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時間稼ぎ、問題の先送りなどなど色々指摘されてきたギリシャ問題。すでに破たんしているものを、そうと認めることが構造上・・ではなく政治上できないユーロ圏。ここでも「裸の王様」に例えて書いたりしてきた。基本ベースで債務の削減が、緊縮財政下でしかも景気の減速あるいは後退の中で一定の国家運営の下で予定通り進めろというのも無理があり、壁に突き当たるのは時間の問題だった。ここまで、だまし、だましやってきたが、さすがに進退きわまったという局面に入っている。
ギリシャのデフォルトを前提にした準備が始まっている。先週来、ドイツ政府はデフォルトの際のギリシャ債務の減免を50%カットにおいて国内銀行への支援を検討中とされる。たしかドイツ銀行など7、8月の段階で、すでに域内の国債の多くを手放しているという情報があったと記憶している。デフォルトシナリオには、ギリシャのユーロ離脱シナリオもあるとのこと。対応策には、想定される様々な可能性は盛り込まれるので、たしかにシナリオには離脱も入ろう。
ただしギリシャのデフォルトと一言でいっても実際に起きた場合の影響度が読み切れない。問題をギリシャ国内に押し止めるのは、発覚からこれだけ時間が経過しているとはいえ無理だろう。そこでEU(欧州連合)、ECB(欧州中銀)、IMF(国際通貨基金)のいわゆる“トロイカ”は、現在融資判定中断中の(正式に書くと)第1次ギリシャ支援第6回融資80億ユーロの実行条件を甘くするという見方もある。そうなれば、ここまでの対応策の繰り返しで、ECBからまた誰か抜けるのではないか・・・・というのは半分冗談だが、時間稼ぎに過ぎないのは確かだろう。
抜ける、というと先週末のシュタルクECB専務理事の突然の辞任は市場を驚かせた。もっとも、8月中にここでも何回かドイツやオランダがECBの債券購入プログラムに反対しているということは書いてきたので、十分起こり得る事態といえた。
実際に
「8月に入り欧州中央銀行(ECB)はスペインおよびイタリア国債の買い支えを行っているが、この国債の買い付けに関してもECB内部で意見が割れておりドイツが反対の立場を鮮明にしており、“中央銀行としてかくあるべし”という理想論と市場の動きに沿った現実対応型の処理との間で不協和音が高まっている。つまりECBも対応策については一枚岩ではなく、この点も気掛かりだ。9月に入り、こうした“ほころび”が市場に悪影響を与える可能性がある」
と8月26日市場の関心がジャクソンホールに向けられているときに、ここに書いたが、正直、突然のドイツ関係者の辞任までは考えなかった。しかし辞任のタイミングは悪かった。頼りにしていたECBの、この段階での内部割れ発覚は、通貨ユーロと株の下げを招き心理面でも投資家マインドを冷やす。既に開いているユーロ圏の株式市場は本日も総水浸し状態。フランスCAC40は先週末に既に3000ポイント割れとなっているが、下げがきついのは当のドイツDAX指数。現時点(日本時間の9月12日18時46分)ですでに先週末比2.7%の下げとなっている。かろうじて5000ポイントを維持しているが、割れると09年7月17日以来となる。09年は3月に各国ともに近年の最安値を記録した年でもある。先月8月1日は7000ポイントを上回っていたので1ヵ月半で33%下げて来たことになる。
さて金市場は、乱高下が続いている。本日ここまでのアジアからロンドンへと移行するなかで1826〜1860ドルの間での取引となっている。下向き、あるいは上向きのレンジ抜けを思わせる動きに至るかと見せかけて、そこで反落あるいは反騰という動きを続けている。ユーロ圏発の金融危機への警戒による「08年10年相場」のトラウマ的な動きも伴った乱高下となっている。ドルが取り難い環境がさらに進むと、その可能性(換金による200ドルほどの急落)を考える必要が出てくるが、2度目の流動性危機発生は、それこそ中央銀行システム(管理通貨制度)の負けを意味することになる。そうした状況は生まれていないが、市場の不安が先行している。ただし、この中で先週末はETFが10トン強増えているのが目についた。(亀井幸一郎)
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