http://www.asyura2.com/11/hasan73/msg/182.html
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〆ブルームバーグ=通貨戦争と呼ぶ状況の中で、こうした戦略シフトは他の中銀も自国通貨安競争に走る可能性を示している。誰も勝者になり得ないゲームだ・・と。
〆フィナンシャル・タイムズ=たとえスイスの対策が通貨戦争を引き起こすことになろうとも、SNBには、断固たる態度で徹底的に行動する以外に選択肢はほとんどなかった・・と。
〆WSジヤーナル=1970年代のドルと金の交換停止によるブレトンウッズ体制の崩壊以来、政策当局は、為替相場は市場に委ねるべきとの言い回しを好むようになった。この見せかけの自由競争主義は、内外で自国通貨の供給を統制するという中銀の責務を放棄するのに等しい。この誤った流れと一線を画したという点で、スイス中銀の決断に満点の評価を与えたい・・と
・誰も勝者になり得ないゲーム
・通貨戦争を引き起こすことになろうと、以外に選択肢はほとんどなかった
・見せかけの為替市場至上主義という、自由競争主義の誤った流れと一線を画した
と・・三社三様であるが、市場に一枚の挑戦状を叩きつけたともいえる今回のスイス国立銀行の決意は歓迎される・・だが、ユーロに対する懸念が払拭されない限り、投機筋へのブレーキ程度にしかならず・・かって、市場の投機的な動きに立ち向かった中央銀行に、1990年代のイングランド銀行があるが・・ジョージ・ソロス氏などによるポンドの売り浴びせに抗しきれなかった・・スイス国立銀行には自国通貨売りの介入となるため、理論上は無限大の通貨介入が可能である。
西欧の一小国が世界市場に突きつけた匕首は、マシンガン・グローバリズムには敵うまいが・・東の島国の侍?には胸のすく思いである。
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■スイス「通貨戦争」の新たな口火切る−景気低迷で戦略シフト(bloomberg)
http://www.bloomberg.co.jp/apps/news?pid=90920011&sid=aF9yjy17.RXU
9月7日(ブルームバーグ):スイスが世界を舞台にした「通貨戦争」の新たな口火を切った。国内経済の低迷が政策当局を景気刺激策の強化へと動かした。
スイス国立銀行(SNB、中央銀行)は6日、1978年以来となるスイス・フランの相場に上限を設ける措置を発表。フランは先月、ユーロとドルに対し最高値を更新し、貿易に打撃となっていた。
ユーロ圏の債務危機と米国のゼロ金利政策を受け欧米から資金が逃げ出し、ブラジルや日本が自国通貨の上昇に歯止めをかける取り組みをする中、スイスの新たな措置でノルウェーやスウェーデンが望まない自国通貨上昇にさらされる可能性がある。
内需の落ち込みに対応するため輸出に依存する政策当局間の対立が浮き彫りになることも予想される。
勝者のいないゲーム
SNBは6日発表した声明で、ユーロが1ユーロ=1.20フランを上回る水準を維持するよう「無制限に外貨を購入する準備がある」と表明。
英銀HSBCホールディングスの外国為替戦略グローバル責任者は、ブラジルのマンテガ財務相が昨年「通貨戦争」と呼んだ状況の中で、こうした戦略シフトは他の中銀も自国通貨安競争に走る可能性を示していると分析。「誰も勝者になり得ないゲームだが、それは各中銀がこうした試みを続けないということを意味しない」と語った。(中略)
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■スイスフランからスイスを守る(FT)
http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/21606
スイス国立銀行(SNB、中央銀行)は、どんな買い手にもどんな量でも、対ユーロの固定レートでスイスフランを売ると約束し、絶え間ない自国通貨上昇を食い止めるための最後の切り札を切った。
たとえスイスの対策が通貨戦争を引き起こすことになろうとも、SNBには、断固たる態度で徹底的に行動する以外に選択肢はほとんどなかった。
通貨高抑制と金融政策の統制力
SNBはしばらくの間、 日銀の為替介入と同様に、過去1年間にわたって二兎を追おうとするSNBの試みは失敗した。また、スイスフランが上昇し続けて中銀の外貨購入が評価損を出すと、政治問題を生むことにもなった。
SNBは今、二兎を追うことをやめ、徹底した相場目標を導入した。中銀は1ユーロ=1.20スイスフランという上限(ユーロ/スイスフラン相場の下限)を守るために、無制限に紙幣を刷る。これは確かに達成可能だ。下げ圧力にさらされる通貨の防衛には十分な外貨準備が必要になるが、問題が通貨の上昇である場合、そうした制限はないからだ。スイスほど金融に依存している国にとっては、資本規制は検討したくない手段だろう。
インフレや資産バブルの懸念も
対ユーロのペッグ(固定)が続けば、スイス人は遠からず、通貨供給量増加の影響をインフレか資産バブル、あるいはその両方に感じ取ることになる。
今のところ、インフレや資産バブルはスイス人が甘んじて受け入れる問題かもしれない。やはり資本流入に苦しむ中南米の原材料輸出国と異なり、スイスにとってより差し迫った脅威は、インフレではなくデフレだからだ。
だが、インフレ高進はいずれ、ペッグ制が守るはずの輸出競争力を損ねる恐れがある。そして資産バブルはいまだかつて、どの経済にも良い結果をもたらしたことはない。
それ以上に懸念されるのは世界的な影響だ。他国がスイスの動きに刺激されて、スイスに追随し、資本規制という究極の選択を採用する動きが出てくる可能性がある。(中略)
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■スイス中銀の決断を歓迎(WSJ)
http://jp.wsj.com/Finance-Markets/Foreign-Currency-Markets/node_302506
スイス国立銀行はユーロが1ユーロ=1.20スイスフランを割り込まない水準を維持することを目指し、「無制限に」ユーロ買いを実施する方針を発表した。ユーロ危機が続くなかで、この発表は目を見張るものであり、有効と考えられる。
同中銀は6日に発表した声明で、「スイスフランの現在の大幅な過大評価のために、スイス経済は深刻な脅威にさらされ、デフレリスクが生じている」と表明した。
通貨急騰に対処するのに現代の中銀が好んで用いる手段は、「不胎化」介入だ。為替介入では、他通貨に対して売られた自国通貨の供給が拡大するが、その後、債券などの売りオペで資金を吸収する「不胎化」により、通貨供給量は一定に保たれる。これは、投機筋に心理的影響を与える可能性はあるものの、需給の不均衡を是正するという点では何もしないのと同じだ。
対照的に、今回のスイス中銀は、こうした不胎化をすることなく、スイスフラン売り・ユーロ買いを実施するようだ。つまり、同中銀はついにフランの追加供給によって需要増に対応する決意ができたようにみえる。これは、スイスにとって、必ずしもインフレ要因にはならない。今後、フラン需要が弱まれば、フラン相場の安定維持を目指して買った通貨を売ることによって、資金余剰を容易に吸収できる。
自国通貨の対外価値について強く懸念することは、世界の中央銀行の間で主流とは言えなくなっている。
1970年代のドルと金の交換停止によるブレトンウッズ体制の崩壊以来、政策当局は、為替相場は市場に委ねるべきとの言い回しを好むようになった。
しかし、商品(資金)の唯一の供給者がその国の中銀である場合、市場はその商品価値を定めることはできないし、この見せかけの自由競争主義は、内外で自国通貨の供給を統制するという中銀の責務を放棄するのに等しい。この誤った流れと一線を画したという点で、スイス中銀の決断に満点の評価を与えたい。(中略)
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