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米共和党幹部、オバマ大統領の増税案に反対 CBO米成長率見通しを2011年は約1.5%・2012年2.5%に下方修正
http://www.asyura2.com/11/hasan73/msg/255.html
投稿者 sci 日時 2011 年 9 月 14 日 02:22:35: 6WQSToHgoAVCQ
 

減税による2012年の景気回復で大統領選を乗り切り
増税を2013年に行って不景気になっても何とかなるという計画だったが
このままだとオバマの再選はかなり難しい

http://jp.reuters.com/article/marketsNews/idJPnJT899137520110913
米共和党幹部、オバマ大統領の増税案に反対表明、下院院内総務「大統領選待つ必要」 
2011年 09月 14日 01:27 JST
 

 [ワシントン 13日 ロイター] 米共和党幹部は13日、前日オバマ大統領が提案した増税による雇用対策の財源確保に関して、拒否する考えを示した。

 マコネル上院院内総務は「オバマ大統領の提案は本気ではなく、雇用対策でもない」と批判した。

 ベイナー下院議長は、雇用促進に向け議会は「歩み寄りの余地を探るべき」との考えを示した。

 またカンター下院院内総務は「税制を含む一部の問題については、おそらく大統領選を待つ必要がある」と主張した。

http://jp.reuters.com/article/marketsNews/idJPnJT899136120110913
米議会予算局、米成長率見通しを2011年は約1.5%・2012年は2.5%に下方修正
2011年 09月 14日 01:09 JST 

 [ワシントン 13日 ロイター] 米議会予算局(CBO)は13日、米経済成長率見通しを2011年は約1.5%、2012年は2.5%に下方修正した。エルメンドルフ局長が財政赤字削減策を協議する米議会の超党派特別委員会の公聴会で述べた。

 8月時点のCBOによる成長率見通しは、2011年が2.3%、2012年が2.7%だった。

 エルメンドルフ局長は、現在9.1%となっている米国の失業率は「2012年末まで9%に近い水準で推移する」との予想を示した。

 CBOは前月、失業率は2011年は8.9%、2012年は8.5%になるとの予想を示している。

http://www.asyura2.com/11/hasan73/msg/226.html
オバマ大統領の最新の雇用対策 WSJかなり共和党寄り  

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01. 2011年9月14日 03:00:00: OeDdtMmFxc
■貧困大国アメリカを巡る「勘違い」
行動経済学の大家として知られるデューク大学心理学部教授ダン・アリエリが、米国における富の不均衡を巡って、
非常におもしろい実験をしていたので紹介しよう(Perspectives On Psychological Science 6: 9-12, 2011)。
3つの国について、資産所有額を上から下まで20%毎に区切った上で、
それぞれの区分における富の所有率を被験者に見せ(サムネイルをクリックすると大きくなります)、
「あなたはどの国に住みたいですか?」と、問うたのである。
国1が「仮想の国」における富の分配であることはいうまでもないだろう。
全国民が等しく富を分け合っている「おとぎの国」にあっては、「究極の平等」が成り立っているので、
それぞれの区分が、等しく20%ずつの富をわかちあっている。
国2では、資産所有額最高の区分に属する20%の国民が、36%と比較的大きい富を所有しているものの、
最低区分の11%と比べると、その違いは3倍強に過ぎない。
「おとぎの国」と比べて、さして富の分配に不均衡がないこの国はどこかというと、スウェーデン。
高負担・高福祉で国家を運営している「代表」ともいうべき国である。
国3は、富の分布が著しく偏り、最上層の20%が国全体の富の84%を所有しているのに対し、
最下層40%の国民が所有にあずかっている富の割合はわずか0.3%にしかすぎない。
実は、国3は米国であるが、米国における貧富の格差がべらぼうに大きいことは、
「ルポ貧困大国アメリカ」(堤未果著、岩波新書)がベストセラーになったこともあるし、読者はとっくにご存知だったろう。

さて、アリエリの実験結果であるが、米国民のうち、「国3(つまり米国)に住みたい」と答えた人は10%にしか過ぎず、
9割の人が「国1あるいは国2に住みたい」と答えた。
さらに、国2と国3に比較を限定したとき、国3を選んだ被験者はわずかに8%。
92%の回答者が、そうとは知らずに「米国よりもスウェーデンに住みたい」という選択をしたのである。

次ぎに、被験者に米国における富の分配率を「推測」させたところ、その回答(平均)は、資産額が多い区分から順に
「58%−20%-13%-6%-3%」というものであった
(「84%−11%−4%−0.2%−0.1%」という非常に苛酷な不均衡があるとは夢にも思わずに、
現実はもっと甘い状況にあると「勘違い」しているのである)。

最後に、「理想」とする富の分配を答えさせたところ、
その答えは、「32%−22%−21%−14%−11%」となり、スウェーデンの分配率に極めて近い数字となった。
それだけでなく、この数字は、共和党・民主党の支持政党や所得額等の違いで大きく変わらず、
「こと富の分配に関する限り、スウェーデン型の社会が理想」ということで、
米国民のほとんどが(そうとは知らずに)意見を一致させているのである。

これまで何度も論じてきたように、
米国の保守派は、「富の再分配」という言葉に対して非常に強い拒絶反応を示す体質を持っている。
彼らのほとんどは、「(旧ソ連型の社会主義はもとより)西欧・北欧の社会民主主義も米国にはそぐわない」
と思い込み、「高負担・高福祉の『大きな政府』などもっての他」と言ってはばからない。
就任後一貫して高額所得者に対する課税強化を主張してきたオバマに対しても、
「米国は政府を今以上に小さくしなければいけないのだから、増税なぞまかりならん」と頑なに拒否してきた。
ところが、「大きな政府」が大嫌いな保守の人々に、「理想の富の分配率」を数字で答えさせると、
「(大きな政府で国家を運営している)スウェーデンの数字が理想」という答えが返ってくるのだから、
驚くとともに呆れざるを得ないのである。(中略)

以上、今回は、富の不均衡に関する米国民の勘違いについて論じたが、
最後に、日本における富の不均衡について、ショッキングなデータ
(サムネイルをクリックすると大きくなります)を示そう。
図は、日米英3カ国の「ジニ係数」(ジニ係数は所得の不均衡の指標。
「0」はすべての国民が等しい所得を分かつ「究極の平等」、
「1」はただ1人の国民がすべての所得を占有する「究極の不公平」。
数字が大きいほど、不均衡の度合いが強い。図は等価当初所得での比較)の推移を示したものだが、
90年代以降、米国をはるかに上回る勢いでジニ係数を増大させてきた
(つまり、所得の不均衡を増大させてきた)日本が、2008年に、
ついに、米国を追い抜いたことがおわかりいただけるだろうか?
換言すると、日本は、とっくに米国に匹敵する「貧困大国」になってしまっているのであり、
「日本の貧富の格差は米国ほどひどくない」と勘違いしている場合ではないのである。
http://blog.livedoor.jp/goredsox/archives/1632389.html

アメリカ人は、民主党支持者・共和党支持者の別なくスウェーデン型再分配が理想。
「32%−22%−21%−14%−11%」
なのに、ティーパーティなど保守派は、
それと知らずに「84%−11%−4%−0.2%−0.1%」という非常に苛酷な不均衡を
さらに推し進めようとしている。

共和党支持者の主張を実現したら、
「1%の富裕層が、富の99%を私有する」国になってしまう。

■世界のリセッション入り確率は50%に上昇−クルーグマン教授
9月9日(ブルームバーグ):ノーベル経済学賞受賞者のポール・クルーグマン教授は、
世界的リセッション(景気後退)再来の確率が50%に高まったとの見方を示した。
同教授はロシアでのフォーラムに参加後の8日にインタビューに応じ、
景気が「実際に失速し、世界経済が後退する確率は相当高い」とし、「恐らく50%だ」と述べた。
先月には3分の1より「若干高い」確率だとしていた。
クルーグマン教授は先進国・地域が緊縮財政政策を転換し、
中央銀行はより緩和的な金融政策を取る必要があるとの見解を示した。
また、オバマ米大統領が8日に発表した雇用創出計画が議会を通過する可能性は
限りなく「ゼロに近い」との見方を示した。
http://www.bloomberg.co.jp/apps/news?pid=90900001&sid=auoWhH5uKqIw
クルーグマンと共和党の主張は正反対。


02. 2011年9月14日 03:02:07: OeDdtMmFxc
「われわれ富裕層に増税を」、フランス富豪らが政府に嘆願
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20110824-00000410-reu-int


■「税金をもっと上げて」、ドイツ人富裕者グループが財産税の再導入を求める
【10月23日 AFP】裕福なドイツ人のグループが、ドイツを金融危機から立ち直らせる力になりたいと、
財産税の導入を求める活動を展開している。独紙ターゲスシュピーゲル(Tagesspiegel)が伝えた。
嘆願書にはこれまでに44人が署名した。この嘆願書はグループのウェブサイトに掲載されている。
署名した1人、元医師のディーター・ケルムクール(Dieter Kelmkuhl)さん(66)の試算によると、
50万ユーロ(約6900万円)以上の資産を持つドイツ人220万人が今年と来年、その財産の5%の税金を納めれば、
国庫に1000億ユーロ(約14兆円)を提供できるという。
グループは1997年に廃止された財産税を再導入し、税率は最初の2年間は5%、その後は廃止時の税率だった1%にすることを提案している。
ドイツはキャピタルゲインには現在も25%の税金をかけている。
ケルムクールさんは、ドイツ国内で貧富の差が拡大し国の財政も厳しい中、
政府が金融機関の救済や景気回復のため数十億ユーロ(数千億円)の支出に踏み切ったことをみて、
「今こそ富裕層が祖国を助ける時だ」と考えたのだという。
米国には約700人の裕福な米国人が所属する団体「公平な経済のための連合(United for a Fair Economy、UFE)」が存在するが、
ケルムクールさんはドイツ版UFEが誕生することを望んでいるという。
ペーター・フォルマー(Peter Vollmer)さん(69)は、自分には必要ない多額の資産を相続したので請願書に署名したと語っている。(c)AFP
http://www.afpbb.com/article/economy/2655621/4798164

■「われわれ富裕層に増税を」 米投資家バフェット氏が提言
ニューヨーク(CNNMoney) 大富豪として知られる米著名投資家のウォーレン・バフェット氏は
15日付の米紙ニューヨーク・タイムズに寄せた論説で、
議会に「甘やかされ」たくはないと述べ、米政府は富裕層にもっと税金を課すべきだと主張した。
バフェット氏は論説の中で「貧困、中間層がアフガニスタンで戦い、
大半の米国人がやりくりに苦しんでいるというのに、われわれ超富裕層には巨額の減税が続けられている」と指摘。
自身が昨年支払った所得税、給与税などの連邦税は693万8744ドルで
「高額に聞こえるかもしれないが、課税所得の17.4%にすぎない。
これは職場にいる他の20人と比べても一番低い」と説明している。
投資マネジャーの中には何十億ドルもの所得の15%しか税金を払っていない人がいる一方で、
中間層には最大25%の所得税が課されていると、同氏は批判する。
また富裕層の税率が現在より高かった1980〜2000年には4000万件の雇用が創出されたのに対し、
富裕層減税の導入後は雇用創出数も減少したと述べて、増税を主張。
年収1000万ドルを超える層にはさらに高い税率を適用すべきだとしている。
同氏は「友人たちも私自身も、富豪に優しい議会によってもう十分に甘やかされてきた。
政府はそろそろ犠牲の分担を真剣に考えるべきだ」と強調した。
オバマ米大統領は同日、ミネソタ州での市民集会でこの論説に言及し、富裕層増税の必要性を改めて主張した。
http://www.cnn.co.jp/business/30003702.html

■著名投資家バフェット氏、米大統領の選挙資金集めパーティ開催へ
[シカゴ 25日 ロイター] 米著名投資家のウォーレン・バフェット氏が9月30日に
オバマ大統領のために選挙資金集めパーティーを開催する。
オバマ大統領の選挙対策事務所が25日、明らかにした。
支持率が約40%に低迷しているオバマ大統領は22日、
いかに米経済を活性化し雇用創出を促進するかについて、バフェット氏らと意見交換している。
9月には雇用・景気対策を発表する予定。
「Economic Forum Dinner and Discussion with Warren Buffett」と銘打ったパーティーはニューヨークで開催される。
パーティー券は1人1万─3万5000ドル。
集めた資金は、オバマ大統領の選挙対策事務所と民主党全国委員会が名義のオバマ・ビクトリー・ファンドに組み入れられる。
バフェット氏は、2008年の大統領選でもオバマ大統領を支持し、資金面でもオバマ大統領と民主党を支えた。
http://jp.reuters.com/article/worldNews/idJPJAPAN-22882620110826?rpc=122
富裕層のほとんどは、金持ち減税の共和党支持なんだが、
バフェットとか、ビルゲイツとか、スピルバーグのような“超”お金持ちになると民主党を支持し、
「俺たち金持ちにもっと増税してよ!」などと主張。
“超”お金持ちになると、自分の利害を超越した心境になるんだろうか。


03. 2011年9月14日 13:47:17: Pj82T22SRI
アメリカにも増税ブームか


WSJ
財政赤字削減に向け優遇税制撤廃を=グリーンスパン氏

Real Time Economics 
 アラン・グリーンスパン前米連邦準備理事会(FRB)議長は13日、連邦政府の財政赤字危機を甘くみれば金融市場に「壊滅的な」影響を与えかねないと議員に警鐘を鳴らすとともに、必要でない優遇税制をやめるよう議会に訴えた。

 グリーンスパン氏は、上院財政委員会で財政赤字削減を担当する小委員会メンバーに対し、自身は米国の財政危機が正確にいつ訪れるかわからないとした上で、危機を未然に防ぐために早急に行動を起こすことは賢明だと述べた。
イメージ Bloomberg News

アラン・グリーンスパン前FRB議長

 同氏は事前原稿で、「わたしにわかっているのは、長期の深刻な制約が出始めるまでに1、2年あると仮定するなら、そうした楽観は間違いだということだ。金融市場に壊滅的な影響が及びかねない」と述べている。財政委のマックス・ボーカス委員長(民主、モンタナ州)をはじめ12人の議員が、8月に合意した債務上限引き上げを受け、10年間で少なくとも1兆2000億ドルの赤字削減の項目を決める作業に当たっている。

 グリーンスパン氏は、メディケア(高齢者向け医療保険)やメディケイド(低所得層向保険)などのセーフティネット関連の支出増が予算問題の主因だと指摘。各種給付制度はいったん設けると撤廃が難しいとの考えを示した。

 また、労働人口の伸びが鈍化するにつれ経済成長も「鈍化する運命にある」とし、ベビーブーム世代が退職に備えているため、「数年後には、鈍化する経済成長を各種給付の増加が圧迫しているだろう」と述べている。今のところ、「経済的な痛みを受けずに現行の財政問題に対応するような、確かなシナリオはない」という。

 同氏は、税制改革が「財政改革のどんなプログラムでも大きな部分」を占めるとの見解を示し、不要な優遇税制に立ち向かったとしてアースキン・ボウルズ、アラン・シンプソン両氏が共同委員長を務めた「財政赤字削減委員会」の働きを評価した。

 さらに、「補助金は何であれ、市場の最善の機能、そして最終的には社会全体の生活水準をゆがめる」と訴えた。

 同氏は、下院予算委員長のポール・ライアン議員(共和、ウィスコンシン州)の提唱に似たアイデアを支持しているとしながらも、同議員は議会の承認を得るだけのサポートを集めていないことは承知していると述べた。ライアン議員はたとえば、メディケアをバウチャー方式の制度に変更し、高齢者が政府運営の制度に登録する代わりに民間医療用の資金をいくらか受け取ることを提案していた。

[リアルタイム・エコノミックス(Real Time Economics)では米経済、連邦準備理事会(FRB)の金融政策、経済理論などに関する独自取材ニュースや分析、論評をリポートする]

記者: Kristina Peterson


04. 2011年9月15日 00:15:56: Pj82T22SRI
1か月以上前から、趨勢は、ほとんど変わっていない

>>04 欧州とアメリカに互いに伝播する“間違った考え”
2011-08-05 A Contagion of Bad Ideas
【第18回】 2011年9月15日 
ジョセフ・E・スティグリッツ [Joseph E.Stiglitz] 


 2008年のグレートリセッションは北大西洋リセッションへと姿を変えている。低成長と高失業にはまり込んでいるのは主要新興市場ではなく、主としてヨーロッパとアメリカだ。

 しかも、壮大な崩壊という終局に向かっているのはヨーロッパとアメリカだけだ。バブルの崩壊が巨額のケインズ流景気刺激策につながり、それは景気後退がはるかに深刻になるのを防ぎはしたが、かなりの財政赤字を生み出すことにもなった。それへの対応、すなわち大幅な歳出削減により、受け入れがたいほど高水準の失業(莫大な資源のムダと苦しみの過剰供給)が――場合によっては何年も――続くことが確実になっている。

 欧州連合(EU)は、財政危機にある加盟国を支援することをようやく決意した。EUに選択の余地はなかった。財政不安がギリシャやアイルランドのような小国からイタリアやスペインのような域内の大国に広がる恐れが出てきて、ユーロの存続そのものが次第に危うくなっていたからだ。ヨーロッパの指導者たちは、財政危機に陥っている国々の債務はその国の経済が成長しない限り対処できないこと、そしてその成長は支援なしでは実現できないことを認識したのである。

 だが、彼らは支援を約束すると同時に、非危機国は歳出を削減しなければならないという考えをさらに強めた。その結果取られる緊縮政策は、ヨーロッパの成長を妨げ、したがってその最も困窮しているメンバーの成長を妨げるだろう。なんといっても、貿易相手国の力強い成長ほど、ギリシャを助ける効果のあるものはないからだ。低成長は税収を悪化させ、緊縮政策が目指す財政再建という目標を損なうだろう。

 危機の前の議論は、経済のファンダメンタルズを立て直す策がほとんど取られてこなかったことを示していた。あらゆる資本主義経済に欠かせないこと――破綻した、すなわち支払い不能になった経済主体の債務の再編――に欧州中央銀行(ECB)が猛反対したことは、欧米の銀行システムが依然として脆弱であることをはっきり物語っていた。

ECBが読み違えたギリシャの債務問題

 ECBは、ギリシャの不良ソブリン債務は全額納税者が肩代わりするべきだと主張した。民間部門の関与(PSI)はいかなるかたちのものであれ「クレジットイベント(信用問題)」を引き起こし、それはクレジット・デフォルト・スワップ(CDS)の巨額の支払いを余儀なくさせて、金融不安をさらに悪化させる恐れがあるという懸念からだ。だが、それがECBにとって真の懸念事項であるなら――ECBが民間の貸し手の代理を務めているだけではないのなら――ECBは当然、銀行の資本増強を要求するべきだった。

 また、銀行が高リスクのCDS市場に参加するのを禁止するべきだった。CDS市場では、銀行の運命は、何をもってクレジットイベントとするかという格付け会社の判断に左右される。実際の話、先頃のブリュッセルでのサミットで、ヨーロッパの指導者たちが達成した前向きな成果は、ECBとアメリカの格付け会社の両方を制御するプロセスを開始したことだった。

 実際、ECBの立場で最も奇妙である点は、債務再編はクレジットイベントに該当すると格付け会社が判定した場合には、再編後の国債は担保として認めないと脅しをかけたことだ。再編の目的は、ひとえに債務を一部免除して残りの債務をより対処しやすくすることにあった。国債が再編前に担保として適格であったなら、再編後はより安全になっているはずであり、したがって等しく適格なはずだった。

 このエピソードは、中央銀行が政治課題を持つ政治機関であること、また独立性を保っているはずの中央銀行が自身の規制対象である銀行に支配される傾向があること(少なくともそう「認識」されること)を、あらためて思い知らせるものだ。
アメリカの収縮不安

 大西洋の向こう側でも事態は似たり寄ったりだ。アメリカでは極右勢力が連邦政府を閉鎖させると脅しをかけており、ゲーム理論が主張していることを裏づけている。つまり、自分たちの主張が通らなければ見境なく破壊に情熱を注ぐ人びとが分別のある人びとと対決したら、前者が勝つということだ。

 そのため、バラク・オバマ大統領は、増税をまったく伴わないバランスを欠いた債務削減策に不本意ながら同意した。過去20年間大儲けしてきた億万長者に対してさえ増税せず、経済効率を損ない環境悪化を助長している石油会社への税制優遇措置を廃止することさえしない策である。

 アメリカはソブリンデフォルトを防ぐために債務上限を引き上げたが、楽観論者たちは短期的なマクロ経済への影響は限定的――来年度の歳出削減額は約250億ドル――と主張している。だが、(1000億ドル以上のカネを普通のアメリカ人の懐に戻した)所得税減税は延長されなかったし、金融機関は間違いなく、将来の収縮的影響を予想して融資をさらに渋るようになるだろう。

 景気刺激策の終了自体が収縮的影響をもたらす。加えて、住宅価格が引き続き下落し、GDP成長率が低下し、失業率が依然として高止まりしている(フルタイムの仕事を望んでいるアメリカ人の6人に1人が、いまなおそうした仕事に就けないでいる)なか、必要なのは――財政再建のためにも――緊縮政策ではなく、さらなる景気刺激策である。赤字を増大させる最も重要な要因は経済成長の弱さによる税収の伸び悩みであり、したがって最善の処方はアメリカを成長軌道に戻すことだ。債務問題に関する先頃の合意は、間違った方向への動きである。

 欧米間の金融危機の伝播についてはずいぶん懸念されてきた。なんといっても、アメリカの金融不始末がヨーロッパの問題を引き起こすうえで重要な役割を演じたのであり、ヨーロッパの金融不安は――とりわけアメリカの銀行システムの脆弱さと不透明なCDS市場に銀行が引き続き参加していることを考えると――アメリカに好影響はもたらさないだろう。

 だが、真の問題は別の伝播から生じる。間違った考えは簡単に国境を越えて広まるもので、大西洋の両側の間違った経済政策は互いに補強し合ってきた。それらの政策がもたらす停滞も同様に補強し合うことになるだろう。

(翻訳・藤井清美)

I dissent:A Contagion of Bad Ideas Joseph E.Stiglitz:Project Syndicate,2011
http://www.project-syndicate.org/commentary/stiglitz141/English


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