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株式日記と経済展望
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今年度(2011年)は30兆までは日銀に国債を直接引き受けさせることが
できるんだけど、今年は日銀の直接引き受けは12兆になってしまっている。
2011年10月11日 火曜日
◆世界一やさしい「増税なしの」復興財源捻出方法 ―― 18兆円の「日銀埋蔵金」とは何か? 高橋洋一 10月11日
http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20111011-00000301-synodos-soci
■そもそも日銀マンと財務省職員の関係について
――財務省の人と日本銀行(以下、日銀)の人というのは、どういう場面で仕事上のつきあいがあるのですか。
高橋 基本的には、ほぼ主従の関係にあります。財務省が主で、日銀が従。実際に財務省は、日銀に指示を出してやる仕事ばっかりになる。日銀は財務省から何か指示が出た場合「なぜですか」とか理由を聞くことすら全然ない。財務省からは一方的に指示しかしないんだから。日銀からは反論どころか質問すらないほど。だから日銀の側からすると、財務省に対して大きなコンプレックスを持っていると思いますよ。実質的に日銀がやっている仕事は財務省の下働きみたいなものだから。
私の場合、財務省にいた頃、唯一日銀と少しだけ議論になったのは、日銀に国債を直接引き受けさせる際の額についての話だけだった。でも最後は簡単。こちらから「やれ」って言えばおしまい。それ以上は日銀は何も言えない。
そしてこれがこのインタビューの核心でもある「じつは日銀は、現行の法律の枠内で普通に国債の直接引き受けを18兆円分できるのだから、政府はそれを復興財源にすればいいだけで、復興増税なんて1円も必要ない」という話につながるのです。
いまもとくに日銀の国債直接引き受けの問題が大きく報じられていて、日銀は「そんなことはできない」と言っているけど、実際は毎年、日銀は財務省から直接国債を引き受けている。だけど日銀のサイドからすれば、財務省にやらされていることで、屈辱だから、絶対にやっているとは言わないわけ。
――日銀の国債直接引き受けというのは、要するに政府・財務省が国債を発行して、そのうちの何割かを日銀に引き受けさせるということですが、毎年日銀は、どのぐらいの額を引き受けているんですか。
高橋 だいたい10兆から、20兆円。だから、よく私の本とかツイッターとか見るとわかると思うけど、日銀引き受けは禁じ手でもなんでもなくて、できないのなんかまったくの嘘。毎年普通にやっていることですよ。過去最高で、23兆を引き受けさせた記録があるけど、それはわたしが官邸にいたときの話です。そして、一切何も困ったことは起きていない。
■日銀による国債の直接引き受けの法律的根拠
高橋 この日銀による国債の直接引き受けというのは、財政法の5条に書かれている。そこでは日銀の国債直接引き受けは禁止されている。だけど、但し書きというのがあって、「国会の議決を経た金額の範囲内」であれば直接引き受けできるって書いてある。
だから日銀に国債を直接引き受けさせるためには、財務省が予算総則っていうのを書く。その予算総則に「今年はいくらまで日銀に引き受けさせる」ということを書いておけばいいだけ。それで財務省が予算をつくって、国会が議決すればいいだけです。日銀には反論する余地もない。それで毎年、日銀は国債を財務省から直接引き受けしてるんですよ。
なのに日銀は、その事実(=じつは毎年国債の直接引き受けをやっていること)を一切口にしない。黙っているってこと自体が、彼らが悔しがっている証拠だと思います。
――ちなみに、毎年日銀が国債を10〜20兆円直接引き受けているのはどういう理由からなのですか。
高橋 それはね、そもそも日銀は80〜100兆円の国債を持ってるんだけど、そのうち「今年度の償還額」っていうのがある。償還額というのはつまり、満期がくる金額のことなんだけど、今年の話でいうと、日銀の持ってる国債は30兆円分満期がくる。日銀が新たに30兆円の国債を買い入れないと、自動的に30兆円分の金融引き締めになってしまうわけ。マネーが減るわけだから。
だから「この償還額の範囲では、日銀に引き受けさせることができる」っていうことが予算に書いてあるわけ。
それで今年度(2011年)は30兆までは日銀に国債を直接引き受けさせることができるんだけど、今年は日銀の直接引き受けは12兆になってしまっている。わたしはそこを指摘して「まだ18兆円も普通に(予算に則った)日銀に国債を直接引き受けさせる枠があるのだから、日銀に国債を引き受けさせればいいじゃない」と言っているわけ。「今の範囲で、合法的かつ予算の範囲でできるじゃない」と。
日銀の直接引き受けは全然根拠のない話じゃなくて、今の予算の範囲で――少なくとも30兆って枠はこの前の3月に成立した予算でとっているんだから、まだ余っている18兆円分を引き受けさせればいいじゃないって言っているだけなんだから。
こういう風な話をすると、日銀がいかに財務省に虐げられてたかっていう言い方もできるかもしれないけども、わたしは「30兆円の国債の償還が今年あって、それを増やさなかったら必要なマネーが減って、デフレになって大変でしょ」って言ってるだけ。わたしがもし財務省の担当だったら確実にやる。復興のために増税するなんてことを言うんじゃなくて、震災復興債を出して、日銀が直接引き受ければそれでいいだろうって。それで一気に復興をすればいいだけなんだから。
■30兆円の法律の枠内の国債直接引受で、通貨の信認は毀損するか?
高橋 それで日銀も、日銀が国債を直接引き受けると「通貨の信認が毀損する」とかって言ってて、ハイパーインフレとか大幅な円安が起こるなんて言ってるけど、すべて詭弁。
だって、日銀の30兆円規模の国債引き受けというのは、毎年予算の範囲内でマネタリーベースが増えるわけでないから。それでハイパーインフレ ―― どころかちょっとのインフレすら起こりませんよ。どころかずっとデフレだったんだから。さらに「円安が起こりましたか?」という話。日本国内は、長引く円高でヒイヒイ言ってますよ。いま過去最高の円高ですよと。
もし日銀が、「毎年やってる予算の枠内での国債の直接引き受け ―― 今年で言えば具体的には、財務省が日銀に『やりなさい』とひとこと言えば買い取らせることのできる30兆円の枠内で、まだ実施してない18兆円の国債引き受けることで、通貨の信認が毀損する」という発言をつづけるのであれば、「じゃあ、なぜ昨年も一昨年も、まったく同じ国債の直接引き受けを現実にやっているのに、通貨の信認の毀損どころか、デフレが起こり、円高が進展しているのか?」の説明をしなければいけない。
なぜ日銀は、いままで普通に直接引き受けをやっていたのに、禁じ手みたいな話を突然言い出したかというと、今回の震災によって、普段は誰にも知られずに行われていたその直接引き受けに対して、にわかにそれを求める声が大々的に外野から寄せられるようになったから。
日銀がいま必死にその火消しに回っているのはプライドがあるから。日銀が「直接引き受けは禁じ手だ」って言うから、マスコミの人もこぞって「禁じ手、禁じ手」っていうでしょ? これはいかにマスコミの人が、政府や日銀の発表を鵜呑みにしていて、いかに自分たちでは知識がないかということがあらわになってしまっている。マスコミは、日銀の発表だけを鵜呑みにして、そこで思考が停止してる証拠です。
仮に、わたしが財務省の担当者なら、すぐに18兆円を日銀に引き受けさせるけど、それに対して日銀は一言も反論できず、粛々と引き受けるしかないわけですよ。ちょっと酷いように見えるけど、それで増税なしで震災復興もでき、しかも円高・デフレ対策にもなるのだから、国民経済から見れば文句なしのいい手だ。
――そういえば日銀は、その主張に対して表だって反論しているように思われていますけど、実際はマスコミやマーケットに向けて発言しているだけですものね。
高橋 そう。表だって言えないから、裏で色んなことを言うしかない。唯一の強みはさ、金融マーケットについて財務省は無知だから、その無知を利用することはできる。細かくいうと財務省の職員は、金融マーケット ―― 金利とかの細かい話をされると分からないわけ。だから日銀は、「直接引き受けすると、金利が暴騰しますよ」とか、「国債金利が暴騰して、消火が大変になります」って言うと、意外と財務省の人間は「ああそうか」ってなってしまうというのもある。財務省と日銀の関係で言うと、日銀はそうやって牽制球を投げるので精一杯。ここでも財務省と日銀の主従関係の姿が透けて見えます。
でもそんなことがいかに嘘かっていうのは、ちょっと考えれば簡単に見抜くことができる。なぜなら、さっきも話しましたが、昨年も一昨年も日銀は、今回わたしが主張しているような「法律の枠内での国債の直接引き受け」をやってるのに、「国債金利が暴騰して大変なことが起きる」みたいな自体は一切起こっていない。
「復興のためなら増税もしょうがない」と短絡的に考えるのではなく、国民は、この日銀と財務省が隠している事実を、厳しい目でチェックすべきです。
(私のコメント)
東日本大震災の復興財源が国会で問題になってますが、日銀に18兆円の国債を買い取らせれば済む話なのに、財務省が増税を絡めてくるからややこしい事になっています。マスコミやテレビは息子たちに借金を残すなと盛んに煽っていますが、円高超低金利である限り日本は国債を発行し続けることが出来ます。なぜならば日銀が買えばいいからだ。
アメリカなどはそのようにしてドルをばら撒いていますが、アメリカは貿易赤字国であり何度も金融緩和をしているとドルが暴落したり国債の金利が急騰しかねない。日本の金利がいつかは急騰すると煽る人たちもいますが、銀行などが手放せば日銀が一手に買えば済むだけの話だ。しかし銀行にしても現金で持っていても金利が稼げないからすぐに国債を買い始める。
このような仕組みが分かっていないから、インフレになるとか金利が急騰すると煽りますが、日本の金融状況が理解できていないからだ。日本の円が暴落すればどうなるか、世界中が日本の感電製品や自動車で溢れかえって、韓国や中国の家電メーカーが倒産して欧米の自動車メーカーが倒産する。だから日本は円高になっているのであり、円が暴落すれば世界の企業がひっくり返る。
国債の金利が急騰することがあるのは、国際を外国に売っていて一斉に売り浴びせた時ですが、ドルやユーロがなければ買い支えられないからだ。しかし日本の国債は円建てだからそのような心配がない。日銀は印刷機を回せばいくらでも1万円札が印刷できる。ギリシャが破綻したのはギリシャがユーロを持っていなかったから買い支えが出来ずにギリシャ国債は暴落した。
自国通貨建ての国債と、外国通貨建ての国債とは性質が全く異なるのであり、自国通貨建ての国債は基本的にはデフォルトはない。しかし通貨暴落し金利が急騰して経済が破綻することがある。それは国内にほとんど産業がない国のことだ。通貨が暴落すれば外国からの物資の輸入が出来なくなり経済はストップしてしまう。しかし国債は自国通貨建てである限りは償還は可能だ。
日本で起きているのは円高でありデフレなのだから、国債をどんどん発行して東日本大震災のために使うことだ。しかし政府は財政再建と称して増税路線まっしぐらだ。日本がギリシャのようになっているのなら公務員をリストラして増税しなければなりませんが、日本は国債で財政を賄って減税すべきなのだ。消費税を時限立法で景気が回復するまで税率をゼロにすればいい。
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