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http://news.livedoor.com/article/detail/5839245/
だんだんその主張は傲慢、高飛車、かつ支離滅裂になって来た。
5日付日本経済新聞の「野田政権 日本再生今度こそ〈2〉」という連載記事は、日本経済新聞の傲慢さを存分に発揮すると同時に、支離滅裂な内容であった。
まず、「進むべき方向ははっきりしている。首相が強調する『経済成長と財政再建の両立』が基本になる。課題は具体的にどう前に進めるかである」と、誰もが同意することを「進むべき方向」として掲げて議論をスタートさせている。
しかし、直ぐに「まずは、増税か反増税かといった不毛な政治論争に終止符を打つことが求められる」と「財政再建原理主義者」としての本性を剥き出しにした議論を展開。「増税か反増税か」という議論は「政治論争」ではなく「政策論争」であり、「不毛」と断定する日本経済新聞の態度は余りに傲慢である。
傲慢な結論の割には、その理由は極めてお粗末なもの。曰く、「『消費税の活用なしに日本の財政の持続性回復の道は見えにくい』。国際通貨基金(IMF)は今年6月、こう結論づけたリポートをまとめた」。
要するに、IMFという「権威」を借りて自らの主張の正当性を訴えようとする低次元のもの。IMFが自らの主張に都合の良い結論づけをしたのだから、これ以上の国内議論は「不毛」だという主張は、国民を馬鹿にしたものであり「売国奴」の思想である。
この記事が支離滅裂であるのは、このようにこれ以上の国内議論を「不毛」と断じた後で、「一方、財政の帳尻合わせだけ考えて、成長をないがしろにするのは本末転倒だ。成長しなければ税収は増えず、財政も好転しない」と、「消費税増税」による財政再建を「財政の帳尻合わせ」だと自ら認めているところ。
さらに記事は「日本への投資を促し、企業活力を高めるには世界で突出して高い法人税率の引き下げは不可欠。(中略)民主党政権は分配重視で、成長というパイを増やすことに冷淡という印象はなお拭えていない」と展開し、「大企業利益至上主義者」としての顔ものぞかせる。
「分配重視」という指摘は尤もであるが、個人消費を冷え込ませる可能性の高い「消費税増税による財政再建」を主張する一方で、法人税減税の実現が遅々として進まないことを以てして「成長というパイを増やすことに冷淡」と決め付けるところに、「成長」は「企業利益の確保」のことであり、GDPの6割弱を占める「個人消費の拡大」は眼中にないという日本経済新聞の本音が表れている。
将来の税収増に繋がるか不確かな「財政支出を伴う景気刺激政策」には反対し、投資や雇用を増やすか定かでない企業の「法人税減税」は必要、という主張には論理の矛盾を感じずにはいられない。日本経済新聞の主張を聞けば聞くほど、「増税か反増税かといった政策論争に終止符」を打ってはならないと思わざるを得ない。
日本経済新聞が「増税か反増税かといった不毛な政治論争に終止符を打つことが求められる」と主張した同じ日、産経新聞は「復興財源 増税より成長に知恵絞れ」という社説を掲載。
その中で「野田佳彦首相は内閣の最優先課題として東日本大震災の復旧・復興をあげている。そのためには大型の今年度第3次補正予算案を早急に編成する必要があるが、首相や安住淳財務相は、必要財源を賄うために10兆円規模の時限的な臨時増税に意欲を示している。
だが、このタイミングでの増税は景気を冷やしかねず、与党内ですら反対論が強い。なぜ結論ありきなのか。歳出削減はなお不十分だ。政府資産の売却に加え、復興基金の設立はじめ民間資金の活用などにもっと知恵を出すべきだ。増税論議でいたずらに時間を費やし、これ以上、復興を遅らせてはならない」と正反対の主張を繰り広げている。
大切なことは「結論(増税)ありきの議論」をするのではなく、産経新聞が主張する通り「経済の実態をみた冷静な議論」を通して「経済成長と財政再建の両立」すべく知恵を絞ることである。そのためには、「増税による財政再建=責任ある議論」とする先入観がこれ以上国民に伝染しないようにしなくてはならない。 (近藤 駿介)
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