http://www.asyura2.com/11/hasan73/msg/657.html
Tweet |
http://sekaitabi.com/olympus.html
私は、オリンパスの全社長(英国人)が解任された時の日本でのニュースを見て、これは何か怪しいとすぐに感じた。そこに書いてあった理由は「社内の秩序を乱す」「日本風土が理解されなかった」というものだった。
最初に日本で報道されたニュース
オリンパス:社長電撃解任 経営迷走ぶり露呈 市場は不安視(毎日)
オリンパス、英国人社長を解任=在任半年で―経営手法食い違い(朝日)
「日本人と違った」…オリンパスが社長を解職(読売)
オリンパス菊川会長「文化の壁超えられない」(日経)
***一部引用:
「コミュニケーションや文化の壁を打破できなかった。日本の経営文化も理解されなかった」。社長を兼務することになった菊川剛会長(70)は、14日の記者会見で解任理由をこう説明した。
菊川会長ら他の経営陣は、ウッドフォード氏が映像や医療など各部門の責任者を飛び越し、部下に直接指示をしたことなどを問題視。菊川会長は「組織の意思決定を無視して独断で経営を進めた」と厳しく批判した。
この記事を読んで、私は「変」「怪しい」とすぐに思った。上記に書いたような内容は、世界に展開する国際企業における、それもCEOというポジションの解任理由とはなりえないもの。
それが平社員というのならばまだわかるとしても、CEOというポジションに着いた者を解任する理由としては、明らかにおかしいと感じたからだ。
私も違和感をその時にツイートしている。
(https://twitter.com/#!/junna311/status/124754589940596736)
不正追及したから、とまではわからなかったが、「怪しい」と思ったのは確かだ。「経営陣を通り越して指示」とあったことから、「経営陣に何か致命的なことでもあったのだろう」と感じたのです。
その後、色々忙しかったこともありこの件に関しては特に追求していなかったのですが、後から、日本で報じられた内容と、英国にて報じられた内容が、明らかに違っていたことがわかりました。
***オリンパス、解任のウッドフォード氏が真相を語る
ウッドフォード氏は、英ファイナンシャルタイムズ紙に、解任の真相を報じた。
以下は、ウッドフォード氏が[英ファイナンシャルタイムズ紙]に語った原文の和訳記事。
オリンパスのCEO(最高経営責任者)を解任された英国人のマイケル・ウッドフォード氏は、概して臆病な日本の企業文化を知らないわけではなかった。
何しろ、51歳のウッドフォード氏は30年間オリンパスに勤め、欧州にある同社傘下の手術器具会社のジュニアセールスマンからトップに上り詰めた人物だ。
だが、今年4月にオリンパス初の外国人社長に就任してから、同氏はずっと問題にぶつかるリスクを犯していた。
ウッドフォード氏は5月に行った本紙(英フィナンシャル・タイムズ)とのインタビューで、自身を「(議論のためにあえて反対意見を述べる)悪魔の代弁者」と評し、従業員が上司の意見に疑いを差し挟んだり、数十年続く商慣行に異論を唱えたりすることを恐れる組織を刷新したいと語っていた。
「調和と合意は時と場合によっては適切だが、厳しい精査と異論を述べることは、より良い意思決定につながる」。ウッドフォード氏はこう述べていた。「(人と)対峙できなければならない」
ウッドフォード氏が、自分が説いてきたことを実践したために解任されたことは明白なように思える。もっとも、ウッドフォード氏と同僚たちとの対峙の本質については、両者の言い分が異なる。
オリンパスによると、問題は文化と経営スタイルにまつわるものだ。菊川剛会長は記者会見で、ウッドフォード氏は、オリンパスの指揮系統に従って事業担当役員に指示するのではなく、現場へ直接指示を出し、他の取締役や幹部を混乱させたと述べた。
ウッドフォード氏本人は、儀礼や慣習よりもずっと具体的で憂慮すべき問題を巡って、同僚たちと衝突したと話している。トップの立場から「内部告発」を行ったためだという。
今年7月、日本の雑誌が、オリンパスは2006〜08年に行った国内企業3社の買収で過大な値段を払ったとする記事を掲載し、同社のために買収を取りまとめた投資ファンドで不適切な取引が行われていたことを示唆した。
ウッドフォード氏が記事について菊川会長やほかの取締役に質問すると、同氏は「心配しなくていい。あなたは忙し過ぎるから、我々が対処する」と言われたという。オリンパスは問題の記事で、疑惑を否定している。
ウッドフォード氏の話では、彼はその後も問題を追及したが、彼が得た答えは曖昧で、具体性を欠いていた。同氏はいろいろ調べていく過程で、2008年の英医療機器メーカー、ジャイラスの買収に絡んだファイナンシャルアドバイザーへの多額の支払いについて懸念を抱くようになったという。
本人の話によると、ウッドフォード氏は、オリンパスが総額6億8700万ドル――22億ドルの買収金額の約3分の1に相当する額――を、同社が最終的な所有者を確認していない、ケイマン諸島に登記されている会社AXAMに支払ったことを発見した。「どんな基準で見ても、馬鹿げた金額だ」と同氏は主張する。
オリンパスは、「開示が必要な情報はすべて開示した」とだけ述べ、ウッドフォード氏の主張に対するコメントは拒んだ。オリンパスの社内監査委員会が2009年に委託した報告書では、取締役による不適切な行為や受託者責任の違反行為を示す証拠は見つからなかった。
だが、FTが目にした書類によると、オリンパスの社外監査法人だったKPMGは、疑問を提起している。KPMGは2009年3月期のジャイラスの会計について、「会社の会計報告が真実かつ公正な概観を与えているかどうか意見をまとめられない」と述べ、限定付きの監査報告書を出した。
さらに、AXAMが保有している高利回りの優先株に言及し、「我々の見解では、適切な会計記録が保持されていなかった」と付け加えている。
その2カ月後、オリンパスは契約期間の満了に伴って、KPMGを監査法人から外した。本紙が確認したウッドフォード氏宛ての手紙で、菊川会長は「ジャイラス買収の取得価額配分と減損テストに関する重大な見解の相違」を理由に挙げていた。
KPMGは、2009年5月までオリンパスの監査法人だったことは認めたが、それ以上のコメントは拒んだ。
監査法人の交代にもかかわらず、新たにオリンパスの監査法人となったアーンスト・アンド・ヤングも翌年、ジャイラスの会計報告に対して限定付き報告書を出した。
ウッドフォード氏は、独立した調査を行うために、別の会計大手プライスウォーターハウスクーパース(PwC)を起用したと言う。
PwCの報告書は、AXAMに対して行われた支払いを確認したが、同社はAXAMの所有者を見つけられず、米国代表として登録されている男性――ウッドフォード氏によると、オリンパスが正式に与えられていた唯一の名前――の居所を突き止めることもできなかったという。
****こちらはブルームバーグの記事
オリンパスは英社買収の顧問料で調査を、当局が関心も−外部報告書より一部引用
10月17日(ブルームバーグ):先週末に英国人社長を解任したオリンパスは2008年の英医療機器会社ジャイラス買収で支払った顧問料に関し十分な調査を進めるべきだとする報告書を、外部の監査事務所がまとめていたことが分かった。当時のオリンパスのリスク管理や手続きのあり方が金融・検察当局の調査を招く可能性があるためとしている。ブルームバーグが16日、この文書を入手した。
報告書が問題視したのは、ファイナンシャルアドバイザー(FA)を務めたケイマン諸島の企業への支払い。AXAMインベンツメンツなどFA2社に支払われた報酬は、買収総額9億3500万ポンド(当時2150億円)の36%に膨らんだ。報酬は買収額に含まれていない。
また、ブルームバーグが別に入手したウッドフォード氏の書簡によると、06−08年にオリンパスが計7億7300万ドルを投じた非公開企業3社の買収に関しては、その後になって投資額の約8割に当たる計5億8600万ドルの減損処理が行われている。
同氏は買収対象となった3社は、オリンパスの主要業務と関連がほとんどない「化粧クリームやタッパーウェアの製造会社」だと指摘。当時の経営陣が「一体何をしていたのか」と批判している。
同社広報担当の藤原康俊氏は16日夜、文書の信ぴょう性について「現時点で事実確認は出来ない。ただし、ジャイラス買収に関する情報開示はすべて適切に行った」と語った。
ブルームバーグは経営陣にも取材を試みた。森久志副社長は、報告書は「推測に基づくもの」とした上で「うかつに社内のことを外に話すわけにはいかない」と語った。ウッドフォード氏解任で社長も兼務している菊川剛会長から回答は得られなかった。
★なぜ、本人に取材をしたり、不正疑惑に関して追求しているメディアが外国メディアばかりなんでしょう?日本のメディアは終わってます。機能をまったく果たしていません。もっとも、今回の原発事故でわかりきったことではありますが。
•オリンパス・日本メディア⇒文化の違いを超えられなかったため解任
•英ファイナンシャルタイムズ⇒会長の不正行為を追求したため解任
★もう、日本のメディアでは真実を知ることはできなくなったことが、これでまた新たに証明されてしまった。メディアとしての機能をもう果たしていない。
もっとも、不正がまかりとおること、不正疑惑を目にしても知らぬ存ぜぬで触れないことが日本の文化であるなら、確かに「腐った文化を理解できなかった」のだろう。
不正天国の日本ではまっとうな仕事をすると解任されてしまうということだ。
さすが、エコノミックアニマル大国・ジャパンである。何を言わんや。
オリンパスのブラックぶりは、今回が初めてではなかった
このニュースを目にしたことで新しく知ったのですが、オリンパスでは過去にも不正があったのです。内部告発をしようとして通報した方が、不当配属をされるなどの処遇をされたというものです。
****「成果主義が報復の道具に」 オリンパス公益通報訴訟の濱田さん
オリンパス社員の濱田正晴さんは、コンプライアンス室への内部通報をきっかけに、15年の営業職キャリアを無視した配転を強いられた。
営業販促の管理職候補として推薦を受けたこともあったが、50歳を目前に新入社員と同じところからキャリアの積み直しとなり、不可能な目標を設定され、出社ゼロの社員の半分という低評価まで下された。
これまでのキャリアを奪われた不利益は大きいが、配転無効を求めた訴訟で裁判所は「配転による不利益はわずか」と判断。濱田さんは、「報復に利用されるような不完全な成果主義は問題だ」と主張する。
(中略)
光学機器メーカー、オリンパス(東京都新宿区)に勤める濱田正晴さん(49)は2007年6月、当時の上司が、取引先の機密情報を知る社員を引き抜こうとしていることを知り、同社の手続きに従ってコンプライアンス室に内部通報した。
ところが同室長は、濱田さんが通報者であることを上司らや人事部長に漏洩。その後まもなく、15年の営業職キャリアとは異なる「最先端技術探索研究職」というポジションへの配転を強いられた。
濱田さんは、配転命令は通報者の不利益な取り扱いを禁じた公益通報者保護法に違反するなどとして、08年2月、配転命令の無効確認と精神的被害などに対する慰謝料1000万円の支払いを求めて、会社と当時の上司2名を東京地裁(田中一隆裁判官)に提訴した。
しかし2010年1月、通報は「公益通報に当たらない」と判断され完全敗訴。公益通報者保護法による司法判断は、社内コンプライアンス室への通報とは、会社側の行為がどのような法令に違反するおそれがあるか、誰のどのような利益を損なうのかを明らかすることを、通報者に求める内容だった。
また、東京地裁は、配転によって濱田さんが受けた不利益は、「賞与減額分の約24万円など不利益はわずかなもの」と認定。しかし、オリンパスは1998(平成10)年度に年齢給を完全廃止し、職能給に一本化。労使協定による労働条件へと、変更している。
成果主義に一本化された評価制度下で、15年のキャリアと無関係な部署に配転させられることが、本当にわずかな損失と言えるのか。
濱田さんは「成果主義には、恣意的な評価を可能にする問題があることは、社内でもこれまでに指摘されていた」「内部通報や内部告発を萎縮させる道具となり得る制度」と主張する。
また、オリンパスが自社の人事制度や運用ルールを否定した人事考課をおこなうことで、内部通報者に対して陰湿な報復をしている、とも訴えた。
****内部通報者を不当に処遇するオリンパスに鉄槌
報道によると、「営業秘密を知る取引先の社員を引き抜くのは会社の信用を失わせる」と考え、上司や社内のコンプライアンス(法令、規範順守)室に通報した社員に対し、オリンパス社は、それまでの営業職と異なる調査研究業務や、品質保証の勉強をさせる配置転換を行い、しかも品質保証部門への配転後に「浜田君教育計画」と題した書類を渡し、初歩のテキストを勉強させ続けたという。
これに対して一審は、配転による不利益がごくわずかだという理由で請求を棄却した。今日、東京高裁は、一審・東京地裁判決を変更し、配転命令が無効だとする逆転判決で、オリンパス社側に220万円の賠償も命じた。
報道のみで判決文はまだ見ることができないが、少なくとも上記報道を前提にすれば、オリンパスはひどいブラック企業だ。
コンプライアンス室とかいうのを設けているのがお笑い種で、東電の違法行為を東電職員から通報された国の機関がその職員名を東電に伝えるということがかつてあったが、それと同じくらいひどいレベルだ。
このブラック企業が、訴訟で負けたからといって真摯に受け止めて方針を変えるとは思えず、原告浜田さんの戦いはなおも続くのではないかと心配になってくる。
ブラック疑いが濃厚なオリンパス会長の、CEO解任に関するデタラメなコメント:
「各事業部門のトップを越えて直接現場に指示を下すなど、組織の意思決定を無視した独断専横的な経営判断で、一刻の猶予もなかった」「オリンパスの企業風土や経営スタイル、日本文化を理解してもらえなかった」、「欧米人と日本人の違いが見抜けなかった」
適切に翻訳すると、
★不正な買収を追求され、バレては困るので、一刻の猶予もなく解任しました。
ということである。
「独断的な経営判断」という理由が「一刻の猶予もない解任」などとなるわけがない。これだけでもおかしいのに、追求したり調べたりしないマスコミもマスコミだ。
オリンパスは、こんなにもひどい会社だったのです。当然ですね。トップからして腐ってるのですから。今回このようになったことも、不正をして人を苦しめたことに対する、バチが当たるようにできていたのでしょう。株価など暴落して当然である。
こんな腐った企業、正しいことをする者を退け、不正をまかり通して私腹を肥やすようなこんな企業は、さっさと潰れてしまえばいいんです。吐き気がする。
社員の方も、まっとうな方であるならば、こんな不正・犯罪行為をする企業であったと気づくことができて幸いってものでしょう。
ただ怖いのは、このような日本企業は氷山の一角かもしれないということである。大企業なんて、程度の差さえあれど、どこも似たようなところはある。特に日本の大企業はモラルに欠けていることが多いし、不正だらけだ。東電、雪印、日本ハム、日本製粉、出てくる出てくる。
今後も、もし日本で外国人社長や役員などが、不可解な解雇のされ方をしたら、何か不正でもされているのではないか、という見方をする方が確実かもです。
この記事を読んだ人はこんな記事も読んでいます(表示まで20秒程度時間がかかります。)
スパムメールの中から見つけ出すためにメールのタイトルには必ず「阿修羅さんへ」と記述してください。
すべてのページの引用、転載、リンクを許可します。確認メールは不要です。引用元リンクを表示してください。