http://www.asyura2.com/11/hasan73/msg/434.html
Tweet |
http://blog.livedoor.jp/nevada_report-investment/
欧州安定化基金拡充策がドイツ議会で可決されたこともあり、NYダウ及びユーロが上昇していますが、果たしてこの拡充策で全てが解決出来るでしょうか?
答えはNOどころか、反対になります。
基金拡充策=国債発行・保証しかありませんが、今、問題になっているのは<国債減額>であり、今回の拡充策は結果的に債務の増大を招くことになり、問題の解決になるどころか、反対に悪化させることになります。
果たしていつまで株とユーロの上昇が続くでしょうか?
***********************************
■欧州危機と錬金術・・「借金する人間が、俺が保証するから、金貸してくれ」のオレオレ詐欺に金を出す財務省
http://www.rui.jp/ruinet.html?i=200&c=400&t=6&k=2&m=257201
もともと無理のあった「ユーロ」という通貨
要するに、このソブリン危機、ユーロ圏各国の国債下落の連鎖的な危機には終わりがないのです。もともと違った国が17ヵ国も集まって同じ通貨を使うというところに無理があったのです。
ドイツやフィンランドやオーストリアなど、経済力が強い国家だけが集まって同一の通貨を作れば良かったのに、ギリシアやスペインなど、経済力の弱い国家を組み入れて17ヵ国も一緒にするから悲劇が起こるわけです。
もともと、このギリシアなど南欧諸国の人達は、一生懸命働くような国民ではないのです。それなのに一緒の通貨にしたものだから金利が安くなって(ユーロ導入でドイツやフランスの後ろ盾を得て)、同じユーロという通貨ということで各国から資本が流入してバブルとなって、そしてあえなく破綻に陥り、今日に至ったわけです。
しかしこのギリシアや南欧諸国に資本を投下した北部欧州の金融機関は返してもらえない貸し付けとなってしまったわけです。ですからギリシア危機は欧州全体の金融機関の問題となってしまったので、ここまでこじれているわけです。
しかしギリシアが立ち直れないのははっきりしてきました。投入した資金は全て泡と消える運命です。今となっては、ギリシアを破綻させて、このユーロ域内の銀行に公的資金を入れるという方向に持っていくしかありません。ところが、悲劇的なことに今度は、その公的資金の原資がないのです。
リーマン・ショックの時はまだ、各国余裕がありましたので、借金してその原資を用意したわけです。いわゆる国債の発行です。
元を正せば、この時に無理に借金をし過ぎてしまったので、各国国債漬けとなって借金が返せず、信用を失い金利上昇の憂き目にあって身動きが取れなくなってしまったというところが実情です。
しかしそれでも銀行を救うためには、借金を重ねるしかありません。ところがもともと、国の借金、国債が問題になっているのに、さらに借金である国債の追加発行となっては、ますます信用を失い、金利が上がってしまいます。そしてさらにタチの悪いことに、この危なくなってきている国債を保有しているのが、また各国の銀行であるという悪循環なのです。国と銀行が共々沈んでいく流れです。ですから袋小路みたいなものでこれは救いようがないのです。
そこで今、いろいろとごまかしの知恵を出そうと試みているわけです。ひとつはIMFによる救済の動きです。
本当はIMFは融資枠はもうほとんどない(ユーロ圏支援に使い過ぎた)のですが、補助的財源といって、「国際的通貨システムへの脅威を未然に防ぐか、そうした事態に対処する必要があるとき」にかぎり発動される特別融資枠を発動しようというのです。
まさにIMFは資金切れで融資枠を持っていないわけですから、加盟国に対しての信用借りみたいなものです。この資金源はIMFの一般借り入れの財源とは別に、加盟各国の多国籍間融資で賄われるというのです。ユーロ圏各国も金がない、それを助けるIMFも金がないので、まさに日米など他から持ってこようということでしょうか。
ごまかしにごまかしを重ねるしか策がないのが現状
また、欧州金融安定基金(EFSF)という資金がおよそ日本円にして45兆円くらいあるわけです。これは、2010年に「ギリシア危機」が起こった時に欧州全体の危機に耐えられるようにと基金の大枠を作ったわけです。
基金は作りましたが、実はユーロ圏各国どの国も資金は出さないわけです。お金がないからです。
ではどうなっているかというと、この45兆円はEFSFとして債券を発行するわけです。国が国債を発行するようなもので、このEFSFが債券を発行するわけです。
まさに45兆円分発行しようというわけです。そしてこのEFSFが発行した債券についてドイツが27%、フランスが20%、イタリアが18%、スペインが12%、各々保証すると言っているのです。要するにユーロ圏各国は一銭も出さないのだけど、我々が保証するからこの債券を買ってください、と言ってその債券を売って、その資金で各国を救済するわけです。
★そしてこのEFSFの発行した債券を、日本政府などは喜んで購入しているわけです。(ちなみに、CIC中国投資会長は「明確な解決策無ければ、ハイリスクのユーロ圏の債券を中国が購入すると期待すべきではない」「購入する場合にはドゥーデリジェンス(due deligence)が必要」と発言。)
★今回の場合はイタリアやスペインを救済するわけですから、その資金はイタリアやスペインの国債を購入するのに使われるわけです。
★まさに借金をする人間が、(この場合はスペイン、イタリアですが、)自分が保証するから金を貸してくれ、と言っているのと同じことなのです。
それが素晴らしいスキームだということになっているわけです。
ところがまだ先がありまして、この45兆円だけでも、今回の欧州危機は収めることができないということになりまして、このEFSFの資金を今の4−5倍の約200兆円にしようという計画なのです。
イタリアが200兆円も国債を発行しているので、200兆円近い資金を用意しないと救えないわけです。ところがこんなめちゃくちゃな政策や保証をドイツなどは嫌がっているわけで交渉は難航しているわけですが、今度はそれでは仕方がない、ということで新たに出てきた知恵は、このEFSFの45兆円をレバレッジを使ってもっと多く使えるようにしようというわけです。
レバレッジを使うというのは、持っている資金を数倍に膨らませようということです。例えばあなたが100万円持っていて、それを元手に400万円用意して、それを使うというようなことです。
こうしてユーロ圏としては、45兆円の資金を元に4倍に膨らませて200兆円用意してしまおうというわけです。今後、イタリア、スペインの救済資金として200兆円くらい必要となるのだが、この資金は全て「ユーロ圏各国の保証」という錦の御旗の下に借金を重ねていこうという腹積もりです。
まさに「一銭もいらない錬金術」借金の限りない増殖と言えるでしょう。借金をしすぎたから問題がおきているのに、その解決法は新たな巧みな借金の作り方なのです。こんなことが堂々とまかり通って、素晴らしい解決案として議論されているのですからもう世の末です。
このようにごまかしにごまかしを重ねてきているのが今の世界の現状なのです。
こんなマネーの錬金術、偽りの資金作りがいつまで通用すると思いますか? じわじわと市場の本当の崩壊が近づいてきているのです。
マスコミもテレビも新聞も事の本質は書いてくれません。市場は矛盾を見抜いていよいよリーマンショックを超えるクラッシュを起こそうとしています。そして全てが崩壊した後に子供だましのような茶番の本質が明らかになるのです。
この記事を読んだ人はこんな記事も読んでいます(表示まで20秒程度時間がかかります。)
スパムメールの中から見つけ出すためにメールのタイトルには必ず「阿修羅さんへ」と記述してください。
すべてのページの引用、転載、リンクを許可します。確認メールは不要です。引用元リンクを表示してください。