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http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/25698?page=3
米国や欧州、日本の労働者は最近まで、自分たちはなぜ中国人労働者の10倍、20倍、さらには30倍もの賃金を得ているのかと思い悩んだりしなかった。
自分たちの賃金と生産性が高い理由は、法制度や教育制度、インフラ、技術といった自国の制度的な優位性にあると考えていた人もいるかもしれない。
もはや、そうではない。特にアジアを中心に、何億人もの新興国の労働者が世界の労働力に加わった今、競争の条件を平等にする緩やかなプロセスが始まっている。
***産業革命以降の所得の開きを埋めつつある新興国
発展途上国は、法制度や政治制度がいまだに遅れているにせよ、教育、インフラ、技術の水準を向上させている。所得の差も狭まりつつある。
購買力平価(PPP)で見た場合、1990年の中国の1人当たり国内総生産(GDP)は800ドル、これに対して米国は2万3000ドルで、29倍の差があった。 ロイヤル・バンク・オブ・ スコットランド(RBS)のデータによると、昨年はその差が6.2倍に縮まった。2015年には4.3倍まで差が縮まる見通しだという。
地球の現実に戻ってみると、景色は非常に異なって見える。米議会上院は今週、人民元を安く抑えていることについて中国を罰しようとする法案を可決した。
11日に行われた共和党の討論会では、党の指名争いの最有力候補ミット・ロムニー氏が、歴代の米国大統領は「中国人に楽器のように操られてきた」と批判した。
こうした発言は、「消えゆく」米国中流階級に関する強い怒りを反映している。失業率は9.1%で高止まりしている。米国勢調査局によると、賃金の中央値は実質ベースで1999年時点より低くなっている。米国の子供たちは自動的に親の世代より豊かになると考えられてきた道理は覆された。
中流階級の窮状をさらに苦々しいものにするのが、大金持ちへの富の集中だ。途上国の大勢の市民に機会をもたらしたグローバル化は、世界のエリート層の利益にもかなったのだ。
米国やその他の先進国には、生産性を高め、格差問題に対処するためにできることがいくつかある。だが、中国の通貨を操作する・・ことではない。
***中国の通貨をいじっても意味がない理由
@ 中国製とされているモノの多くは、中国で組み立てられただけだ。アジア開発銀行研究所(ADBI)が2010年にまとめた報告書によると、「iPhone(アイフォーン)」1台の推定卸売価格178.96ドルのうち、中国での組み立て作業が占める価値はたった6.50ドルだった。製造原価の大半は高精度の部品で、低賃金国ではなく、日本や韓国などの高賃金国で作られたものだ。
@ 人民元のペッグ(固定)が最初に解除された2005年6月以降、元はドルに対して30%上昇してきた。中国の高いインフレ率を考えると、実質ベースの上昇率はもっと高い。
これで目標が達せられなかったことに驚くべきではない。1985年のプラザ合意から2年以内に円の価値は事実上2倍になったが、日本の輸出にはほとんど影響がなかった。
@ たとえ実際に中国の輸出が競争力を失ったとしても、雇用が米国などの高賃金国に押し寄せる可能性は低い。どちらかと言えば、バングラデシュやベトナム、インドネシア、メキシコといったほかの低賃金国へ流れるだろう。
***差別主義の色彩を帯びた不合理な批判
問題をさらに混乱させるのは、中国やその他の低賃金国に対する辛辣な批判の少数が差別主義の色彩を帯びていることだ。本紙(英フィナンシャル・タイムズ)のウェブサイトに最近投稿された、典型的でないとは言えないコメントは、米国人労働者に中国の「クーリー(苦力労働者)や奴隷労働者」と張り合えと言うのか、と問いかけていた。
欧米の賃金との差は縮まっている。賃金格差が完全になくなる日が訪れるかどうかは、また別の問題だ。だが、中国に通貨切り上げペースを多少早めるよう要求しても、どのみち状況は少しも変わらないのだ。(中略)
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■人民銀行への「緩和圧力」・・欧州危機で落込む中国の内需
http://ameblo.jp/eiichiro44/entry-11047370181.html
9月の中国貿易黒字は145億ドルに縮小アメリカの圧力とは裏腹に、中国は(例のごく)輸出縮小を根拠に元高誘導を軟化させる事になる。 今現在、ドル元は6.3元台を推移。
欧州の落ち込みが目に見えて飛び火してきた中国では、今後の「欧米の弱需」とともに、輸出減速は続くと見られている。 国内に目を向けても、9月新車販売台数が前年同期比5.5%増と伸び率が鈍化しており、自動車産業は中国消費における耐久消費財のうち約30%を占めており、(そんな)内需のリーダーセクターに陰りが見え始めた事は、人民銀行に緩和圧力を一層もたらしているはずだ。
何しろ今年に入って、人民銀行によるアグレッシブなRRR(準備率・4大銀行)引き上げは、マネーサプライを大幅にタイトなものにした。特に6月の引き上げでは、2兆元弱のマネーを市中から吸い上げている。
今年の最初の引き上げ によるマネー吸収規模が3600億元だった事を考えると、6回目のそれが、いかに大規模なものだったかが分かる。
為替操作による元売り規模も相変わらず大規模ではあるものの、そのマネーサプライは目に見えて下落してきた、という事になる。そんなRRR引き上げと、利上げ(6.56%/7月)の「ハードブレーキング」によって、夏以降、経済の失速が表面化してきたというわけだ。
引き締めによる「資金繰り難」によって、中国の中小企業は経営悪化が顕在化してた。
そんなマクロ的悪化が株価の下落トレンドとなって表れている訳だが、欧米の落ち込みが長引く事を考えれば、人民銀行は、為替レートを出来る限り割安水準にペッグさせたいはず。
さらには来月(一層の)内需落ち込みが確認できるようだと、RRR「引き下げ」は現実味を帯びてくる事になるだろう。(中略)
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