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プロパガンダ新聞の本領発揮といったところだろうか。
25日付日本経済新聞には「IMF、『日本の成長』主題にセミナー 『消費税引上げ重要』 参加者全員が協調 円高は海外買収有利に」という囲み記事が掲載されている。
セミナーのテーマが「日本再興−どのように震災後に成長を取り戻すか」というものであったと記事では報じているが、記事には日本のとるべき成長戦略としては「輸出や研究・開発の恩恵を受けたいなら、日本政府は環太平洋経済連携協定(TPP)に参加する必要がある」という指摘が出たことが紹介されているだけ。一言で言えば、「参加者全員が日本は消費税引き上げが必要との考えを表明した」ということを伝えるプロパガンダ記事である。
IMFが開催したセミナーの報道にかこつけたこの記事は、「プロパガンダ技術の種類」という観点から言うと「.転移−多くの人が認めやすい権威を味方につける事で、自らの考えを正当化する試み」或いは「.証言利用−『信憑性がある』とされる人に語らせる事で、自らの主張に説得性を高めようとする試み(権威に訴える論証)」に属するもの。
記事の内容は論評するに値しないほど支離滅裂なもの(パネラー個人の話しではなく、記事として)であり、記事の目的が、IMFという国際機関の「権威」を借りて、政府の増税プロパガンダに一役買うことであったことは明白。
日本経済新聞は、IMFを「権威」と見做しているようであるが、世界の見方は必ずしもそうではない。9月21日付英フィナンシャルタイムズ(FT)紙には、「『第2のリーマン』となりかねないギリシャ危機〜ユーロ圏の対応の遅さに潜む危険性」という記事が掲載されている。
この記事の最初のパラグラフは下記のようなものだ。
「危険な新局面」。国際通貨基金(IMF)は今週開催される年次総会に先立ち、世界経済の現状を正確にそう要約してみせた。
政府の信用リスクの増大(20日にはイタリア国債が格下げされた)、不安定な資産市場、衰える経済成長の勢い――。
間違いない。あの2008年のホラー映画を世に送り出した制作者たちは続編を企画している。タイトルは「リーマン・ブラザーズ2:今度はソブリン」というところだろうか。
昔から言われるように、IMFは「It's Mostly Fiscal(概ね財政ばかり)」の略である。また、先進国には新たに金融政策を打つ余地がないことから、政策に関するIMFの主張の大半は税と歳出に着目したものになっている。
(注)JBPRESS より引用 「第2のリーマン」となりかねないギリシャ危機ユーロ圏の対応の遅さに潜む危険性
こうした記事を見れば、日本経済新聞とフィナンシャルタイムズ(FT)のIMFに対して抱く「権威」の認識が大きく異なっていることが分かる。世界は、日本経済新聞ほど盲目的にIMFに対して「権威」を感じているわけではないというのが現実である。
ドジョウ首相は、初の日米首脳会談で予想外に厳しい対応を受け、「井の中のドジョウ」であることを露呈したが、政府のプロパガンダの片棒を担ぐ間に、日本のマスコミの感覚も「井の中のドジョウ」になり下がってしまったようだ。(近藤駿介)
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