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[榊原英資(青山学院大学教授)]資本主義の時代が終わり1870年型の恐慌が始まる
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2011/10/3 日刊ゲンダイ :「日々担々」資料ブログ
パラダイムシフトがもたらす大混乱
ヨーロッパを中心に国家の財政破綻危機が広がり、世界同時株安、超円高と、日本を取り巻く経済状況はかつてないほど深刻化しつつある。いま、世界経済では何が起こり、それは日本経済にどんな影響を及ぼすのか。日本を代表する経済学者、エコノミストに聞いてみた。第1弾は元財務官で青山学院大教授の榊原英資氏。「世界同時不況がすでに始まっている!」(アスコム)で、今日の事態を見事に的中させた榊原氏は近著「世界恐慌の足音が聞こえる」(中央公論新社)でさらに警鐘を乱打している。その分析、見立ては衝撃だ。
私はこの調子でいくと、世界恐慌になる可能性はかなり高いと思います。それも1929年のブラックマンデーのような株大暴落不況ではありません。ノーベル経済学賞を受けたプリンストン大のポール・クルーグマン教授はニューヨーク・タイムズへの寄稿で「アメリカは暗く、舗装されず、どこにも通じてない道の上にいる」と書き、「1870年型の大不況が始まった」ということを言っています。
これはじわじわと真綿で首を絞められるような不況です。大暴落はないから、多くの人は大不況に気づかない。しかし、10年たってみると、大恐慌が起こったのと同じくらい株が下がり、経済が縮小してしまう。1870年の不況は物価の下落を伴い長期化しました。ヨーロッパが大不況から脱したのは20年以上たった1896年でした。背景には物価の下落、産業構造の変革、そして、英国の衰退と米国の勃興があった。今とかなり似ています。つまり、ITによって、産業構造が変わり、欧米ではデフレが進行し、経済の主役は先進国からアジアに移りつつある。
すでに中国はGDPで日本を抜いていますが、程なく米国も抜くでしょう。インドはもっと勢いがある。一人っ子政策の中国と違って、人口増加率が一番大きいからです。2050年にはインドの人口は16億人になり、中国を抜く。経済成長率は7%くらいを維持していくでしょう。
一方、欧米の凋落は見るも無残です。かつては年に1600万〜1700万台売れた米国の自動車は今や1000万台近くに落ち込んでいる。電気自動車は売れていくのでしょうが、全産業を牽引する力がない。銀行はバランスシート不況に苦しみ、家計は縮こまり、すでにモノがあふれている米国人は消費をあまり増やさないでしょう。欧州はギリシャのデフォルトが現実味を増し、そうなれば、ドイツ、フランスの銀行も直撃を受ける。問題はギリシャと同じような国家財政危機を抱える国がポルトガル、スペインやバルト3国などたくさんあることです。EU域内で二極化が進み、ヨーロッパ統合のメリットが失われ、構造問題ばかりが露呈するようになった。
米国と欧州の時代は終焉しつつあります。これは近代資本主義の終わりを意味しているといってもいいと思います。
サブプライムローン問題やリーマン・ショックで、強欲資本主義が批判され、銀行を救うために巨額の公的資金が投入され、それが国家財政をパンクさせ、さらなる公的資金を必要としている。人口は増えず、モノは売れず、企業の利潤率は下がる一方。もちろん、給与は上がらず、雇用は悪化し、株も下がっていく。
おそらく、ダウは1万ドルを切るだろうし、円は60円台になり、日本株も大きく落ち込む。こうした状況が乱高下はあってもトレンドとしては続いていくでしょう。残念ながら先進国の時代は終わったのです。
今、欧米とアジアの間では大きなパラダイムシフトが起こっています。つまり、中国やインドなどが台頭し、欧米が没落していくのです。こういう時期にはしばしば、戦争や恐慌が起こってきました。戦争はないにしても恐慌の可能性は少なくないでしょう。
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