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米国の 「失われた10年」  中流層出身の3割が低所得層に   ウォール・ストリート・ジャーナル 日本版
http://www.asyura2.com/11/hasan73/msg/352.html
投稿者 愚民党 日時 2011 年 9 月 23 日 22:29:59: ogcGl0q1DMbpk
 

(回答先: 2011/9/23  資本主義の究極の形がアメリカにできつつある  tweetTVJP  動画 投稿者 愚民党 日時 2011 年 9 月 23 日 22:09:36)

【肥田美佐子のNYリポート】米国の「失われた10年」―中流層出身の3割が低所得層に

2011年 9月 23日 17:11 JST

http://jp.wsj.com/US/Economy/node_311738">http://jp.wsj.com/US/Economy/node_311738


 9月21日、米投資家ジョージ・ソロス氏は米メディアの経済番組に出演し、米経済は「すでに二番底に陥っている」と宣言した。

 米世論調査会社ギャラップが同日発表した調査結果によれば、米国人の8割が同じように考えているという。来年も景気は上向かないと答えた人は61%に達した。失業率が9%台で高止まりするなか、さしもの楽観的な米国人の間でも悲観論が主流になっている様子が分かる。これでは、米国内総生産(GDP)の約7割を占める個人消費に弾みがつくはずがない。

 ウォール街も、人員削減のあらしで荒れ模様だ。ニューヨーク市では、失業率が下がるどころか上がっており、8月は、前月より0.1ポイント増の8.7%となった。

 米国人が生活をダウンシフトしていることは、ニューヨークの街角からも見て取れる。マンハッタンの中心地タイムズスクエアを西に1ブロック行った角地に99セントピザのファストフード店があるが、不況知らずの盛況ぶりだ。トッピングなしのピザでも1枚2.5ドル以上が相場のマンハッタンでは、破格の値段である。以前は、はす向かいに、間口の小さな店舗が1軒出ていただけだが、金融危機のさなかに店を拡張した。近隣の格安大型青果店には、夕方ともなると勤め帰りの男性や女性が詰めかけ、複数のレジに長蛇の列が出来る。

 店舗数を大幅に拡大する1ドル均一のチェーン店も目立つ。米ドラッグストアチェーンのなかでは高級志向で知られるCVSでも、2年ほど前から「1ドル均一コーナー」が登場した。フルーツポンチの瓶詰めからクッキーの大箱、缶詰のパスタソース、ジャンボカップ焼きそばまで、多彩な品揃えである。

 こうした流れを受け、日用品メーカー最大手の米プロクター・アンド・ギャンブルも、米世帯の4割を構成していた中流層からターゲットを拡散させる動きに出ている。レイオフや株価低迷、住宅市況の暴落で打撃を受けた中間所得層が、大手スーパーなどの割安なプライベートブランドへと傾くなか、痛みの少ない富裕層とダウンシフター組にねらいを定めた「ハイ・アンド・ロー」戦略を打ち出す企業が増えている。

 長引く不況で、貧困も拡大する一方だ。9月13日の米国勢調査局発表によれば、2010年時点で、連邦政府が定める貧困ライン(4人家族で所得が2万2314ドル以下)以下の生活を送っていた人は約4620万人に上ったという。1959年の統計開始以来、最多である。貧困率は、09年から0.8ポイント増加し、15.1%を記録。就労年代にある18〜64歳の貧困率も13.7%に上り、1966年以来の高率を記録した。ことシングルマザー世帯となると、実に4割以上が貧困のふちにある。

 連邦政府のフードスタンプ(低所得者層向けの食料配給カード)受給者も記録的な数に達している。増え続ける「パイ」をめぐり、フードスタンプを受け付け始めたコンビニエンスストアや1ドル均一店、ガソリンスタンドの売店、レストランなどの間でシェア争いが加速しているほどだ。

 非営利団体の食料配給サービスもフル稼働である。今や利用者は低所得層にとどまらず、失業した元管理職や中流層が切羽詰まってドアをたたくケースも少なくない。1日40万食をニューヨーカーに提供する「フードバンク」のウェブサイトには、3年前に定職を失い、その後、マンションも手放さざるをえなくなり、同組織に駆け込んだ45歳の女性が顔写真入りで登場する。

 「時給15〜20ドルの仕事なんて、もう見つからない。7.4ドルがせいぜい。フルタイムの仕事も少ないし。ひと月1000ドル以下の収入で家賃や食費なんてまかなえない」と、女性は訴える。青空市場のパートタイム職で手にするお金は、月額800ドルだという。

 前出の国勢調査によれば、米世帯の所得も3年連続で減少を続けている。昨年の年収中央値(インフレ調整後)は、09年より2.3%減って4万9445ドル(約381万円)となり、15年前の所得水準に逆戻りした形だ。勤労世帯に限っても、2000年からの10年間で、6万1574ドルから5万5276ドルへと、年収中央値が10%以上減少した。まさに「失われた10年」である。上位5%の富裕層が、1983年から2009年の間に米国で増加した富の約82%を占める一方、下位6割は、09年の時点で28年前の水準を下回った。

 共和党は、富裕層への増税案を打ち出したオバマ大統領に対し、「階級闘争」を仕掛けていると非難した。だが、失われた10年は、世代が進むごとに経済的な階段を駆け上がれるという米国の強みが、もはや色あせて久しいことを浮き彫りにしている。

 米非営利組織「ピュー慈善財団」が9月初めに発表した報告書「中流層からの下降移動――アメリカンドリームからの覚醒」によれば、1979年に14〜17歳だった中流層出身の3割が低所得層に落ちたという。現在、彼らは46〜49歳だ。生活が苦しくなった背景には離婚など個人的理由も大きいが、取材などで知り合った長期失業中の人たちにこの年齢層が多いことも確かである。管理職として優に10万ドル以上を稼いでいたが、レイオフ後、単発の仕事や貯金の切り崩し、1ドルショップで、なんとかしのいでいる人たちだ。

 9月16日、ニューヨークのブルームバーグ市長はラジオ番組に出演し、若い世代の間で悪化する雇用状況に触れ、このままいけば、カイロやマドリッドで起こった暴動がニューヨークでも発生しかねないと語った。ワシントンへの警告である。その翌日から、ウォール街では、ソーシャルメディアを通じて集まった1000人を超える若者がデモを行い、逮捕者も出ている。

 はたして、ホワイトハウスに中流層の悲鳴は届いているだろうか。

*****************

肥田美佐子 (ひだ・みさこ) フリージャーナリスト

  東京生まれ。『ニューズウィーク日本版』の編集などを経て、1997年渡米。ニューヨークの米系広告代理店やケーブルテレビネットワーク・制作会社などに エディター、シニアエディターとして勤務後、フリーに。2007年、国際労働機関国際研修所(ITC-ILO)の報道機関向け研修・コンペ(イタリア・ト リノ)に参加。日本の過労死問題の英文報道記事で同機関第1回メディア賞を受賞。2008年6月、ジュネーブでの授賞式、およびILO年次総会に招聘され る。2009年10月、ペンシルベニア大学ウォートン校(経営大学院)のビジネスジャーナリスト向け研修を修了。『週刊エコノミスト』 『週刊東洋経済』 『プレジデント』 『AERA』 『サンデー毎日』 『ニューズウィーク日本版』 『週刊ダイヤモンド』などに寄稿。日本語の著書(ルポ)や英文記事の執筆、経済関連書籍の翻訳も手がけるかたわら、日米での講演も行う。共訳書に『ワーキ ング・プア――アメリカの下層社会』『窒息するオフィス――仕事に強迫されるアメリカ人』など。マンハッタン在住。 http://www.misakohida.com


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コメント
 
01. 2011年9月24日 02:30:33: 3KS5enGxdc
もともと、アメリカでは自動車工場とかの工員とかでも中流層と呼ばれてたんだから(正社員なら全員中流層、という感じ)そんな中流層定義に無理があったのだろう。

02. 2011年9月24日 09:31:06: Qx53v1eDZ2
ブルーカラーとよばれたその自動車工場とかの工員でも中流層としてそこそこの給与を貰っていた。
かって郵便の配達員とか自動車工場の工員は白人であった。
その白人の子供、孫達の多くはホワイトカラーになっている。
いま中流層として生活に困難さを感じているのは彼らであろう。



03. 2011年9月24日 16:31:16: TA1rBhMeqI
>連邦政府のフードスタンプ(低所得者層向けの食料配給カード)受給者も記録的な数に達している。

まあ、フードスタンプがあるだけ、日本よりアメリカのほうがマシかもね(苦笑

■雇用環境も福祉も欧米以下!
▼日本は「世界で一番冷たい」格差社会  米国の著名社会政治学者が大警鐘
日本の格差問題も英米に比べればまだまし――。そう考える人は多いことだろう。
しかし、ハーバード大学のマルガリータ・エステベス・アベ教授は、
福祉機能で米国に劣り、雇用環境で欧州以下の日本こそが、
先進国で一番冷たい格差社会であると警鐘を鳴らす。
http://diamond.jp/series/worldvoice/10012/
日本の生活保護制度は、
支給要件が極めて厳しく、かつ、違法な門前払い(水際作戦)があるため
捕捉率が極めて低い。(日本10〜20%、英独は90%近い)
上記、ハーバード大学教授が指摘している通り、
アメリカのほうがはるかに生活保護を受けやすい。
さらに、日本の制度は、やくざや貧困ビジネス業者に食い物にされ、
もらってはいけない人がもらい、本来、もらえる人がもらえない。
極めて不公平で欠陥だらけの制度だ。

こんな制度はなくし、
それこそベーシックインカムや負の所得税のような制度を導入したほうがいい。

■負の所得税の予算と財源 −財源はある(かも)!
現実性皆無のベーシック・インカムについてあれこれ考えるのは知的遊戯としては楽しいが、
そればかりというのもなんなので、今回は現実性がありそうな負の所得税について検討してみよう。
負の所得税のモデルはいくつかあるが、ここではミルトン・フリードマンが提唱したモデルを考えてみよう。
すなわち控除額と助成率を設定するモデルである。…
ただし、フリードマンが提唱した既存福祉を置き換えるモデルではなく、
既存福祉に追加する形でのモデルを考えてみよう。
これは既存福祉のレベルを置換した場合、福祉水準を切り下げることなく負の所得税を導入することが難しいためである。
もし置換するとしたらその対象は失業保険と生活保護、ということになるだろうが、
実務上失業保険との置換は不可能(月収単位ではなく、年収単位の話だから)だし、
現在の生活保護水準と同レベルの給付(月13万〜34万円程度、2割削減したとしても月11〜27万円程度)を行うのは難しい。
もちろんフリードマンは福祉削減の急先鋒なのでそのようなモデルを推奨するのだろうが、
当ブログ主はフリードマンのそのような側面が嫌いなため、あえて福祉や援助の「ごった煮」を目指そう。
さて、そのようなモデルとベーシックインカムとを比較した場合、負の所得税のいいところは財政に優しいところにある。
救貧制度と位置づけられるので全員に配る必要がなく、給付対象となる人であっても、
給付額が所得に反比例しているので一人当りの給付額も軽くてすむ。
また、そもそもの給付額自体もBIのような「最低限の生活費」という縛りがなく自由に設定できる。…
以下負の所得税に必要な予算について本当に大雑把な計算をしてみよう。
まず支給は世帯単位で、年金との二重給付を避けるため、現役世代限定としよう。
その代わり年金制度は残すものとする。
▼控除額の設定
救貧制度であるから、対象は年収300万円以下とする。
すなわち控除額は300万円。
実際は世帯人数に応じて控除額が増減することになるだろう(独身者は低く、4人家族は高くなるはずである)が、
ここではデータの不備と計算の簡略化のため世帯人数による補正は行わない。
一律300万円としよう。
可処分所得の目安はこれの80%程度と言われているので、約240万円である。…
▼助成率の設定
300万円以下の所得に対して、2万円の所得減に対し、1万円の給付をするとしよう。
すなわち助成率は50%に設定する。
具体的には、この給付額においては、年収300万円だと0円、年収200万円で50万円、
年収ゼロだと150万円の給付が為される。…
だが年金制度を残すことを条件に、支給は現役世代に限定しよう。
したがって、ここから高齢者世帯を除かなくてはならない。
高齢者で年金制度に加入していない人はここでは考えず、別の制度でカバーするものとする。…
これを先に試算した総世帯数から差し引きすると、年収300万円以下の世帯は、
世帯年収          世帯数
200〜300万円  434万世帯
100〜200万円  357万世帯
0〜100万円    139万世帯
存在することになる。
この世帯数を給付額と掛算すると総額は、
434万×25万円+357万×75万円+139万×125万円=
5兆5000億円
となる。
▼子ども手当が実現可能ならば負の所得税も実現可能
すなわち負の所得税に必要な予算額は5.5兆円である。
奇しくもこれは、子ども手当(全額で5.3兆円)と同程度の予算ということになる。
すなわち子ども手当が実現可能であれば、負の所得税もまた実現可能である!
http://d.hatena.ne.jp/ColdFire/20100206/1265421463


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