06. 長岡京・豊 2011年9月16日 22:11:27: PflF93rvEwuMM
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みずほフィナンシャルグループ(以下、みずほFG)の株価と配当から、破綻の可能性を考察してみました。 メガバンクが怪しいと考えはじめたのは、株価の中長期チャートのトレンドがあまりにも弱いことからです。 一番問題のみずほFGの株価の、2006年以降の動きを長期的に見ますと… (株式分割修正済株価、単位は円) 06年 始値 945 高値 1030 安値 791 終値 850 07年 始値 856 高値 917 安値 499 終値 534 08年 始値 520 高値 606 安値 190 終値 257 09年 始値 283 高値 299 安値 146 終値 166 10年 始値 167 高値 196 安値 110 終値 153 11年 始値 155 高値 177 安値 110 直近値 111 (直近値は9月12日終値) 06年〜10年のみずほFG株価は、四本値すべてが下値切り下げ型となっています。2011年は既に8ヵ以上経過していますが、10年の高値・ 196円を抜いていません。年末までに抜くには直近値・ 111円から75%も上昇する必要があります。今の地合いからは至難でしょう。すると、昨年と今年に何度もつけた上場来の安値・ 110円で底をうったとは言えないことになります。つまり、06年4月から下降トレンドに転換し、5年5ヵ月も経過しているみずほFG株価はまだ下値があると見るべきです。しかも高値から直近値までの下落率は実に89%、日経平均が冴えないと言っても、この間の高値から直近値までの下落率は50%強ですから、みずほFGの下げかたがいかにヒドいかがわかります。旧富士・第一勧銀・興銀のブランドを信じて保有し続けた投資家のダメージは相当厳しいと言えます。 次に、みずほFGの配当を見ますと〜 06年 3月 4円 9月 0円 07年 3月 7円 9月 0円 08年 3月 10円 9月 0円 09年 3月 10円 9月 0円 10年 3月 8円 9月 0円 11年 3月 6円 9月 3円 (売買単位修正後の金額、11年9月は予定、その他は実績) 通常、ある銘柄の配当利回りの算出基礎となる配当金は、3月決算期に支払われた配当金と前年9月中間配当金を合算した金額ですが、ここでは比較をわかりやすくするため、西暦年ごとに支払われた実績配当金を基準に配当利回りの変動を計算してみました〜 @06年配当利回り… 高値ベース=4円÷1030円=0.38% 安値ベース=4円÷791円=0.50% A07年配当利回り… 高値ベース=7円÷971円=0.72% 安値ベース=7円÷499円=1.40% B08年配当利回り… 高値ベース=10円÷606円=1.65% 安値ベース=10円÷190円=5.26% C09年配当利回り… 高値ベース=10円÷299円=3.34% 安値ベース=10円÷146円=6.84% D10年配当利回り… 高値ベース=8円÷196円=4.08% 安値ベース=8円÷110円=7.27% E11年配当利回り… 高値ベース=9円÷177円=5.08% 安値ベース=9円÷110円=8.18% (利回りの小数点3位以下は切捨て。11年のみ予定、その他はすべて実績) みずほFGの尋常でない状態を以下まとめますと〜 @06年から08年まで、4円→7円→10円と連続増配しているにもかかわらず、株価は急落しています。2000年以降、日経平均が高値をつけたのは07年です。07年6月に久々に月足終値で18000円台にのせています。日経平均採用銘柄の多くも、この年の2月から7月にかけて前年高値を抜いています。ところが、みずほFGは増配という明白な好材料がありながら、06年高値を抜けず、以後、2011年直近まで前年高値を一度も抜いたことがありません。 AみずほFGの06年以後の高値と安値の中間値を基準にした配当利回りは〜 06年 0.44% 07年 1.06% 08年 3.45% 09年 5.09% 10年 5.67% 11年 6.63% 株価は一貫して下落、利回りは逆に一貫して上昇、こんな奇怪な動きは、めったにありません。 みずほ銀行の、一年もの大口定期預金利息は0.03%(9月12日)です。1000万円預けて3000円の利息しか出さない銀行が、配当は大盤振る舞いしているのです。。同じ1000万円を9月12日引け値でみずほFGに投資した場合、1000万円÷111円=9万株購入できます。中間配当(3円)支払い基準日は9月30日です。9万株保有なら、3円×9万株×0.9=243000円(税引き)を受け取れます。年換算利回りは?、保有期間20日として、(243000÷999万円)×(365日÷20)=43.78%です! (株価が中間配当基準日以後も9月12日の終値を維持できた場合の算定です、念のため) 続いて、9月中間配当3円を予定している日経平均採用銘柄すべての株価と比較してみますと〜 京王電鉄 501円 三菱重工 308円 大和証券 289円 ミネベア 274円 東ソー 254円 三井化学 246円 鹿島建設 242円 日板硝子 177円 みずほFG 111円 (中間配当予定、株価ともに9月12日時点) みずほFGの株価が突出して割安であることがわかります。これこそ、株式市場における「Value Trap」の典型というべきです。 ギリシア国債の利回りが30%、安愚楽牧場・黒毛和牛投資の利回りが7%、美味すぎる話は要警戒です。 最後にみずほFGの破綻の可能性を考えてみますと……。 まずは、もっとも一般的な理論株価(S)算出方法は〜 S=企業価値÷株式数=1株あたりの株主資本+(1株利益×per) この算式に東洋経済新報社の会社四季報のみずほFG・会社データを入力しますと〜 1株あたりの株主資本(V)=172円 1株利益(P)=17.6円 per(R)=111÷17.6=6.3 みずほFG理論株価(S)=V+(P×R)=172円+(17.6×6.3)=282円 9月12日現在の時価111円は理論株価282円に対して、値引き率は実に60%に達しています。ここまで割安だと、現在の市況全般の低迷だけではうまく説明できません。どう考えても算出の基礎となるデータ、つまり、VかPのいずれかが間違っていると考えるべきです。そして、Pが大きく間違っている可能性は低いはずです、なぜなら、来年5月の決算発表時期には判明することだからです。するとV値・172円という数字には懐疑的にならざるをえません。また、理論株価・282円ー時価・111円=171円となりますが、この171円がVの172円にかぎりなく近いことには十分な注意を払う必要があると思います(V・1株あたりの株主資本とは、平たく言えば企業の解散価値ですですから、利益が順調に見込まれる企業の株価がVを下回ること自体、通常、ありえないことです)。 みずほFGのS値・282円からかぎりなくV値・172円に近い数字を引いた価格がみずほFGの時価となっている現実は、P値が大きく間違っていないことを前提にすれば、理屈のうえでは市場参加者はV値の実体は0に近いと見ていることになりそうです。 昨年からみずほFGの株価の下値が110円を割りそうで割らなのは、割安だから買いが入るという市場原理が働いているのではなく、本当の理由は全く別のところにあるとみるべきです。 みずほFG破綻の可能性は既に万が一というような甘いレベルでないのは確実であります。 みずほフィナンシャルグループ(以下、みずほFG)の株価と配当から、破綻の可能性を考察してみました。
メガバンクが怪しいと考えはじめたのは、株価の中長期チャートのトレンドがあまりにも弱いことからです。 一番問題のみずほFGの株価の、2006年以降の動きを長期的に見ますと… (株式分割修正済株価、単位は円) 06年 始値 945 高値 1030 安値 791 終値 850 07年 始値 856 高値 917 安値 499 終値 534 08年 始値 520 高値 606 安値 190 終値 257 09年 始値 283 高値 299 安値 146 終値 166 10年 始値 167 高値 196 安値 110 終値 153 11年 始値 155 高値 177 安値 110 直近値 111 (直近値は9月12日終値) 06年〜10年のみずほFG株価は、四本値すべてが下値切り下げ型となっています。2011年は既に8ヵ以上経過していますが、10年の高値・ 196円を抜いていません。年末までに抜くには直近値・ 111円から75%も上昇する必要があります。今の地合いからは至難でしょう。すると、昨年と今年に何度もつけた上場来の安値・ 110円で底をうったとは言えないことになります。つまり、06年4月から下降トレンドに転換し、5年5ヵ月も経過しているみずほFG株価はまだ下値があると見るべきです。しかも高値から直近値までの下落率は実に89%、日経平均が冴えないと言っても、この間の高値から直近値までの下落率は50%強ですから、みずほFGの下げかたがいかにヒドいかがわかります。旧富士・第一勧銀・興銀のブランドを信じて保有し続けた投資家のダメージは相当厳しいと言えます。 次に、みずほFGの配当を見ますと〜 06年 3月 4円 9月 0円 07年 3月 7円 9月 0円 08年 3月 10円 9月 0円 09年 3月 10円 9月 0円 10年 3月 8円 9月 0円 11年 3月 6円 9月 3円 (売買単位修正後の金額、11年9月は予定、その他は実績) 通常、ある銘柄の配当利回りの算出基礎となる配当金は、3月決算期に支払われた配当金と前年9月中間配当金を合算した金額ですが、ここでは比較をわかりやすくするため、西暦年ごとに支払われた実績配当金を基準に配当利回りの変動を計算してみました〜 @06年配当利回り… 高値ベース=4円÷1030円=0.38% 安値ベース=4円÷791円=0.50% A07年配当利回り… 高値ベース=7円÷971円=0.72% 安値ベース=7円÷499円=1.40% B08年配当利回り… 高値ベース=10円÷606円=1.65% 安値ベース=10円÷190円=5.26% C09年配当利回り… 高値ベース=10円÷299円=3.34% 安値ベース=10円÷146円=6.84% D10年配当利回り… 高値ベース=8円÷196円=4.08% 安値ベース=8円÷110円=7.27% E11年配当利回り… 高値ベース=9円÷177円=5.08% 安値ベース=9円÷110円=8.18% (利回りの小数点3位以下は切捨て。11年のみ予定、その他はすべて実績) みずほFGの尋常でない状態を以下まとめますと〜 @06年から08年まで、4円→7円→10円と連続増配しているにもかかわらず、株価は急落しています。2000年以降、日経平均が高値をつけたのは07年です。07年6月に久々に月足終値で18000円台にのせています。日経平均採用銘柄の多くも、この年の2月から7月にかけて前年高値を抜いています。ところが、みずほFGは増配という明白な好材料がありながら、06年高値を抜けず、以後、2011年直近まで前年高値を一度も抜いたことがありません。 AみずほFGの06年以後の高値と安値の中間値を基準にした配当利回りは〜 06年 0.44% 07年 1.06% 08年 3.45% 09年 5.09% 10年 5.67% 11年 6.63% 株価は一貫して下落、利回りは逆に一貫して上昇、こんな奇怪な動きは、めったにありません。 みずほ銀行の、一年もの大口定期預金利息は0.03%(9月12日)です。1000万円預けて3000円の利息しか出さない銀行が、配当は大盤振る舞いしているのです。。同じ1000万円を9月12日引け値でみずほFGに投資した場合、1000万円÷111円=9万株購入できます。中間配当(3円)支払い基準日は9月30日です。9万株保有なら、3円×9万株×0.9=243000円(税引き)を受け取れます。年換算利回りは?、保有期間20日として、(243000÷999万円)×(365日÷20)=43.78%です! (株価が中間配当基準日以後も9月12日の終値を維持できた場合の算定です、念のため) 続いて、9月中間配当3円を予定している日経平均採用銘柄すべての株価と比較してみますと〜 京王電鉄 501円 三菱重工 308円 大和証券 289円 ミネベア 274円 東ソー 254円 三井化学 246円 鹿島建設 242円 日板硝子 177円 みずほFG 111円 (中間配当予定、株価ともに9月12日時点) みずほFGの株価が突出して割安であることがわかります。これこそ、株式市場における「Value Trap」の典型というべきです。 ギリシア国債の利回りが30%、安愚楽牧場・黒毛和牛投資の利回りが7%、美味すぎる話は要警戒です。 最後にみずほFGの破綻の可能性を考えてみますと……。 まずは、もっとも一般的な理論株価(S)算出方法は〜 S=企業価値÷株式数=1株あたりの株主資本+(1株利益×per) この算式に東洋経済新報社の会社四季報のみずほFG・会社データを入力しますと〜 1株あたりの株主資本(V)=172円 1株利益(P)=17.6円 per(R)=111÷17.6=6.3 みずほFG理論株価(S)=V+(P×R)=172円+(17.6×6.3)=282円 9月12日現在の時価111円は理論株価282円に対して、値引き率は実に60%に達しています。ここまで割安だと、現在の市況全般の低迷だけではうまく説明できません。どう考えても算出の基礎となるデータ、つまり、VかPのいずれかが間違っていると考えるべきです。そして、Pが大きく間違っている可能性は低いはずです、なぜなら、来年5月の決算発表時期には判明することだからです。するとV値・172円という数字には懐疑的にならざるをえません。また、理論株価・282円ー時価・111円=171円となりますが、この171円がVの172円にかぎりなく近いことには十分な注意を払う必要があると思います(V・1株あたりの株主資本とは、平たく言えば企業の解散価値ですですから、利益が順調に見込まれる企業の株価がVを下回ること自体、通常、ありえないことです)。 みずほFGのS値・282円からかぎりなくV値・172円に近い数字を引いた価格がみずほFGの時価となっている現実は、P値が大きく間違っていないことを前提にすれば、理屈のうえでは市場参加者はV値の実体は0に近いと見ていることになりそうです。 昨年からみずほFGの株価の下値が110円を割りそうで割らなのは、割安だから買いが入るという市場原理が働いているのではなく、本当の理由は全く別のところにあるとみるべきです。 みずほFG破綻の可能性は既に万が一というような甘いレベルでないのは確実であります。 みずほフィナンシャルグループ(以下、みずほFG)の株価と配当から、破綻の可能性を考察してみました。 メガバンクが怪しいと考えはじめたのは、株価の中長期チャートのトレンドがあまりにも弱いことからです。 一番問題のみずほFGの株価の、2006年以降の動きを長期的に見ますと… (株式分割修正済株価、単位は円) 06年 始値 945 高値 1030 安値 791 終値 850 07年 始値 856 高値 917 安値 499 終値 534 08年 始値 520 高値 606 安値 190 終値 257 09年 始値 283 高値 299 安値 146 終値 166 10年 始値 167 高値 196 安値 110 終値 153 11年 始値 155 高値 177 安値 110 直近値 111 (直近値は9月12日終値) 06年〜10年のみずほFG株価は、四本値すべてが下値切り下げ型となっています。2011年は既に8ヵ以上経過していますが、10年の高値・ 196円を抜いていません。年末までに抜くには直近値・ 111円から75%も上昇する必要があります。今の地合いからは至難でしょう。すると、昨年と今年に何度もつけた上場来の安値・ 110円で底をうったとは言えないことになります。つまり、06年4月から下降トレンドに転換し、5年5ヵ月も経過しているみずほFG株価はまだ下値があると見るべきです。しかも高値から直近値までの下落率は実に89%、日経平均が冴えないと言っても、この間の高値から直近値までの下落率は50%強ですから、みずほFGの下げかたがいかにヒドいかがわかります。旧富士・第一勧銀・興銀のブランドを信じて保有し続けた投資家のダメージは相当厳しいと言えます。 次に、みずほFGの配当を見ますと〜 06年 3月 4円 9月 0円 07年 3月 7円 9月 0円 08年 3月 10円 9月 0円 09年 3月 10円 9月 0円 10年 3月 8円 9月 0円 11年 3月 6円 9月 3円 (売買単位修正後の金額、11年9月は予定、その他は実績) 通常、ある銘柄の配当利回りの算出基礎となる配当金は、3月決算期に支払われた配当金と前年9月中間配当金を合算した金額ですが、ここでは比較をわかりやすくするため、西暦年ごとに支払われた実績配当金を基準に配当利回りの変動を計算してみました〜 @06年配当利回り… 高値ベース=4円÷1030円=0.38% 安値ベース=4円÷791円=0.50% A07年配当利回り… 高値ベース=7円÷971円=0.72% 安値ベース=7円÷499円=1.40% B08年配当利回り… 高値ベース=10円÷606円=1.65% 安値ベース=10円÷190円=5.26% C09年配当利回り… 高値ベース=10円÷299円=3.34% 安値ベース=10円÷146円=6.84% D10年配当利回り… 高値ベース=8円÷196円=4.08% 安値ベース=8円÷110円=7.27% E11年配当利回り… 高値ベース=9円÷177円=5.08% 安値ベース=9円÷110円=8.18% (利回りの小数点3位以下は切捨て。11年のみ予定、その他はすべて実績) みずほFGの尋常でない状態を以下まとめますと〜 @06年から08年まで、4円→7円→10円と連続増配しているにもかかわらず、株価は急落しています。2000年以降、日経平均が高値をつけたのは07年です。07年6月に久々に月足終値で18000円台にのせています。日経平均採用銘柄の多くも、この年の2月から7月にかけて前年高値を抜いています。ところが、みずほFGは増配という明白な好材料がありながら、06年高値を抜けず、以後、2011年直近まで前年高値を一度も抜いたことがありません。 AみずほFGの06年以後の高値と安値の中間値を基準にした配当利回りは〜 06年 0.44% 07年 1.06% 08年 3.45% 09年 5.09% 10年 5.67% 11年 6.63% 株価は一貫して下落、利回りは逆に一貫して上昇、こんな奇怪な動きは、めったにありません。 みずほ銀行の、一年もの大口定期預金利息は0.03%(9月12日)です。1000万円預けて3000円の利息しか出さない銀行が、配当は大盤振る舞いしているのです。。同じ1000万円を9月12日引け値でみずほFGに投資した場合、1000万円÷111円=9万株購入できます。中間配当(3円)支払い基準日は9月30日です。9万株保有なら、3円×9万株×0.9=243000円(税引き)を受け取れます。年換算利回りは?、保有期間20日として、(243000÷999万円)×(365日÷20)=43.78%です! (株価が中間配当基準日以後も9月12日の終値を維持できた場合の算定です、念のため) 続いて、9月中間配当3円を予定している日経平均採用銘柄すべての株価と比較してみますと〜 京王電鉄 501円 三菱重工 308円 大和証券 289円 ミネベア 274円 東ソー 254円 三井化学 246円 鹿島建設 242円 日板硝子 177円 みずほFG 111円 (中間配当予定、株価ともに9月12日時点) みずほFGの株価が突出して割安であることがわかります。これこそ、株式市場における「Value Trap」の典型というべきです。 ギリシア国債の利回りが30%、安愚楽牧場・黒毛和牛投資の利回りが7%、美味すぎる話は要警戒です。 最後にみずほFGの破綻の可能性を考えてみますと……。 まずは、もっとも一般的な理論株価(S)算出方法は〜 S=企業価値÷株式数=1株あたりの株主資本+(1株利益×per) この算式に東洋経済新報社の会社四季報のみずほFG・会社データを入力しますと〜 1株あたりの株主資本(V)=172円 1株利益(P)=17.6円 per(R)=111÷17.6=6.3 みずほFG理論株価(S)=V+(P×R)=172円+(17.6×6.3)=282円 9月12日現在の時価111円は理論株価282円に対して、値引き率は実に60%に達しています。ここまで割安だと、現在の市況全般の低迷だけではうまく説明できません。どう考えても算出の基礎となるデータ、つまり、VかPのいずれかが間違っていると考えるべきです。そして、Pが大きく間違っている可能性は低いはずです、なぜなら、来年5月の決算発表時期には判明することだからです。するとV値・172円という数字には懐疑的にならざるをえません。また、理論株価・282円ー時価・111円=171円となりますが、この171円がVの172円にかぎりなく近いことには十分な注意を払う必要があると思います(V・1株あたりの株主資本とは、平たく言えば企業の解散価値ですですから、利益が順調に見込まれる企業の株価がVを下回ること自体、通常、ありえないことです)。 みずほFGのS値・282円からかぎりなくV値・172円に近い数字を引いた価格がみずほFGの時価となっている現実は、P値が大きく間違っていないことを前提にすれば、理屈のうえでは市場参加者はV値の実体は0に近いと見ていることになりそうです。 昨年からみずほFGの株価の下値が110円を割りそうで割らなのは、割安だから買いが入るという市場原理が働いているのではなく、本当の理由は全く別のところにあるとみるべきです。 みずほFG破綻の可能性は既に万が一というような甘いレベルでないのは確実であります。 みずほフィナンシャルグループ(以下、みずほFG)の株価と配当から、破綻の可能性を考察してみました。
メガバンクが怪しいと考えはじめたのは、株価の中長期チャートのトレンドがあまりにも弱いことからです。 一番問題のみずほFGの株価の、2006年以降の動きを長期的に見ますと… (株式分割修正済株価、単位は円) 06年 始値 945 高値 1030 安値 791 終値 850 07年 始値 856 高値 917 安値 499 終値 534 08年 始値 520 高値 606 安値 190 終値 257 09年 始値 283 高値 299 安値 146 終値 166 10年 始値 167 高値 196 安値 110 終値 153 11年 始値 155 高値 177 安値 110 直近値 111 (直近値は9月12日終値) 06年〜10年のみずほFG株価は、四本値すべてが下値切り下げ型となっています。2011年は既に8ヵ以上経過していますが、10年の高値・ 196円を抜いていません。年末までに抜くには直近値・ 111円から75%も上昇する必要があります。今の地合いからは至難でしょう。すると、昨年と今年に何度もつけた上場来の安値・ 110円で底をうったとは言えないことになります。つまり、06年4月から下降トレンドに転換し、5年5ヵ月も経過しているみずほFG株価はまだ下値があると見るべきです。しかも高値から直近値までの下落率は実に89%、日経平均が冴えないと言っても、この間の高値から直近値までの下落率は50%強ですから、みずほFGの下げかたがいかにヒドいかがわかります。旧富士・第一勧銀・興銀のブランドを信じて保有し続けた投資家のダメージは相当厳しいと言えます。 次に、みずほFGの配当を見ますと〜 06年 3月 4円 9月 0円 07年 3月 7円 9月 0円 08年 3月 10円 9月 0円 09年 3月 10円 9月 0円 10年 3月 8円 9月 0円 11年 3月 6円 9月 3円 (売買単位修正後の金額、11年9月は予定、その他は実績) 通常、ある銘柄の配当利回りの算出基礎となる配当金は、3月決算期に支払われた配当金と前年9月中間配当金を合算した金額ですが、ここでは比較をわかりやすくするため、西暦年ごとに支払われた実績配当金を基準に配当利回りの変動を計算してみました〜 @06年配当利回り… 高値ベース=4円÷1030円=0.38% 安値ベース=4円÷791円=0.50% A07年配当利回り… 高値ベース=7円÷971円=0.72% 安値ベース=7円÷499円=1.40% B08年配当利回り… 高値ベース=10円÷606円=1.65% 安値ベース=10円÷190円=5.26% C09年配当利回り… 高値ベース=10円÷299円=3.34% 安値ベース=10円÷146円=6.84% D10年配当利回り… 高値ベース=8円÷196円=4.08% 安値ベース=8円÷110円=7.27% E11年配当利回り… 高値ベース=9円÷177円=5.08% 安値ベース=9円÷110円=8.18% (利回りの小数点3位以下は切捨て。11年のみ予定、その他はすべて実績) みずほFGの尋常でない状態を以下まとめますと〜 @06年から08年まで、4円→7円→10円と連続増配しているにもかかわらず、株価は急落しています。2000年以降、日経平均が高値をつけたのは07年です。07年6月に久々に月足終値で18000円台にのせています。日経平均採用銘柄の多くも、この年の2月から7月にかけて前年高値を抜いています。ところが、みずほFGは増配という明白な好材料がありながら、06年高値を抜けず、以後、2011年直近まで前年高値を一度も抜いたことがありません。 AみずほFGの06年以後の高値と安値の中間値を基準にした配当利回りは〜 06年 0.44% 07年 1.06% 08年 3.45% 09年 5.09% 10年 5.67% 11年 6.63% 株価は一貫して下落、利回りは逆に一貫して上昇、こんな奇怪な動きは、めったにありません。 みずほ銀行の、一年もの大口定期預金利息は0.03%(9月12日)です。1000万円預けて3000円の利息しか出さない銀行が、配当は大盤振る舞いしているのです。。同じ1000万円を9月12日引け値でみずほFGに投資した場合、1000万円÷111円=9万株購入できます。中間配当(3円)支払い基準日は9月30日です。9万株保有なら、3円×9万株×0.9=243000円(税引き)を受け取れます。年換算利回りは?、保有期間20日として、(243000÷999万円)×(365日÷20)=43.78%です! (株価が中間配当基準日以後も9月12日の終値を維持できた場合の算定です、念のため) 続いて、9月中間配当3円を予定している日経平均採用銘柄すべての株価と比較してみますと〜 京王電鉄 501円 三菱重工 308円 大和証券 289円 ミネベア 274円 東ソー 254円 三井化学 246円 鹿島建設 242円 日板硝子 177円 みずほFG 111円 (中間配当予定、株価ともに9月12日時点) みずほFGの株価が突出して割安であることがわかります。これこそ、株式市場における「Value Trap」の典型というべきです。 ギリシア国債の利回りが30%、安愚楽牧場・黒毛和牛投資の利回りが7%、美味すぎる話は要警戒です。 最後にみずほFGの破綻の可能性を考えてみますと……。 まずは、もっとも一般的な理論株価(S)算出方法は〜 S=企業価値÷株式数=1株あたりの株主資本+(1株利益×per) この算式に東洋経済新報社の会社四季報のみずほFG・会社データを入力しますと〜 1株あたりの株主資本(V)=172円 1株利益(P)=17.6円 per(R)=111÷17.6=6.3 みずほFG理論株価(S)=V+(P×R)=172円+(17.6×6.3)=282円 9月12日現在の時価111円は理論株価282円に対して、値引き率は実に60%に達しています。ここまで割安だと、現在の市況全般の低迷だけではうまく説明できません。どう考えても算出の基礎となるデータ、つまり、VかPのいずれかが間違っていると考えるべきです。そして、Pが大きく間違っている可能性は低いはずです、なぜなら、来年5月の決算発表時期には判明することだからです。するとV値・172円という数字には懐疑的にならざるをえません。また、理論株価・282円ー時価・111円=171円となりますが、この171円がVの172円にかぎりなく近いことには十分な注意を払う必要があると思います(V・1株あたりの株主資本とは、平たく言えば企業の解散価値ですですから、利益が順調に見込まれる企業の株価がVを下回ること自体、通常、ありえないことです)。 みずほFGのS値・282円からかぎりなくV値・172円に近い数字を引いた価格がみずほFGの時価となっている現実は、P値が大きく間違っていないことを前提にすれば、理屈のうえでは市場参加者はV値の実体は0に近いと見ていることになりそうです。 昨年からみずほFGの株価の下値が110円を割りそうで割らなのは、割安だから買いが入るという市場原理が働いているのではなく、本当の理由は全く別のところにあるとみるべきです。 みずほFG破綻の可能性は既に万が一というような甘いレベルでないのは確実であります。 みずほフィナンシャルグループ(以下、みずほFG)の株価と配当から、破綻の可能性を考察してみました。
メガバンクが怪しいと考えはじめたのは、株価の中長期チャートのトレンドがあまりにも弱いことからです。 一番問題のみずほFGの株価の、2006年以降の動きを長期的に見ますと… (株式分割修正済株価、単位は円) 06年 始値 945 高値 1030 安値 791 終値 850 07年 始値 856 高値 917 安値 499 終値 534 08年 始値 520 高値 606 安値 190 終値 257 09年 始値 283 高値 299 安値 146 終値 166 10年 始値 167 高値 196 安値 110 終値 153 11年 始値 155 高値 177 安値 110 直近値 111 (直近値は9月12日終値) 06年〜10年のみずほFG株価は、四本値すべてが下値切り下げ型となっています。2011年は既に8ヵ以上経過していますが、10年の高値・ 196円を抜いていません。年末までに抜くには直近値・ 111円から75%も上昇する必要があります。今の地合いからは至難でしょう。すると、昨年と今年に何度もつけた上場来の安値・ 110円で底をうったとは言えないことになります。つまり、06年4月から下降トレンドに転換し、5年5ヵ月も経過しているみずほFG株価はまだ下値があると見るべきです。しかも高値から直近値までの下落率は実に89%、日経平均が冴えないと言っても、この間の高値から直近値までの下落率は50%強ですから、みずほFGの下げかたがいかにヒドいかがわかります。旧富士・第一勧銀・興銀のブランドを信じて保有し続けた投資家のダメージは相当厳しいと言えます。 次に、みずほFGの配当を見ますと〜 06年 3月 4円 9月 0円 07年 3月 7円 9月 0円 08年 3月 10円 9月 0円 09年 3月 10円 9月 0円 10年 3月 8円 9月 0円 11年 3月 6円 9月 3円 (売買単位修正後の金額、11年9月は予定、その他は実績) 通常、ある銘柄の配当利回りの算出基礎となる配当金は、3月決算期に支払われた配当金と前年9月中間配当金を合算した金額ですが、ここでは比較をわかりやすくするため、西暦年ごとに支払われた実績配当金を基準に配当利回りの変動を計算してみました〜 @06年配当利回り… 高値ベース=4円÷1030円=0.38% 安値ベース=4円÷791円=0.50% A07年配当利回り… 高値ベース=7円÷971円=0.72% 安値ベース=7円÷499円=1.40% B08年配当利回り… 高値ベース=10円÷606円=1.65% 安値ベース=10円÷190円=5.26% C09年配当利回り… 高値ベース=10円÷299円=3.34% 安値ベース=10円÷146円=6.84% D10年配当利回り… 高値ベース=8円÷196円=4.08% 安値ベース=8円÷110円=7.27% E11年配当利回り… 高値ベース=9円÷177円=5.08% 安値ベース=9円÷110円=8.18% (利回りの小数点3位以下は切捨て。11年のみ予定、その他はすべて実績) みずほFGの尋常でない状態を以下まとめますと〜 @06年から08年まで、4円→7円→10円と連続増配しているにもかかわらず、株価は急落しています。2000年以降、日経平均が高値をつけたのは07年です。07年6月に久々に月足終値で18000円台にのせています。日経平均採用銘柄の多くも、この年の2月から7月にかけて前年高値を抜いています。ところが、みずほFGは増配という明白な好材料がありながら、06年高値を抜けず、以後、2011年直近まで前年高値を一度も抜いたことがありません。 AみずほFGの06年以後の高値と安値の中間値を基準にした配当利回りは〜 06年 0.44% 07年 1.06% 08年 3.45% 09年 5.09% 10年 5.67% 11年 6.63% 株価は一貫して下落、利回りは逆に一貫して上昇、こんな奇怪な動きは、めったにありません。 みずほ銀行の、一年もの大口定期預金利息は0.03%(9月12日)です。1000万円預けて3000円の利息しか出さない銀行が、配当は大盤振る舞いしているのです。。同じ1000万円を9月12日引け値でみずほFGに投資した場合、1000万円÷111円=9万株購入できます。中間配当(3円)支払い基準日は9月30日です。9万株保有なら、3円×9万株×0.9=243000円(税引き)を受け取れます。年換算利回りは?、保有期間20日として、(243000÷999万円)×(365日÷20)=43.78%です! (株価が中間配当基準日以後も9月12日の終値を維持できた場合の算定です、念のため) 続いて、9月中間配当3円を予定している日経平均採用銘柄すべての株価と比較してみますと〜 京王電鉄 501円 三菱重工 308円 大和証券 289円 ミネベア 274円 東ソー 254円 三井化学 246円 鹿島建設 242円 日板硝子 177円 みずほFG 111円 (中間配当予定、株価ともに9月12日時点) みずほFGの株価が突出して割安であることがわかります。これこそ、株式市場における「Value Trap」の典型というべきです。 ギリシア国債の利回りが30%、安愚楽牧場・黒毛和牛投資の利回りが7%、美味すぎる話は要警戒です。 最後にみずほFGの破綻の可能性を考えてみますと……。 まずは、もっとも一般的な理論株価(S)算出方法は〜 S=企業価値÷株式数=1株あたりの株主資本+(1株利益×per) この算式に東洋経済新報社の会社四季報のみずほFG・会社データを入力しますと〜 1株あたりの株主資本(V)=172円 1株利益(P)=17.6円 per(R)=111÷17.6=6.3 みずほFG理論株価(S)=V+(P×R)=172円+(17.6×6.3)=282円 9月12日現在の時価111円は理論株価282円に対して、値引き率は実に60%に達しています。ここまで割安だと、現在の市況全般の低迷だけではうまく説明できません。どう考えても算出の基礎となるデータ、つまり、VかPのいずれかが間違っていると考えるべきです。そして、Pが大きく間違っている可能性は低いはずです、なぜなら、来年5月の決算発表時期には判明することだからです。するとV値・172円という数字には懐疑的にならざるをえません。また、理論株価・282円ー時価・111円=171円となりますが、この171円がVの172円にかぎりなく近いことには十分な注意を払う必要があると思います(V・1株あたりの株主資本とは、平たく言えば企業の解散価値ですですから、利益が順調に見込まれる企業の株価がVを下回ること自体、通常、ありえないことです)。 みずほFGのS値・282円からかぎりなくV値・172円に近い数字を引いた価格がみずほFGの時価となっている現実は、P値が大きく間違っていないことを前提にすれば、理屈のうえでは市場参加者はV値の実体は0に近いと見ていることになりそうです。 昨年からみずほFGの株価の下値が110円を割りそうで割らなのは、割安だから買いが入るという市場原理が働いているのではなく、本当の理由は全く別のところにあるとみるべきです。 みずほFG破綻の可能性は既に万が一というような甘いレベルでないのは確実であります。
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