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市場は日銀にも明確な円高対応を期待、各国は為替に照準  日銀総裁「強力な金融緩和を推進」
http://www.asyura2.com/11/hasan73/msg/174.html
投稿者 sci 日時 2011 年 9 月 08 日 00:45:44: 6WQSToHgoAVCQ
 

相変わらず、日銀総裁は口先対応を続け、市場の期待を裏切っているようだ。
そのこと自体は、完全に想定内なので、大きな影響はでていない。

しかし、今後、政府の増税スケジュールが決まり、景気への悪影響が明確化すれば
また円高・株安が加速することになる。
それまでは政府・日銀の無策が続くというのが、大方の予想ということになるか。

http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPJAPAN-23071720110907
市場は日銀にも明確な円高対応を期待、各国は為替に照準  
2011年 09月 7日 20:13 JST 

 9月7日、円高基調が続く中、日銀の為替対応に市場から厳しい注文がでている。都内の日銀本店前で2009年3月撮影(2011年 ロイター/Kim Kyung-Hoon) 

連邦憲法裁の判決は、独政府の危機対応を確認=メルケル首相
世界経済の不確実性高まる、強力な金融緩和を推進=日銀総裁
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ドイツ憲法裁、違憲申し立て棄却:識者はこうみる

 [東京 7日 ロイター] 円高基調が続く中、日銀の為替対応に市場から厳しい注文がでている。7日の金融政策決定会合では予想通り追加緩和が見送りとなったが、円高阻止という緊急課題についても日銀は明確な姿勢を示していない。

 海外ではスイス国立銀行がスイスフラン高阻止へ無制限介入を打ち出す一方、米連邦準備理事会(FRB)や欧州中央銀行(ECB)もドル安やユーロ安容認の姿勢を示している。市場には、金利低下の余地はないとしても、円安誘導に向け金融政策が効果を発揮する余地は大きいとの見方から、日銀からのより強いメッセージを求める声がある。

 <金融政策の効果はもはや為替のみ>

 スイス国立銀行は6日、対ユーロでスイスフラン相場に一定の上限を設定し、無制限介入に踏み込む方針を示した。声明の中で、同行は「スイスフランの過大評価が経済に深刻な脅威とデフレリスクをもたらす」とし、はっきりと為替を目的とした政策であることを明らかにした。

 米欧の中央銀行もすでに、ドル安やユーロ安が自国の経済にプラスに働くことを意識していることを明確にしながら政策を実施している。米国ではいわゆる「QE2」の波及経路としてドル安が議論されていたことがFRBの議事要旨から明らかとなっている。

 日本では、円相場が77円台と円安方向に戻っているとはいえ、株価も含めて、金融市場は不安定な状況が続いている。ドル円相場が1ドル80円台を超える円高が定着すれば実体経済への打撃は深刻化するとの危機感も広がっている。そうした中、日銀は今回、金融緩和には動かなかった。市場関係者からは円高やデフレ、国際金融資本市場の不安定な展開について、いまだに「丹念な点検を行う必要がある」など悠長な文言を続けている、と日銀に対して手厳しい反応も聞こえている。

  <日銀もすでに円高対応、断固たる姿勢明示に期待>

 野村総合研究所・主席研究員の井上哲也氏は、金融緩和を為替相場への影響力行使を目的した措置と明示する効果はあると指摘、円高と金融政策は直接関係ないとする日銀の姿勢を疑問視する。同氏は「日銀でも8月の緩和時の狙いは円高抑止にあったし、過去の緩和のタイミングをみても為替の動きがポイントになった場面がある。今回は円相場がこう着しているので見送っただけ」と解説する。

 たしかに、日本だけでなく各国ともに、すでに金融政策は金利への効果波及は期待できない状況だ。同氏は、金融緩和が効果を発揮できる対象は為替くらいしかないと指摘、自国通貨高を放置しておくことができない状況であれば、たとえ効果が小さいとしてもその姿勢を明確にすべきだと話す。 

 円高定着が企業行動へ及ぼす影響を踏まえれば、このままでは日銀が言うところの「持続的成長経路」自体が切り下がっていく可能性が高いと懸念する声も出てきた。伊藤忠経済研究所・主任研究員の丸山義正氏は「国際経済のメカニズムの下で、金融緩和と通貨減価は不可分であり、通貨の減価こそが金融緩和の効果を示す一形態と言える。それにも関わらず、未だ日本銀行は金融緩和策と為替を直接には結び付けようとはしない」と指摘している。 

   <為替と物価の所管制度の問題も>

 ただ、日銀が表だって円高を理由にした緩和政策を実施することには難しい面もある。為替面での日銀の対応に注目していた、というバークレイズキャピタル証券チーフエコノミストの森田京平氏が指摘するのは、制度面でのハードルだ。「物価の安定と為替相場の安定が全く異なる法律で規定されている。しかも物価の安定は日本銀行、為替相場の安定は財務省という具合に、それぞれ主体も異なる。こうした法体系の下では、日銀が為替相場のコントロールを目的とした政策対応を行うことは難しい」と同氏はみている。 

 10月には、「経済・物価の見通し」(展望リポート)で先行きの景気の緩やかな回復見通しが見直される可能性も濃厚となっており、物価の見通しも下方修正されるとみられる。市場には、80円割れの為替相場をこのまま放置することはないとの見方が多い。円高進行のタイミングを意識しながら、日銀が景気や物価見通しの下ぶれを理由に、金融緩和に動く可能性は高いと見られている。

(ロイターニュース 中川泉; 編集 北松克朗)


http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPJAPAN-23067520110907
日銀総裁、「強力な金融緩和を推進」:識者はこうみる
2011年 09月 7日 18:55 JST 

 9月7日、白川日銀総裁は、金融政策決定会合後の記者会見で、「強力な金融緩和を推進している」と述べた。都内の日銀本店で撮影(2011年 ロイター/Toru Hanai) 

連邦憲法裁の判決は、独政府の危機対応を確認=メルケル首相
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世界経済の不確実性高まる、強力な金融緩和を推進=日銀総裁
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 [東京 7日 ロイター] 白川方明日銀総裁は7日、金融政策決定会合後の記者会見で、前回8月の会合での追加金融緩和は「さまざまな不確定要因を前広に取り込んだ思い切った措置」と述べた。

 また、世界経済の不確実性が高まる中で今回の会合で金融政策を現状維持としたことについて、足元の経済・金融環境の変化も念頭に置いたもの、との認識を示した。

 その上で「(今回会合で)追加緩和を決定しなかったとの意識はない。強力な金融緩和を推進している」と強調した。

 市場関係者の見方は以下の通り。

●海外の不確実性が一番のリスク要因と認識

 <SMBC日興証券 チーフマーケットエコノミスト 岩下真理氏>

 海外の不確実性が一番のリスク要因だという認識が確認できた。今回の声明では景気リスク要因から国内が消えており、完全に海外情勢次第になった。よって、海外の情勢によっては、さらなる追加緩和の可能性があると受け止めざるを得ない。10月にかけては国際会議も相次ぐことから、当局者と意見交換する中で海外情勢についての認識が変わってくる可能性もある。この結果、日本経済に悪影響が出てくる前に、何らかの対応を考えなくてはならなくなることもあり得る。

●一段の追加緩和に布石、株式市場への影響は限定的

 <みずほ総研 シニアエコノミスト 武内浩二氏>

 前日スイス中銀が通貨高是正のための政策を打ち出し、日銀にもそうした大胆な金融政策を期待する声は一部にあったものの、日銀の白川方明総裁は、足元でも強力な金融緩和を推進しているとの認識を示している。また、世界経済の不確実性が高まっていると述べており、欧州財政懸念などを背景に今後下振れを意識しているとの印象を受ける。世界経済に関するリスクに言及したことで、一段の追加緩和に布石を打ったとみている。ただ、株式市場への影響は限定的だろう。

http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPJAPAN-23067020110907?sp=true
世界経済の不確実性高まる、強力な金融緩和を推進=日銀総裁
2011年 09月 7日 20:17 JST 

 9月7日、白川日銀総裁は、金融政策決定会合後の記者会見で、「強力な金融緩和を推進している」と強調した。都内で6月撮影(2011年 ロイター/Yuriko Nakao)
 

 [東京 7日 ロイター] 白川方明日銀総裁は7日、金融政策決定会合後の記者会見で、前回8月の会合での追加金融緩和は「さまざまな不確定要因を前広に取り込んだ思い切った措置」と述べた。

 また、世界経済の不確実性が高まる中で今回の会合で金融政策を現状維持としたことについて、足元の経済・金融環境の変化も念頭に置いたもの、との認識を示した。その上で「(今回会合で追加緩和を)決定しなかったとの意識はない。強力な金融緩和をまさに推進している」と強調した。

 ただ、欧米を中心に過去1カ月間で世界経済の不確実性は幾分高まったとし、特に、欧州の金融システムが不安定化すれば、世界経済と日本の金融機関に影響が及ぶと警戒感を示した。

 <欧米経済は下振れリスクに留意、政策対応余地限られる>

白川総裁は、欧米経済の動向について「下振れリスクに注意を払う必要がある」と指摘。8月米雇用統計など足元で弱い指標が目立っている米国経済は「基本的に、バランスシート調整圧力が引き続き経済の重石となっている」と語った。

 一方、欧州については、ソブリン問題の波及に強い警戒感を表明。財政問題が意識されている周辺国の国債利回り上昇を通じて「多くの銀行がこれらの国債を保有していることから、銀行株が急落するなど金融システムに対する不安感が強まっている」とし、「ソブリン問題の影響は金融市場の動揺やマインドの悪化を通じて実体経済にも影響を及ぼし始めている」との見解を示した。

 その上で総裁は、こうした欧州の経済・金融問題が世界経済の大きなリスク要因との認識は「関係者間で共有されている」とし、欧米問題を中心に世界経済の不確実性は、前回8月会合に比べて「幾分、高まった」と述べた。

 また、欧米ともに、これまでの大規模な財政・金融政策の発動によって「政策対応の余地は次第に限られてきている」と指摘。 日本も含めて政策対応余地が限られるなか、経済の立て直しには「構造的な問題にしっかり取り組み、潜在的な成長率の低下を食い止める努力に、正面から向き合うこと必要だ」と語った。

 <円高はマインド通じて経済に悪影響>

 欧米経済の不確実性を背景に戦後最高値圏で推移している円相場については、現段階では輸出などに影響は出ていないとの見方を示したが、「震災後からの復旧・復興という立ち直る過程で円高が生じるということは、マインドを通じて(日本経済に)悪影響を与える」と指摘。一方で、円高を生かして海外でのM&A(企業の合併・買収)をいかに増やすかが大事な課題、と強調した。

 日本と同様に自国通貨高への対応に苦慮するスイスが6日発表した無制限為替介入については、スイスフラン上昇による経済・物価動向への影響を踏まえた措置、とコメントするにとどめた。 

 <8月緩和は不確定要因を前広に取り込んだ、量足りないは「事実に反する」>

 金融政策運営では、今回の金融政策決定会合で政策を現状維持とした背景について、前回8月会合で「さまざまな不確定要因を前広に取り込み、思い切った金融緩和を行った」と述べ、現在の経済環境も念頭に置いた措置だったと指摘。その上で「追加緩和を決定しなかったとの意識はない」と追加緩和ありきの議論に反論するとともに、すでに「強力な金融緩和を推進している」と強調した。

 さらに、金融緩和政策を「量という側面で(景気への)刺激度を測ることは適切ではない」と前置きしながらも、マネタリーベース(資金供給量)対GDP(国内総生産)比でみると日銀は先進国の中央銀行で最も量を供給していると主張。日銀の金融緩和政策が量的に不足しているとの指摘は「事実に反している」と語気を強めた。今後の金融政策運営にあたっては、「中長期的な物価安定の理解」に基づき、物価安定が展望できる(消費者物価指数が1%程度になる)までゼロ金利を継続するととともに、包括的な金融緩和政策などを通じてデフレ脱却に取り組む考えをあらためて強調した。

 (ロイターニュース 伊藤純夫、竹本能文;編集 山川薫)

http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPJAPAN-23070120110907
欧州経済一触即発、世界経済減速で期待される次の一手 
2011年 09月 7日 18:43 JST 

 9月7日、日銀は6、7日の会合で金融政策を据え置いたが、欧米を中心とした世界経済の減速リスクが高まる中、日銀が今後、一段の金融緩和に踏み切る可能性は強まっている。都内の日銀本店前で撮影(2011年 ロイター/Toru Hanai) 

 [東京 7日 ロイター] 日銀は6、7日の会合で金融政策を据え置いたが、欧米を中心とした世界経済の減速リスクが高まる中、日銀が今後、一段の金融緩和に踏み切る可能性は強まっている。

 新興国を含めた世界経済が減速するなか、先進国は事実上の通貨安競争に入っている。欧州はギリシャ支援策をめぐる関係国の利害対立で一触即発の状態だ。東日本大震災から立ち直りつつある脆弱な日本経済の下振れリスクは拡大しつつあり、外的ショックを緩和するためにも日銀への期待が高まりやすい。

 白川方明総裁は、7日の金融政策決定後の会見で、世界経済の不確実性が高まっているにもかかわらず、金融政策を据え置いた理由を問われ、最近の世界経済の環境変化と日本経済への影響は前回8月会合における追加緩和で織り込み済みとの見解を示した。前回会合では、資産買入基金の規模を10兆円増額し、総額50兆円としたが、白川総裁は「さまざまな不確定要因を前広に取り込んだ思い切った措置」と指摘。さらに「追加緩和を決定しなかったとの意識はない」とし、日銀は「強力な金融緩和を推進している」と強調した。

 日銀が追加緩和を見送った背景は理解可能だ。今月20、21日に開かれる米連邦公開市場委員会(FOMC)では追加策が打ち出されるとの観測が強い。量的緩和第3弾(QE3)と呼ばれる本格的な追加緩和となるのか、保有資産の中身を入れ替えて償還までの期間が長い米国債を増やす部分的緩和策となるのか、によって円高圧力が変わってくる可能性がある。日銀としては米金融政策とそれを受けた市場動向を見極めたうえで対応策を決めたいとみられる。

 実体経済面でも、日本は震災直後の減産分を取り戻すための生産が急ピッチで進んでいるうえ、今後は震災の復旧・復興需要が期待され、2012年度にかけ、欧米よりも堅調に推移するとの見方があるのも事実。

 しかし野田新政権は円高対策に優先的に取り組む姿勢を示しており、古川元久経済財政担当相は就任直後2日夜の会見で「日銀にはさらなる金融緩和を検討する余地があるのではないか」と追加緩和に期待を示している。日銀は為替相場に直接働きかけることを目的とした政策を否定しているが、政府内では、短期的な効果も含めて円高是正のための金融緩和に期待する声も多い。ある財務省幹部は、「米政策動向を見極めたいのは理解できる」としながらも、円相場が現在の水準で高止まってしまうことを懸念。欧米当局が事実上通貨安政策を採るなか、為替介入に踏み込みにくいこともあり、追加緩和への期待を口にする。

 実際、欧州情勢は緊迫の度合いを高めている。ギリシャ支援策の不透明感の強まりに伴って現地金融機関の信認が低下し、金融システム不安が顕在化するリスクは否定できない。現実となれば日本企業の欧州でのドル資金調達や、イタリア国債などを保有する邦銀の資産への影響など、さまざまな経路で日本経済への波及が懸念される。日銀が運用する資産買入基金は、リーマンショック後に実施した社債買い入れオペなどの機能も兼ねており、日本企業のマインド萎縮を未然に防ぐためにも増額は効果があると期待される。

 日銀が、マインド悪化を通じて国内実体経済に重要な影響を与えるとして警戒する円高は、前回会合以降、大幅には進行しておらず、小康状態にある。しかし、戦後最高値圏にあることは変わりない。企業マインドを左右する株価は、米国債の格下げなどもあり前回会合以降の1カ月間で日経平均株価は1000円近く下落、約5カ月ぶりの安値圏にある。

(ロイターニュース 竹本能文、伊藤純夫;編集 宮崎大)  

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コメント
 
01. 2011年9月08日 01:53:36: sUpHQ8Q75g
日銀がどれだけ金融緩和しても
銀行から現ナマが市中に流れない仕組みを取り除かない限り
金融緩和の実質的意味はほとんどなく
単なる数字遊びで終わってしまう

子鼠・ケケ中の売国奴コンビが設置した
日本経済封殺メカニズムを全面的に破棄すること

これしか日本経済が立ち直る方法はないが
伝痛に支配された商業マスゴミからは
そういう処方箋は絶対に出てこない


02. 2011年9月08日 02:11:26: mHY843J0vA
市場は日銀がさらなる量的緩和やツイストオペ、PKOを行うことで、株・不動産価格上昇と通貨安による輸出回復成長を期待しているんでしょうが
世界全体の需要の増加がなければ、単なる需要の食い合いというマイナスサムの通貨安競争になってしまい、最後は資源インフレが悪化するだけに終わります

本来、政府がなすべきことは、世界全体で金融取引課税や金融資産課税を協調して行うことによって世界全体の流動性を吸収して、投機マネーを減らし、
同時に吸収したマネーで低所得層を雇用するような財政支出を増やしたり、
規制緩和により実体経済への投資を増やすことで、生産と需要、両方を増やすことでしょう。
ただ残念ながら、これはあまりに強力な再分配政策になるので政治的に実現は期待できないですね。


03. 2011年9月08日 11:12:24: Pj82T22SRI
>>02 世界全体で金融取引課税や金融資産課税

主権国家が乱立するこの世界では

シンガポールやアンドラ公国、ケイマンのように、
小国は税金を先進国より低くすることで、
大きな利益を上げることができる構図があるから
話し合いで、そうした課税システムを作るのは無理だろう。

強制的に世界国家でも作れば話は別だが
超軍事大国だった米国でも、イラクやアフガンすら安定化できないのに
世界を統一し、安定的に統治することなんて到底不可能だろうね


04. 2011年9月08日 12:26:02: Pj82T22SRI
>>03 シンガポールやアンドラ公国、ケイマンのように、

税率の低い国は、ほとんどが小国だから、
金融関連の最低税率に関する国連決議を出して、従わなければ
国連軍が軍事的圧力をかけるという手は使えるな

ま、そんな国連決議はまず出せないだろうがw


05. 2011年9月08日 21:26:52: Pj82T22SRI
>>05 外需急減速で回復弱まる実体経済、頼みの綱は復興需要
2011年 09月 8日 18:53 JST 

 9月8日、7月機械受注などの経済指標は、いずれも外需が一段と悪化し、企業マインドに影響が表れてきたことを示す内容となった。 

なでしこロンドン五輪切符は持ち越し、北朝鮮とドロー
豪ANZのあおぞら銀行株取得交渉、条件で合意できず決裂=関係筋
復興財源としての郵政株式売却、議論としてあっていい=郵政相
国内投信、株安・円高・分配金の「三重苦」に

 [東京 8日 ロイター] 7月機械受注など8日に発表された経済指標は、いずれも外需が一段と悪化し、企業マインドに影響が表れてきたことを示す内容となった。

 国内では、復興需要が期待される中で企業の設備投資マインドも辛うじて維持されているが、海外需要の減少や円高に伴う採算悪化により、当面その回復力は弱まる可能性が濃厚となってきた。 

 <機械受注、外需の連続減少は14年ぶり> 

 7月の機械受注統計で目を引いたのは外需が5カ月連続して減少した点。振れの激しい統計にもかかわらず、これだけ連続して減少したのはあまり例がなく、97年のアジア危機以来のことだ。シティグループ証券によると、外需は2月のピークから30.7%も低下。「中国向けを中心に資本財の輸出が伸び悩んでいることが背景とみられる。欧米景気の減速もあわせて考えるならば、今後も外需は低調に推移する可能性が高い」としている。 

 8月分の統計では、先行き懸念がさらに鮮明になっている。8月工作機械受注では、外需が前月比減少に転じた。今後、国内機械メーカーの受注全体にも波及しそうだ。BNPパリバ証券は8月以降、欧米ソブリン危機で金融市場が不安定になり世界経済の先行き不確実性が大きく高まったと指摘。外需の落ち込みは「より幅広いセクターで企業の投資姿勢を慎重化させ始めている可能性を示唆している」とみている。 

 円高の影響も表れ始めた。8月景気ウォッチャーは足元と先行きともに悪化、特に製造業は足元で円高の影響を指摘するコメントが多数寄せられている。伊藤忠商事では「円高基調が変わらない下で、造船業で顕著な競争力低下が今後、他業種に広がっていく可能性は否定できない」と懸念する。また競争力の優位を紙一重で維持できていたとしても、円高で国内生産のマージン減少が続けば、企業は海外進出を加速、日本企業としての競争力は変わらずとも、国内生産は細ってしまうと指摘する。 

 <成長率見通しが下ぶれ、下支えは復興需要> 

 エコノミスト40人の見通しをまとめた「9月フォーキャスト調査」にも回復力の低下が表れている。7─9月は震災後の回復で右肩上がりのゲタをはいているため、年率5%近い成長になりそう。しかし、その後については当初想定されていた高い成長率予想は影を潜め、2%台の成長にとどまる見通しだ。12年春以降は徐々に成長率が低下していきそうだ。日本経済はもはや「下期V字回復期待はなくなった」(モルガンスタンレーMUFG証券のチーフエコノミスト・佐藤健裕氏)との声も出始めた。  

 こうした中、来年にかけて設備投資の下支え役として期待されているのは復興需要。今のところ、被災した工場や設備の復旧、がれき処理や農林水産業からの船舶需要などで、設備投資計画はそれなりに底堅さを保っている。来年にかけて第3次補正予算の成立を受けた本格的な復興需要が出てくれば、設備投資は緩やかな増勢を維持することができるとの見方が大勢となっている。 

 ただ現時点ではいまだ復興需要が本格化しておらず、農林中金総合研究所では「海外需要の減速がマイナス方向に働きやすい」とみている。また、「震災や電力不足問題、さらに法人税引き下げの見送り懸念、さらに最近の円高進行なども国内の設備投資にとっては悪影響を及ぼしやすくなっており、注意が必要」だとし、設備投資を巡る環境が厳しくなってきていることを指摘している。

(ロイターニュース 中川泉;編集 石田仁志)


06. 2011年9月08日 21:27:26: Pj82T22SRI
>>06 円高対策、日銀が取り得る次の一手:識者はこうみる
2011年 09月 8日 14:46 JST 

 9月8日、米国の景気減速など先行き不透明感が急速に高まる中、日銀をはじめ各国中央銀行はさらなる金融緩和を迫られる可能性が大きい。 

 [東京 8日 ロイター] 世界経済の失速懸念や長期化する円高に日銀はどう対応するか─。欧州ソブリン不安、米国の景気減速など先行き不透明感が急速に高まる中、日銀をはじめ各国中央銀行はさらなる金融緩和を迫られる可能性が大きい。

 日銀がとりうる次の一手について、円債市場の主要参加者15人に予想を聞いたところ、追加策は、昨年10月の資産買い入れ等基金の再増額、国債買い取り年限の長期化、付利金利の撤廃、政策金利引き下げが選択肢となり、10月6─7日の次回決定会合が実施のタイミングとの見方が多かった。   

 今月20─21日の連邦公開市場委員会(FOMC)で米国が追加緩和に踏み切れば、さらにドル安/円高圧力がかかりかねない。みずほインベスターズ証券・落合昂二チーフマーケットエコノミストは「資産買い入れ等基金の増額」が有力な選択肢とみる。また、FOMC後に急ピッチな円高に見舞われれば「臨時会合での追加措置決定もやむを得ないのでは」(SMBC日興証券・末澤豪謙チーフストラテジスト)との声も出ている。 

 円高進行の一因とされる2年物の日米金利差の縮小を食い止めるためには、より踏み込んだ対応が必要との指摘もある。東海東京証券の佐野一彦チーフ債券ストラテジストは基金の再増額に加え、1)基金を含めて買い入れる国債の年限長期化、2)超過準備に対する付利の引き下げや撤廃、3)政策金利の引き下げ――などが追加策で検討されるとみる。JPモルガン証券の山脇貴史チーフ債券ストラテジストは、国債の買い取り対象について「現行1─2年だが、これを最大5年までのばすことも考えられるのではないか」と予想する。 

 一方、追加金融緩和の副作用を警戒する声も出ている。プルデンシャルインベストメントマネジメントジャパンの坂口憲治・投資運用本部長は「政治的圧力をかわすためのポーズに過ぎず、もはや金融緩和に円高抑止効果を期待するシンプルな考え方は、現実的ではない」と指摘。 

 日銀の出方を占ううえで注目される米金融政策をめぐっては「リスク回避行動の高まりによる預金の増加が顕著であり、さらに『ヘリコプター・ベン(バーナンキ議長)』が量的緩和第3弾(QE3)を行って超過準備を増大させたら副作用が起き得る。超過準備の増大は、ある一線を越えると、かえって金融緩和の阻害要因になる恐れがある」(国内金融機関)との声もある。

 今回の調査に回答を寄せた市場参加者と予想内容は以下の通り。(1、追加策、2、実施タイミング、3、コメント)

 <アール・ビー・エス証券・西岡純子チーフエコノミスト>

 1)買い入れ基金の拡大、期間の延長。

 2)10月27日の日銀金融政策決定会合。

 3)金利に働きかけるような政策にしても、付利にしても連邦準備理事会(FRB)が何らかのアクションを起こしてからとみている。10月27日には「展望リポート」を控えているので、物価と経済を下方修正したうえで、そこで何らかのアクションをとる可能性が高いのではないか。FOMC後に円高が一段と進む場合は、臨時金融政策決定会合もあり得る。 

 <SMBC日興証券・末澤豪謙チーフストラテジスト>

 1)資産買い入れ等基金の増額。

 2)10月6─7日の日銀金融政策決定会合。

 3)臨時金融政策決定会合。実施の有無は米国の金融政策と金融市場動向次第。FOMC後に円高が一段と進むと、日銀は何かやらざるを得なくなる。円安傾向に戻れば、その間はしばらくやらないこともあり得る。

 <岡三アセットマネジメント・山田聡債券運用部長>

 1)資産買い入れ等基金の拡大。

 2)早ければ10月6─7日の日銀金融政策決定会合。

 3)9月20─21日の米FOMCで観測が出ている長期化ではなく、別のアクションを起こしたりすれば追加緩和に踏み切る可能性もある。為替と株価にらみの対応。今の日銀は防戦しかできず、マーケットのリスク度が高まったところで何か手を打っていくことになるだろう。

 <クレディスイス証券・河野研郎債券調査部長>

 1)買い入れ基金の拡大。

 2)10月27日の日銀金融政策決定会合。

 3)マーケットへのサプライズは輪番の増額、付利のカットがあるが、日銀の軸足はあまりない可能性がある。9月20─21日の米FOMCがQE3ということになれば、話しは大きく変わるが、今のところ、そのような感じはない。となると、輪番の増額もなさそうだ。実施時期については、景気・物価見通しを下げた後ではないか。

 <新生銀行・勝智彦トレジャリー本部ALM部次長>

 1)資産買い入れ等基金の拡大、期間の延長。

 2)10月6─7日の日銀金融政策決定会合。

 3)日米欧7カ国財務相・中央銀行総裁会議(G7)、FOMC後の10月までには、円高対策の一環として何らかの緩和措置を取る可能性がある。日銀単独の緩和措置はないと思う。日銀が短期国債の買い入れオペを増額して、介入しやすくする。日米金利差縮小によるドル安/円高を防衛する点がポイント。

 <JPモルガン証券・山脇貴史チーフ債券ストラテジスト>

 1)資産買い入れ等基金の拡大、期間の延長。

 3)買い入れている物の年限の延長。現行1─2年だが、これを最大5年まで延ばす。

 <セントラル短資・金武審祐執行役員総合企画部長>

 1)資産買い入れ等基金の拡大、期間の延長。

 2)10月6─7日の日銀金融政策決定会合。

 3)買い入れている物の年限の延長。2年以上にする。基金の中身の入れ替え。買い入れ基金による国債買い入れ中心に増額。

 <トヨタアセットマネジメント・深代潤運用部チーフファンドマネージャー>

 1)資産買い入れ等基金の拡大。

 2)早ければ10月6─7日の日銀金融政策決定会合。

 3)信用緩和の方向に行くのではないか。指数連動型上場投資信託受益権(ETF)などが有力か。国内要因は追加緩和をする必要はないが、外部要因に振らされた場合には、対応を迫られることになりそう。9月20─21日の米FOMC後に為替レートが動き始めたら踏み切る可能性がある。 

 <ドイツ証券・山下周チーフ金利ストラテジスト>

 1)資産買い入れ等基金の拡大、期間の延長。

 2)10月6─7日の日銀金融政策決定会合。

 3)可能性の低いものから並べると、1)付利の引き下げ。2)国債買い入れを増やす。これは日銀券ルールに抵触する可能性がある。3)買い入れ基金の拡大。買い入れている物の年限の延長。現行1─2年だが、これを最大5年まで延ばす。

 <パインブリッジ・インベストメンツ・松川忠債券運用部長>

 1)資産買い入れ等基金の拡充。

 2)10月6─7日の日銀金融政策決定会合か、為替が動揺すればその前に臨時会合を開いて決める可能性も。

 3)米FRBが何をするかによって、日銀の対応も変わってくる。その中で、基金の中身を変えることはあり得る。例えば、いま社債を買っているが、正直もうニーズはない。社債以外のスプレッド物を買って、動揺を抑える可能性がある。可能性は低いが外債購入などもあり得る。

 <バークレイズキャピタル証券・森田長太郎チーフストラテジスト>

 1)資産買い入れ等基金の拡大、期間の延長。

 2)10月6─7日の日銀金融政策決定会合。臨時金融政策決定会合。

 3)国債の買い入れ増額と年限の長期化の組み合わせ。資産買い入れが確率的には高い。実施時期の特定は難しいが、為替動向次第で、次回会合でも確率的には可能性がある。臨時があってもおかしくない。

 <富国生命投資顧問・櫻井祐記社長>

 1)当面、何もない。

 3)新政権がスタートしたばかりで、金融政策よりは経済対策ということだ。基金の増額、付利の下げが観測されているが円高・景気対策として効果があるか疑問だ。

 <フコクしんらい生命・林宏明財務部長>

 1)資産買い入れ等基金の拡大。

 3)相当後になるとみている。がい然性として高いのは基金の積み上げだろう。もっとも、為替はひとまず落ち着いており、野田政権もスタートしたばかりで、スタンスがわからないうちに動くのは得策ではないと考えているのではないか。政府の経済政策がある程度見えてきたところでやりたいはず。追加緩和するにしても相当後になるのではないか。

 <みずほインベスターズ証券・落合昂二チーフマーケットエコノミスト>

 1)資産買い入れ等基金の増額。基金による国債の買い取り、指数連動型上場投資信託受益権(ETF)の増額。

 2)10月6─7日の日銀金融政策決定会合。

 3)9月20─21日の米FOMCを見て動く。FOMC直後、為替相場の円高が急速に進んだ場合、臨時金融政策決定会合の可能性もある。

 <三菱UFJモルガン・スタンレー証券・長谷川治美シニア債券ストラテジスト>

 1)資産買い入れ等基金の拡大。

 2)早ければ10月6─7日の日銀金融政策決定会合。

 3)基本路線は10兆円の拡大で、新型オペ5兆円、資産買い入れ5兆円の増額か。10月末公表の「経済・物価情勢の展望」(展望リポート)における景気・物価見通しの下方修正の方向を踏まえて、前倒し的に動く可能性がある。

 (ロイター 金利マーケットチーム、編集;宮崎大)


07. 2011年9月09日 20:27:18: Pj82T22SRI
>>07 震災半年:円高・株安の波状リスク、対症療法もう限界に 
2011年 09月 9日 19:28 JST
 
 9月9日、震災からの半年間は、日本の金融政策と市場対応の力量が試される局面でもあった。写真は都内の外為トレーダー。7月撮影(2011年 ロイター/Yuriko Nakao) 

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 [東京 9日 ロイター] 震災からの半年間は日本の金融政策と市場対応の力量が試される局面でもあった。円高、株安とマーケットからの逆風に対し、日本の当局は円売り介入、日銀による資産購入などで応じたが、いずれも「対症療法」の域を出ていない。

 介入は企業のドル売りをためらわせ、一段の円高を呼ぶ火種を残したほか、日銀のETF購入枠の拡大が市場の活力を低下させるなど、その対症療法がもたらした副作用も小さくない。

 <2度の円売り介入、2度の円最高値更新>

 震災後、円は2度、史上最高値を更新した。震災直後に仕掛け的な円買いがあった3月17日と欧米経済不安が高まった8月19日だ。76.25円を付けた3月はG7各国が協調介入を実施。10年ぶりの政策協調にドル/円は反発し、4月6日には85.53円と今年の高値を付けた。しかしその後、海外経済の不安定化を嫌ったリスク回避の円買いが進行。これまでほぼ一貫して円高トレンドを辿っている。8月4日には4.5兆円と過去最大規模の円売り介入を実施したにもかかわらず、その2週間後には円は75.94円を付け最高値を更新した。

 為替介入の効果は限定的に終わることが多い。パニック的なマーケットの動きを止める効果はあっても、1日の取引額が150兆─200兆円とも言われる巨大な外為市場で、持続的なトレンドを押し戻す力はないことはこれまでの歴史でも明らかになっている。当時財務相だった野田佳彦首相は、8月4日のドル買い/円売り介入の効果について、「投機的な動きについて、政府・日銀の姿勢を明確に示せた」としたが、効果は一時的だった。

 円高を「投機の仕業」と繰り返す政府当局者。しかし、東海東京証券チーフエコノミストの斎藤満氏は、日本は「投機的な円高」という誤った認識に基づいて行動すべきでないと指摘する。円高には、グローバルな不確実性を背景とする投資マネーの委縮と、マネーの自国回帰という根本的な原因があるという。

 「マネーが委縮し、経常収支の不均衡をカバーできなくなると、日本は黒字なので外貨売り圧力が自然に高まり、経常赤字の米国や南欧諸国ではドル安、ユーロ安圧力となる」。日本はドル安・円高を所与の事実として受け入れ、企業レベルでも国家レベルでもリスク管理体制を一段と充実させることが重要だと斎藤氏は主張する。

 円売り・ドル買い介入は国としてのリスクを増加させる。ドル買い介入のための資金は、外国為替資金証券を発行して調達するが、これまでの度重なる為替市場介入(主にドル買い/円売り)の結果、同証券の残高は3月末で109兆3130億円に達した。ドルやドル建て資産が急落すれば、債務超過に陥るリスクがあり、そうなった場合は将来的に国民の負担になる。

 また介入には好ましくない副作用もある。円売り介入が行き過ぎると、ドルの反発力を逆にそいでしまうというジレンマだ。「(介入を受けてドルが一時的に上昇したことで)市場では一段とドル高があるかもしれないという期待感が広がり、輸出企業は一段とドルを売り遅れている。この結果、潜在的なドル売り需要は拡大した」と三井住友市場営業推進部チーフストラテジストの宇野大介氏は言う。介入期待のドル売りが残るため、結果的にドルの上昇力が弱くなるという事態が潜在的に起こりうる。

 日本と同じく自国通貨高に苦しむスイス。9月6日、スイス中銀(SNB)はフラン高抑制のため対ユーロでフランの上限目標を設定し、無制限に市場介入する異例の措置を打ち出した。同国は1978年に対ドイツマルクで同様の目標を設定した経緯があるが、「当時に比べ、為替市場の規模もスイスフランの流通規模も大幅に拡大している。今回の措置の効果がどれほど持続するか疑問だ」と(JPモルガン・チェース銀チーフFXストラテジストの棚瀬順哉氏)との見方が大勢だ。 

 ただ日本がスイスと同じような政策を取るのは難しいとみられている。円の取引シェアは為替市場でスイスフランの約3倍の19.0%を占める。「無制限介入」は事実上困難だ。

 いまのところ円高進行は一服しているものの、欧州債務問題や米経済減速懸念など世界経済が不安定化する中、「安全資産」と目される円に新たな買い攻勢が再開する可能性は極めて高い。震災でサプライチェーンが分断され、輸出に回す商品が乏しいうちは円高にも輸入原材料高を相殺するメリットがあったが、輸出力が回復するにつれ自動車やハイテクなど日本の主力産業の重しとなる。 

 そこで政府は8月24日、長期的に円高を日本のために活かそうという「円高対応緊急パッケージ」を打ち出した。1000億ドル規模の円高対応基金を設け、資金の対外流出を誘発することで、経常黒字国が抱える通貨高の緩和を狙うと同時に、円高の長期化を見込んで海外企業・資産を安価に買収できる円高メリットの活用策を盛り込んだ。市場からはポジティブな評価も聞かれるが、「融資条件なども不明で生煮えの政策」(国内証券ストラテジスト)と冷めた声も少なくない。

 <日銀のETF購入にも副作用> 

 一方、日銀による指数連動型上場投資信託(ETF)買い入れは、東日本大震災後に混乱した株式市場にとって心理的な下支えにはなったが、これについても今のところ効果は限定的だ。昨年12月の買い入れ開始から9月6日までのETF購入は30回、買い入れ総額は5805億円に達した。日銀は3月11日に発生した東日本大震災後に買い入れ枠を2回増額し12年末までの買い入れ総額を1.4兆円に拡大。6日までに買い入れ枠全体の41%を消化したことになり、買い入れ自体は順調なペースで進んでいるといえる。 

 だが、日経平均は一時1万円台まで持ち直したものの、欧州財政問題や米景気後退懸念などを背景に9月6日には終値で震災後安値を更新した。SMBC日興証券チーフストラテジストの阪上亮太氏は、「株価指数が1%下落すると買いを入れるパターンがマーケットに浸透し、一定の下支え効果を持っているのは事実。一方で株価を押し上げる効果は乏しい。リスクプレミアムの低下を促すという初期の目的も達成されていない」と評価している。 

 東証の時価総額に比べ、買い入れ額が少ない点は当初から指摘されていたが、中途半端な買い支えがボラティリティを低下させ、マーケットの活力を削ぐ副作用もあるとみられている。「不自然な株価維持策で売買高の低迷が長期化した。海外勢に対して格好の売り場を提供することにもなってしまった」(準大手証券トレーダー)との声が出ている。 

 株式市場では需要が新たな供給を生むという需給構造がある。「財務体質の悪い企業には日銀の買い支えがある間に、公募増資を行いたいとのインセンティブが働きやすい」(大手証券)。これは売買高低迷で収入に苦しむ証券会社の思惑とも合致する。時価総額比で日銀の買い入れ規模が大きいJ−REIT(不動産投信)市場では震災後、5社が公募増資を発表した。株式市場でも7月以降、公募増資の発表が相次いでいる。海外勢の売りや公募増資などの供給圧力に対し、日銀の買いは「焼け石に水」ともいえる。

 1990年のバブル崩壊後、PKOと呼ばれる株価維持政策が当局によって何度か行われてきたが、明確な効果があったという評価は聞かれない。株価下落時に限定したその場しのぎの買い支えは、結果的に株価回復を遅らせるリスクもある。

 <日銀の大量資金供給、銀行には満腹感も> 

 日銀は、東日本大震災後の3月14日と8月4日に、基金による買い入れ総額の引き上げを段階的に決め、現在、その総額は50兆円に上る。野田新政権が日銀との協調姿勢を踏襲する中、金融市場では「60兆円に達するのは時間の問題」との予測が飛び交う。

 日銀の対応は円高による日本経済の圧迫を懸念した措置だが、すでに市場にマネーがあふれ、金利が歴史的な低水準にある環境では、その効果も限られる。「政治的圧力をかわすための(日銀の)ポーズに過ぎず、もはや金融緩和に円高抑止効果を期待するシンプルな考え方は、現実的ではない」とプルデンシャルインベストメントマネジメントジャパンの坂口憲治・投資運用本部長は手厳しい。 

 急ピッチな円高進行を受けて、昨年10月に鳴り物入りで導入された資産買い入れ等基金。だが、当時の為替レートが1ドル=83円前後だったことを踏まえれば「円高抑止効果はなかった」と、ある欧州系銀行の関係者は言い切る。 

 また短期金利と長期金利の差で収益を稼いでいる金融機関にとっては、行き過ぎた金利低下は収益環境の悪化につながる。運用難がより色濃くなり、収益源が損なわれれば、本業での貸し出しがさらにおざなりになり、政府・日銀の対策は、かえって復興を阻害する要因になりかねない。

 日銀からあふれ続けるマネーに金融機関も満腹気味だ。0.1%で3カ月間と6カ月間資金を貸し出す固定金利オペは、応募額が募集した金額に届かない札割れ寸前の場面もあり、参加者からは「資金需要云々にかかわらず、大手行が暗黙にきっちり満額回答(1回あたり、2000億円程度)しなければ、日銀コミットが形がい化しかねない」(邦銀)との声も聞かれている。

 株安にせよ円高にせよ、短期的には政策対応の効果はあるとしても、長期的には日本の成長力を上げていくしか解決策はない。ゴールドマン・サックス証券・日本経済担当チーフエコノミストの馬場直彦氏は、野田首相についてこれまで現実的な方針を示していると評価したうえで「第3次補正予算を早期に成立させると同時に、環太平洋経済連携協定(TPP)の締結などを通じて日本の成長力を引き上げるべきだ。TPPには反対も多いが、韓国などがTPPによって輸出で優位に立ち始めている。TPPを実施しない場合のリスクを考えるべきだろう」と述べている。

(ロイターニュース 森佳子、河口浩一、山口貴也;編集 伊賀大記)


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