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http://jp.reuters.com/article/jp_column/idJPJAPAN-23609820111013
[東京 13日 ロイター] 欧州連合(EU)が欧州系銀行の自己資本増強に関するロードマップ(工程表)ともいえる政策を示し、金融・資本市場は債務危機打開への期待感を高めている。
だが、危機がイタリアやスペインに飛び火した場合、欧州金融安定ファシリティー(EFSF)の資金規模では対応が難しく、国際通貨基金(IMF)からの資金援助が必要になる。IMFによる欧州向け支援は、中国やインドなど新興国が賛成するかどうかが大きなカギを握るとみられ、14、15日のG20財務相・中銀総裁会議での議論がその成否を占う試金石になるだろう。
<バローゾ提案に2つの死角>
欧州委員会のバローゾ委員長が12日に発表した提案は、初めて当局が銀行自己資本の増強手順をパッケージとして示したところに特徴がある。銀行への審査をやり直し、不足する自己資本額を確定した上で、1)銀行による増資、2)当該国政府の公的資金注入、3)EFSF資金を使った注入──という3段階の増強プロセスを設定。さらに恒久的な組織である欧州安定メカニズム(ESM)の発足時期を2013年半ばから2012年半ばに前倒しする意向も示した。
ただ、私の目から見ると、この提案には2つの弱点がある。1つはバローゾ委員長が「危機脱却に向け、必要な措置を全て迅速に講じることで信頼感を回復できる」と述べているものの、EFSFによる資金注入という段階に到達する時期が明確になっていない点だ。市場が何らかの出来事を理由に、再び欧州債務問題への疑心暗鬼を深めれば、問題にされた国の国債や大規模投資している銀行の株が売られ、EU側の対応が間に合わなくなる事態が起こり得る。
さらに問題なのは、EFSFの規模が、欧州債務危機の拡大に対応し切れないという点だ。スロバキアが14日までにEFSF機能拡充案を承認し、ユーロ圏17カ国すべてが拡充案を承認しても、資金枠は4400億ユーロが上限になっており、ギリシャ国債の債務削減に対応した銀行自己資本の劣化に対応した資金注入を実行すると、その後に使える資金枠があまり残らない可能性が高い。
もし、ギリシャの国債価格が急落し、それがイタリアやスペインに波及した場合、現在のEFSFの資金規模では対応が困難であることは明らかだ。スペインの国債発行残高は約5000億ユーロ、イタリアは1兆5000億ユーロ強と、その巨大さはギリシャをはるかにしのぐ。欧州危機の深刻化に対応するには、ユーロ圏共同債の発行が切り札になりうる。バローゾ委員長も12日、年内にユーロ圏共同債に関する提案をする方針を明らかにした。
<イタリア、スペインに飛び火なら、IMF支援が不可欠>
しかし、ユーロ圏共同債の発行にはドイツが強硬に反対しており、短期間で実現することは難しい。残る手立てはIMFからの資金援助ということになる。水面下ではIMF資金を利用した受け皿機関を新設し、その機関が出資や融資をする構想が検討されているとの観測もある。確かにこの構想が実現に向け動き出せば、欧州債務危機は鎮静化する糸口をつかむことができるだろう。
ここで問題になるのが、中国、インド、ブラジルなどの新興国の存在だ。20年前ならG7だけで決められたことも、新興国経済の勃興と発言力強化で、彼らの同意なしには決定できないのが現実だ。新興国が欧州に傾斜した資金援助に難色示せば、IMF資金を大胆に活用した欧州債務危機への対応も実現が難しくなる。
その意味で14日からのG20財務相・中銀総裁会議での新興国の対応は、今後の欧州債務危機の動向を大きく左右しかねないと指摘したい。新興国が欧州債務危機の深刻さを認識し、IMF資金の積極活用やその前提となる資金規模拡大に応じる姿勢を見せれば、混迷を深めてきた欧州債務危機に光明が見えてくるだろう。
しかし、欧州問題ばかりに資金を投入することに対し、新興国が不快感を示したり、実際に反対の意思表示をするような発言が出てくれば、問題解決の最終的なゴールは相当に遠いと覚悟するべきだ。
G20は何も決められないという見方が世界の市場関係者には多い。しかし、今回に限っては、何も決まらない中に将来を指し示すヒントが隠されていると思う。(田巻一彦)
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■米財務長官、IMF資金基盤増強案に反対
http://jp.reuters.com/article/businessNews/idJPJAPAN-23639020111014
[パリ14日ロイター]ガイトナー米財務長官は14日、国際通貨基金(IMF)の資金基盤を倍増させる案に対し、反対の立場を示した。
IMFの資金増強に関しては、今週末にパリで開かれる20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議を前に、数カ国の途上国の間で浮上。G20関係筋によると、IMFに約3500億ドルの資金を投入する案などが取りざたされている。
これについてガイトナー長官はCNBCテレビのインタビューで「IMFには使途の決まっていない資金が非常に多くある」と指摘、IMFの資金基盤増強に対して反対する立場を示した。
IMFに多くの資金を拠出している米国、日本、ドイツ、中国などは、IMFの規模は現在の3800億ドルで十分との立場を示している。カナダやオーストラリアなどもIMFの資金増強に反対の立場を示している。
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■G20会合、IMFの資金増額より欧州による危機解決に重点を=加財務相
http://jp.reuters.com/article/businessNews/idJPJAPAN-23639220111014
[パリ14日ロイター]カナダのフレアティ財務相は14日、20カ国・地域(G20)協議について、国際通貨基金(IMF)の資金増額よりも、欧州諸国に債務危機の解決を迫ることに主眼を置くべきとの考えを示した。
同相は当地で記者団に対し「欧州諸国がこの危機を解決することに引き続き重点を置くべきだ」と述べ「IMFの資本強化など周辺の問題を重視することは避けるべきだ。誰もが賛成している訳ではない」」との見解を示した。
主要新興国の一部はIMFの資本強化を求めているが、米国やカナダなどはこれに反対している。
またユーロ圏の債務問題への取り組みは困難としながらも、妥当な解決策が得られることを期待していると語った。
G20の共同声明については「為替問題に関して、一定の進展が見られることを慎重ながら期待している。為替の弾力性強化に関する文言が盛り込まれることを望む」と述べた。
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欧州の銀行、バランス感覚を持って資本増強する必要=独連銀総裁
http://jp.reuters.com/article/businessNews/idJPJAPAN-23639120111014
[フランクフルト14日ロイター]欧州中央銀行(ECB)理事会メンバーのバイトマン独連銀総裁は14日、欧州の銀行は資本を増強する必要があるとの認識を示しながらも、増強はバランス感覚を持って行う必要があると述べた。
同総裁はロイターの取材に対し電子メールで回答を寄せ「現在の状況を踏まえると、ドイツの銀行を含め銀行は資本基盤を強化する必要があると考えているが、バランス感覚を持って実施する必要がある」との立場を示した。
そのうえで「夏以来、銀行間の信頼がなくなりつつある。ソブリン債危機の影響は今や他の(ユーロ圏)加盟国の銀行にも及んでいる」と指摘。現在はソブリン債危機の影響が最も深刻化している国以外の銀行にも広がる段階に達しているとの認識を示し、危機の波及を食い止める必要があるとの考えを示した。
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