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FX(外国通貨証拠金取引)の盲点を突く提言、零細資金個人投資家は必敗する。
書店でFXの本を読んだ者は誰もが、チャートの合理性に魅せられて、これなら勝てると確信するが、実際に口座に入金して、上げると思って買えば下げ、下げると思って売れば上げる現実に直面することになる。
FXで使用される各種チャートは良く研究された科学的データーであることは万人の認めるところであるが、これらは今の時点から前の相場を科学的に明示しているのであって、明日の相場は神様でも分からないというのが相場の実像である。
余の経験則から、FXの全体像は丁半博打的な要素で9割が決まり、あとの1割がチャートによる推測で決まると見ることが出来る。
具体的な実例をを挙げて説明すると、2011年1月16日現在USD/JPYの相場は82円90銭であるが、月足・週足・日足チャートを長期的に展望してみると、1ドル85円までは円安になることが予測できる。しかし何時85円になるのかは神様でもわからない。そこで資金力豊富な者は82円90銭で買ってじっくりと85円になるまで待って売ればよい。然しながら資金力が少ない者は、今後一時的に80円より円高となった場合には、例えば資金力が豊富であれば75円まで円高になっても損切りしないで持ちこたえるべき場合であっても、損切りを余儀なくされる。なお以上の例示では、思考を単純化するため売買枚数は考慮外とした。
その結果資金力が乏しい者は予測に反した場合、止むを得ずに、資金力豊富な者に比べて早めに損切りを重ねることで損失額が増えて、遂には市場からの退場を余儀なくされることになる。方丈記ではないが、行く川のながれは絶えずして、しかも本の水にあらず。よどみに浮ぶうたかたは、且つ消え且つ結びて久しくとどまることなし。世の中のFX参加者もまたかくの如し。
4億円脱税カリスマ主婦のFXセミナーにも顔を出したことがあるが、彼女は淡々とチャートの講義を教科書どおりに喋っただけで、会場は御通夜のようで参加者に笑顔はなかった。因みに彼女はスワップで儲けたのであって、現在も儲けているようには見えなかった。
一般に、FX参加者の1割が儲けて9割が損をしていると言われているが、この1割とは1年間の勝者のことであり、5年〜10年とコンスタントに継続して勝ち続ける者は全体の1パーセント位に過ぎない。
ここに、FXはヨーロッパ市場と米国市場が重なる午後9時から午前2時(日本時間)が勝負時となる。この時間帯における参加者の脳内血流の流れは最大化して、SPECT画像で観ると赤い部分の増加が目立つことであろう。よって、負けても勝っても頭が活性化することは間違いない。
結論として、FXの世界は資金力の豊富な者に有利で、零細資金個人投資家は必敗するということである。株式投資もこれに準ずる。但し、FXや株式投資で失敗しても頭が最大限に活性化するメリットがあることも事実である。なお博打の胴元である証券会社は絶対に損はしない。顧客の数が増えるのに比例して手数料も増えて儲けることになる。
上記記載公開以降の相場経過検証結果について
2011年3月11日発生の東北関東大震災で円相場(USD/JPY)は大きく変動した。まず日経平均は大きく下落したにもかかわらず、震災で保険会社が保険金支払いに備えて、外貨資産を売却するとの憶測が一方的な円買いを誘い、円相場は3月17日海外市場では76円25銭まで急騰、東京市場でも77円15銭をつけ、1995年4月の最高値79円75銭を更新した。この相場の流れは、先進7カ国財務相・中央銀行総裁会議(G7)の合意による強調介入によって変えられた。18日の円売り介入で、東京市場では82円台まで戻した。
2011年4月6日現在の円相場は85円台前半で推移している。今後は大震災で日本の輸出が停滞し、円買い需要が減るとの見方が背景にある。市場では「87円〜88円台まで下落する」との予想も出ている。
よって、零細資金個人投資家(例えば口座入金額60万円)は、上述の具体的な実例の場合、2011年1月16日のUSD/JPYの相場82円90銭で10枚買ってそのまま持っていた場合には強制決済されて市場から去ることになる。零細資金個人投資家(例えば口座入金額100万円)の場合は、殆どの者が損切りして資金を失う結果となる。しかしながら資金力豊富な投資家(例えば口座入金額2000万円)の場合は、82円90銭で100枚買ってホールドしておいて、4月6日に85円で売り返済すれば、210万円の利益を得ることが出来たことになる。FXや株式投資では資金力豊富な投資家が有利である所以である。
追記
2011.09.13現在の高値たとえば77円で10枚買って、損切りすることなく78円になるまでじっくりキープして売れば損することはないと思われる。しかし、零細個人投資家はより円高になった場合、損切りを余儀なくされて儲けるどころか損することになる。
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