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ドイツはなぜ圧倒的多数で「EFSF拡大」を可決したか?・・日本にもある同じ地政学的な弱み
http://www.asyura2.com/11/hasan73/msg/437.html
投稿者 尚林寺 日時 2011 年 9 月 30 日 11:37:17: JaTjL5JPya4go
 

http://markethack.net/archives/51772529.html

ドイツ連邦議会は賛成523、反対85、棄権3の圧倒的多数で欧州金融安定ファシリティ(EFSF)の拡大を可決しました。

一見、怠惰なギリシャ国民の尻拭いをドイツ人がするようなEFSFの拡大を、なぜドイツはOKするのでしょうか?

それはヘルムート・コール流に言えば歴史観ということに尽きると思います。

現在のヨーロッパの域内政治の枠組みは欧州石炭鉄鋼共同体(ECSC)が1950年に設立された時にデザインされました。

ECSCはひとことで言えば「ソ連からの共産主義の脅威に対抗するためにはドイツを力強く復興させる以外に無い。ドイツの生産力が国内市場で受け止められる許容範囲を大幅に超えても大丈夫なように欧州全体で生産調整を行おう」という合意でした。

つまりドイツのフル操業と奇跡の復興をドイツ周辺の欧州各国は容認する代わり、ドイツは以前のように侵略戦争で市場を拡大することを放棄するということです。


このように経済と政治は切っても切り離せない関係にありました。

その後、1958年にECSCは欧州経済共同体(EEC)へと発展し、単なる石炭や鉄鋼の生産調整の組織が経済全般の調整の場となります。

EECはその後EUへと発展するわけです。

このアプローチは成功だったのでしょうか?

そのひとつの評価尺度は戦争が起こる頻度だと思います。下は1700年以降の欧州での主な戦争を拾った表です。ECSCが出来た後は僅か1回しか紛争はおきていません。

しかもそのコソボ紛争は複雑な人種的背景を持つ旧ユーゴスラビアの人種間紛争が原因であり、侵略戦争ではありません。

ヨーロッパは世界で最も戦争が頻発する地域から、世界で最も平和な地域へとドラマチックな変貌を遂げたのです。

こんにちのドイツ人の戦争に対する考え方は、ちょうど日本人の戦争放棄の考え方に相通じるものがあります。

どんなに経済が低迷しても、「それじゃ戦争でもおっぱじめようか?」と考える日本人は居ないと思います。

それと同じでドイツ人も他国と事を構えようと思う人は少ないのです。

なるほどギリシャの尻拭いをするのは癪に障るけど、それではギリシャをEUから放追し、「後は勝手にどうぞ!」と言えば、ヨーロッパはアッと言う間に剣呑なムードになります。

それは誰よりもドイツが望んでいないのです。

ドイツの国内の消費市場は小さいし、弱いです。

ドイツの産業界はヨーロッパ全体、世界全体と仲良くしてゆかなければいけません。そのためには厭々ながら「静かなリーダー」の立場を引受ける以外に無いのです。


********** comment
日本とドイツは第二次世界大戦においては枢軸国として軍事同盟を結んでいた。
敗戦後67年を経て、日本もドイツも同じ歴史の綾に弄ばれているのか?
両国の戦後の復興・経済成長の足取りは・・アングロサクソン列強の国際地政学の手のひらで画策されたものであった。
ドイツの経済繁栄は東西ベルリン・対ロシア・東西冷戦の駒と引き換えであった。
日本も同じく、中国・朝鮮半島への軍事プレゼンスとして・・安保条約と引き換えの繁栄、米国従属化であった。
現在、アングロサクソン国際金融の世界支配が自壊しつつあるとき・・
ドイツはEUグローバリズムがしでかした、ソブリン債務の尻拭いを強要されている。
他方、日本は米国のソブリン債務=米国債の赤字穴埋めに、貿易黒字の円でドルを買い支えされている。
日本とドイツが敗戦コンプレックスの呪縛から、自らを解き放さないかぎり・・進行中の・・さらに延命を画策する「アングロサクソン国際金融」の自壊はない。
ロシアと中国はポスト機軸通貨の「金」を買いだめて・・洞ヶ峠に陣を布いてはいまいか?  

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コメント
 
01. 2011年9月30日 13:23:29: cqRnZH2CUM
欧州との結びつきを考え直すドイツ

2011年 9月 29日 21:33 JST
 【ベルギッシュ・グラッドバッハ(ドイツ)】メルケル独首相が苦境に立たされている。同国の継続的な繁栄はユーロの存続にかかっていると懸命に国民を説得する一方で、これまで強力な欧州統合推進派であった自党のメンバーから強い反発を受けているのだ。
デモ Agence France-Presse/Getty Images

財政緊縮策に抗議するギリシャ市民(28日)

 多くの投資家が市場のパニックを防止するために不可欠とみる欧州金融安定基金(EFSF)拡充案の承認をめぐる29日のドイツ連邦議会の採決で、著名な欧州統合推進派のウォルフガング・ボスバッハ氏を含む複数の保守派議員が反対票を投じる考えを示してきた。ボスバッハ氏はメルケル首相率いるキリスト教民主同盟(CDU)の幹部保守議員だが、最近、救済策を公然と批判するようになった。

 ボスバッハ氏はギリシャの債務危機について、「最初の薬が効かず、今度は単に服用量を2倍にしようとしている。“ビッグバン”が生じた場合、われわれだけでなく将来世代も犠牲を払うことになるのが心配だ」と語った。

 与党議員の造反は、2年近く前に危機が発生して以来、欧州におけるドイツの役割に関する同国民の考え方が大きく変化したことを浮き彫りにしている。大半の国民は共通通貨を最大の強みとする欧州に強く歴史的なコミットメントを今なお感じているが、その一方で、膨らみ続けるユーロ救済の負担を負うことに価値があるのかと疑問を持ち始めた人も多い。

 欧州統合が進められた背景には、西欧で武力紛争を二度と起こさないという数十年来の考え方があり、ドイツ人は今もしばしばこれを「欧州平和プロジェクト」と呼ぶ。しかし多くの欧州人同様、今日、武力紛争の再開を危ぶむドイツ人はほとんどいない。

 これに代わり、経済的繁栄と安定が通貨統合の主な論拠となったが、効果のない救済を次々に行っている状況は受け入れがたいと多くのドイツ国民は考えている。

 ますます懐疑的になるドイツ国民にさらなる救済策を認めるよう説得できないメルケル首相は、ドイツの孤立化と、第二次大戦後の統合推進における最大の偉業であるユーロの解体とを先導するリスクを負っている。

 物理学者で、慎重な政治家として知られている57歳のメルケル首相は、遅ればせながら、欧州統合に対するドイツ人の情熱をよみがえらせようと努力している。

 25日、普段はインタビューに消極的な同首相がゴールデンタイムの公共テレビ番組で1時間の対話に応じ、自身のユーロ救済策を訴えた。

 「われわれにはユーロが必要だ。ユーロはわれわれにとって有益だ」

 今回は、最大野党が救済策を支持することで合意しており、可決は確実だ。 <訳注:ドイツ連邦議会は29日、EFSFの拡充案を賛成523票、反対85票で可決した> しかし、メルケル首相の保守基盤内で反発が高まっている状況をみると、今後予想されるようにさらなる欧州債務危機への救済を求められた場合、首相の連立政権には強い逆風が吹くことになりそうだ。

 ドイツの公共放送ZDFの今週初めの調査によると、今回のEFSF拡充案にはドイツ国民の4分の3が反対している。

 2年近く前にギリシャで債務危機が始まって以来、メルケル首相と与党はあくまで嫌々ながら、困窮したユーロ加盟諸国の救済に合意してきた。危機が深刻化し、通貨統合の存続が脅かされるようになると、今日の統一ドイツと欧州連合(EU)を築いたヘルムート・コール元首相の遺産を台無しにしているとして、メルケル首相に非難が浴びせられた。

 ドイツはユーロ圏の財政監督役として、自らの財布を開く前に厳しい緊縮策の実施を強く要求してきたが、欧州統合を支える共通通貨からの離脱を支持する者はいまだにほとんどいない。各種調査を見ると、大半のドイツ国民が今なお、紛争の続いた欧州大陸で繁栄と平和を実現するには欧州統合が鍵であると考えていることが分かる。

 それでも多くの国民が、共通通貨が崩壊するのを見るか、あるいは厳格な国民性を犠牲にしてイタリアやギリシャのような重債務国を救済する欧州の超大国になるか、いずれ選択を迫られることになると懸念している。

 今日、独議会で採決される案は、EFSFの融資能力を現状の2倍に近い4400億ユーロ(約45兆円)まで拡充し、流通市場での国債購入を可能にするというものだ。

 EFSFが拡充された際のドイツの拠出額は2110億ユーロとなるが、それでも2008年に同国が国内銀行救済のために拠出するとした5000億ユーロの半分以下である。しかし、欧州中央銀行(ECB)が数十億ユーロ相当の南欧諸国の低格付け国債を購入する動きは、欧州統合の諸システムがドイツから遠ざかっていくことを示す新たな予兆とみる向きも多い。

 さらに受け入れがたいのは、欧州の当局者らがこのところ声をそろえて主張しているような、加盟国の債務をユーロ圏全体で負うようにする、という考え方だ。いわゆるユーロ債は重債務国への金融圧力を緩和する防波堤となり、ユーロ圏の完全な財政統合の基盤になる、と多くの者が主張している。メルケル首相はユーロ債に断固反対の立場だ。

 ドイツ国民にしてみればユーロ債は、必死に勝ち取った低い借入金利を手放し、やりたい放題の他の加盟国にプレゼントを買ってやるようなものである。

 ドイツ連立政権のある有力議員は次のように話す。「最終的にユーロ債問題が頂点に達すれば、メルケル首相は解決不可能なジレンマに陥る。ユーロ債を受け入れてドイツに帰国したらアウト。だが受け入れなければ欧州で非常に孤独な存在になってしまう」

 多くの一般ドイツ国民と同様、ボスバッハ議員は、ギリシャのような重債務国の参加を維持してこそユーロ圏は存続できるという論拠に反対している。その逆に、ユーロ圏には破綻国を脱退させる明確な規則が必要であり、そうした国を強化してこそ安定が達成できると説く。

 一方、ドイツ政財界のエリート層は圧倒的にこうした強硬姿勢に反対しており、いま支援を中止すればユーロ圏を解体させかねないと主張する。ドイツの主要企業連合のトップらは23日、議会宛に送った公開書簡で次のように述べている。「本当に優れた即効性のある解決策は存在しない。しかし、EFSFが拡充されなければEUとその共通通貨を脅かす計り知れない結果となる」

 しかし、ボスバッハ議員の選挙区を中心に、同氏の主張は支持を集めつつある。

 ボスバッハ議員の選挙区に本拠を置く、ビル修復会社アイソテックの創設者兼社長のホルスト・ベッカー氏(49)は、同議員とはCDUの青年活動家をしていた頃からの知り合いだ。ベッカー氏は少し前まで、旧友に反対意見を唱えていたという。「ギリシャ支援に代わる案はない。ほかに連鎖反応を止める手立てはあるか」という具合に。

 だがここ数週間、ベッカー氏は、ギリシャ救済は望みがなく、時間稼ぎに過ぎないと考えるようになった。きっかけは今月初旬、アテネを訪れていたユーロ圏債務査察団が、財政赤字を埋める方法をめぐりギリシャの当局者と合意できず、査察を早々に切り上げたことだった。

 「私はドイツが近隣諸国を支援することに賛成だが、彼らのほうも課題をこなさなければならない」とベッカー氏は言う。

 ユーロ圏諸国にとっての大きな問題は、多くの一般ドイツ国民が共通通貨の具体的な利点を見いだせないと考えていることだ。世界的金融危機を脱して活気を取り戻したドイツ経済はいまや欧州経済の牽引役だが、その成長と生産性の向上は、政府給付金の削減や給与の抑制を伴ったものである。輸出や企業収益が好調な一方、平均的な国民の給与は数十年前から成長が止まっている。

 国民の多くは、ドイツが分別のない近隣諸国の救済に資金を費やせば費やすほど、既に切り詰められている自国の福祉予算がますます削られるのではないかと心配している。

 元セールスマンで、現在は子どもの里親プログラムを運営しているベルギッシュ・グラッドバッハのフランツ・ダーレンさん(57)は、こう話す。「事態収束のめどはなく、自国内には修復、修繕が必要なことがたくさんある。ドイツが自らの課題をもっとしっかり見ることを望む。でなければ、われわれはすぐに貧しくなるだろう」

記者: Vanessa Fuhrmans


02. 2011年9月30日 14:22:17: OIxNYWfJog
そりゃ、EFSF拡大か、金融恐慌かと
2択にされたら、EFSF拡大を選択するに決まっている。

でも財政原理主義では、所詮、持たないけどね。


03. 2011年9月30日 14:32:54: OIxNYWfJog
ドイツが可決しなければ

スペイン、イタリア国債のさらなる下落。
もうECBが買い支えなければ、金融恐慌確定

これとEFSF拡大を2択にされれば


04. 五月晴郎 2011年9月30日 14:38:59: ulZUCBWYQe7Lk : EfhqwnQoDU
ドイツはゴッド・ファーザーに断れないオファーを出されたんだろうよ。

どうでもいいが、大陸国のドイツと島嶼国の日本の地政学が同じって訳わかんねえ。


05. 2011年9月30日 17:05:54: 3Sz5bSNGFo
>「アングロサクソン国際金融資本」の実体について

米英仏の各中央銀行/世銀/IMFは
ユダヤ・金融セクショナリズムのヘゲモニーの元に運営されている。

第二次世界大戦は「ユダヤ・金融セクショナリズム」 vs 新興国家・民族資本主義=日独伊の覇権争いであった。

敗戦国の日銀とドイツ銀の政策は、今もって「ユダヤ・金融セクショナリズム」の「パシリ」として従属的であると言える。

かっては、国家のベールを被った覇権争いであったが、袋小路の新自由主義=グローバリズムの破綻によって、「ユダヤ・金融セクショナリズム」のその正体が広く暴露している。

なお、国際共産主義陣営だった中露は、そのイデオロギーのルーツが「民主ユダヤ」に端を発していたため戦勝国のおこぼれに預かりつつ、近親憎悪の「東西冷戦」で一敗地にまみれ、新興国国家資本主義に準じている。

以上の視点から、現在進行中の米欧金融危機を傍観すると、その世界的な地政学が歴史小説のように面白い。


06. 2011年9月30日 23:21:32: YLoYRDFctQ
ギリシャをダシにEUを思い切り売りこんでいる死肉をあさる連中は、ドイツ、フランス、スイスを受け皿に利益確定している。そろそろ一巡するのでは。                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                  

07. 2011年10月01日 08:28:18: 95OprhTvLc
>>1 金の流れ、権利関係の流れが、まるで見えないところも反対の一理由ではないのだろうか。

  


08. 2011年10月02日 00:03:29: FdnW5LCfnk
 ヨーロッパ共同体の財政運営に対する非対称性が今回の騒ぎの原因。
通貨ユーロはヨーロッパ中央銀行が発行量を管理するけど、国債の発行(将来の通貨発行)は各国の判断に委ねられるという矛盾が顕在化しただけ。
 今後は共同債になる。かくして国債発行も欧州中央銀行に委ねられることになる。
これこそ、欧州統一の目的であり実体である。経済統合の究極の姿である。この目標が今回の騒ぎで各国の債務を値切り、分担していく過程で実際のものになる。

 それに気がつけば再びアメリカに世界の目が向く


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