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米9兆ドル喪失の重み:米国の不動産価格下落問題:日経新聞
http://www.asyura2.com/11/hasan73/msg/545.html
投稿者 あっしら 日時 2011 年 10 月 10 日 03:17:41: Mo7ApAlflbQ6s
 


けいざい解読:編集委員 太田 康夫[日経新聞10月9日朝刊P.3]

米9兆ドル喪失の重み

 米国のウォール街近辺でデモが繰り広げられている。政府が公的資金で銀行を助けたのに、雇用をはじめ経済状況が改善しないことが背景にある。住宅バブル崩壊が、米経済に重くのしかかっている。
 リーマン・ショックの後、米政府は銀行に公的資金を投入し、米連邦準備理事会(FRB)は住宅融資担保証券(MBS)を買い入れた。米国の危機対応は日本に比べて「素早い」と言われたが、住宅価格は下げ基調が続いている。
 米国の住宅価格がピークをつけたのは2006年半ば。高騰が激しかったカリフォルニア州の住宅価格(米連邦住宅金融局調べ)はその後5年で46%下落。主要10都市を対象とするS&Pケース・シラー住宅価格指数も約30%下げた。それに伴って、今年6月末の米家計の住宅資産額はピーク比で6兆6000億ドル減って、16兆1000億ドルとなっている。
 この間、住宅融資残高はほぼ横ばいなので、住宅資産から住宅融資を引いた 「実質住宅価値」は6兆2000億ドルと、06年の半分以下になった。マクロ的には家計が住宅という有力な富を減らし、それが逆資産効果などを通じて国内総生産(GDP)の7割を占める消費に影を落とす。
 住宅の値下がりで、融資の返済予定額が住宅価値を上回る人も多い。銀行に投入された公的資金は不良債権などの処理に充てられ、雇用の創出にはあまり役立たなかった。
 米国では商業用不動産価格も下がっている。非金融部門が抱えるその資産額はピークから2兆8500億ドル減。住宅と合わせると、バブル崩壊で失われた不動産資産の合計額は5年で9兆4000億ドル。邦貨換算で720兆円にのぼる。
 日本の地価はほぼ20年下げ続けている。土地資産額はピークの半分を割り、20年で失われた土地資産額は約1300兆円で、それが日本の長期停滞の一因とみられる。5年で720兆円失った米国でも、日本と似たようなことが起きるのではないかとの「日本化」への懸念が強まっている。
 今後の焦点は米住宅価格の下落がどこまで続くかだ。住宅価格に大きな影響を与える景気の先行きは不透明だ。ゴールドマン・サックスは12年の米国の成長率見通しを2.0%から1.4%に引き下げた。
 住宅在庫は平均を上回る9カ月分も積み上がる。銀行が差し押さえてまだ売却処分していない分など「隠れ在庫」が600万戸もある。バーナンキFRB議長は4日の議会証言で「差し押さえ分などの影響で、新規住宅着工がこの10年の平均の3分の1にとどまっている」と指摘しており、当面、住宅価格が上昇基調に戻ることば見込みにくい。
 FRBは9月に金融緩和の一環として、保有するMBSの償還資金をMBSに再投資することを決めた。
 来年末までに2000億ドルを上回る見通しだ。MBSの償還資金で国債を購入し保有資産の正常化を目指そうとしてきたが、まだ住宅問題から目を離せる段階ではないと判断したようだ。
 米国は人口が増えており、少子高齢化で住宅需要が減る日本とは事情が異なる。ただ巨大な富が失われたのは事実で、その悪影響を抑えるため粘り強く金融緩和を続ける必要がある。
米国版「失われた10年」になることを避けるためにも。
 

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コメント
 
01. 2011年10月10日 05:20:30: wuiFKNWm5k
日経にしてはちゃんとアメの窮状を報道してるな。
中国の窮状はまだ記事にできないのかな?

02. 2011年10月10日 05:51:08: OIxNYWfJog
不公正の(富の生産を伴わない)偽札が無くなって大変だというのなら、公正な偽札(公平に配る)を印刷すれば良いことではないですか。

モノが無くなって大変だと言うのなら分かりますが、お金などいくらでも印刷できるもの(実際は電子マネーで印刷の必要なし)発想が貧困なだけです。

世界の生産量は着実に上昇しているでしょう。
これで危機が起きるのは分配の問題ということ。
現在は「豊作の中で飢饉」が起きている状態なのに、気がつく人は少ない。


03. 2011年10月10日 07:24:25: pZ4CHUghM2
アメリカのことはいいから東京の地価下落問題を書いてくれ。数値を推定でいいから入れて。銀行は無担保になったのでは無いのか。だと年金生活者は借金を踏み倒せるぞ。

04. 2011年10月10日 07:25:52: mHY843J0vA
一部の中核都市では信用収縮による下落は、そろそろ終了です
日本と同じく、生産性の低い地域でのバブル的な価格上昇が完全に打ち消されるには時間がかかりますが
DCF法での評価額が底値に届くのは米国の場合、結構速いでしょう
あとはCPIが上昇し、貯蓄率の上昇に歯止めがかかり、賃金総額が反転した時が中核都市での地価反転がはっきりするでしょう


05. 2011年10月10日 07:51:14: Tt5VZL1wuU
こんなことよく考えればわかりきったこと。
不動産価格が高いと言っても、みんなが売りに出せば価格は下がる。
つまり、すべての不動産を換金することはできないのである。
換金しようとすれば値が下がる。
こんなたちの悪い制度はない。
これが資本主義だ。インチキでできあがっているのである。
株価も同じこと、国債も同じこと、他市場価格などと言うのは一部の狡い奴らが考えた詐欺なんだよ。
それが、今ばれて大崩壊するところなんだ。
資本主義の終焉だ。
新自由主義なんて言って最後にカンフルを打って、大もうけした奴らは逃げ切ったが、巻き込まれた一般人は全くの迷惑である。


06. 2011年10月12日 14:18:48: XGBuhMmqmg
投資なんて、結局は体のよいネズミ講なのさね。

07. 2011年10月13日 04:05:34: BDDFeQHT6I
別にアメリカから家が無くなった訳でもドルの絶対量が減った訳ではない、単に今迄丁の目ばかりが出続けていたバクチで半の目が連続する様になっただけだ。
所詮バクチなのだからゼロサムの世界、資産価値が上がった様に見えていたがドルの価値が下がっていたので本質的にはアメリカの資産は増えも減りもしていなかったので何も変わらない、テラ銭を取った奴がおいしい思いをしただけ。
不動産バクチで負けたアメリカ人は今後賭場の借金を働いて返す事になるだけだ。

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