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株式日記と経済展望
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ソニーは、インターネット戦略に乗り遅れてアップルのiPodやiTunesに
先んじられた。アマゾンはどうもさらにその先に戦場を作り出している。
2011年9月30日 金曜日
ジェフ・ベゾス最高経営責任者。「キンドル・ファイア」は
7型のカラー液晶画面を採用している。価格は199ドル(約1万5000円)
◆iPadの先を行くアマゾン「キンドル・ファイア」の革新性 9月29日 瀧口範子
http://www.newsweekjapan.jp/column/takiguchi/2011/09/ipad-1.php
アマゾン・ドットコムが、とうとうタブレット型の多機能情報端末を発表した。
まだか、まだかと業界関係者が何ヶ月も前から待ちわびていたが、これでアップルのiPadの真の競合機が出現したというところだろう。
「キンドル・ファイア」と名付けられたそのタブレットをまだ実際には触っていないので、使い心地などについての評価は今後にまわしたいが、非常にアマゾンらしいアプローチでタブレットに取り組んだと思う。
今回発表したのはアンドロイドOS搭載のタブレットで、価格が何と199ドル。iPadの499ドルと比べると6割も安い。もちろん、カメラがついていないとか、マイクロフォンがないとか、削られている要素はある。しかし、電子書籍リーダーとしてはもちろん、他のメディア視聴、それ以外のメール、ウェブ利用なども十分にできる。
しかも、タブレットだけでなく、今回は電子書籍リーダーのキンドルも新機種を2つ発表した。電子インクのモノクロ画面のキンドルが、ボタン操作のもので79ドルから、タッチパネル操作は99ドルからだ。
ただ、今回の発表の核は、そうしたタブレットのハードウエア機器にあるのではない。
日本でアマゾンと言えば、書籍や日用品を販売するオンライン・ショップという位置づけだろう。アメリカでも、確かに数年前まではそうだった。だが、現在のアマゾンは以前とはすっかり異なった企業になっている。物販とメディア配信の両方を手がけるメガ・ハブになったということだ。
メディア側では、電子書籍購入だけでなく、映画のストリーミングもできるようになっている。音楽もMP3のダウンロードに加えて、クラウドから楽曲を再生するクラウド・プレーヤーも提供し始めた。物販側では、オムツからファッション、カヤック、エキササイズ・マシーンまで、ありとあらゆるモノがそろっている。マゾンのサイトにアクセスさえすれば、いながらにして欲しいモノだけでなく、視聴したいメディアも手に入るというわけだ。コンピート・ドット・コムの調べでは、アマゾン・サイトへのアメリカの1日のユニークビジター数は8134万人に達する。
今回のタブレットは、そうしたアマゾンのサービスのすべてをこのタブレットひとつでやってもらおうということである。CEOのジェフ・ベゾスが「タブレットと呼びたいのならそれでもいいけれど、僕たちはサービスと呼びたい」と言ったが、まさにこのタブレットはそうしたサービスへの入り口、サービスの一環であるということなのである。
私は、アマゾンという会社はアップルのように格好よくはないものの、革新性ではかなりすごいと見ている。このタブレット発表ではっきりわかったのは、アマゾンはハードウエア機器、インターネット、物理的なモノ、デジタル・コンテンツのすべてをサービスという概念の下に組み替えるという、新しいことをやっている点だ。
そのひとつの現れが、たとえば電子書籍の価格設定だろう。アマゾンの電子書籍は10ドル以下という激安価格で売られているのだが、これはひとつの商品の中で採算を合わせようとするのではなく、サービスという大きな枠組みで捉えて元が採れるようにしているから可能なことだ。そのサービスの中には、テクノロジーの助けを借りてロジスティックスを究極まで効率化していることも含まれる。
これを紙の書籍と値段がほとんど変わらない日本の電子書籍と比べてみると、日本では従来のモノがデジタルに切り替わったものの、それがただ同じ枠組みの中で平行移動しているだけではないだろうかと見えてくる。アマゾンが描き出そうとしているような、組み替え後の新しい枠組みのようなものは感じられないのだ。
一気に3機種も発表したというのも、なかなかにすごい。家庭に一台、いや一人に一台配って、アマゾンのサービスにアクセスしてもらおうというわけだ。その面では、ハードウエア機器はすでに汎用品という扱いだろう。
ハードウエア好きの日本人は、たとえばアップル製品のもつ美しさに見とれてしまいがちかもしれない。だが、ハードウエアはもはやモノとしての価値よりも、その背後の何にアクセスできるか、どんな枠組みの中に配置されているかの方が重要だということだ。
かつてウォークマンで一世を風靡したソニーは、インターネット戦略に乗り遅れてアップルのiPodやiTunesに先んじられたというのは、よく知られた話。だが、アマゾンはどうもさらにその先に戦場を作り出しているように見えて仕方がない。
(私のコメント)
アマゾンが超低価格のタブレット端末を発表しましたが、「キンドル・ファイア」は7型のカラー液晶画面を採用して価格が15000円程度だそうです。機能的にはカメラやマイクは付いていませんがインターネット端末としての機能はすべて備えている。だから電子書籍や音楽・映画など幅広いコンテンツがダウンロードして再生が出来るし、メールももちろん出来る。
日本の家電メーカーは、アップルのアイパッド2を上回る製品が作れていないし、シャープなどはタブレット端末から撤退するようだ。価格面でもアイパッド2に比べても安くはないし性能面でも負けているから売れるわけがない。アマゾンの「キンドル・ファイア」は15000円と言う超低価格を打ち出してきましたが、これはビジネスモデルが違うから打ち出せた価格だろう。
15000円なら騙されて買ったとしても損はない価格であり、同時に発表された普及品は白黒電子ペーパーですが7000円程度の超低価格だ。日本のメーカーはとてもこのような低価格では作れないし、ビジネスモデルも打ち出せていない。日本のメーカーは二言目には円高でどうのこうのと言いますが、アップルやアマゾンの端末程度のものすら作ることが出来ない。
シャープの「ガラパゴス」は価格はアイパッドと変わらず重たくて機能が限られている。ソニーの新型のタブレットPCも薄さや軽さや価格でも負けている。シャープやソニーでもこの体たらくだから早々に撤退して諦めたほうがいいのだろう。アップルやアマゾンが違うのはサービスで儲けるビジネススタイルを既に作り上げていることであり、シャープやソニーはサービス体制が作れていない。
「キンドル・ファイア」は、アンドロイドOSを使っており、開発条件的には変わりがありませんが価格が破壊的だ。タブレットPCや電子書籍端末はソニーなどが数年前に作って販売していましたが、サービス体制を作る事に失敗して撤退している。しかしアップルがアイパッドを売り出して、慌ててソニーは電子書籍端末やタブレットPCを販売しましたが、iTunesのようなサービス体制作りに失敗している。
電子書籍も未だに利害調整が出来ずに、アマゾンやグーグルのような「電子書籍購入だけでなく、映画のストリーミングもできるようになっている。音楽もMP3のダウンロードに加えて、クラウドから楽曲を再生するクラウド・プレーヤーも提供し始めた。」といった体制作りが出来ていない。著作権などの既得権を持った人との利害調整が出来ないためだ。
このままならいずれはアマゾンやiTunesなどに流通も握られて、美味しいところはみんな持っていかれるのではないだろうか。本を買うのも音楽を買うのもみんなネットストアからダウンロードして買うようになり、書店やレコード店や印刷や製本業は衰退していくだろう。アップルやアマゾンに出来ることがなぜ日本の情報家電産業は出来ないのだろうか?
それはソニーのウォークマンがたどった道を探れば分かりますが、既得権のシガラミがあるとそれを手放すことが出来ずにアップルのiPodやiTunesに先んじられた。これはタブレットPCだけではなくデジタル液晶TVでも、アップルTVやグーグルTVなどに放送の主流が変わって、既存のテレビ放送とインターネット動画配信とが一体化して、これも一番美味しい流通サービスで負けるだろう。
今はアップルやアマゾンのサービスは、音楽や書籍などに限られていますが、やがては一般商品の流通にまで手を伸ばしてくるだろう。それらには金融決済機能が伴っているからネット金融決済機能まで範囲は広まるだろう。日本でも楽天のようなネット流通企業がありますが、情報家電メーカーではネットが分かる人材がいない。だからアイパッドやキンドル・ファイアのようなネット端末を作る発想がないのだ。
携帯電話もスマートフォーン化が進んでいますが、日本の情報家電メーカーはこの流れにも乗り遅れている。軽薄短小化した商品作りは日本のお家芸でもあったのですが、インターネットと言う技術に対する壁があるために対応が遅れてしまう。インターネットはもともとは軍事技術だから日本にはそのような技術基盤がない。
アマゾンは格安のキンドルを販売して一気に流通の主導権をとり、流通から金融にいたるまでのサービス産業を独り占めする可能性がある。アップルも同じ狙いだろう。現在では単なるオンラインショップでも将来はメガハブ企業になって既存の産業分野に手を広げてくるだろう。しかしそこまで見通している人がどれだけいるのだろうか。日本のメーカーは物作りに閉じこもってしまって、流通や金融などのサービス産業化に乗り遅れてしまったのだ。
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