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オバマも日本の総理の扱いに近くなりつつあるな
http://jp.wsj.com/Opinions/Columns/node_304554
【社説】オバマ大統領の最新の雇用対策
2011年 9月 11日 16:45 JST
オバマ大統領の経済政策に同大統領らしい欠陥があるとすれば、それは「限定的な支出増や短期的な減税の実施によって15兆ドル規模の米国経済を成長させることができる」とうぬぼれていることだ。大統領は8日夜の議会演説でも、このいつものやり方を押し通そうとした。
1speech Associated Press
就任から2年8カ月の間にオバマ大統領に知的な進歩がないと言っているわけではない。大統領は今では過剰規制が弊害をもたらすことを認めている。ただ、自らの政権下で成立した法律を廃止しなければ大したことはできない。
大統領は今では少なくとも来年については、投資と雇用には税制が重要だと考えているようだ。また、財政規律の重要性をようやく理解したようだが、実際に手を付けるのは2013年だ。
しかし、大統領が発表した構想は聞いたことがあるものばかりで、その考え方も実践方法も基本的に政府の手品師の小細工と変わらない。オバマ大統領は今回、対象を限定した一時的な減税、将来的な支出抑制を担保にした支出増、住宅の差し押さえ件数を減らすための5度目(6度目だったかもしれない)の計画、今度はすぐに着手できるという公共事業を提案している。
経済は今、確実に低迷しており、われわれは、経済を支えるための計画であれば支持したいと考えている。もしオバマ大統領が恒久的な減税や大規模な税制改革、新たな規制に対する3年間の全面停止措置を提案していたら、我々は大統領を支持しただろう。しかし、オバマ大統領の就任以降に積み上がった債務は既に4兆ドルに上っている。大統領が新たに打ち出した3000億ドルから4000億ドルの財源の裏付けのない財政支出や一時的な減税が、その4兆ドルよりもよい結果を出すと考えるにはよほど楽観的でなければならないだろう。
米国は過去数十年間で最大のケインズ流経済刺激策を実施してきた。今になって、2009年の景気対策の規模が十分ではなかったとの議論が聞こえてくるが、当時はそのようなことは言われていなかった。米国民は当時、この景気対策で350万人の雇用が新たに創出され、失業率は8%未満に抑えられ、2011年までにピークを付け下がり始めると言われていた。今、失業率は9.1%だ。国民は、今度の景気対策こそは大きな効果があると聞かされている。
オバマ大統領はまるで宗旨替えして減税推進論者になったかのような話しぶりで、今年12月に期限切れとなる給与税の減税措置を拡大し、さらに1年延長するよう共和党に呼びかけた。これに加えて雇用を増やした一部の事業主に対する税額控除を認めれば、失業率は低下し、雇用増にもつながると主張している。
しかし、これらの減税が期限切れを迎え、減税の恩恵にあずかっていた何千もの小規模事業主に対して所得やキャピタルゲイン、配当への課税税率が引き上げられる2013年には何が起きるだろうか?
大統領は企業が今だけ活動していると考えているようで、企業が将来引き受けなければならない税負担は無視しているのだろう。大統領はかつて、自らの手で実現した医療保険制度改革(オバマケア)について税負担と規則の導入を2014年まで先送りすれば、それまでの間は企業の雇用には全く影響がないと考えた。今回も同じように考えている。
オバマ大統領は新たに提案した対策について、既に予算の手当が済んでいると主張しているが、これにも同じ論理を採用している。確かに予算の手当ては済んでいるが、それも米国政府の今後10年間にわたる予算の枠組みの中で、という話だ。ここには厳しい選択が含まれておらず、今回の場合は全てが大統領選挙後に先送りされている。その結果、大統領は将来の支出抑制を担保にして現在の歳出を増やそうとしている。
同様に、政府は1兆ドルの医療保険給付が新たに発生しても財政赤字が減ると主張した。それはまた、オバマ大統領が教員組合や公務員にさらに多くの金を回すことができるということでもある。
同大統領の演説には、議会が大統領の提案を可決しなければ議事の進行を妨害したとして共和党に対する反対キャンペーンを起こすぞ、という政治的な意味合いが含まれていた。議会に法案を「直ちに可決」させようという呪文だ。だが実はオバマ大統領は1965年のジョンソン大統領や1933年のルーズベルト大統領以来、議事進行の妨害の被害が最も少ない大統領だ。
同大統領はこれまで、8300億ドルの景気刺激策、30億ドルの自動車買い替え補助制度、300億ドルの小規模事業向け融資制度、300億ドルの住宅ローンの借り換え制度、ゼネラル・モーターズ(GM)とクライスラーの救済、医療保険制度改革(オバマケア)、金融規制改革法(ドッド・フランク法)、クレジットカード利用者コスト規制、「ビルド・アメリカ債」、過去最長の99週間の失業給付などを成立させた。
民主党主導の議会が阻止した重要課題は温暖化ガス規制のキャップ・アンド・タックスと労働組合の設立手続きに関する法案だけだった。この2つの法案が可決していたら経済成長と雇用にさらにダメージを与えていたと思われる。共和党が下院で多数派を占めたあとの昨年12月にも、大統領は1年間の給与税減税や失業者給付の拡大などほとんどの望みをかなえてきた。
不幸なのは、共和党がオバマ大統領の望みを全てかなえたとしても、経済成長に対する効果はそれほど大きくないということだ。政府が景気を押し上げたいなら、厳しい支出削減や恒久減税、規制緩和、オバマケアの撤回が最も効果的だ。限定的な項目を対象にした一時的な政治的手品では経済成長の役には立たない。
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