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ムーディーズの「奇襲」に米国政府の影!「世界ソブリン戦争」の戦端は開かれた!(2011年07月08日(金)東京時間)
http://zai.diamond.jp/articles/-/115663
■ポルトガルの格下げが意味するところは大きい
ムーディーズがポルトガル国債の格付けを4段階引き下げたことから、「ユーロ売り」が再燃している。
7月7日(木)に、ECB(欧州中央銀行)が市場予想どおりに利上げを決定したが、それにもかかわらず、マーケットは「ユーロ売り」に反応した。 「ポルトガル・ショック」に備えようとする動きは鮮明だ。
EU(欧州連合)からすれば、ギリシャ問題をようやくかたづけたところで、ムーディーズの「不意撃ち」に遭遇したというところだろう。EUの幹部が怒り心頭となっていることは、容易に想像できる。
ECB理事会後のトリシェ総裁の発言は、規定を破ってまでもポルトガルを支援するとしており、発言後にユーロの買い戻しが見られたというのは当然の成り行きだ。
それでも、 マーケットで「ユーロ売り」がいつ再開されてもおかしくない状況が、なお続いている。
ムーディーズの今回の決定はかなり重い。 ギリシャ支援は最終的に失敗し、危機がポルトガルやスペインに蔓延するといった見方を示しているようなものだからだ。それどころが、ソブリン(国家に対する信用)危機が拡大すればするほど、マイナス材料として「ユーロ売り」をもたらす可能性さえある。
■なぜ、このタイミングでポルトガルは格下げされたのか?
ポルトガルの格下げがなかったとしても、機関投資家の多くはユーロのソブリン危機の拡大を警戒しており、EUによる救済が最終的に失敗に終わると見ている市場関係者も少なくはない。
今回の決定は、有力格付け会社のムーディーズが、このような懸念を「公式に」表明したということだから、そのインパクトは大きい。
だからこそ、EUの幹部はムーディーズの動機が疑わしいと糾弾し、EUに対する「経済テロ行為」とさえ非難しているのだ。
だが、EUは激しくムーディーズを批判しているが、ユーロ圏に有力な格付け会社がなく、 アングロサクソン系の会社に「格付け」を独占されていることが、根本的な問題なのである。
筆者は、今回のムーディーズの決定は正しいと思っている。しかし、 発表のタイミングは疑わしい。
そのように思うのは、 ユーロのソブリンリスク(国家に対する信用リスク)が拡大すればするほど、米国債には有利に働くからである。ムーディーズの「奇襲」に米国政府の影が見え隠れしていると言える。
■米国がユーロの危機をあおっている!? そのワケは?
つまり、 米国のソブリン危機が高まっているため、自らの危機を救うために、米国はユーロの危機をあおる必要があるのだ。
言い変えれば、ユーロのソブリン危機の一段拡大によってリスク回避型の資金を米国へ流入させるために、ムーディーズが「奇襲」をかけたということだ。
日IMF(国際通貨基金)のデータによると、外債発行量の多い上位10カ国は、米国、ユーロ圏の7カ国、日本、オーストラリアである。この10カ国が発行する外債は世界全体の83.8%に相当し、ユーロ圏の7カ国で45%のシェアを有している。
つまり、米国の32%と比べると、ユーロ圏の7カ国のほうが上回っており、いかに莫大であるかは一目瞭然だ。米国にとって、まさに「そこにある脅威」である。
世界の資金量は限られており、 ユーロ圏への資金流入は米国からの資金流出を意味する。従って、ギリシャ危機を封じ込めるよりも、ギリシャ危機をポルトガルやスペインの危機へと伝染させたほうが、米国債にとっては有利なのだ。
ユーロのソブリン危機が拡大すればするほど、米国のソブリン危機が起こるリスクは小さくなるというロジックでなる。
■今年後半はユーロのソブリン危機の再燃を覚悟すべき
もちろん、このような見方は筆者の「独断」と「偏見」である。
しかし、米国債の危機を救うには、このようなロジックで物事を推進することが考えられる。そして、ムーディーズなどの格付け会社がその先兵として「世界ソブリン戦争」の先陣を切った可能性は否定できない。
ユーロどころか、中国でさえも地方債務の大きさを理由に、格付け会社と一部のヘッジファンドが 「中国ソブリン危機」のシナリオを練っていると言われている。これは「世界ソブリン戦争」前夜の様相を示していると言えるだろう。
結論から申し上げると「世界ソブリン戦争」に勝つのは米国である確率はかなり高い。当面は米国のソブリン危機が発生する確率は低いと思っている。
米国のソブリン危機も、中国のソブリン危機も、いずれも避けられないとは見ているものの、それらは時期尚早の上、順番も違ってくるので、今年後半はユーロのソブリン危機の再燃を覚悟すべきである。
その根拠は、ユーロサイドと米国サイドで、それぞれ3つある。
ユーロサイドでは、債務再融資の支援、ギリシャ危機が他国に蔓延する可能性、そして、ユーロ圏の大国への蔓延である。
一方の米国サイドでは、債務上限引き上げ問題、「QE2」終了後の問題、そして、「QE2」と米国の長期国債(10年もの国債)利回りの関係である。
以上をまとめると、ユーロが「世界ソブリン戦争」に負ける可能性は高い。よって、現在が「ユーロ高」の最終局面であるといった蓋然性も高まる。
それに対して、米国は「世界ソブリン戦争」に勝つために、もはや「米ドル安」を放置できなくなる。だから、米ドルは底堅く推移するだろうと予測する。(中略)
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●スペインを2段階格下げ、見通し「ネガティブ」=ムーディーズ
http://jp.reuters.com/article/businessNews/idJPJAPAN-23688020111018
[ニューヨーク 18日 ロイター] ムーディーズ・インベスターズ・サービスは18日、スペインのソブリン格付けを「Aa2」から2段階引き下げ、「A1」にしたと発表した。
格下げの理由については、銀行や企業セクターにおける高水準の債務により、資金調達に関するストレスにさらされやすいため、と説明した。
ムーディーズは、ユーロ圏の債務危機が拡大した場合にはさらなる格下げもあり得る、としている。
ムーディーズは7月末に、スペインの格付けを引き下げ方向で見直すと表明していた。
新たな格付け見通しも「ネガティブ」。
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●フランス、格付け維持に一段の赤字削減が必要=ムーディーズ
http://jp.reuters.com/article/businessNews/idJPJAPAN-23687720111018
[パリ 18日 ロイター] 格付け会社ムーディーズ・インベスターズ・サービスのアナリストは18日、フランスは「トリプルA」格付けを維持するために、一段の赤字削減が求められる可能性があるとの見方を示した。
ムーディーズは前日、同国について、財政・経済改革を進めることができなければ、格付け見通しを今後3カ月以内に「ネガティブ」に修正する可能性があると表明した。
フランスは8月、トリプルA格付けの強化に向け、非課税措置の縮小や富裕層への課税などを通じて2011、12年で総額120億ユーロの追加財政赤字削減措置を実施する方針を示している。
ムーディーズのフランス担当アナリスト、アレクサンダー・コカーベック氏はロイターとの電話インタビューで、同社が予想する今年と来年の同国経済成長見通しは1.5%だが、下方修正される可能性もあると指摘。
「赤字削減に向け、追加対策が必要となる可能性を排除することはできず、2012年の成長見通しが弱まる可能性もある。明確な下方リスクが存在する」と語った。
さらに「世界経済の成長見通しがさらに悪化した場合、フランスを含め各国政府がどう対応するかを見極める必要がある」との認識を示した。
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●ユーロが対ドルで下落、ムーディーズのスペイン国債格下げで
http://www.bloomberg.co.jp/apps/news?pid=90920015&sid=aq8DwxabTets
10月19日(ブルームバーグ):19日の外為市場でユーロはドルに対し下落。米格付け会社ムーディーズ・インベスターズ・サービスがスペイン国債の格付けを「A1」に引き下げたと発表したことで、欧州債務危機の拡大懸念が強まった。
東京時間午前6時31分現在、ユーロは0.1%安の1ユーロ=1.3742ドル。対円では0.1%高の1ユーロ=105円56銭。
GFTフォレックスの通貨調査担当ディレクター、キャシー・リーン氏(ニューヨーク在勤)は「ユーロ圏のソブリン債危機については懸念が根強い」と述べ、「何も前向きな材料が得られないため、過去2週間に作ったユーロの対ドルでのロングポジションを誰もが減らしている」と指摘した。
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