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欧州債務危機の深刻化を受けて、少しずつではあるがそれを封じ込めようとの動きが見え始めている。ドイツのメルケル首相は、必要性が明らかであれば金融機関へ資金を投入すべきだと発言したが、EUのバローゾ委員長も、銀行の資本増強の努力を各国が一致して支えていく、と述べるなど、EU各国が協調して域内銀行の資本増強を支えていく考えを示した。
6日のECB理事会では、一部期待のあった利下げこそ見送られたが、1年物の資金供給オペを再開し、またカバード債の購入を11月から再開することを決定した。
6日のイングランド銀行の金融政策委員会では、資産買い入れプログラムの規模を750億ポンド上積みし2750億ポンドにすることを決定した。量的緩和策拡大の理由のひとつに、ユーロ圏の一部の国の債務危機や金融機関の債務問題がもたらす脆弱性が指摘されていた。
これらの動きを受けてロンドン株式市場をはじめ欧州の株式市場は、銀行株などを中心に大幅高となった。また、ガイトナー米財務長官は、米国の銀行は強化され2008年のリーマン破綻のような事態は決して再発しないと発言し、米国株式市場でも銀行株などを含めて買いが入り、6日のダウ平均は3日続伸。
★これらの一連の動きは、ギリシャを発端とする欧州の金融危機に対し、それがイタリアやスペインに波及し、さらに欧州の金融機関に影響を与え金融システム不安が拡大することを封じようとの行動であることは確かであり、実際に一定の効果はあったと思われる。
★しかし、これら一連の動きは中央銀行頼みの姿勢とも受け取れる。これはユーロ圏内各国が国内事情により動きが取り辛いためというのも大きな要因となっていよう。とは言うものの、動きが取りにくい中にあり、EU各国が協調して域内銀行の資本増強を支えていくといった姿勢は、危機囲い込みには有効な手段であると思う。
ただし、ここで注意したいのは、ニューヨークのウォール街での大規模なデモの動きである。経済格差反対を訴えて、ニューヨーク・ウォール街で始まったデモは拡大の一途をたどっており、警察との衝突も発生している。
★日本でも不良債権処理に対しては公的資金の投入が最終的に決定されたことで、一時の危機は回避されたとの見方も強い。リーマン・ショック後の米国でも同様に金融機関を保護することより最終的に危機を封じ込めた。同様のことを現在、欧州でも行なわれようとしている。過去の例を見る限り、これは適切な手段といえそうだが、果たしてこれが欧州域内の国民に素直に受け入れられるのであろうか。
特にウォール街でのデモがこのままエスカレートするようなことになれば、欧州での世論に対して微妙な影響を与える可能性もある。ウォール街でのデモに共感するような見方が欧州でも広がるようなことになれば、金融機関へ公的資金を投入すべきだとするメルケル首相などに対し、批判の声が上がることもありうる。
昨日は9月の米雇用統計の発表があり失業率は9.1%と高止まりとなった。、ウォール街でのデモはこの失業問題が大きく影響しており、雇用情勢の動向に対しても注意する必要はある。それとともに金融経済危機に対する政府による金融機関への対応への問題点が、今後欧米であらためて問われる可能性もあり、これが★「欧州危機囲い込みのリスク」になる可能性もある。(中略)
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■ウォール街占拠運動とティーパーティの共通性
http://blog.goo.ne.jp/yamahafx/e/248ba5316b5c8182b9d7b05046f1b291
相場はドル高の反動のドル安になっているが、どこまでいくかはまだよくわからない。
ウォール街占拠運動・・「金持ちから税を取れ」という主張に代表されるように、彼らは政府の積極的関与による社会主義的政策を支持しているようだ。それに対して、以前から話題になっているティーパーティ運動は、「医療制度改革の無駄な政府支出を止めよ」の主張に代表されるように、小さい政府を支持するリバタリアン的政策を求めている。まさに真逆の主張が、同じ草の根から出てきたところに、今の米国の抱える問題の複雑さを知ることができる。
両者の相違はあちこちの報道でも触れられているが、この両者に共通する主張があることは意外に知られていない。両者に共通するプラカードは、実は、
★END THE FED(連邦準備制度を終わらせろ)
である。Occupy Wall St.側からは、FRBは大銀行だけを救済する悪玉であり、Tea Party側からは、ニセの金(fiat money)を作って無駄な政府支出をさせる元凶である。バーナンキもとんでもない時期にFRB議長になったものだが、★欧州におけるECB批判、日本における日銀批判でもわかるように、問題がソブリンリスクに移ってきた現状では、いままで裏方だった中央銀行の行動の一挙一動に衆目が注がれているというのが実際のところだろう。
しかし、理屈はともかく、このウォール街占拠運動の今後の動向によっては、FRBにとってはもうひとつ頭の痛い問題が増えたには違いない。ワシントンの真ん中で「END THE FED」のプラカードのデモ隊が練り歩く日が来るとは連銀総裁の誰も予想していなかったことであろう。この問題は2012年、そして2013年と長引く可能性が出てきたと思っている。(中略)
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