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http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/24315
日本の増税論議をおままごとにする世界経済の異変が・・
府と民主党の間で復興増税をめぐって11.2兆円なのか9.2兆円なのかで攻防戦が繰り広げられている。せめて民主党の前原誠司政調会長には財務省の言うままにならないように頑張ってもらいたいものである
****日本でティーパーティー運動が起きない理由
しかし、これだけの増税が始まろうというのに、また次は消費税の大幅増税が間違いなく課せられるというのに、国民の間からは反発らしき声はほとんど上がってこない。
米国で国民健康保険の導入を決断したバラク・オバマ大統領に対し、もう「増税はたくさんだ」というティー(Tax Enough Already)パーティーなるグループが登場、みるみる勢力を拡大していったのとは大違いである。
民衆の掲げるスローガンは違えど、今年中東で始まった民主化革命と極めて似通ったメカニズムと言えるだろう。
情報が人から人へ雪だるま式に広がって、寸時に多くの人に行き渡るインターネットの衝撃である。
日本でもツイッターやフェイスブックは急速に利用者を増やしており、またスマートフォンも一気に広がっている。なのに、増税や原発に対しての政治的な反対運動にはそれほど火がつかない。
*****政治と癒着する日本の超大メディア
1つの理由には、日本国民の大きな特徴である政府への信頼(親方日の丸意識)が挙げられるだろう。そもそも政府を疑ってかかる米国人とは大きく違う点だ。
どちらが良いという話ではなく、歩んできた歴史が違うのでその違いを原点に考えなければならない。ただし、日本国民の信頼をいいことに国よりも自分たちの利益を優先する政治家や公務員には厳しいチェックの目を向ける必要がある。
その意味では、チェック機能として日本におけるメディアの役割は極めて重要なはずなのだが、どうもここが怪しい。この点も今までに数多く指摘されているものの、改善されている様子は全くない。いまさらながら大手メディアの大政翼賛会ぶりがよく分かる。
****国民に原発と増税を刷り込む大新聞
日本の国民は政府を信じるだけでなく、大手メディアをも盲信する。ライフネット生命の出口治明社長によると、国民がマスコミを信用するかとの問いに先進国の中で「信用する」と答えた人がダントツに多いそうだ。
こうした世界に例を見ない大新聞が「原発と増税が必要」と書けば、次第に国民的コンセンサスになっていく。この場合、意外な効果を発揮するのが、社説など大上段に構えた論説よりも国民への刷り込みを狙った小さな記事だ。
つい先日、ある新聞が原発の停止で液化天然ガス(LNG)輸入の急増を伝える記事を配信していた。本来はそれだけの内容なのだが、原発の停止を続けているとLNG輸入の急増によって日本が貿易赤字国へ転落するぞ言わんばかりの記事に仕上がっている。
震災の影響で短期的に輸出が急減していたことにはほとんど触れず、さも恒久的に輸入が輸出を上回るようなニュアンス。ウランは国内で採れるのだろうか。
記者本人が確信犯で書いたのか、財務省か外務省の説明を鵜呑みにしたのかは分からないが、事実を淡々と伝える記事だけに「貿易赤字転落」が妙な刷り込み効果を発揮する。
日本の大新聞は消費税率アップにご執心だが、いただけないのは「自分たちだけは例外扱い」を求めていることだろう。小泉純一郎元首相の懐刀の1人で元財務官僚の高橋洋一・喜悦大学教授は次のように指摘している。
****読売新聞、元財務次官の天下りを受け入れ
「消費税が増税されても、新聞などは軽減税率かゼロ税率を適用することで手は打ってある。現に日本新聞協会は7月12日、12年度の税制改正に軽減税率の適用を求めている。読売新聞が丹呉泰健前財務次官の天下りを受け入れたのは、その“人質”のようなものではないか」(FACTA・10月号14ページ)
インターネットの普及で、国民はより早くより深くしかもタダで情報を得ることが可能になっている。軽減税率を受ける根拠として「情報を国民に届ける」という役割を奉じているなら、もはやそれが認められる時代ではないだろう。
さて、日本ではティーパーティー活動もなく、大新聞も味方につけて、大増税国家への道を歩み始めてしまったわけだが、実は増税でちまちまと借金を返そう(実際には深刻になるデフレで増税効果は吹き飛んでしまう可能性が大きい)などという目論見をあざ笑うかのような事態に世界経済は突入し始めている。
民主党の実力者が「私にとって経済政策のお師匠さんに当たる人」と呼ぶ、大武健一郎・大塚ホールディング副会長は、「世界のマネーからみではいま何が起きてもおかしくない。想定外のことがいつ起きてもいいように身構えておく必要がある」と指摘する。・・講演会(9月27日)で明らかにしたものだが・・量的緩和第1弾(QE1)、第2弾(QE2)でドル札を刷りまくった米国が、方針を一変させる可能性があると言うのだ。
****米国は奥の手、金本位制復帰を狙う・・(ガイトナー発言)
[ほとんど報じられていないので皆さんの中でお気づきになられた方は少ないと思いますが、米国のティモシー・ガイトナー財務長官が最近、ぽろっとこぼした言葉があります」
★「最後は金本位制に戻ればいい」
ドル札をいくら刷っても米国の景気は回復せず、失業率も9%を超えたまま。過去、再選を目指して敗れた現職大統領は、いずれも失業率が8%を超えていたので、このままいけば来年の大統領選挙でオバマ大統領の落選する危険性が高まっている。
ドルの価値が下がったことで、米国債は格下げされ、経済・軍事両面でライバルとして台頭してきた中国の発言権が急速に高まっている。オバマ政権の経済運営が八方塞りになりつつある中で、究極の選択肢が金本位制への復帰だと言うのだ。
この点については、大武さんの指摘を待つまでもなく、JBpressでは過去に取り上げている(谷口智彦さんの「ティーパーティーで復活、金本位論議」)。
もともとはロバート・ぜーリック世界銀行総裁が、昨年11月7日、間近に迫ったソウルでのG20を睨んで、英フィナンシャル・タイムズ紙へ寄稿し論議を呼んだものだ。
****日本円と中国元が暴落する日・・(金本位制復帰で円と元の借金チャラ)
「通貨価値に対する市場の期待を見る参考指標として、金を用いることを考えるべきだ。経済学の教科書は金を昔の通貨と言うかもしれないが、市場は今日既に金をもう1つのマネタリー・アセットとして扱っている」
ただし、大武さんの話は、現役の財務長官が金本位制に言及したという意味で、インパクトの大きさが違う。大武さんは「もし世界が金本位制に復帰すれば、ダントツに金の保有量が大きい米国のドルが急騰し、日本の円や中国の元は急落の憂き目を見る」と指摘する。
そうなると私たちの経済活動は急激な変化を余儀なくされる。その影響の大きさは計り知れないが、大武さんは「貨幣に対する信頼が崩壊するのは間違いない」と話す。それは国家というこれまでの概念すら打ち砕く可能性すらある。
国への信頼が失われれば、企業も国民もその国にとどまる理由が乏しくなってくる。デフレ下の増税がさらなる景気低下を招きさらなる増税という悪魔のスパイラルに陥れば、まずは企業がその国を飛び出す。そして次は頭脳流出という構図である。
大武さんは「例えば、500万人の移民計画を示しているシンガポールでは、インドと中国以外の国なら進んで移民を受け入れている。日本からこうした国への移住が始まってもおかしくない」と話す。日本の戦国時代、人民に見放された国から消滅していったことを思い起こす必要がある。
****高収益を上げながら法人税を納めないGE
すでに企業の世界では国境がなくなったに等しい。ボーダレス時代の申し子である多国籍企業はいまや「コーポレートランド」へと変身を始めた。
コーポレートランドとなった企業は、たとえその企業の出身地であっても税金も雇用でも貢献してくれなくなる危険性が高まるというのだ。実際、2010年度に140億円の利益を上げた米ゼネラル・エレクトリック(GE)は米国に法人税を納めていない(「140億ドル利益のGEが法人税ゼロ」)
巨大に膨れ上がった金融の世界。世界の資本取引のうち、いまや投機的な取引が全体の98%を占める。一方で、急速に発展するITの世界。この2つが私たちに突きつけているものは、今までの延長線上とは一線を画す国のあり方である。
★過去の経済学が役に立たない・・現在の危機
大武さんは「現在の世界は経済学栄えて経済滅びる」状態だとし、過去の経済学はいまやほとんど役に立たないと言う。国民に大きな負担を強いるのはいいが、強いるだけの魅力的な国家像を示すことができなければ、国の急速な衰退は免れない。(中略)
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