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http://huzi.blog.ocn.ne.jp/darkness/2011/09/post_0197.html
■大惨事につけ込んで実施される過激な市場原理主義改革
1973年のピノチェト将軍によるチリのクーデター、天安門事件、ソ連崩壊、米国同時多発テロ事件、イラク戦争、リビア内乱、これらの事件に一すじの糸を通し、従来にない視点から過去35年の歴史を語りなおすのが、カナダ人ジャーナリストのナオミ・クラインの著書『ショック・ドクトリン:惨事活用型資本主義の勃興』『ショック・ドクトリン 惨事便乗型資本主義の正体を暴く』である。
ケインズ主義に反対して徹底した自由市場主義を主張したシカゴ学派の経済学者ミルトン・フリードマンは、「真の変革は、危機状況によってのみ可能となる」と述べた。
この主張をクラインは「ショック・ドクトリン」と呼び、現代の最も危険な思想とみなす。
近年の悪名高い人権侵害は、とかく反民主主義的な体制によるサディスト的な残虐行為と見られがだ・・、実は民衆を震え上がらせて抵抗力を奪うために、綿密に計画されたものであり、急進的な市場主義改革を強行するために利用されてきたのだ、とクラインは主張する。
■今のリビア石油資源・争奪戦争には「ショック・ドクトリン」の原理が作動している。
苦心して南アの独立を達成したマンデラ、ムベキ、ズマの第一第二第三代の大統領たちがこぞって・・NATOの支持で誕生したリビア新政権をなかなか承認しようとしない理由が・・隣国ジンバブエのムガベ大統領の経済政策の大失敗で超天文学的インフレが発生して困窮層が南アに難民として雪崩れ込んでいることもしきりに報じられましたが、南アについてもジンバブエについても、本当に肝心な白人勢力干渉の問題は殆ど取り上げられませんでした。
リビアには国内に盤居する白人勢力の問題はないような外観を示していますが、本質的には変わりません。国際金融勢力が既存の権益を温存あるいはその拡張を試みるか(南ア]、農地解放を実行した現地政権を痛めつけてその転覆を試みるか(ジンバブエ)、米欧の利権を損なう政策を放棄しようとしない現地政権を武力で破壊してショック・ドクトリンの適用を試みるか(リビア)、ここに作動している原理は同じです。
■IMF の求める貿易自由化を進め、経済格差を巨大化させて反乱を惹起
米欧の中東/アフリカ政策の驚くべき一貫性といえば、私は、カダフィの失墜を、1967年にイスラエルとの戦争で惨敗してアラブ社会主義の夢破れ、1970年、心臓発作で急死したエジプトのナセル大統領になぞらえたい気持すらあります。ナセルを継いだサダト大統領は、クラインの新語を使えば、ディザスター・キャピタリズムの線に沿って国有産業の私有化、IMF の求める貿易自由化を進め、エジプトの産業経済構造のネオリベラル化を実行に移しました。その必然的結果がムバラクのエジプトであり、権力層の腐敗汚職であり、貧富の差の巨大化であり、そして、タヒール広場の大デモンストレーションだったのだと私は考えます。つまり、リビアは、不幸なことに、今から、サダトとムバラクの段階(phase)を経過して、その先でやっと本物の若者たちの反乱が到来するのだというのが、マスコミとは全然違う私のfantastic な予想です。リビアは本当に気の毒なことになりました。
リビア国民が今度の完全に人為的な騒乱のショックの中で足元が定まらない間(やれ民主憲法とか民主選挙とかの笑劇で)に、「ショック」を画策し実行した米欧の金融資本、多国籍企業たちは、「ショック・ドクトリン」にしたがって、リビアの新植民地化をやり遂げてしま。(中略)
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ギリシャに端を発した現在の欧州危機の底流にあるのは、国際闇金融(リーマンユダヤ証券)に手を染めた多重債務者=ギリシャをめぐる破産処理問題である。
債務者が国家であるがゆえの[大きすぎて潰せない・・]というトラウマに地域経済共同体=EUは立ちすくんでいる。
欧州危機を根本から原理的に解決するには「EU解体」しかないと言う・・セクターが現れ始め、ギリシャデフォルトを自明・待望視する声すらもある。
リーマンがヨーロッパにばら撒いた担保証券(金融)兵器=不良債権=ソブリン債の地雷原が思惑どうりに暴発し、「恐慌化することを願う=ショック・ドクトリン」があることを・・頭の隅に置いておいていい。
何故そのようなことを?
金融・経済覇権を維持したい勢力の[延命再生ドクトリン]である。
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