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株式日記と経済展望
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最近5年ほどの円ドルレートの動きは、両通貨の総量比との関係で
9割近く説明できる。この理論をまずはベースにするべきだろう。
2011年9月19日 月曜日
◆円高容認論の根本的な間違い/ドクターZ 9月18日 現代ビジネス。
http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20110918-00000001-gendaibiz-pol
歯止めのきかない円高に業を煮やしてか、円高容認論、円高メリット活用論が叫ばれている。だが、なぜ円高になるのかという根本部分が間違っているため、展開される論も必然的に頓珍漢にならざるを得ない。『週刊東洋経済』の記事「日本は円高受け入れへ政策の大転換をすべき」(8月13・20日号)はその典型だ。
この記事は大まじめに欧米の財政危機を通貨安(=円高)と関連づけている。しかし、ギリシャなどが財政危機に直面しているのは事実としても、米国は違う。単に格付け会社が米国債を格下げしただけで、金利や国債の危険度を測るCDS(クレジット・デフォルト・スワップ)レートに変化はなく、今でも世界一安全な債権だ。つまり、財政危機を円高要因とする分析に根拠はない。
また、この記事では日本の経常黒字を円高の理由としているが、これは20年以上前の議論だ。かつて大学の経済学では、為替レートは経常収支で決まり、黒字なら円高になると教えていた。収支が黒字の場合、輸出で稼いだドルを円に替える額のほうが、輸入代金支払いのために円をドルに替える量より多くなるので、円の需要が高まって円高になるという理屈だ。
しかし今の時代、貿易の実需が為替に与える影響はほとんどなく、様々な思惑が渦巻く金融取引が影響の大部分を占める。従って、円ドルレートを決定づけているのは、円の総量とドルの総量の比率なのである。
実際、米国は現在、金融緩和でドルを刷り続けるが故にドルの価値が下がり、逆に緩和に慎重な円は相対的に希少価値が出て、円高になっているのだ。この原理は今や国際経済学のスタンダードで、特に最近5年ほどの円ドルレートの動きは、両通貨の総量比との関係で9割近く説明できる。円高を論じるのであれば、この理論をまずはベースにするべきだろう。
ところで、当然ながら円高にはメリットとデメリットがある。海外製品の購入や海外旅行が安くなるのがメリット。他方、輸出企業---日本が世界に誇るエクセレントカンパニー群---が打撃を受け、企業閉鎖や海外移転を余儀なくされるのがデメリットだ。その副作用として、雇用まで奪われるから、日本全体を考えれば、デメリットのほうが断然に大きい。
また、日本の対外債務は円建てが多く、対外資産は外貨建て(ドル建て)が大部分を占める。従って、円高はトータルで見ると損となって対外純資産を減らしてしまう。その典型が政府の外国為替資金特別会計(外貨準備)だ。円高によってすでに30兆円程度の為替差損が出ており、過去に利息収入はあったものの、結果としては国民の資産を減らした計算になる。
困ったことに、こうした理屈を理解していないのが、どじょう総理こと野田佳彦新首相だ。野田氏は代表選の最中、円高対策として外為特会の1000億ドルをJBIC(国際協力銀行)を使って外貨建て融資すると言っていた。これは円高メリット活用策のように見えるが、金融緩和をしないまま外貨建て融資を行えば、円高進行に伴ってさらなる為替差損が出る愚策だ。そもそも、円高対策にはまったくならない。
この「対策もどき」は、天下り先であるJBICに金を回すために財務官僚がひねり出したものだ。その筋悪のプランに、野田氏はまんまと乗せられたのである。外為特会のカネを財務官僚の天下り先に流して損を出すくらいなら、被災者のために使うべきだろう。
(私のコメント)
新聞やテレビなどのマスコミは、相変わらず1000兆円の借金で大変だと騒いでいますが、これは財務省がそう報道しろと言う政治宣伝なのだ。むしろ1000兆円の借金がなぜ出来るのかという根本的な原因の認識が間違っているから議論がおかしなことになる。銀行がバブル以前の時のような積極的な貸し出しが出来なくなり、資金運用に国債が一番安全な投資先になっているからだ。
儲かる業種が見当たらなくなれば、銀行は融資しなくなり貸し渋りや貸はがしなどで預金残高が増えて、仕方なく国債を買って金利分を稼いでいる。だから国債の金利は限りなくゼロに張り付いてしまった。バブル崩壊後は減税してその分を民間の銀行から金を借りて財政を回すことがベストな選択であり、民間に資金需要が出てくれば国債の金利が上がって来る。
金融緩和や景気対策をしても景気が回復しないと言うのは正しくなく、政府が借金して財政を回さなければ日本経済は収縮してしまう。問題はいつまでそれが続けられるかですが、銀行の金がだぶついている限り続けられる。それだけ有望な資金需要がないからですが、政府が本腰を入れた国家戦略プランを打ち上げて方向性を示せば流れは変わるだろう。
橋や道路を作るだけでは景気波及効果がなくなり、橋や道路が使われなければ効果が無い。その為には地方経済の活性化が問題ですが、「株式日記」ではコンパクトシティー構想やエネルギーの地産池消など提言してきましたが、その頃は風力発電機も太陽光発電所も見かけることはなかった。地方の産業誘致のためには高速道路や新幹線もも大切ですが、人が集まってくるような都市づくりが大切だ。
私は、東日本大震災の前から車がなくても生活が出来る都市づくりを主張してきましたが、大震災によって東日本一帯がガソリンの供給が止まり生活に支障をきたすようになってしまった。場合によっては生命の危険性さえ生ずるようになりましたが、地方の中核都市は歩いて生活が出来る生活圏がなければ、食料や水の供給も出来なくなる。ガソリンのない車は何の役にも立たないことが大震災で証明された。
しかし地方はますます車社会になり、ガソリンをめぐってスタンドには長い行列が出来て、長いことそのような状態が続いた。コンビニやスーパーも車が止まれば商品棚がカラになった。東京も米やガソリンや乾電池が一瞬で無くなりましたが、インフラを車だけに頼るのは危険だ。食料や水や電気も地産地消方式に改めるべきであり、大規模施設から供給するやり方は効率的だが一つ間違うと生活が破綻する。
このように地方の都市建設は方向が間違っているし、岐阜市にいたってはLRTを廃止して超高層ビルを建ててしまった。このように都市づくりからインフラの整備まですべて間違っているから地方は停滞してしまうのであり、東京に人口が集中してしまう。東京に人口が集中するのは車がなくても生活が出来るからであり、地方は道路ばかり作って車がないと生活が出来ない地域にしてしまった。
日本には内需がないといいますが、地方の国土開発の根本が間違っているからであり、地方には観光資源が沢山あるのに画一的なリゾート施設が作られて、それらがみな廃墟になっている。地方には様々な補助金が配られているのに豊かにならないのは雇用を生む産業の創造がないからだ。各県には空港が作られても滑走路にはぺんぺん草が生えている。
日本はバブルの崩壊以降、地方の衰退が進んで資金需要がなくなってしまった。その余った資金が国債の購入に回ってしまっている。つまり円高と地方の衰退には関係があるのであり、バブル期の画一的な地方開発が頓挫してその後始末に追われている。「株式日記」はその答としてコンパクトシティーを提案しましたが、日本の地方は車社会化がますます進んでいる。
現在の日本で経済が活性化しているのは東京だけであり、なぜ東京に人が集まるのか理由が分かっていないのだろう。地方の中核都市も地下鉄やLRTを作って歩いて生活が出来る都市づくりをすべきだ。そうすれば雇用も増えて老人や子供たちも安心して生活が出来る。東北の被災した都市もガスや水道の復旧には町のコンパクト化が欠かせないのであり、車社会化で広がってしまうと水道の復旧は費用と時間がかかる。
円高の問題から地方の衰退との関係を述べてきましたが、財務省の官僚にはこのような総合的な政策を考える頭がない。彼らにはなぜ日本が円高になるのか分かっていないからですが、地方に対しては箸の上げ下ろしにまで干渉して地方をダメにしてしまった。地方の衰退が経済の衰退を生み資金需要がなくなり、そのカネが国債の購入に回っている。
今回の東日本大震災では、地方のインフラなど考えさせられましたが、電力から物流にいたるまで中央依存型であり、広範囲にインフラが遮断された。被害がなくてもガソリンがないだけで生活が成り立たなくなった。それでも地方は車社会化への流れを止めようとはしませんが、ガソリンの流通網の脆弱さが浮き彫りになった。車の普及が公共交通を衰退させて地方を丸ごと衰退させてしまう。
これでは地方にいくらカネをばら撒いても、砂漠に水を撒くようなもので無意味だ。確かに鉄道は赤字の垂れ流しで地方は次々と赤字路線を廃止している。利用者がみな車に乗り換えてしまったからだ。しかし自動車社会がいかに脆弱か大震災でガソリンが止まっただけで生活が出来なくなる事が分かったはずだ。東京もガソリンスタンドがらガソリンがなくなりましたが、鉄道があるから生活には影響が少なかった。
財政の再建は間違いであり、地方の活性化のためにも地方が自立した生活が成り立つ地域にすべきであり、積極財政で正しい地方政策を行なうべきだ。そうすれば地方に資金需要が生まれて銀行も国債の購入から融資へ回すようになるだろう。表題にあるように日本の円高は緊縮政策にあるのであり、アメリカがドルをばら撒いているのなら、日本も積極財政で円をばら撒いていかないと円高になってしまう。コンパクトシティーの建設でインフラの低コスト化を計るべきなのだ。
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