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http://tamurah.iza.ne.jp/blog/entry/2441701/
日銀は9月7日の金融政策決定会合で、追加的な金融緩和の実施を見送ったのは、前回8月に実施した金融緩和が「思い切った」(白川方明総裁)円高対策を打ち出したからからだというが、これ以上だまされてはいけない。
日銀官僚といえば、政府系機関としては最高水準の給与と待遇を保証されている。高給の天下り先にも事欠かず、老後も安心だ。国家公務員上級試験をトップで合格しながら、「官僚の中の官僚」といわれる財務省を蹴ってまで、あえて日銀を選ぶ者もいるほどだ。それほどのエリートだから、超優秀に違いないと、新聞記者たちの多くはコンプレックスを抱く。日銀も心得たもので、平気でウソをつき、金融に疎い記者連中をミスリードする。
***その典型例が、日銀の「ゼロ金利」政策である。
日銀が資金供給や引き上げを通じて操作、誘導する金利は、短期金融市場の金利である。短期市場では銀行など金融機関同士が翌日までの短期間に返済する条件で、資金の融通をし合う。日銀は2010年10月に「包括的な金融緩和政策」だと宣言して、短期金利の誘導目標水準を0〜0.1%程度と設定し、「実質的にゼロ金利政策を採用していることを明確化した」(日銀の発表文から)とうたっている。
そこで日経新聞などは頻繁(ひんぱん)に「日銀はゼロ金利政策を維持している」と書く。が、ゼロとは真っ赤なウソであり、大誤報である。
まず第一に、日銀は金利を名目ゼロにするつもりはまったくない。
***当座預金に金利0.1%
金融機関は日銀から供給される資金の多くをそのまま日銀に持つ当座預金として止め置く。われわれが利用する民間銀行の当座預金は利息ゼロなのだが、日銀は08年11月から、ご丁寧なことに日銀当座預金に最高で0.1%の利息を付けている。ということは、金融機関は日銀が保証する当座預金金利以下の金利では他に融通しないし、貸さない。この結果、短期金利は日銀当座預金利息以下には下がらない。短期市場金利は日銀が「ゼロ金利」を標榜(ひょうぼう)したあとも現在に至るまで0.07%弱から0.09%台で推移しているのは、そのせいである。
それでも、と読者は問うかもしれない。ゼロ・コンマ・ゼロ台ならゼロも同然ではないかと。日銀はそんな世間の印象につけ込んでゼロ金利だと言い抜け、日経新聞などはうのみにして「ゼロ金利維持」と書き続ける。
ここで気を付けてほしいのは、日銀は「実質ゼロ金利」と明言している点である。実質金利とは、インフレ分を加味した金利というのが、経済学上、国際的な常識である。お金というのは、預けたり貸すときに金利が付く。この金利はインフレ率より高くなければ、ばかばかしい。だから短期金利からインフレ率を差し引いた金利が実質金利である。
インフレ率は国際比較ができる経済協力開発機構(OECD)の公表データを使用し、日本の実質金利をみる。米国の実質金利と比較すれば国際的な実質金利差が明らかになる。
***「量的緩和政策」宣言を
読者もご存じのように、日本はデフレであり、インフレ率はマイナスである。ということは日本の実質金利は名目の金利よりデフレの分だけ上乗せされて高くなる。日本の実質金利は09年で2%前後、10年には1%前後、ことしは0.5%前後と下がっている。だが、米国の場合、インフレ率が10年は2%台、ことしは3%台と高い。短期市場金利は日本とほとんど変わらないほどで、最近では0.1%を切っている。すると、実質金利は大幅なマイナスで、この数カ月間は実にマイナス3.5%前後で推移している。ということは、実質金利では日本は米国を4%前後も上回る。
他通貨に比べ実質金利が高い、ということは、その国の通貨の預金や国債などの金融資産の価値が高いことを意味する。だから、国内外の投資家はドルを売って円を買う。現在の超円高はこうして引き起こされる。円の対ドル相場は趨勢(すうせい)として日米の実質金利差に連動する「法則」が読み取れる。
日銀はどうすべきか。日銀は少なくても、当座預金利息はまずゼロにして名目金利を文字通りゼロ金利に誘導すべきだろう。さらに、インフレ率をプラスにするまで、お札を継続的に増量する「量的緩和政策」をとると宣言する。すると、米国の投資ファンドなどは、日本はいよいよ脱デフレ策、つまりインフレ率をプラスに変えるつもりだと慌て出し、円買い投機の手を引っ込めるだろう。
http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/economy/policy/527858/(特別記者・編集委員 田村秀男/SANKEI EXPRESS) 中略。
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■世界の中銀、自国政策の波及リスク検証で定期会合を−民間機関が提言
http://www.bloomberg.co.jp/apps/news?pid=90920011&sid=ax37YYKJxZKk
9月13日(ブルームバーグ):世界の各中央銀行は自国の金融政策が海外に与える影響に一段と留意し、こうした波及リスクについて話し合うため定期的な会合を持つ必要がある−。米ブルッキングズ研究所が13日、こうした提言をまとめたリポートを発表した。リポートには、米パシフィック・インベストメント・マネジメント(PIMCO)のモハメド・エラリアン最高経営責任者(CEO)らエコノミストの研究報告が盛り込まれている。
エコノミストらは、1国もしくは1つの地域の政策判断が生み出す他の経済に対する意図しない脅威を特定するための「国際金融政策委員会」の設立を提唱。大規模な経済を抱える中銀は、その政策判断が世界に及ぼす影響についてもっと注意する必要があると呼び掛けた。
研究報告は、各中銀による政策選択が他国・地域に与える影響が大きくなっているとの懸念の拡大を反映。ブラジルのマンテガ財務相は1年前、先進国の低金利政策と中国の人民元管理がブラジルなどへの資金流入へとつながり、通貨の過大評価とインフレ加速を促しているとして、こうした状況を「通貨戦争」と呼んだ。
リポートによれば、世界の中銀当局者はすでに国際通貨基金(IMF)と国際決済銀行(BIS)で定期的な会合を開いているものの、提案した委員会では波及リスクと協調について積極的に協議することができるようになるという。委員会は世界の指導者向けに報告書をまとめ、世界経済の視点から各国の政策を評価・説明するとともに、意見の相違や矛盾する部分を指摘すべきだとしている。
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