、昔の日本、つまり財政赤字も少なく、社会保障負担もほとんどなく、高度経済成長と巨額の貿易黒字を蓄積していたドル固定相場での日本と同じ状況にいるので

昔の前川レポートの処方箋をそのまま書いたということでしょう。

残念ながら今の日本には通用しません


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