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http://www.bloomberg.co.jp/apps/news?pid=90900001&sid=aoOHYQqvN358
9月15日(ブルームバーグ):
倉庫や配送センターなど日本の物流不動産に国内外からの投資が加速している。オフィスビルを中心に不動産市場の低迷が続く中、市場は2兆円規模にまで拡大した。東日本大震災を受けた企業のリスク分散の動きで需要は引き続き強く、賃料値上がりの可能性も指摘されている。
国内の物流不動産市場では、シンガポール政府系物流不動産のグローバル・ロジスティック・プロパティーズ(GLP)が約20棟の大型入札で7月に優先交渉権を取得した。オフィスビルを主力事業に位置づけている三菱地所も物流事業に参入、三井物産と共同で東京都江東区に施設を開発する。
国内外の企業のこうした動きの背景には、大震災後の事業環境の変化がある。災害発生時にも事業を継続できるよう製品などの保管先を分散する企業の需要が拡大。その一方で、高い空室率が続くオフィスとの相対比較もあり、高収益率が期待できる物流不動産に投資家の関心が向いている。
物流不動産開発で世界最大手の米プロロジスのプレジデント兼CEO(日本担当)の山田御酒氏は、「3月の大震災で物流とサプライチェーンマネジメントの重要性が再確認されている」と指摘。その上で、「先進的で効率的な物流施設の需要は間違いなく持続的に高まっていくだろう」と見通している。
●空室率が低下
需要が高まる一方で、物流施設の新規供給は減少している。米不動産サービスのCBリチャード・エリスの調査によると、日本の物流施設の新規供給量(床面積ベース)は2009年が前年比でほぼ半減、さらに10年は74%落ち込んだ。
こうした環境下で物流施設の空室率は低下し、収益率も高くなっている。シービー・リチャードエリス(CBRE、東京都港区)によれば首都圏の大型マルチテナント型(複数企業向け)物流施設の3月の平均空室率は6.2%と07年12月期以来の低水準に改善している。
不動産情報サービスのIPDによると、日本の不動産投資の収益率(年間トータルリターン)は4月現在で物流・倉庫が8.7%。オフィスのマイナス0.4%、住宅の3.9%と比べタイプ別では最も高い。
急成長する電子商取引(Eコマース)も需要拡大要因だ。経済産業省によると、日本のEコマースの総販売額は10年が7兆8000億円と前年比で16%増、百貨店の総売上高の6兆2900億円を上回った。GLPのジェフリー・シュワルツ副会長は、都内の記者会見で「電子商取引を可能にしているのが先進的な物流施設だ」と語った。
需給がタイト化する中で投資は増加している。米不動産調査会社のリアル・キャピタル・アナリティクス(RCA)によると、日本の物流施設の取引金額は11年上半期(1−6月)が前年同期比で約2倍の11億4400万ドルだった。一方、オフィスビルは同15%増の75億4000万ドルにとどまった。
●賃料10%値上げも
空室率の低下を背景に、物流施設の賃料は値上がりする可能性もありそうだ。米プロロジスの山田氏は、大震災後の企業の倉庫分散の動きや倉庫の新規供給の減少で、今後半年から1年程度で物流施設の実質的な賃料が最大10%上昇する公算もあるとみている。
こうした中、GLPはカナダの公的年金運用会社と共同で日本の物流施設の開発・運用を目的としたファンドを設立。これを通じて今後10年間で14億ドル相当の施設を建設する方針だ。住宅最大手大和ハウスは物流施設に特化した日本版不動産投資信託(Jリート)の設立を進めており、来年にも東京証券取引所に上場させる計画だ。
CBREのインダストリアル営業本部の田口淳一マネージングディレクターは物流不動産の投資メリットについて、「物流施設は賃料が安定している」と強調する。その上で、過去5年間でプレーヤーの数は増加傾向にあるとし、「まだ投資マーケットが広がる余地がある」と予測している。
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