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http://jp.reuters.com/article/jp_column/idJPJAPAN-23390520110928?sp=true
ギリシャのデフォルト先延ばしはリスク高いギャンブル
2011年 09月 28日 23:02 JST
9月27日、ギリシャ政府はあり得ない状況から脱する必要がある。アテネで撮影(2011年 ロイター/John Kolesidis)
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By Martin Feldstein
[27日 ロイター] ギリシャ政府はあり得ない状況から脱する必要がある。ギリシャは政府債務が管理不能な水準(GDPの150%で、今年も10%ポイント上昇する見込み)に達しているほか、経済は崩壊(今年のGDPは7%以上減少し、失業率は16%に上昇する見込み)し、国際収支は慢性的な赤字(現在はGDPの8%)が続き、支払い能力を失った銀行からは急速に預金が流出している。
ギリシャにとって、ソブリン債務のデフォルト(不履行)以外に道は残されていない。実際にデフォルトになれば、債務の元本は少なくとも50%削減されることになる。現時点では民間セクターが保有する債権の20%カットが計画されているが、それはデフォルトに向けた小さな第1歩にすぎない。
ギリシャがデフォルトの後にユーロ圏を離脱すれば、新しい通貨を切り下げることが可能になり、需要を喚起し、いずれ貿易収支を黒字に転換させることもできる。そういった「デフォルト&デバリュー」戦略は、維持できないほど多額の政府債務や慢性的な経常赤字を抱えた国にとって標準的な手段だ。ギリシャがこれまでそうしなかったのは、ユーロ圏に加盟していたからにほかならない。
市場は、支払い不能に陥っているギリシャがいずれデフォルトすることを完全に認識している。ギリシャの3年債利回りが最近100%を上回る水準まで急上昇したのはそれが理由だ。10年債利回りは約22%で、額面100ユーロの10年債は現在、14ユーロ以下の価値しかない。
それなのに、ドイツやフランスの首脳はなぜギリシャのデフォルトを防ごうと(正確に言えば、先延ばししようと)しているのだろうか。その理由は2つある。
第1は、ドイツやフランスの銀行や金融機関が直接的、あるいはギリシャや他のユーロ圏諸国の銀行に対する信用供与を通じ、ギリシャ国債に多額のエクスポージャーを抱えているためだ。デフォルトを先延ばしすれば、金融機関は、資本増強や満期を迎えた信用の引き揚げ、欧州中央銀行(ECB)への保有債券売却などを通じ、エクスポージャーを縮小する時間を稼ぐことができる。
第2は、より重要な点だが、ギリシャのデフォルトが他国のデフォルトを招き、特にスペインやイタリアなどの銀行システムを揺るがすリスクがあるためだ。スタンダード・アンド・プアーズ(S&P)が最近イタリアの信用格付けを引き下げたことで、そのリスクが一段と高まった。
スペインかイタリアのどちらかでもデフォルトを起こせば、ドイツやフランスの金融機関に深刻な打撃を与える恐れがある。欧州金融安定ファシリティー(EFSF)はギリシャの資金ニーズを賄うだけなら十分な規模があるが、スペインやイタリアが金融市場で資金を調達できなくなった場合に対応できるほどの能力はない。そのため、欧州の政治家は、ギリシャですらデフォルトを回避できることを示すことにより、市場からイタリアやスペインが妥当な金利水準で借り入れを継続し、国内銀行に資金供給できるという信頼感を得たいと考えている。
今後数週間のうちにギリシャがデフォルトに追い込まれれば、金融市場はスペインやイタリアも同様にデフォルトの可能性があると考えるに違いない。そうすれば両国の金利が急上昇して国家債務が膨張し、債務返済が事実上不可能になりかねない。欧州の政治家はギリシャのデフォルトを2年間先延ばしすることにより、スペインとイタリアに財政を健全化する時間を与えたいと考えている。
2年あれば、スペインの銀行が不動産価格の下落に対処できるか、あるいは住宅ローンのデフォルト増加で銀行破たんが広がり、スペイン政府が大規模な預金保証を行わざるを得なくなるかを見極めることが可能になる。さらに、最終的に中央政府が保証せざるを得ないスペイン地方政府の債務状況も明らかになるだろう。
イタリアについても同じことだ。2年あれば、イタリア政府は財政収支の均衡を達成できるかどうかを市場に示すことができる。ベルルスコーニ政権は最近、税収を拡大し、2013年までに均衡財政を目指す財政法案を成立させた。もっとも、財政引き締めはただでさえほとんど成長していないイタリアのGDPを押し下げ、税収を減少させるため、均衡財政の実現は困難だ。そのため、2年間のうちに、循環的な調整ベースで財政均衡が達成できたかどうかに関する議論が行われるだろう。また、2年たてば、イタリアの銀行が多くの人々が懸念しているほど困難な状況ではないかどうかも判明しそうだ。
2年後にスペインとイタリアが十分に健全であることが確認されれば、欧州の首脳は他国への波及を懸念せずにギリシャのデフォルトを容認できるようになる。ギリシャに続いて、ポルトガルもデフォルトに追い込まれ、ユーロ圏を離脱するかもしれない。
しかし、大規模な国々は妥当な金利水準で自ら資金調達することが可能で、ユーロ圏は存続できるだろう。だが、スペインとイタリアが2年間に財政の健全性について市場の信頼を得ることができなければ、金利が急上昇し、政府や銀行が支払い不能に陥ることは間違いない。そうなれば両国もデフォルトを余儀なくされ、少なくとも一時的には借り入れができなくなり、ユーロ圏からの離脱に向けた強い誘惑に駆られることになろう。
だが、それ以上に差し迫った危険もある。たとえスペインやイタリアのファンダメンタルズが健全だったとしても、2年間待ってもらえない可能性がある。ギリシャの金利水準は、ギリシャのデフォルトが近いと市場が考えていることを示している。ギリシャのデフォルト前からスペインやイタリアの債券利回りが急上昇し、財政が維持不可能な道のりをたどる可能性がある。欧州の政治家は、市場を欺くことがいかに危険な戦略であることを思い知らされるかもしれない。
(マーチン・フェルドシュタイン氏は米ハーバード大学経済学教授で、レーガン政権下で経済諮問委員会(CEA)委員長を務めた。全米経済研究所(NBER)元所長。)
(27日付プロジェクト・シンジケート配信記事を翻訳)
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ユーロ圏、経済統合深化させれば共同債の発行可能に=欧州委員長
2011年 09月 28日 22:55 JST
9月28日、欧州委員会のバローゾ委員長は、欧州議会で演説し、ユーロ圏はメンバーの17カ国が経済統合を深化させれば共同で債券を発行できるとの考えを示した(2011年 ロイター/Vincent Kessler)
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[ストラスブール(フランス) 28日 ロイター] 欧州委員会のバローゾ委員長は28日、欧州議会で演説し、ユーロ圏はメンバーの17カ国が経済統合を深化させれば共同で債券を発行できるとの考えを示した。
同委員長は「ユーロ圏が統合と規律を確保するために必要なツールを完全に身につければ、共同債の発行は皆にとって自然で利点のあるステップとなる」と述べ、その債券は財政目標を守った国に有利となり、守らなかった国に不利になる仕組みとすべきだ、と指摘した。
委員長はその債券を「安定債」と呼んだ上で、「既に明らかにしているように、欧州委員会は今後数週間のうちに『安定債』に関する選択肢を提示する。選択肢のいくつかは現在の(EU)条約の枠内で実行できる可能性があるが、完全な債券は条約の修正が必要だ」と語った。
バローゾ委員長はまた、欧州連合(EU)では信頼感の危機が経済や社会的な問題を複雑化させており、発足以来最大の困難に直面しているとの認識を示し、「過去何十年もなかったような信頼感の危機が起きている」と述べた。
さらに、ギリシャは今後もユーロ圏のメンバーにとどまる見込みだとした上で、EU各国が経済統合を深化させなければEUがバラバラになる恐れがあると警告した。
同委員長は、ユーロ圏の安定確保のため、欧州中央銀行(ECB)が必要なあらゆる措置を取ると確信しているとも発言。ECBに全力を挙げるよう求めた。
欧州委員会は、ギリシャの銀行による実体経済への融資を支援するため、保証メカニズムの拡大を検討するとも述べた。
委員長はまた、ユーロ圏が20カ月に及ぶ債務危機を克服するために必要なさまざまな措置を列挙し、欧州金融安定ファシリティー(EFSF)の機能拡充に関する7月21日の合意の迅速な承認や、銀行の資本増強の推進を訴えた。欧州委員会がEFSFの能力を拡大する方法を検討していることも示唆した。EFSFの能力拡大は、イタリアやスペインといった大国を危機の連鎖から守るには不可欠とみられている。
さらに、恒久的救済メカニズムである欧州安定メカニズム(ESM)の導入を急ぐべきとの考えを示した。
委員長は、ひとたびEFSFが批准されたら、最も効率的に利用すべきであり、その目的を達成するために欧州委が選択肢に取り組んでいる、と語った。
また、金融規制強化を支持する姿勢を示し、格付け会社の監視強化案が年末までに打ち出される見通しとしたほか、金融取引税の導入に向けた取り組みが続いていると述べた。
委員長は「ユーロ圏加盟国は過去3年間にわたり、金融セクターを支援し、4兆6000億ユーロの保証を提供してきた。金融セクターが社会に寄与する時が来ている」とし、金融取引税によって、年間で最大550億ユーロの税収を得ることが可能との見方を示した。
さらに、欧州投資銀行(EIB)が景気支援で、より効果的に機能することが可能とし、「EIBのリソースや資本ベースを強化する方策を模索する必要がある。そうすることで、EIBが実体経済に寄与することが可能となる」と述べた。
委員長はまた、欧州委は今後数週間中に、財政規律の強化に向けた、欧州の経済統合を深化させる「単一かつ首尾一貫した」方策に関する提案を行うと確約した。
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