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ギリシャをデフォルトさせろ ユーロ版TARP、欧州が米国から学ぶべき6つの教訓
http://www.asyura2.com/11/hasan73/msg/552.html
投稿者 sci 日時 2011 年 10 月 11 日 02:43:33: 6WQSToHgoAVCQ
 

取り敢えずは竹中プランを見習って銀行の経営者や株主に責任を追求するため厳しく査定するのかもしれないが
経営陣は倒産の責任追及を防ぐため、ぎりぎりまで情報を隠すから最終的には、金融恐慌を防ぐため、彼と同じく方針転換でモラルハザードになるのかもしれない

どちらに転んでも、責任者(中銀、首相、財務省、議会、銀行・・)が国民やマスコミから非難されるのは日本の過去を見れば間違いないことだ

http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/25262
ギリシャをデフォルトさせろ
2011.10.11(火) Financial Times

もうギリシャを自由にしてやる時だ。筆者は何も、ユーロの崖っぷちにしがみついているギリシャ政府の手を踏みつけるよう提案しているのではない。だが我々は、最善の結果を期待することが災いを招く段階まで来ている。欧州には、ギリシャの転落を管理する計画が必要だ。

 ユーロ圏は2つの問題を抱えている。1つは、ギリシャのインソルベンシー(支払い不能状態)とポルトガル、スペイン、イタリアの脆弱性、そして、それに伴って欧州の銀行にかかるストレスの問題。もう1つは、中核国以外の国々の恐ろしいほど弱い財政と競争力だ。

 1つ目の問題に対処しても、それだけで2つ目の問題を解決することにはならないが、必要な出発点だ。

 急を要する決定は、ギリシャのデフォルト(債務不履行)の時期と条件に関するものだ。政治家にはまだ、秩序ある債務再編と、直ちにすべての国を巻き込む無秩序な崩壊のどちらかを選ぶ選択肢が残っている可能性はある。可能性はあるが、確実ではない。
燃えさかる炎が大陸全土に広がる恐れ

 各国政府がギリシャ以外の周縁国の回りにどのように防火壁を築くか、あるいは、銀行システムをどのように隔離するかについて言い争えば言い争うほど、制御されないまま炎が大陸全体に広がる可能性が高くなっていく。
ギリシャ、追加緊縮策反対のデモ

10月初めにギリシャ・アテネで行われたデモで緊縮反対のスローガンを叫ぶ参加者〔AFPBB News〕

 ギリシャは、現行の融資計画の次回実行分を受け取るだろう。何しろギリシャ政府は、長く待ち望まれてきた赤字削減の決意を示してきたし、税金も徴収し始めている。

 だが、長期的にはどうしても帳尻が合うような数字は作れないし、先のゼネストからも分かる通り、ギリシャの政治情勢は少しも上向いていない。

 ユーロ圏には、政策立案者たちが婉曲的に「再編計画」と呼ぶものを考え出すまで、数週間(ことによると2〜3カ月)しか猶予がない。

 異論を展開する欧州の政策立案者もまだいる。その大半はドイツ政府内の面々だ。アンゲラ・メルケル首相は、市場に振り回される気はないと言う。1990年代のベルギーの財政再建を考えみてほしい、とドイツ政府当局者は付け加える。財政状況を安定させるうえでアイルランドが見せた見事な進展を見てほしい。一定の時間と政治的な意志があれば、ギリシャも同じようにできる、というのだ。


患者を死に追いやる緊縮措置

 筆者は、彼らが本当にそれを信じているとは思っていない。ギリシャの債務、財政状況、経常赤字、悲惨なまでの競争力のなさを考えると、ギリシャは債務の罠から逃れることはできない。緊縮に緊縮を重ねれば、患者を死に追いやるだけだ。

 これまでのところ、ユーロ圏の暗黙の戦略(そう呼べるものがあるとすれば)は、最後の審判の日を遅らせることだった。2〜3年間ギリシャを破綻させないようにしておけば、他のユーロ圏諸国がデフォルトの衝撃に耐えられるくらい強くなる、というわけだ。

 ドイツ政府関係者は依然として、今ギリシャ政府を責任から解放すれば、ポルトガルとスペインは、自分たちが最悪の事態を逃れられると思うだろうと警告する。

 そして次には、経済的に問題を抱えているのと同じくらい政治的に機能不全の状態にあるイタリアが控えている。順調な時でさえ、シルビオ・ベルルスコーニ首相と交渉するのは不可能だ。今は、ベルルスコーニ首相を何もしない言い訳で武装させる時ではない、というのだ。

 モラルハザードを避けるというのは優れた指針だ。だが、それは危険な指針にもなり得る。欧州中央銀行(ECB)は、自らの威信と権限を失うまいと戦々恐々としている。ECBのジャン・クロード・トリシェ総裁は先日再び、各国政府は危機に対する責任をECBに転嫁するのではなく、その責任を自ら負わねばならないと述べた。

 理論的には、トリシェ総裁は恐らく正しい。だが、ルールは時として破らなければならないこともある。ECBがユーロの墓碑銘になってしまったら、ECBの威信など大して価値がなくなる。
完全に誤っていた前提

 「プランA」はギリシャを安全に隔離できることが前提になっていた。経済成長、資本が増強された銀行システム、他の周縁国の財政の改善によって、ユーロ圏は良好な健康状態に戻る。その時初めて、ギリシャはデフォルトすることが許される、というものだ。

 ふたを開けてみると、状況はこの上なく違っていた。ギリシャの問題に対処できずにきた結果、他のユーロ圏諸国は弱体化し、感染がイタリアにまで広がり、フランスとドイツの銀行の脆弱性が露呈した。

 その結果生じたのは、リバースループとも呼べるものだ。ソブリン債務危機は銀行危機から生まれた。それが今では、第2の銀行危機を引き起こしている。先日のイタリアの信用格付けの引き下げやフランス・ベルギー系の銀行デクシアの問題は、最新の展開に過ぎない。

 デフォルトを管理することは簡単でもなければ、リスクを伴わないわけでもない。政治家はリーマン・ブラザーズ破綻の悪夢とともに暮らしている。怯えて当然だ。ギリシャの債務が例えば50%あるいは60%切り下げられた場合、その影響をうまく封じ込められるという保証はない。

 だが、確かなことは、制御されないデフォルトは経済にも金融にも大混乱をもたらすということだ。ある英国の首相が経済問題に関する難しい決断についてよく話していたように、時としてほかに選択肢はないのだ。

 リスクを軽減するためにやらなければならないことについては、謎めいたことは何もない。それは、協調的な銀行の資本増強と、欧州金融安定基金(EFSF)の融資能力を2兆ユーロ程度まで4倍に拡充することから始まる。またECBはECBで、ユーロを救済することはインフレ抑制に固執することより重要だということを受け入れなければならない。

 市場には、2つのことについて納得してもらわなくてはならない。ユーロ圏にはどのような結末にも対処するだけの資源や手段があるということ。そしてより重要な点として、各国政府が実際にそれらの資源を活用するということだ。

 ギリシャのデフォルトを管理することは、単一通貨を維持するためなら何でもやるという欧州の政治的意志を示す方法として提示されるべきだ。
ギリシャの選択

 残るのは、ギリシャがユーロにとどまるべきかどうかという問題だ。答えは、差し当たりはイエスだ。スペインとポルトガルでは、欧州は近代化への道として受け止められてきた。ギリシャはそうした努力を払ってこなかった。

 デフォルトしたとしても、ギリシャが国の制度を全面的に見直し、経済を近代化させる必要から免除されるわけではない。改革を行わなければ、ギリシャは遅かれ早かれユーロから追い出されるだろう。しかしその時は、ギリシャの選択ということになる。
By Philip Stephens

ユーロ版TARP、欧州が米国から学ぶべき6つの教訓
2011.10.11(火) Financial Times

「だから言ったじゃないか」。この言葉は、米国の銀行家と政策立案者が最近、欧州に対して示す反応を表している。米国が2008年に「不良資産救済プログラム(TARP)」を発表して以来ずっと、ワシントンとニューヨークの観測筋は、欧州が銀行問題を掌握できないことについて陰気にぼやき続けてきた。

 具体的に言えば、かなり前から、欧州の銀行は不良債権の公表を渋っているのではないかと疑われていた。また、特に価値が劣化するソブリン債務の評価損を計上しなければならない場合、一部の銀行には資本増強が必要なことも明白だった。

 このため、一部観測筋にとっては、分かりきった解決策は「ユーロ版TARP」とでも呼ぶべき対策だ。すなわち、2008年暮れから2009年にかけての米国の銀行危機を事実上食い止めた資本注入とストレステスト(資産査定)のユーロ圏版である。

 ユーロ版TARPは実現するかもしれない。ユーロ圏の指導者たちは10月初めに、遅ればせながらその方向に向かっていることを示唆した。だが、投資家は胸を躍らせる前に、米国が2008〜09年に何をした結果、TARPが「奏功」したのかを詳しく見ておいた方がいいだろう。
米国のTARPが成功した理由

 筆者の見るところ、欧州が検討する必要がある重要なポイントが少なくとも6つある(5つは具合が悪い点、1つは好ましい点)。
米FRBと財務省、新たに最大8000億ドルの支援策発表

米国のTARP実施を率いたハンク・ポールソン氏〔AFPBB News〕

■ 第1に、規模が重要だ。2008年にハンク・ポールソン財務長官(当時)がTARPを提案した時、長官は同僚らに向かって、市場をあっと言わせ、心理を好転させるための「バズーカ砲」を探していると言った。

 当時は、7000億ドルという金額は施策を成功させるのに十分な規模に思えた。この数字は、極めて重要なことに、市場の期待を上回っていたからだ。

 その後、市場の期待が膨れ上がり、アナリストらは1兆ドル必要だなどと訴えるようになったが、こうした疑念が生じたのはだいぶ後のことで、肝心なことに市場心理が好転した後だった。

■ 第2に、協調が不可欠だ。ポールソン長官のバズーカ砲が市場を「あっと言わせた」理由の1つは、たった1つのチームが武器を操ったからだ。政策を策定したのは、財務省と米連邦準備理事会(FRB)の職員から成る緊密に結び付いたグループだ。

 これが重要だったのは、2008年暮れには、投資家は対策の遅れや矛盾する政策の合図を受け入れる気が全くなかったためだ。

■ 第3に、過剰な民主主義は必ずしも役に立つわけではない。TARPの初期段階には、政治家が関与した。何しろ、米議会は当初、ポールソン長官の計画を否決している。市場が暴落した後に承認したのだ。

 だが、その後は官僚の緊密なチームが主導権を握り、TARPのバズーカ砲を迅速かつ(ほぼ)真っ直ぐに撃つことができた。ポールソン長官が日曜午後に銀行の経営者らを財務省に呼びつけ、資本注入を受け入れ、書面に署名するよう命じたことを覚えておいでだろうか? 議会が関与していたら、それは絶対にあり得なかった。

■ 第4に、計画は柔軟でなければならない。ポールソン長官が最初にTARPを創設した時、長官率いるチームは7000億ドルが銀行から不良資産を買い取るために使われると思っていた。しかし、彼らは後になって、不良資産を買い取る代わりに銀行の資本を増強することにした。

 未来の金融史家は際限なく、これが「正しい」判断だったのかどうか議論することになるだろう。だが、この一件は少なくとも、財務省がかなり自由に行動できたことを示している。

■ 第5に、ストレステストというものは、目に見えてストレスがかかり、一般市民と市場が気にかけている部分に対処して初めてうまくいく。2009年初頭の米国のストレステストは決して完璧ではなかった。一部の専門家は、例えば商業用不動産の引当金が少なすぎると考えていたし、ソブリン債務の毀損に対する引当金はゼロだった。

 だが、こうした点が専門家を心配させたとはいえ、ストレステストは市場を本当に悩ませていた問題、つまり、住宅ローンの引当金が十分かどうかという問題に対処した。そして、このことがテストの包括性と相まって、市場心理を好転させられるほど「信頼できるもの」に見せた。
欧州は同じことをできるか?

 欧州は今、この芸当を繰り返せるだろうか? 間違いなく難しいだろう。何しろ、政治的に微妙なために、欧州の規制当局はユーロ圏のソブリン債という、市場が理解し、本当に気にかけているストレステストの明白な要素に焦点を合わせるのが難しい。

 また、欧州の統治制度は迅速な行動や協調的な行動を取れない。政治家が関与する場合は特にそうだ。

 欧州には、バズーカ砲を要求し、迅速に発射できるポールソン長官のような人物が見当たらない。もしかしたら例外は欧州中央銀行(ECB)のジャン・クロード・トリシェ総裁かもしれないが、同氏はもう退任する。

 だが、欧州がこうした障害を乗り越えられれば、覚えておくべき6つ目の重要なポイントがある。2008年当時、少なくとも米国の一般市民の間では、TARPにつぎ込まれた7000億ドルの大半は永久に「使い果たされた」と考えられていた。
日本なども公的資金はかなり回収できたが・・・

 しかし最近、財務省の担当者らは、本当に失われたのは500億足らずだと見ている。というのは、TARPが実施されて市場心理が安定すると、銀行の収益とともに資産価値が上昇し、投入された資金の大部分が返済されたからだ。

 そして、この満足な結果は米国に限った話ではない。スカンジナビア諸国と日本の政府も、過去の危機で自国版TARPを実施した時に資金を回収している。

 つまり、良い知らせは、もしユーロ版TARPが実際に誕生したら、長期的にはそのお金は失われずに済むかもしれないということだ。あるいは、スピードや協調、柔軟性に関する先の教訓を学べば、失わずに済む可能性がある。

 悪い知らせは、これは本当に「もしも」の話で、まず考えられない展開だということだ。市場が心配しているのも無理はない。
By Gillian Tett
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コメント
 
01. 2011年10月11日 02:59:32: IOzibbQO0w
米国のTARPや日銀の巨額の財政緩和は世界的な金融恐慌と信用収縮を防いできたが
結果として莫大なマネーを金融システムに注ぎ込み、本来破綻すべき人々を救い、一方で多くの失業と賃金下落は放置されている。

それをモラルハザードと非難する茶党系の人々も多いが、一方で、さらなる緩和や財政出動が必要だと言う人々も多く、日本同様、米国でも大きな政治的な対立が生じ、捻れによる政府の機能麻痺が生じている。

当然、複雑な政治勢力が烏合の衆のように離合集散する欧州の場合は、政治的な混迷はさらに酷い。

ECB理事候補のアスムセン独財務次官などは、「ユーロに危機は無く、強く安定的な通貨だ」「欧州圏内の銀行の資本再編については、包括的対策の一つであり、独立した方法では解決策にはならない」などと言っており、
リスク資産やユーロは戻しているが、これが持続的なものだとの期待はあまりできないだろう。



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