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ドイツ連邦議会は賛成523、反対85、棄権3の圧倒的多数で欧州金融安定ファシリティ(EFSF)の拡大を可決しました。
一見、怠惰なギリシャ国民の尻拭いをドイツ人がするようなEFSFの拡大を、なぜドイツはOKするのでしょうか?
それはヘルムート・コール流に言えば歴史観ということに尽きると思います。
現在のヨーロッパの域内政治の枠組みは欧州石炭鉄鋼共同体(ECSC)が1950年に設立された時にデザインされました。
ECSCはひとことで言えば「ソ連からの共産主義の脅威に対抗するためにはドイツを力強く復興させる以外に無い。ドイツの生産力が国内市場で受け止められる許容範囲を大幅に超えても大丈夫なように欧州全体で生産調整を行おう」という合意でした。
つまりドイツのフル操業と奇跡の復興をドイツ周辺の欧州各国は容認する代わり、ドイツは以前のように侵略戦争で市場を拡大することを放棄するということです。
このように経済と政治は切っても切り離せない関係にありました。
その後、1958年にECSCは欧州経済共同体(EEC)へと発展し、単なる石炭や鉄鋼の生産調整の組織が経済全般の調整の場となります。
EECはその後EUへと発展するわけです。
このアプローチは成功だったのでしょうか?
そのひとつの評価尺度は戦争が起こる頻度だと思います。下は1700年以降の欧州での主な戦争を拾った表です。ECSCが出来た後は僅か1回しか紛争はおきていません。
しかもそのコソボ紛争は複雑な人種的背景を持つ旧ユーゴスラビアの人種間紛争が原因であり、侵略戦争ではありません。
ヨーロッパは世界で最も戦争が頻発する地域から、世界で最も平和な地域へとドラマチックな変貌を遂げたのです。
こんにちのドイツ人の戦争に対する考え方は、ちょうど日本人の戦争放棄の考え方に相通じるものがあります。
どんなに経済が低迷しても、「それじゃ戦争でもおっぱじめようか?」と考える日本人は居ないと思います。
それと同じでドイツ人も他国と事を構えようと思う人は少ないのです。
なるほどギリシャの尻拭いをするのは癪に障るけど、それではギリシャをEUから放追し、「後は勝手にどうぞ!」と言えば、ヨーロッパはアッと言う間に剣呑なムードになります。
それは誰よりもドイツが望んでいないのです。
ドイツの国内の消費市場は小さいし、弱いです。
ドイツの産業界はヨーロッパ全体、世界全体と仲良くしてゆかなければいけません。そのためには厭々ながら「静かなリーダー」の立場を引受ける以外に無いのです。
********** comment
日本とドイツは第二次世界大戦においては枢軸国として軍事同盟を結んでいた。
敗戦後67年を経て、日本もドイツも同じ歴史の綾に弄ばれているのか?
両国の戦後の復興・経済成長の足取りは・・アングロサクソン列強の国際地政学の手のひらで画策されたものであった。
ドイツの経済繁栄は東西ベルリン・対ロシア・東西冷戦の駒と引き換えであった。
日本も同じく、中国・朝鮮半島への軍事プレゼンスとして・・安保条約と引き換えの繁栄、米国従属化であった。
現在、アングロサクソン国際金融の世界支配が自壊しつつあるとき・・
ドイツはEUグローバリズムがしでかした、ソブリン債務の尻拭いを強要されている。
他方、日本は米国のソブリン債務=米国債の赤字穴埋めに、貿易黒字の円でドルを買い支えされている。
日本とドイツが敗戦コンプレックスの呪縛から、自らを解き放さないかぎり・・進行中の・・さらに延命を画策する「アングロサクソン国際金融」の自壊はない。
ロシアと中国はポスト機軸通貨の「金」を買いだめて・・洞ヶ峠に陣を布いてはいまいか?
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